星達のオーケストラ   作: 龍也/星河琉

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第53話 刻む韻律、ずれる心。

 ラブライブ地区予選の課題が提示されて2日後。スクールアイドル部一同は屋上での練習の前に、まずは自分達に出された課題である『ラップ』をどれだけできるか皆で試していた。今は普段のものと違う服装のかのんが曲に合わせて即興でラップを歌っている。

 

「Hey YO! 私の名前は澁谷(しぶや)かのん♪ 澁谷といっても渋谷は苦手……ううっ。言葉が……出てこない……」

 

 ラップを続けられないと判断したすみれがスマホの画面を押して曲を停止する。ラップ特有の同じ言葉やフレーズで韻を踏む歌い方がかのんの言葉を詰まらせる。今まで自分達が使ってきた歌唱法とは大きく異なるが故に、かのんは勝手が掴めずに肩を落とす。

 

「ラップは元々ストリートから始まってるものだからねー。覚えるのにはちょっと工夫が必要かも」

 

 千砂都(ちさと)が軽くラップのルーツを補足し、それを聞いた(れん)がかのんと音羽(おとは)の服装を見て目を丸くする。

 

「ではまさか、音羽くんとかのんさんの服装が……正式衣装……?」

 

「そうみたい。かのんちゃんと一緒に、昨日渋谷の洋服屋さんで買ってきたんだ!」

 

「『ラッパーっぽい服を探してる』って言ったら店員さんがすぐ持ってきてくれて、私とおとちゃんの服を見繕ってくれたの! さすが、流行の最先端の街は違うよねぇ……」

 

 音羽とかのんの2人はラップについての情報を頭に入れるだけでなく服装もそれらしくしてみようと提案し、説明会の翌日に2人は渋谷に足を運んで互いに洋服を購入し、早速その服を身に纏っている。かのんは白と黒のツートンカラーのパーカーに赤いキャップ、そのキャップには派手なサングラスが乗せられている。音羽は白い無地のパーカーに黒のオーバーオール、頭にはオレンジ色のニット帽が被さっており、そのニット帽には八分音符が描かれたシンプルな物と、五線譜の上に3つの音符が並んでいるタイプの2つの缶バッジが付けられていた。妙に本格的な服装をした2人を見ながら、千砂都は苦笑を漏らす。

 

「もしかして2人とも……形から入るタイプ?」

 

「えへへ……そっちの方が気合い入るかなって思ったけど、実際やってみるとあんまり上手くいかなくて……」

 

「僕も同じく……音が取りにくいし、1度でもズレるとそこからどんどん崩れていくから難しいんだよね……」

 

 張り切って実践に移ったかのんと音羽共々ラップを用いた歌唱に苦戦を強いられている様子である。音羽は他者とは違う特殊な感性を持っているものの、曲に韻律を合わせるのが自身が思う以上に難易度が高いらしく、聴こえる音を音階として認識する彼にとっては自身が発する言葉と音程の多少のズレが徐々に不協和音に繋がっていき、歌唱に至らない状態になるようだった。かのんと音羽が厳しいのであれば、他のメンバーにお願いする他無い。椅子にもたれかかりながらかのんが千砂都に声を掛ける。

 

「やっぱりちぃちゃんやってよ! 歌と違って難しいよぉ……」

 

「わかった! ラップはダンスの教室とかで何度か教えてもらったことがあるから、やってみるね!」

 

 千砂都はかのんが被っている帽子に乗せられているサングラスを取ってそれを掛けつつ、すみれに再度曲を流すように合図する。すみれは合図に従ってスマホの再生ボタンを押した。スマホから曲が流れると同時に彼女は軽快な動きと共にラップを刻み始めた。

 

「Hey YO! わたし千砂都♪ (あらし)千砂都♪ 生まれはこの辺! 特技はダンス♪ 嵐を呼ぶっすちぃちゃんダーンス♪」

 

