仮面ライダーACT [アクト]   作:ヨッツ

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前回までのあらすじ
突如現れた謎のライダー
その正体は、8年前の初代
風間大吾であった

それを聞いた雄飛と翔は
暴走した大吾を救助すべく
戦いに赴くのであった


第12章~続きから始める~

「ハァ!!」

「お・・らぁ!!」

 

2人の仮面ライダーが

群れを成す戦闘員達に飛び込んでいく

 

振るわれる拳と槍が戦闘員(エキストラ)達を次々と薙ぎ払う

やがて周りのエキストラが全て倒され

戦場にはアクトとサウンド

そしてプロトアクトのみが残された

プロトアクトがゆっくりとこちらに詰め寄ってくる

 

「──風間大吾さん!!止まってくれ!!」

 

アクトがプロトアクトに呼びかける

変身者の本当の名前で呼びかける

 

しかし──

 

「──。」

 

返プロトアクトはそれに返事を返さず

ただ拳を握るのだった

 

「駄目か・・・!」

「・・・動きを封じて、ベルトを破壊する」

 

覚悟を決めて、拳を握りこむ

──ここで必ず彼を止める!

 

「行くぞぉ!!」

 

アクトがプロトアクトに殴り掛かる

 

「──。」

 

振るわれた右拳をプロトアクトは

片手で軽くいなす

次いで左腕でのパンチを繰り出す

顔面に迫りゆく拳をプロトアクトは

しっかりと受け止めて防御した

 

──次の瞬間、腹部に鈍痛が走る

拳を握りこまれ移動を封じられた状態で

カウンターのパンチが

アクトの腹に突き刺さったのだ

 

後ずさるアクト

その背後から

 

「しゃあ!!」

 

サウンドが槍を上段に構え飛び込んでゆく

振り下ろされる槍を

 

プロトアクトは右にずれて回避する

そして腕を降ろしてがら空きになった

サウンドの体に蹴りを叩き込んだ

 

のけ反るサウンド

アクトとサウンドは並び立ち

カウンターを受けてなお果敢に攻め込んだ

 

 

攻防が続いていく

アクトとサウンドが

休む暇も与えないと言わんばかりに攻撃を放つ

 

されど、そのどれもがプロトアクトには一歩届かない

どの攻撃も避けられ、止められ、いなされていく

 

これだけ攻撃を続けても相手に疲れの様子はない

このままでは、こちらの体力が尽きていくだけだろう

何か、打開をしなければ

 

「(──ならば・・!)」

 

アクトが攻撃を放つ

その攻撃もまた、プロトアクトによって受け流され

返しにパンチが迫りくる

それをアクトは──

体で受け止める

吹き飛ばされそうなほどの衝撃を

踏ん張って何とかこらえる

そして自らの体に突き刺さるその腕を抱え込んだ

 

「──!?」

「おらぁ!!!」

 

腕を捕らえ、身動きが取れないプロトアクトに

サウンドが刺突を繰り出す

逃げ場を無くした体にその攻撃が突き刺さった

プロトアクトが大きく後ずさっていく

 

「当たった!?」

「よし!」

 

糸口が見えた

アクトとサウンドが顔を向けあい頷く

作戦は決まった

 

「──!」

 

次はプロトアクトから攻勢に出る

2人に突撃し、拳が振るわれる

 

それを今度は、

 

「ふん!!」

 

サウンドが槍で受け止めた

そして

 

「ハァ!!」

 

 

アクトがそのタイミングに合わせ

飛び蹴りを放つ

 

「──!!」

 

今度の攻撃は残った方の片腕に防がれたが

それでも衝撃を殺しきれず

プロトアクトがよろめく

 

そして2人のライダーの反撃が始まる

 

プロトアクトが放ってきた攻撃を

片方が全力で防ぎ、もう片方が反撃を放っていく

 

「──ライダーパンチッ!!」

「──ッ!!」

 

そして、固い防御を搔い潜り

ようやく、プロトアクトに

まともな一撃が叩き込まれた

 

