仮面ライダーACT [アクト]   作:ヨッツ

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前回までのあらすじ
突然、町が森に変わるという事件が発生
調査に入った雄飛は森の中で
弓を操る怪人アローテラーと対峙する

これを撃破したその先には
2人目のストーリーテラー:クイーンが待っていた
クイーンの手によって、復活・強化をされた
アローテラーは今一度雄飛に襲い掛かる


第14章~不思議な森~

『それじゃあよろしくね?

 私の兵隊さん?』

 

『ハッ!ウォオオオ!!』

 

クイーンの呼びかけに応じるが様に

雄たけびを上げ、変化したアローテラーが

ライダー達に突撃する

 

金属製の刃が備え付けられた弓を振りかぶり

アクトに切り掛かる

 

アクトは、その攻撃を

咄嗟にガンモードのブレイガンで受け止める

 

「(──重い!?)」

 

想像以上の筋力で弓が押し込まれる

先程までのテラーでは、どう見ても

ここまでの近接能力があるとは思えない

明確に、その力が上昇していた

 

「──ぐっ!」

 

何とか受け止めていたブレイガンを

斜めにずらしその弓を受け流す

アローテラーは勢いあまって

そのまま前のめりに体制を崩した

 

その背中に、弾丸を数発撃ち込む

先程までのテラーなら、

この攻撃もすんなりと通っていただろう

しかし──

 

『オォ!!』

 

テラーは弾丸が放たれたと見るや

すぐさま振り向き、そして弓で

弾丸を全て切って叩き落した

 

「何!?」

 

「おりゃぁ!!」

 

サウンドがその背後からテラー目掛け

槍を振り下ろす

──しかし、それもまた

アローテラーは容易く受け止めた

 

「──な!?」

『甘い!!』

 

受け止めた槍ごとサウンドを

アクトの立つ場所に弾き飛ばす

そうして距離が離れた2人のライダーに対し

アローテラーは矢を弾き絞った

 

ギリギリと弦が悲鳴を上げるほどに

力強く引き絞られた矢は

二人並んだライダーに対し放たれた

 

アクトが弾丸を放つ

狙いはもちろん、放たれた矢

先程と同様に撃ち落とそうと試みた

 

しかし、放たれた矢と弾丸が激突した瞬間

弾丸は──弾け飛んだ

 

「何だと!?」

 

矢は勢いが衰えることなく飛び行く

そして、アクトとサウンドが立つ地点に着弾し──

 

「「ぐわぁあああああっ!」」

 

強力な衝撃を持って炸裂した

 

抉り取られた地面

立ち込める砂煙を前に

アローテラーは勝ち誇る

 

そして、その場から背を向けようとした次の瞬間

砂煙が急激に巻き上げられる

 

『!?』

 

『MASKED RIDER The NEXT(ザ・ネクスト)!!!』

「ハァ!!」

 

突風を巻き上げ

ネクストフォームに変身したアクトが

砂煙を晴らしながら現れた

 

着弾の瞬間、咄嗟に変身したアクトは

強烈な風を巻き起こし

2人から衝撃を逸らしていたのだ

 

「あっぶねー・・・」

「・・・っ!さっきまでのテラーと違う!」

 

拳を構えなおし、目の前の怪人に備える

先程までの怪人と同じ存在とは思えないほどに

その力は上昇していた

 

力を隠していた・・・?

いや違う、そんな必要はどこにもないはずだ

となると考えられるのは──

 

『私の兵はすごいでしょう?』

「!?」

 

『だって、私が直々に力を与えてるんだもの』

 

話しかけてきたのは、件の女怪人

彼女は仮面ライダー達の慌てようを

さぞ愉快というように声を弾ませていた

 

「お前は・・・!」

『はぁい、仮面ライダー

 私は、クイーン

 お察しの通り、ストーリーテラーの一員よ?』

 

「──!このテラーはお前の仕業か」

『ええ、すごいでしょう?

 私の力を得て、この子は

 より強い、私の自慢の兵隊になるの!』

 

どうやら、予想通り

先程の女怪人の行動

あれが、このパワーアップの原因のようだ

 

──とにかく、このテラーを倒して

この事件を解決しなければ

・・・そう覚悟し直したが

 

"うわぁ!ば、化け物・・・!?"

"な、なんなんだよ!?森!?"

 

「!?」

『あら』

 

周りから騒ぎ声がする

目をやると、戦闘員(エキストラ)化から元に戻り

倒れていた人々が目を覚まし始めていた

 

そこに

 

『ハァ!!』

 

アローテラーが民間人に向けて矢を放った

 

「しまった!」

 

矢が猛スピードで飛んでいく

それを避けれるはずもなく

民間人は身動き一つとれない

最悪の光景が脳裏をよぎる

 

「おおらぁああああ!!」

 

しかし、その間にサウンドが割って入る

手にした槍を強引に振り切り

矢を何とか別の方向に弾き飛ばした

矢は着弾と同時に爆発に似た炸裂を起こす

 

"うわぁあああ!!?"