 かのんよりもスムーズに言葉を発しながらラップを披露するも、千砂都は部室の床を用いてブレイクダンスを始める。柔軟な身体と体幹を利用して繰り出されるその技巧に音羽は感嘆と羨望の声を漏らす。一通り回転し終わったところで動きを止め、身体を床に密着させた状態で皆にピースサインを見せた。

 

「……Hey!」

 

「あのー……ラップは?」

 

「はっ! そうだった!」

 

 横からかのんにそう指摘され、千砂都はすぐさま我に帰る。いつの間にかラップではなくダンスがメインとなってしまっており、身体を起こしながら彼女はからりと笑う。

 

「いやーごめんごめん。ダンスが始まるとついそっちの方に夢中になっちゃうんだよねぇ……」

 

「千砂都さんは、やはりダンスで他のグループに差を付けてほしいので……この役目は不向きではないかと」

 

 千砂都のダンスの技術を改めて見た上で、恋が冷静に思ったことを口にする。『適材適所』という言葉があるように、優れた技術を持っているのならそれを最大限に活かせる場やポジションが必要であると恋はそう感じており、彼女の言葉は千砂都のダンスの腕前を高く評価した上での正当な感想であった。

 

「となると……」

 

 かのんが椅子に座している恋をじっと見つめ続け、その視線に気付いた恋は慌てた様子でかのんと千砂都の方へ体を向ける。

 

「わ、私は無理ですっ! 何も知らないのですから!」

 

「大丈夫! とりあえず韻を踏んで、思ったことを歌にすれば良いだけ! 恋ちゃんそういうの得意そうだし、きっとできるよ!」

 

「Hey! まずは自己紹介とかやってみちゃおうYO!」

 

 かのんと千砂都に促されるまま、恋の頭にはかのんが先程まで被っていた帽子と目元には千砂都が拝借したサングラスが着けられる。

 

「自己紹介……韻を踏んで……?」

 

 事前準備も無く急に自分にラップを歌うように振られたが為に戸惑う恋。『韻を踏む』という言葉に何かを思い付いた彼女は瞬時に筆と短冊を取り出し、自身が思うことを声に出して歌にする。

 

「秋茜 歌に猶予(いざよ)う 葉月(はづき)恋 思いは未だ 十六夜なり」

 

 五七五の一定のリズムで曲を歌い上げた恋。透き通るような恋の歌声と秋を感じさせる詞。だが、それはラップと言うには余りにもかけ離れた代物であった。

 

「おぉ〜! 恋ちゃん上手!」

 

「おとちゃん、感心してるけどこれは俳句……」

 

「短歌ですっ! 『韻を踏め』と言ったではないですか!」

 

 かのんの『俳句』という指摘に恋は目くじらを立てて短歌だと主張する。彼女は唯一自分が詠った短歌に好感を示してくれた音羽の為に、詞の概要を説明し始める。

 

「ちなみにこれは、『躊躇する』という意味の『猶予う』と、16歳である私の『十六夜』をかけているのです!」

 

「そんなにすぐ意味を込められるの、僕は凄いと思うよ! ねっ? 皆もそう思わない?」

 

「音羽くんっ……!」

 

「いや、どうでもいいんだけど……」

 

 退屈そうに髪をいじりながら恋の言葉を聞いていたすみれが音羽の問いに対して一言で恋が生み出した詞に無関心であることを告げる。ラップを練習するという趣旨が気付けばラップからかけ離れた個性的且つ自由すぎるものばかりが生み出される状況に、すみれはいつも通り頬杖をついて様子を窺っていた。

 

「恋ちゃんもダメとなると……可可(クゥクゥ)ちゃん!」

 

「Hey YO! ──! ────。────!」

 

「……うん。中国語になっちゃうし……」

 