後ずさるプロトアクト

確かな手ごたえにアクトは当たった手で

再度固く拳を握った

 

 

いける

このまま二人で押していけば──

 

『させないよ!』

「「!!?」」

 

次の瞬間、斬撃がサウンドに襲い掛かった

何とか受け止めつばぜりあう

 

「・・・ペロー!!」

『君は僕に付き合ってもらうよ』

 

現れたのは、猫の怪人ペローであった

つばぜり合いのままサウンドを押し込み

アクトから引き剝がす

これで戦場は2対1の状況から

2対2の状況となる

 

つまり──

アクトはプロトアクトに

一人で挑まなければならないということだ

 

「──。」

「ッぐぅ!」

 

意識を無効に取られた次の瞬間には

プロトアクトの攻撃が差し迫る

何とか防御し、距離を取る

 

「──くそっ!」

 

悪態をつきながらアクトは

迫りくるプロトアクトと相対した

 

 

喫茶「テアトロ」──

 

アクトとサウンドが

戦いに赴いてから少し経った後

 

音石と杏奈は店内から2人の戦いを

モニターし、戦況を見守っている

 

ゴリゴリゴリ

カタカタカタ

 

2種類の音が店内に響き渡っている

一方は大木が原稿用紙に

わき目も降らずにペンを走らせる音

そしてもう一方は、浩司が必死にキーボードを叩き

何かを組み立てていっている音であった

 

「こんな時に、何をしているんだ?」

 

音石が大木に質問を投げかける

2人が

 

「仕事さ!・・・火急のね!」

 

答えながらもペンは止まらない

ギリギリほかの人が解読できるであろう程度の

文字で書きなぐり、どんどんマスを埋めていく

 

「向こうは完璧に仮面ライダーを

 演じているから強い、

 そして雄飛君の演技がそれに及んでいないから

 負けてしまっている」

「なら・・・

 要は雄飛君が演じやすくすればいいんだろう?」

「雄飛君の演技を底上げしてやればいいんだ」

 

()()()()()()()()を、

 ()()()()()()()()()()()にしてね」

 

そういってまた、執筆作業に戻る大木

 

そして──

 

「不味いな押され始めた・・・」

 

モニター上で、戦況が変化する

突然のペローの乱入で

アクトとプロトアクトの一騎打ちが始まってしまう

 

2対1で戦ってようやく戦いになっていたのだ

それが1対1になってしまえば立ち行かなくなる

 

アクトだけではない、

消耗していたサウンドもまた

乱入してきたペローに押され始めている

 

「どうすれば・・・」

「音石さん!何かないんですか!?」

 

杏奈が声を荒げる

 

「・・・。」

 

音石は少し試案した後に

懐からある装置を取り出した

 

「これがあれば、大吾だけは無力化できる」

「・・・それは?」

 

差し出された装置に手を伸ばす

 

「・・・プロトアクトの

 ()()()()()()()()()()()()()()だ」

「・・・え?」

 

それは思ってもいない言葉であった

 

「大吾がプロトアクトに変身し、

 姿消してから8年が経過しているが

 おそらく1度も変身解除はしていない。

 それでも生きているのは

 ベルトの生命維持装置のおかげだ

 それを止めれば、いずれ体に限界がきて停止する」

「これは、ベルトに取りつけることで

 それを起こす機械だ」

 

それはつまり──

 

「これを使えば、()()()()()()()()()()()

 

 

手が震える

確かに、これがあれば

プロトアクトだけは無力化できる

 

「・・・君にさせるわけにはいかない

 私が行こう」

 

そういって音石が店から出ようとする

 

「待ってください

 ・・・私が行きます。」

「待て!杏奈君!!」

 

杏奈は

そういって装置を引っ手繰るように奪い

店から走り出していく

 

必死に止めようと手を伸ばす

──彼女にこんなことをさせてはいけない

 

「待つんだ、杏奈」

「あぁ・・ちょっと待っておくれ」

 

店の奥から浩司と大木が出てくる

 

「叔父さん・・・」

 

杏奈が振り返り声の主を見る

止めないでほしい、これは自分でさせてほしい

そんな気持ちで彼を見る

けれど──

言い渡されたのは、静止の言葉ではなかった

 

「行くなとは言わない、けれど

 ()()()()()()()()()()

 

そういって、突き出されるものを見る

両者の手にはそれぞれ

束ねられた原稿用紙と

ひとつのチケットが握られていた

 

 

「大吾さん!聞こえないのか!

