友人からのリクエストでスズカとテイオーを登場させるお話が欲しいとの事、たぬきの使用はダメと言われてないからセーフでしょう。
続編のようなものですが、直接的な繋がりはありません。
幻の島、トレセン島は実在した!
今回、この島を調査すべく3名の調査員が送り込まれた。
「とゆーわけで、この島に生息している幻の生物を捕まえんぞ」
密林地帯でそう言うのは探検服姿のゴールドシップ。
「ここ…どこ?」
「こんなに草木が生い茂ってると走れない…」
何が起きたのか理解できていないジャージ姿のウマ娘、トウカイテイオー、大体いつも通りのサイレンススズカ
2人はトレーニングの準備運動中に突然現れたゴールドシップによってこのトレセン島に連れてこられた。
「さっきまで学園にいたのに何でボク達はジャングルにいるの?」
当然の質問をゴールドシップにぶつけるテイオー
「ワームホールってやつよ」
「確か、時空にある一点から別の離れた一点へと繋がるトンネルみたいなので元々は虫食いの跡が…」
ゴールドシップの答えに捕捉するように話すスズカ。
「スズカも真面目に答えなくていいから!というかなんで知ってるのさ!」
「まーまー、目的の生物を捕まえたら帰るから少し付き合ってくれや、見つけられなくても夕方くらいにここ出れば門限までには帰れっからさ」
「このジャングル、日帰りで帰れる距離にあるの!?」
ジャングルの奥へと進むゴールドシップと巻き込まれた以上諦めて着いて行くテイオーとスズカ、ジャングルではあるが思っていたより気温も湿度も高くなく過ごしやすい環境だ。
「ねーゴルシ、結局ここってなんなのさ」
「知らねーのか?ここはトレセン島と呼ばれるところでな、特徴としてはどの図鑑にも載っていない独自の生命体が多数生息している幻の島さ、細かい事は実際に見てもらう方がはえーな…そこだ!」
ゴールドシップは近くの藪に手を突っ込むと何かを掴んだらしくこちらに見せてきた。
「ナ゛ァァァァ!!!」
「ちょっうるさっ!」
「うぅ…」
突然の大音量にテイオーもスズカも耳を押さえる。
ゴールドシップは動じていない。
「こいつはマチカネフクラガエル、危険を感じるとでかい叫び声を出して相手を威嚇するんだ、特徴は頭にある達磨や四葉のクローバーっぽいツノがある事だ」
「フンギャロー!フンギャロー!」
マチカネフクラガエルと呼ばれる蛙はジタバタしながら叫び声を上げ続ける。
「何故かしら、とても騒がしいのに妙な親近感が湧くわ…」
スズカは興味津々にマチカネフクラガエルを指でつつく
「アー!ゴムタイナー!」
しばらくの後、マチカネフクラガエルを藪に戻すゴールドシップ。
「とまあこんな感じで通常の生態系にはない謎生物だらけの島なんだここ」
「納得したけど納得できないような…というよりここ外国?」
「んなわけねぇだろ日本に決まってんだろ」
「国内かつ、日帰りで帰れる距離にあるんだ…幻なのに」
「さて、ターゲットをサクッと見つけるために今回は現地の協力を仰ぐ事にするか」
「協力?」
ゴールドシップは胸ポケットから1枚の写真を取り出す。
写真にはパフェを幸せそうに食べているマックイーンが写っていた。
「マックイーンの写真?これをどうするの?」
「まー見てろって」
ゴールドシップは写真を地面に置く。
しばらく待っていると草陰から何かが飛び出してきた。
「よし来たな」
「えっ何これ」
「これは…何?」
ガッツポーズを決めているゴールドシップと困惑する2人。
2人の目の前にはマックイーンの写真を持って喜ぶ、ウマ娘が着るような黒と緑色の市松模様の勝負服を着た小さな生物がいた。
「おっし!んじゃあ頼むぜ」
謎の生物は頷くとそのまま歩き出そうする。
「いやいや、ストップストップ!」
「んだよ、テイオー」
「ゴルシ、あれ何?」
「何ってたぬきだろ」
「たぬき…なの?」
スズカは謎の生物をまじまじと見る。
「紹介が必要か、こいつはスグニゲテという名前のたぬきだ、それ以上でもそれ以下でもましてやそれ以外の何者でもない」
スグニゲテと呼ばれるたぬきは振り返ると2人にお辞儀をする。
「ど…どうも」
「ええと…こんにちは?」
スグニゲテは特徴的な瞳で2人をじっと見た後、再び歩き出した。