 かのんが可可にラップを歌うように頼むと彼女はすぐにリズムに乗って歌い始めたのだが、日本語で韻を踏むのが慣れていないのか全て中国語の物になってしまっていた。かのんは勿論、他のメンバーも可可が何を言っているのか理解できず、可可にラップを任せるのも最適とは言えない状態であった。

 

「そうなると、残るはすみれちゃん?」

 

「えっ?」

 

「そうだね。すみれちゃんなら上手く歌えるかも!」

 

「Hey YO! すみれちゃんも歌ってみようYO!」

 

「すみれさんでしたら、もしかすると……!」

 

 かのん達が最後に残ったすみれに視線を移すと、彼女の隣に居る可可が猛烈な勢いで反発し始める。皆すみれのラップに期待する中、可可1人だけがそれを良しとしていなかった。

 

「無理デス! 大切なラブライブのサイショの課題デスよ! 皆サンよりポテンシャルが低いコノ人に任せるワケには……」

 

「……Hey YO! お見知り置き〜に自己紹介♪ でも結高の皆にしとこうかい! 私の名前は平安名(へあんな)すみれ♪ AB型〜の神社の娘! Hey!」

 

 可可の言いたい放題とも言える発言を耳にしたすみれは、自信あり気な様子で曲を再生し、まるで見せつけるかのように皆の前で自己紹介も兼ねたラップを席から立ち上がって歌い始める。皆が披露したラップと比較すると彼女のラップは韻がしっかりと踏まれており、歌に乗せて伝える事柄の自己紹介も完璧に出来ている。文句なしのラップを見せたすみれに、一同は開いた口が塞がっていなかった。

 

「マジデスか……」

 

「すごい……」

 

「即興でそんなに歌えるなんて……」

 

 正直すみれに期待していなかった可可、そしてかのんと千砂都が驚いた様子でそう呟く。窓際に脚を組んで座るすみれが、皆に特有のハンドサインを向ける。その左手首には音羽が先日渡したネックレスである星結びが巻かれており、星の形をしたチャームが音を立てて揺れた。

 

「フンッ。これでも小さい頃からショウビジネスの世界で場数は踏んでいるの。アドリブだったら負けないわ!」

 

 すみれの言う通り、普段の練習でもショウビジネスの世界で培った経験は確かに活きており、物覚えの良さやセンスは他のメンバーよりも優れている。現に一同が苦戦したラップをすみれは赤子の手を捻るように簡単にやってみせた。その事実から、かのんはラブライブ地区予選においてすみれのラップが鍵になると確信する。

 

「これは……いけるっ!」

 

「すみれちゃんなら、いけそうな気がする!」

 

 ストリート衣装のかのんと音羽が目を合わせ、地区予選に向けてのフォーメーションをどうするのか自ずと2人の中から答えは出されているようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日も屋上でダンスの練習をすることになり、練習着に着替えたかのん達。新曲で使う動き合わせをする為に5人はそれぞれの位置に並び立つのだが、いつものフォーメーションとは異なり、普段は真ん中に立つことのないすみれが今日はその場所に立っていた。その違和感に一拍遅れて気付いたすみれが首を左右に振って皆の顔を見る。

 

「……あれ? これってもしかして……?」

 

「どうしたの? すみれちゃん」

 

「あなたが歌わなければ始まりませんよ?」

 

 以前センターを務めたことのあるかのんと恋がすみれに声を掛け、彼女は状況が飲み込めない様子で目を白黒させるが、今自分が立っている位置と、恋の発言。この2つを合わせて考えてみると、なんとなく察することができた。

 

「ちょっ……ちょちょちょちょっと待って!?」

 

「どーしたの?」

 

 千砂都も不思議そうにすみれに話しかけると、彼女は皆の方へ体を向けてぎこちない動作をしながら口を開いた。

 

「いや、その……ええと、つかぬことをお聞きしますが……この位置というのはもしかして……?」

 

「センターだよ? 今回の課題のところだし、1番目立つところで歌ってもらった方が良いと思って!」

 