 頼む!元のあなたに戻ってくれ!!」

 

返事はない

気にする素振りも見せず

プロトアクトは歩を進める

 

「っダァ!!!」

「──。」

 

アクトが攻撃を繰り出す

しかしそれを

プロトアクトはものともせずに殴り返した

お互いに攻撃は当たるのに

アクトのみが吹き飛ばされる

 

やはり1対1では、どうしても

プロトアクトに軍配が上がってしまう

 

「ぐっ・・・・ヤァアア!!」

 

なおも果敢に攻め込むアクト

だが気迫だけでは事態は好転しない

アクトだけが一方的にダメージを受けていく

 

拳を握りこみ右腕を大きく振りかぶる

プロトアクトもまた同じように左腕を振りかぶる

突き出した両者の拳がぶつかり合う

一瞬の拮抗

しかし──

 

プロトアクトの腕に力が入る

どんどんアクトの拳が押し戻されていく

そして──

 

「──!!」

「がぁぁ・・・!」

 

プロトアクトの腕が降り抜かれ

アクトが大きく吹き飛ばされた

 

体が宙に放り出され

やがて瓦礫へと激突する

 

ふらつく足を抑えて何とか立ち上がる

──ならば!

 

『 RIDER 』

BEST ACTION(ベスト アクション)!!』

 

ベルトを押し込み、跳躍の体制に移る

それを見たプロトアクトもまた

ベルトを駆動させ、跳躍体制を取った

 

両者同時に高く飛び上がる

そして

 

「ライダーキック!!」

「──!!」

 

必殺キックが空中でぶつかり合う

激しいエネルギーが衝突し合い

大きなスパークを放つ

 

「だぁあああああ!!」

 

アクトが足に力を込め

蹴り抜こうと藻掻く

 

だが──

 

「──!」

「がぁああああああ!!」

 

競り勝ったのはプロトアクトの方であった

ライダーキックもろとも押し飛ばされ

 

アクトがすさまじい勢いで吹き飛ばされる

壁を何度か突き抜け

崩れた建物の中に突っ込んでいった

 

「あ"・・・ぐぅ"う"・・・」

 

凄まじいダメージに体から力が抜ける

変身も解け、

雄飛は瓦礫の中で倒れこんでしまった

 

コツリコツリと足音が聞こえる

プロトアクトがこちらに迫っている

──不味い、立たなければ

だが、全身の痛みに体が言うことを聞かない

 

その時だ、誰かに腕を引っ張られ

雄飛は建物のさらに奥に押し込まれた

 

プロトアクトが、アクトの落下点に到達する

しかしそこには既に誰もいない

プロトアクトは周囲を確認し、

気配を感じられないとみると

 

ペローとサウンドが戦う場所に戻っていった

 

「杏奈さん・・・ありがとう。」

「・・・。」

 

雄飛を隠れさせたのは、

現場に到達した杏奈であった

 

「雄飛、まだ戦える?」

「ああ・・・もちろん・・だ!」

 

なけなしの体力をふり絞り立ち上がる

こんなとこで終われない

 

「そう・・・じゃあ一瞬でいいから、隙を作って

 ・・・あとは私がお父さんを止める」

「・・・杏奈さん?」

 

そういって杏奈さんが何かの装置を取り出す

・・・違和感があった

杏奈さんの表情は酷く不自然だ

まるで恐怖を押し殺しているような

怪人に立ち向かっていく恐怖じゃない

もっと別のおぞましい物からの恐怖だ

 

「・・・それ、何?」

「いいから!言うことを聞いて!」

 

声を荒げてこちらに

 

「・・・それ、

 唯の動きを止めるようなものじゃないんだろ!?」

「・・・これ以上、

 お父さんの暴走を見ているわけにはいかない!

