とある鎮守府の戦争~灰核事件編~   作:秋月雪風

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第三章(艦娘の真実)

午前1時前

 

秋風市内

 

敵兵1「しかし、この街の連中はすんなりと従うな」

 

敵兵2「ああ。どっかの反乱しまくってる所とは大違いだ」

 

敵兵3「街はきれいだし市民は従順だしめしはたらふく食える。しかし今日はやたら静かだな」

 

敵兵1「そうだな~。まあ、たまに静かだしそんな習慣でもあるんだろ」

 

同じ頃、秋風市郊外

 

大野「・・・あいつら、全く気づいてないな」

 

海兵隊員1「基地のことは知らないようですね・・・」

 

大野「それは軍人として終わってるな・・・、銃声ぐらい気づけよ・・・」

 

海兵隊員2「隊長、全部隊配置が終わりました。あと弥生さんから連絡です」

 

大野「わかった」

 

大野は野戦電話を取った。

 

大野「弥生さん。敵の規模でも分かりましたか?」

 

弥生「うん」

 

大野「しかしどうやって連絡してるんですか?熱探知と無線は全く別の部屋ですよ?」

 

弥生「船の熱探知装置を私の目で代用してる」

 

大野「・・・そういえば船と同化してるんだったな。それで規模は?」

 

弥生「ざっと200ぐらい。あと対戦車砲や対空砲とかもある」

 

大野「了解。・・・あと2分か・・・。攻撃準備」

 

海兵隊員「了解」

 

大野「・・・よし、突撃!」

 

海兵隊の歩兵部隊の銃声を合図に奪還戦が始まった。

 

海上に配置していた装甲隊も次々に上陸、さらには弥生の熱探知装置や航空機の偵察で敵の場所を把握していた。

 

大野「第二第三部隊は右翼の戦車隊と合流して敵の対空砲陣地の破壊、第四第五部隊は左翼の戦車隊といっしょに対戦車砲の破壊をしろ!残りは俺についてこい!」

 

互いに200人ほどしかいなかったが、奇襲による先制攻撃や故郷を奪還するため士気が高いなど海兵隊が有利な状態なため徐々に敵は押されていった。

 

敵兵「や、やばいな・・・。全員宇角丘に戦力を集めろー!撤退だー!」

 

各地から押された敵部隊は秋風市から撤退、郊外にある宇角丘に防衛戦を構築、奪還戦最後の戦いで一番の激戦となった宇角攻防戦が始まった。

 

この時の戦力は海兵隊は約200人、対して敵防衛部隊は約150人だった。

 

数では有利だったが偽装させた野砲や機銃があり激しい銃撃戦になった。

 

大野「・・・どうするか・・・。んっ?」

 

大野の無線が鳴った。

 

弥生「今から宇角丘に砲撃をします。退避してください」

 

大野「了解。全員撤退!下がれ!」

 

海兵隊は急いで降りていった。

 

敵兵1「なんだ?退いてくぞ」

 

敵兵2「追いかける・・・何の音だ・・・うわっ!」

 

弥生から放たれた砲撃が次々に着弾した。

 

大野「・・・よし、今だ!一気に制圧しろ!」

 

海兵隊は反転再攻撃をした。

 

この再攻撃と砲撃で士気が減った敵部隊は遂に降伏、こうして秋風市奪還も果たした。

 

最終的に敵防衛隊は、282名死亡、21名負傷、47名投降でほぼ全滅したが、海兵隊も72名死亡、62名負傷、車両12両大破と甚大な被害が出たものの秋風島奪還を成功させた。

 

この大敗後反乱軍は次々に制圧され、3ヶ月後に最後の鎮守府が降伏、灰核事件は終息した。

 

灰核事件から1週間後

 

瀬戸内海を航行する弥生艦内

 

秋雨「・・・いい加減教えてくれ。なんでこのメンバーで対馬鎮守府に行くんだ?」

 

響「・・・それは着けば分かるよ」

 

艦には秋雨雪翔、響、三日月、吹雪、弥生、そして大野が乗っていた。

 

そして対馬鎮守府に着くと会議室に案内された。

 

秋雨「失礼します」

 

部屋には対馬鎮守府の提督、佐藤忠清が座っていた。

 

佐藤「遠路はるばるご苦労様。まあ座ってくれ」

 

吹雪「では私達は外で待ってます」

 