「ククは反対デシタが……千砂都と音羽がソウ言ったノデ……」

 

 千砂都がすみれにそう説明し、可可は断固として反対していたものの、千砂都やかのんと音羽の考えを聞いて渋々その提案を飲んだことを彼女は些か不服そうな声音ですみれに伝える。だが、今のすみれには可可の機嫌や反対していたか等は頭の外だ。『センター』。ステージで最も目立つ、観客の視線が集中しやすいその位置。そう簡単には立てないと思っていたそのポジション。そこに自分が選ばれた。その事実と、『センター』という単語がすみれの脳内をぐるぐると駆け巡る。

 

「ほー。……んっ? ええっ? ええええッ!?」

 

 すみれの中でセンターに選ばれた事実が腑に落ちた瞬間、頓狂な叫び声が屋上に響いた。珍しく取り乱した様子のすみれを見て、かのんは苦笑いを漏らす。

 

「今?」

 

「だって私よッ!? 私がセンターで、良いったら良いの!?」

 

「うん。だから、さっき言ったでしょ? それにちぃちゃんとおとちゃんが決めたことだし、私もすみれちゃんが良いなって思ったから!」

 

「いや……でもっ……」

 

 いつも皆に見せる彼女の強気な態度が何故だか今回は失せており、幾分か自信無さげな態度を露わにして戸惑い始める。それを見た可可があからさまに顔を顰め、皆に聞こえるような声量で溜息をついた。

 

「……ヤハリ変えた方が良いのではナイデスか?」

 

 低い声で、本心から気に入らなさそうに可可は一言そう言い放った。彼女の言動にどこか皮肉めいた印象を抱いた恋は、静かに可可に理由を問う。

 

「どうして、そう思うのです?」

 

「コノ人は……イママデだって真ん中に立つコトができずにココまでキタのデス! ソレはヤハリ向いてイナイからとイウカ……」

 

「それ言ったら、私だって歌えなかったよ?」

 

「私は、ステージに立って歌う事自体が初めてに近いですし……」

 

 かのんは以前、人前に立って歌うことができずに自らステージに立つ事を諦めようとした過去がある。その時と今では状況が違えど、可可はそんなかのんを優しく諭し、彼女の真っ直ぐな想いを受け取ったかのんは大人数の観客を前にして歌えるようになった。大勢の前で歌う事はそれ相応に不安や緊張が伴い、ともすれば恐怖にもなり得るものだ。恋もラブライブという大きなステージで歌うのが初めてというのもあり、不安の気持ちが大きいのは誰でも同じである。それをすみれに対しては『向いていない』と決め付け、彼女をセンターから外させようとするのは紛れもなく理不尽に値する行為であり、かのん達がそれを良しとする筈が無い。

 

「デスが……」

 

「今までは今まで! 大切なのはこれからだよ!」

 

「そうそう! 『Liella!』と同じで、これから色々始まって良いんじゃないかな?」

 

 かのんと千砂都の言葉を聞いて可可は少し俯く。一連の様子を見た音羽は座っていたベンチから立ち上がり、ゆっくりと可可達の方へ近付いていった。

 

「皆の言う通りだよ、くぅちゃん! すみれちゃんにだけそんなに厳しくしちゃダメだよ?」

 

「音羽マデ……」

 

「……それにさ。僕はすみれちゃんに対して()()()()()()()()()なんて思ったこと、1度もないよ」

 

「……!」

 

 にこやかな笑顔で音羽はそう言ったが、その口調には可可に向けて明らかな怒気が込められていた。先程可可が言っていた言葉が音羽にとってはどうしても看過することができなかったようだった。彼の言葉で周りの空気が一変し、かのんと恋の背中に悪寒が走る。可可は初めて見る音羽のその様子に一歩後退り、手を震わせる。

 

「み、皆サンがソウ言うナラ……音羽、ゴメンナサイ……」

 

