魔術も呪術も一緒でしょ! 仲良くしてえええ(吐血) 作:かりん2022
「直哉、入学までの1年間はどうするのだ」
「兼道の部屋で大人しゅういい子にしとるよ」
「ほほう。加茂家の。 禪院の次期当主を囲うつもりか?」
「これはこれは、良い弟殿で! 弟ならば仕方ないのでは?」
空気がピリッとする。
「やめて俺たちの為に争わないで! ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「一年だけでいい。家にもどれ」
「嫌や!」
「弟は引っ込み思案ですし、知らない人たちの中に放り込むのは……」
実際は魔法の特訓が必要なのだ。
部屋で引きこもって特訓三昧させたい。
だが、魔法使いたちの願いはかなわない。
「授業の時に一緒にいられるようにしましょうか」
「留年みたいになるから嫌や」
「逆に飛び級しますか?」
「いーや―や! 勉強とアニメで結構時間潰せるんやで」
次期当主にそんな生活はさせられないのである。
「ならば、宿題を課そう。それが出来ねば連れ戻す」
「ああ、それは良いですね。教師を加茂から派遣しましょう」
「あの、困ります。本当に」
「別に良いんじゃねーの。攫われてたんだから、実家が心配して援助すんのは当たり前だろ。術式の知識とかためになるぜ?」
五条の言葉に、ぐっと黙る。確かに、独学はきつい。それは重々承知している。
「しかし、本当に覚えていないのか?」
直毘人が携帯で写真を見せていく。
「とーじくんや!!」
直哉は目を輝かせた。なお、記憶は封印してあるので、素の反応である。
「は?」
「ウケる。パパ負けてんじゃん」
「この男を知っているのか」
「とーじ君強いんやで! 僕が連れてかれるときも、最後まで……???」
「……なるほど」
「もっと思い出せるか、禪院 直哉。誰に連れて行かれたんだ」
「よう思い出されへん……でもとーじ君は格好良かったんや!!」
「ならばこれを教師につける。この男からなら学ぶな?」
「ええの? 僕、頑張る! この人あれやろ、僕の本物のお兄ちゃんなんやろ! あんな必死に助けようとしてくれたんやし」
「ほ、本物のお兄ちゃん!?」
ショックを受けて兼道が蹲る。
「甚爾お兄ちゃんをあまり悲しませるなよ。お兄ちゃんの所に帰るか?」
「捨てないで直哉!!」
明らかに迷い始めた直哉に縋る兼道だった。
なお、記憶を封印されているので直哉の反応は素である。
そういうわけで、東京校は特別教師を迎え入れることとなった。
翌日。
「あー。甚爾お兄ちゃんだ。とっとと禪院家に帰れ。あと俺は独り立ちしてるから」
「とーじ君! 僕も大人になったらとーじくんみたいにひとりだちするんや!」
「ざけんな、ぶん殴るぞ」
「手合わせしてくれるんか!?」
死んだ目をした甚爾と裏腹に、直哉が好き好きオーラを出している。記憶を封じられている分、素直である。
好意の矢印はどこまでも一方通行だが。
直哉が戦闘訓練に勤しんでいる間、兼道は兼道で薬の山や弓の特訓に閉口していた。
言うまでもないが、単純に弓は練度の必要な道具である。後、血を出すのしんどい。
家系図とか含むいろんな勉強も入ってきて、ホント勘弁して。
「それで、はがきは50円切手、封筒は80円切手なのだぞ! この僕は前田さんに手紙を出したこともあるんだ! ちゃんと届くんだぞ、凄いんだぞ」
「輪はちょっと不思議ちゃんだねえ」
「お前も誘拐されてたんじゃねーの?」
夏油、精一杯のフォローを硝子は切って捨てていた。
「俺だって手紙出したことあるぜ! ポストに自分で入れた!」
「なん……だと……」
「そこは同レベルで争うな、悟」
「冗談だよ。お前、面白いな。輪。雑魚なんて嫌いだったけど、お前は守ってやるよ」
「はぁ!? この僕が雑魚だと!?」
「(ちょっ 魔法を使っちゃ駄目だよ!)」
「ついでに傑も守ってやるぜ」
「は? この私が雑魚だって?」
呪霊を出す夏油。お前輪を止めていたんじゃなかったのか。警報がけたたましく鳴る。
「騒がしいクラスだな、おい」
タバコに火を付ける硝子。当然未成年である。
夜蛾は胃を抑えてうずくまった。
あれ、主人公がもしかしてボッチ……?(焦り)
直哉と仲いい設定だったのですが……。