吹雪達は部屋を出て部屋に残ったのは佐藤、秋雨、大野、響の3人が残った。

 

佐藤「まずは、反乱の鎮圧お疲れ様でした」

 

秋雨「お疲れ様でした。それで反乱の首謀者とかはどうしました?」

 

佐藤「すでに処刑した。しかしこれで人材不足になったな・・・。予定では今度一部の提督を集めて今後の配置を決める会議をするんだ」

 

秋雨「誰が参加するんですか?」

 

佐藤「まず俺ら2人と佐渡基地の不破と硫黄基地の長谷川と沖縄基地の静馬だな」

 

秋雨「・・・呉の平井提督や佐世保の酒梨提督は?」

 

佐藤「死んだよ。この周辺の提督はその5名だけだ」

 

秋雨「・・・分かりました。そのときにまた連絡を」

 

佐藤「おう」

 

響「・・・って、本題まだじゃん」

 

秋雨「あ、そういえば着けば分かるって言ってたけど・・・」

 

佐藤「・・・響、本当に話すのか?」

 

響「話した方がいい。いつまでも隠していてもむずむずするし・・・。話したらスッキリすると思うよ、父さん」

 

佐藤「それもそうか」

 

秋雨「と、父さん?響、どういうことだ?」

 

佐藤「秋雨、いや、雪翔君、これを見てみろ」

 

佐藤は秋雨に写真を渡す。

 

そこには小さい時の秋雨、佐藤、大野、響、吹雪、弥生、三日月と知らない人達が一緒に写っていた。

 

秋雨「こ、これ、は?」

 

佐藤「君が、まだ7歳の時の写真だね。君の近くにいるのがご両親だよ」

 

秋雨「・・・し、しかし、なぜ響達も・・・」

 

佐藤「まず、違和感がないか?例えば、なぜ大野大将は睦月ではなく弥生を選んだか、とか。響達が他の子より怪我の治りが遅い、とか」

 

秋雨「た、確かに、変ですね・・・」

 

佐藤「・・・君は、1979年まで行われていた実験を知ってるか?」

 

秋雨「い、いえ・・・、どんな実験でしょうか?」

 

佐藤「・・・人を艦娘にする実験だ。ほとんど失敗してるが」

 

秋雨「・・・もしかして」

 

佐藤「ああ。君の姉と妹と私の娘、そして大野大将の長女も実験体にされた。そのショックで君は記憶をなくし、ご両親は亡くなられた・・・」

 

大野「・・・そりゃあ、相当なショックだったろうな・・・、おれもしばらくは寝込んだよ・・・。娘達と遊んでたらいきなり連れていかれたんだから・・・」

 

佐藤「俺もだ・・・。それでなんで連れていかれたか調べるために提督になったんだ。そしたらこの実験のためだったっていう・・・。おまけに実験は失敗して死んだと言われたよ」

 

響「ひどい言われ方だね。ここにいるのに」

 

佐藤「ああ。ほんとにな。しかしこうして娘と出会えたのは奇跡だよ」

 

大野「俺もだ」

 

秋雨「俺も、記憶はないですが・・・、それで、佐藤提督と大野大将と父親はどういう関係ですか?」

 

大野「俺らは中学からの付き合いでな。・・・そうだ俺らで決めた約束ごとどうする?」

 

佐藤「それだ。どうする?大野」

 

響「私はいいよ。それとも弥生も候補にする?」

 

大野「・・・いや、響がいいだろうな」

 

秋雨「何の話ですか?」

 

佐藤「もしそれぞれに子供ができた時はそれぞれの子供同士で結婚させるっていう約束を決めててな。もちろん本人の意見は尊重するけど」

 

響「記憶にないと思うけど、あなたと同い年なんだよ。それで、まあ、あれだ・・・」

 

響の顔が赤くなる。

 

響「付き合って、くれないか?」

 

秋雨「・・・い、いいけど、響は本当にいいの?」

 

響「・・・うん」

 

秋雨「・・・じゃあ、これからも、よろしく」

 

大野「やったな」

 

佐藤「ああ。あいつにも報告しにいかないとな」

 

響「・・・父さん、いいよね?」

 

佐藤「・・・ああ、おめでとう。雪翔、これから娘をよろしく頼む」

 

秋雨「は、はい!」

 

大野「じゃ、そろそろ行くか?」

 

秋雨「・・・うん。それでは、失礼しました」

 

秋雨達は敬礼して部屋をあとにした。

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