「ううん! 気にしないで! 僕も、ごめんね。くぅちゃんが反対してるのに無理言ったりして。でも今回は、すみれちゃんにセンターポジションやってほしいって思ったから……」

 

「音羽が謝るコトありマセン! 音羽と千砂都が決めたコトなら、ソレを信じマス!」

 

 ただならぬ空気を感じ取った可可は素直に折れ、すみれがセンターに立つことの了承の意を示した。可可に謝られた音羽は優しい口調で可可を諭し、彼もまたすみれをセンターにするのを可可が反対している中で通してしまったことを謝る。可可から見ても音羽に非は無いというのに、謝罪の言葉を掛ける彼の優しさを可可は改めて感じ取りつつ、笑顔で納得の意向を見せた。そして可可は暫く見ないうちに屋上の入口付近に移動していたすみれに目線を向け、真剣な表情で彼女に話しかける。

 

「トニカク! センターに立つ以上は、マジメにヤルのデスよ! スクールアイドルをアマく見たりシタラ……承知シマセン!」

 

「わ、わかってるわよ! ショウビジネスの世界で生きてきた私をなんだと思って……」

 

「ソレが甘く見てるとイウのデス! コトシのラブライブはトクに難しい戦いデス! ホンキで頂点を目指すツモリでイテくだサイ!!」

 

 音羽や千砂都がすみれを信じて任せた以上、その信頼に背くような行為を可可は許せない。任せられた以上は真面目に、気を引き締めて練習に臨むように可可はすみれに念を押すが、彼女の態度が気に食わなかったのか声を張り上げながら詰め寄り、すみれは思わず耳を塞ぐ。今年のラブライブが大きな大会だということは説明会に行った段階で嫌と言う程理解している。それを改めて可可から強い語気で再認識させられ、すみれは静かに彼女の言葉に頷いた。

 

「わ、わかったわよ……」

 

 珍しく自信が無さげなすみれを見て、音羽も可可の後を追うように彼女に近付き、少しでもすみれを安心させる為に柔らかくはにかむ。

 

「大丈夫だよ、すみれちゃん。色々不安かもしれないけど……僕達がすみれちゃんをサポートするから!」

 

 音羽に励まされたすみれは、気恥ずかしさからかすぐに目を逸らし、音羽の笑顔に釣られてすみれも少しだけ笑った。

 

「っていうかあんた、いつまでその服でいるつもり?」

 

「えっ? 今日1日このままでいようかなって思ってたけど……やっぱ似合わない?」

 

「……似合ってないとは言ってないでしょ。ま、悪くはないんじゃない?」

 

「ほんと!? 良かったぁ……」

 

 この短い間に表情が二転三転する音羽を見て、すみれは自身の心から徐々に膨れ上がる感情を認める。けれど、音羽が自分を特別視している訳ではない。きっとセンターがすみれ以外の誰であっても同じことを言うのだろう。そう思うと、胸に棘が刺さったような痛みが襲い来る。風船の内部の空気が抜けて萎んでいくように、膨れ上がった感情がすみれの中から徐々に抜けていく。音羽のその笑顔も、言葉も、仕草も、優しさも。何ら特別ではない、他の誰かにも一律に向けられているもの。スクールアイドル部の、『Liella!』の仲間として自分を励ましているだけに過ぎない。そう感じたすみれの顔がほんの一瞬歪んだが、悟られないようにすぐに元の表情に戻す。

 

「音羽。見てなさい。あんたを、ギャフンと言わせてやるんだから」

 

「? う、うん! そうこなくっちゃ!」

 

 いつものすみれに戻ったような言葉を聞いて、音羽は安堵したように頷く。それは誓いか、戒めか。或いはその両方か。淡い期待と計り知れない不安を抱えながらも、すみれは強気な態度で彼にそう言ってみせたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そんな目で、私を見ないで。




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