 ・・殺してでも止めなきゃいけないの!」

 

──。

殺す、殺すといったか

実の父を

自分の手で

 

──そんなの

 

「ふざけるな!!

 そんなの良い訳ないだろ!!」

 

声を荒げてその肩を掴んで

そんなバカげた考えを止める

しかし──

 

「じゃあどうするの!そんなにボロ負けして!」

「勝つさ!!どうやってでも!

 必ず、大吾さんを仮面ライダーから元に戻す!」

 

根拠はない、勝算もない

けれど、諦めるわけにはいけない

こんなバカげた結論に

辿り着かせるわけにはいかないのだ

 

「・・・戻らなかったら?」

「・・・え?」

 

「もし、変身を解除させて、目を覚ましても

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「ずっと、

 生身のまま怪人を探して彷徨うの・・・?」

 

・・・。

そうか、そこか。

彼女は恐れている

 

今、大吾さんの意識は壊れて

穴埋めに仮面ライダーの意識が埋まっている状態だ

そこから人間に戻ったとして、

果たして元の意識が取り戻せるのだろうか

 

もはや、沁みついた仮面ライダーの意識のまま

生身のまま、

機械のように怪人退治に突き進む

変わり果てた父の姿が

待っているのかもしれないことも恐れているのだ

 

「杏奈さん・・・」

「そんなの・・・悲しすぎるじゃない

 せめて・・・人のまま終わらせた方が・・」

 

「そんなことにはならない」

「・・・何を根拠に」

「そう、信じようよ」

 

彼女が言ったのは、最悪の結果だ

確かに、その可能性もある

けれど、()()()()()()()()()()()()

 

「救える可能性があるなら、

 少なくとも信じるべきだ・・・違うか?」

 

初めから、バッドエンド前提で進めるなんて

悲しいじゃないか

 

「それでもし・・・そうなったら?」

「その時は・・・」

 

「皆で考えよう、止める方法じゃなくて

 大吾さんの意識を元に戻す方法をさ」

「・・・皆で?」

 

そうだ

彼女の周りには多くの人がいる

こんなベルトを作るような天才が2人,

頼りになる警官,変人だが良い人な脚本家

音痴な天才演奏家

それに、自分だってそうだ

 

「これだけ人がいるんだ

 きっと簡単に見つかるさ」

「少なくとも、暴走する

 仮面ライダーを止めるなんて無茶より簡単にね」

 

「何それ・・・」

 

杏奈さんの顔が呆れたように緩む

ようやく表情が良くなった

 

「それに・・・

 俺、大吾さんに会わなきゃいけないんだ」

「昔、仮面ライダーに助けられてたからさ」

「・・え?」

 

そうだ、自分は8年前に

仮面ライダーに助けられたのだ

 

「唯の夢だと思ってた、でも夢じゃなかった」

「だから、会いたいんだ」

「俺、・・・まだお礼が言えてないから」

 

杏奈さんが呆然とした顔でこちらを見る

 

「杏奈さんはどうだ?」

「私は・・・」

 

顔を上げて答える

 

「私も、会いたい・・・

 お父さんに・・・もう一度!」

「・・・なら助けなきゃ」

「・・・ええ!」

 

体を起こす、痛みが少しだけ和らいできた

 

「雄飛」

 

杏奈さんが、何かを手渡す

それは──

 

「・・・原稿?」

「すぐ読んで」

 

薄い原稿を読んでいく

そこには──

 

「これって・・・」

「叔父さんと大木さんの合作よ」

 

そこに書いてあったのは

短い脚本だった

 

バイクを駆り、風を率いて

悪から人間の自由を守るために戦った戦士

 

そんな戦士の力と信念を

お調子者だが、心優しい青年が

受け継いで人を助けていく

そんな──()()()()()

 

そんな主人公を演じる道筋を

しっかりと記載していた脚本であった

 

再度、杏奈さんが何かを差し出す

それは、新しいチケットだ

書かれたその題名は──

 

「あなたが、主役よ

 全力で演じ切りなさい!」

「・・・大役だな。

 ・・・あぁ!こんな役をもらったんだ

 手なんか抜けるもんか!」

 

俺はそれを受け取って

戦いの場へ駆けだした

 

 

「だらぁ!!!」

 

サウンドがペローに向けて槍を振るう

ペローはそれを細身の剣でしっかりと防ぎ

滑らせるように受け流した

 

「っ!ちょこまかと!!」

「おっと」

 

サウンドが槍を横薙ぎに振り回すも、

その場から飛びのき回避される

 

距離が離れた、──なら!