「うっ…何だろう、あの目で見られるとやる気が無くなりそうな気がする」
「そうかしら?可愛い目だと思うけど」
「ほら2人ともぼさっとしてんな行くぞー」
密林を進む3人と1匹。
「ねぇねぇゴルシ、ふと思ったんだけどさ」
「何だ?」
「スグニゲテってすぐ逃げてって日本語にもなるじゃん」
「おう、それで?」
「でさ、英語で言うならジャストアウェ…」
「シャラップ、テイオー!あいつが反応してるぞ」
スグニゲテがものすごい速さでジャングルを走る。
慌てて追う3人、たどり着いた先にいたのは眼鏡をかけた物凄い毛量のたぬきとその側ではしゃいでいるスグニゲテであった。
「あちゃー!当てが外れたか」
「ゴルシこれは?」
「こいつはケルヌンノスというたぬきの一種だ、特徴は見て分かるとおり毛量が凄い、あとでかい」
でかいという言葉に反応したのか抗議するようにジタバタするケルヌンノス。
「こいつには悲しい逸話があってだな、話すと長くなるから割愛するけど」
ゴールドシップはケルヌンノスの側で今だに喜んでいるスグニゲテの肩を叩く。
「次はほんと頼むぜ、なあ?」
いや違うんだ話を聞いてくれと言うように慌てているスグニゲテ。
「ね…ねぇ2人とも」
そんな中、スズカが話しかける。
「どうしたのスズカって…うわー!なんか小さいスズカがいるー!?」
サイレンススズカの周囲を左回りしながら渦巻き走りをするスズカそっくりな謎のたぬきがいた。
「おう、こいつはスズキだな」
「鈴木?もう人の名前じゃん!?」
「離れないんだけど、どうしようかしら」
「多分、似ているからスズカの事を仲間だと思ってんだろ、特に気にしなくていいと思うぞ」
再び歩き出す3人と2匹、到着したのは先ほどと違いジャングルではなく、だだっ広い平原だった。
「ここにいるんだな?」
ゴールドシップを見ながらスグニゲテは頷く。
「ゴルシ、結局ここに何がいるって言うのさ?」
双眼鏡で周囲を見渡すゴールドシップにテイオーが聞く。
「未確認生命体だよ、知ってのとおりこの島は通常の生態系には無い生き物ばかりでな、偶然この島を見つけたアタシがここの生き物に名前をつけて図鑑コンプリートすんのが目的さ…っていたぞ!」
ゴルシがある先を双眼鏡で見ていたのでテイオーも双眼鏡で見る。
「えっ何…アレ」
テイオーが見たのは白い毛並みの四足歩行の生物で、顔は細長く、何より目をひいたのは自分達そっくりな耳の形をしていた。
「うわぁぁ…なんか理解しちゃあいけないような…」
「テイオー!あまり見るんじゃねえ!戻ってこれなくなるぞ!」
ゴールドシップがテイオーの双眼鏡を奪う。
「よーし、アレがターゲットのUMA・Gだ、早速捕まえるぞ!」
UMAに向かって走り出すゴールドシップ。
「ちょっとゴルシ待って!スズカも見てないでゴルシを止めるの手伝って…」
テイオーが振り向くとスズカとスズキと呼ばれるたぬきの姿は無かった。
(何にもない広い草原…走らずにはいられない!)
(…!……)
スズカとスズキは草原を別々の方向に向かって走っていた、恐らくは互いを邪魔しないよう、無意識のうちに先頭の景色を譲り合ったのだろう。
「ぐぼぉぉ!」
ゴールドシップはUMAを捕まえようと飛びかかったところ後脚で思いっきり蹴り飛ばされた。
「ゴ…ゴルシ〜」
UMAはゴルシを一瞥したあと、そのまま舌を出しながらパカラパカラと足音を鳴らして走り去っていく、スグニゲテも興奮気味にUMAを追いかけていった。
その後、ゴールドシップを回収したテイオーは走って満足したスズカも連れ戻し、ゴールドシップによるワープのおかげで門限までに学園に帰る事が出来た。
「ふぅ…今日のは何だったのかしら」
寮へと戻るスズカ、今日はよく分からない事に巻き込まれて疲れたが無事に帰って来れたし、何より故郷にあるような草原を思いっきり走る事が出来たのでそれなりに満足していた。
「スペちゃん、ただいま」
「あっ、おかえりなさいスズカさん!見てくださいこの子、夕方にターフを走ってたら出会って、可愛いですよね!」
「ウソでしょ…」
唖然とするスズカが見たのは、ニコニコしているスペシャルウィークの周りを左回りで渦巻き走りしているスズキの姿であった。