 

『POP!!』

BEST HIT(ベスト ヒット)!!!』

 

必殺技を構えるサウンド

そして放とうとした瞬間

 

「──!」

「な!?」

 

横からの突然の衝撃

ペローとサウンドの場にやってきたプロトアクトが

サウンドに飛び蹴りを放ち、邪魔をしたのだ

 

突然のことに踏ん張りがきかず

倒れこむサウンド

 

『おお、プロトアクト

 ・・・どうやらそっちは片付いたみたいだね』

「な、雄飛!?」

 

まさか、雄飛は──!?

 

『それじゃあ、君もすぐに送ってあげよう

 アクトと同じ場所にね』

 

ペローとプロトアクトが並んで迫りくる

万事休すを思われたその時

 

「待て!!」

「──?」

 

プロトアクトが声に反応する

その先には

ボロボロになった彩羽雄飛が立っていた

 

『なんだ、生きてたのか

 ・・・それで、そんなボロボロになった体で

 何しに来たの?』

 

負けた後というのが見て取れる風貌の雄飛に

ペローがバカにするように問いかける

 

「もちろん、お前達を止めにさ」

 

それを雄飛は、恥じることなくそう答えた

 

『勝算もなしによく言うよ』

 

ペローはヤレヤレといった風に

わざとらしく肩を竦める

 

それを気にせず雄飛はプロトアクトと対峙した

 

「風間大吾さん、

 あなたが守ろうとした人も町も全部──

 ここで受け継いで、あなたを止める!!」

 

そして、雄飛は

手に持ったいつもより少し分厚いチケットを起動した

 

『MASKED RIDER The NEXT(ザ・ネクスト)

 

『・・・何?』

 

意識を整える

そこまで、大きく変える必要はない

これは、大木さんと浩司さんが

俺が変身するのに合わせて作ったチケットだ

 

「ここからは()()主役だ!!」

 

ベルトにチケットを差し込み

大きく構え、叫んだ

 

「変身!!」

 

『Start』『 a Continue!』

 

風を受け継いだ新ヒーローは(The New Hero who inherited a Wind)

嵐のようにやって来る(Came Like a Storm )!』

『MASKED RIDER The NEXT(ザ・ネクスト)!!!』

 

その瞬間、雄飛の姿が変わる

普段のライダーフォームとは違う

 

その装甲は、荒れた嵐のように

より鋭く勇ましく形成されていく

風のように鮮やかな緑の

風貌をした戦士がそこには立っていた

 

そして、嵐のように吹き荒れる風が

その首のマフラーをたなびかせる

 

「・・・さぁ!いくぞ!」

 

拳を握りこみアクトがプロトアクトへと突っ込む

プロトアクトはそれを迎え撃たんと構えた

 

アクトが、その足に力を込める

 

「よっと!」

 

次の瞬間、

プロトアクトの視線上から()()()()()()()()

 

「──!?」

 

そして一瞬置いた後に目の前にアクトが現れる

軽い跳躍により、一気に距離を詰めたのだ

 

「ハッ!」

 

そしてそのまま飛び蹴り

プロトアクトは反応できずまともに食らう

プロトアクトが初めて大きくたじろいだ

 

「体が軽い・・・」

 

軽くステップを踏み

軽やかに体を動かすアクト

重厚さのあった、ライダーフォームとは違い

軽いが、それを補って余りある風が

その体を後押ししている

 

「よし・・・ドンドン行くぞ!」

 

『なんだ・・・あの力は!?』

 

ペローは驚愕に飲まれる

あんな力は知らない、一体何が──

 

「お前の相手は俺だろぉが!!」

『グッ!?』

 

そんな足を止めたペローに

サウンドの攻撃が突き刺さる

 

「雄飛に負けてらんないぜ!」

『あー!邪魔だ!!』

 

ペローとサウンドもまた、

戦闘を再開した

 

 

「ハッ!ハッ!!らぁ!!」

 

怯んだプロトアクトにさらに追撃を重ねていく

殴打と蹴撃を織り交ぜ流れるように

ぶつけていく

 

「──!」

 

腕を十字に組み、迫りくる拳を受け止める

防御に拳がぶつかった瞬間

信じられない程の衝撃が走る

 

プロトアクトは、その凄まじい衝撃に防ぎきれず

半ば吹き飛ばされるように

押し込まれていく

 

ただ受け続けている訳ではない

プロトアクトも反撃に出ている

しかし

 

「フッ!」

 

素早く躱され、その隙に攻撃がぶち当たる

先程とは打って変わってアクトのペースで

戦いが進められていった

 

アクトが拳を握りこみ右腕を大きく振りかぶる

プロトアクトもまた同じように左腕を振りかぶる

 

突き出した両者の拳がぶつかり合う

 

先程と同じ状況──

しかし結果は違っていた

 

「はぁああああ!!」

「!?」

 

アクトの右腕から、まるでスラスターのように

風が吹き出していく、

そしてその勢いのまま、

今度はアクトがその拳を振り切った

 

プロトアクトが転がっていく

そして──

 

「決着をつける・・!」

 

アクトがベルトを押し込む

 

『 NEXT 』

BEST ACTION(ベスト アクション)!!』

 

跳躍の構えを取る

足だけでなく、全身に風が吹きこんでいく

 

プロトアクトもまた、跳躍の体制を取った

 

同時に跳躍──

そして互いにその右足を相手に差し向け

必殺キックを放つ

 

「だぁああああ!!!」

「──!!」

 

ぶつかり合うキック

両者一歩も譲らぬぶつかり合いの末

互いのキックが打ち消し合った

 

勢いを失い、落ちていく中で

プロトアクトは、次の行動を固める

先に着地し、空中で身動きのとれない敵を叩く

 

そうして、相手の所在を確認するため目を向ける

そこでプロトアクトは、信じられないものを見た

 

「ハッ!」

 

それは、吹き荒れる風を蹴って

()()()()()()()()()()()()姿()

自分の一撃は、奴の攻撃を相殺したわけではない

奴の攻撃は、まだ終わっていない──

しかし、空中のプロトアクトに回避の術はない

この後の光景は予想できるのに

仮面ライダーは、ただ、その迫りくる光景を

待つことしかできなかった

 

アクトは再度跳躍し、翻る

そして、真下にいるプロトアクトに狙いを定める

 

再度キックの体制を取る

吹き荒れる風が、自分を押し

凄まじい速さで、突き進む

 

狙いは一点、そのベルトだ──!

 

「反転!!」

「ストームライダー!キィィック!!!」

 

嵐が如き風と強力な蹴りが

プロトアクトのそのベルトを貫く

 

そしてプロトアクトを突き抜ける

 

その背後で爆発が起こり

パラパラと機械片が降り落ちてくる

 

アクトは着地する

そしてアクトの肩には

一人の男性が抱えられていた

男性の顔立ちは、どこか知り合いの女の子に似ていて

確かな血の繋がりを感じられる

それは、間違いなく風間大吾であった

 

「・・・よっしゃ」

 

力が抜けたようにこぼす

雄飛は、確かに助け出したのだ

この勝負は、文句のつけようもなく

雄飛の完全勝利で幕を閉じたのだ

 

 

続く




次回 仮面ライダーアクト

新章突入──

「さぁ・・・行きましょう、
 私のかわいい兵士達?」

「町がいきなり、森に・・・?」

「物語の舞台が、現実を侵食している・・・?」

第13章[女王の出陣]
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