 

それを見て、民間人達は

さらに驚き慄く

 

「・・・関係ない人狙ってんじゃあねえよ!」

 

サウンドが怒りを滲ませながら

取っかかろうとする

 

・・・不味い、このままでは巻き込んでしまう

それだけでなく、パニックになって

森奥に進まれたりしたらさらに厄介だ

ここは──

 

「──翔!」

「・・・!・・・分かった!」

 

目配せをし、考えを伝える

サウンドが頷くのを確認したところで

アクトがその腕を大きく振るった

 

次の瞬間──

大きな旋風がアクトとサウンド

そして周りの民間人達を包み込む

 

そして、風が過ぎ去った後には

 

『!?』

 

誰の姿も残ってはいない

仮面ライダーは民間人を守るためにも

一時撤退を選択したのであった

 

 

「・・・。」

 

森と化す街並みの外から

太田は、現場を見守っていた

 

そこへ──

 

「太田さん!!」

「!?・・・あぁ、風間君、三浦もか」

 

杏奈と浩司が現場に現れた

 

病院からこの現象を

聞きつけて駆け付けたのであろう

 

「これ、どういうこと!?」

「分からん、

 彩羽君達が入って調べてくれてるんだが」

 

そんな会話を交わした次の瞬間

自身たちの立つ足元に変化が訪れ始める

アスファルトの舗装された道路が

草の生い茂る地面に変わっていく

 

「!?」

「いかん!走れ!!

 距離によっては迷って出られなくなるぞ!」

 

咄嗟にまだ無事な道路の方に駆ける

幸いなことに、変化はそう長くはならず

距離にして30~40メートル程度の範囲が

森と化した後に停止した

 

しかし──

 

「これで5回目──

 さっきから少しずつ広がっていってる」

「嘘でしょ・・・」

 

現実離れした光景に言葉を失う

さっきまでその場所にあったビル一棟が

巻き込まれ、その場所には10m程度の

木が生い茂っている

ビルの姿は見る影もない

 

そこへ──

強い突風が吹きつける

 

「うわっ」「きゃっ」

 

そして、風が吹き終わったその場所には

 

「太田さん・・・って杏奈さんと浩司さんも?」

「彩羽君、新田君!」

 

戦闘から一時離脱したアクト、サウンド

そして、逃げ遅れた多数の民間人達が佇んでいた

 

「おいおい、さっきより広がってないか・・・?」

「マジかよ・・・」

 

「──ああ、ある地点を中心に円形に

 どんどん侵食が広がってるらしい」

 

大木さんの補足にさらに辟易としながら

民間人達を引き渡す

 

「一体何が原因なんだ・・・」

「・・・それなら」

 

・・・。

 

──なるほど

奴らは怪しい装置を使っていたらしい

でペローは明らかにそれを庇っていたと・・・

 

「その楔っぽい装置みたいなのが原因ってこと?」

「いや、断言はできないんだけど

 どーも、守ってるように見えたし・・・」

「・・・証拠としては微妙だが・・・」

 

それをどうこうすれば戻るといった確証はない

とはいえ、他に思い当たるものも見つからない

 

そうこうしているうちに侵食が広がってしまう

迷っている暇はない

 

「とにかく、その楔を調べるしかない・・・か」

 

浩司さんがそう結論付ける

とりあえずの目的は決まった

 

後は、あの3人を相手にどうやって

楔に近づくかだけだ

 

しかし──

テラーはなぜいきなりこんなことを始めたのだろか

森と化した街並みを眺めながら

雄飛はそんなことを考えていた

 

 

森の中心で、楔をにもたれながら

ペローはつまらなさそうにあくびをした

 

『退屈そうね?』

『あぁ・・・そうだね』

 

『しかし・・・なんでこんなことしてるんだ?』

 

町を森に変えて、迷い込んだ住人を襲って

そんなことをしなくても、テラーを町に放てば

逃げる間もなく、人を殺せるだろう

二度手間この上ない行為だ──と

ペローは吐き捨てる

しかし

 

『あら、知らないの?()()()()2()()()()()()()?』

『・・・なに?』

 

初耳だというペロー

それに対し、クイーンは

 

『信頼されてないんじゃあない?』

 

愉快そうにクスクスと笑いながら言い放った

 

『何だと・・・!』

 

怒気を放ちながら声を上げるが

既にクイーンはこちらを見ていない

起こるだけ無駄だとペローは諦めた

 

『仮面ライダーも帰っちゃったし

 このまますんじゃえばいいのだけれど』

『──そんな訳ないだろう』

 

ペローは即答する

今まで何度彼らが向かってきたと思っている

 

その時茂みが揺れる音が聞こえてくる

そら来た──

 

 

雄飛は、森を突き進み

その中心地へとたどり着いた

 

見れば、楔の傍にはストーリーテラー

ペローとクイーンが

 

そしてその前に番人のように

アローテラーが佇んでいた

最初のこそこそと隠れていたのが嘘のように

堂々と立っていた

もはや隠れる必要などないと言わんばかりだ

 

『あら、また来てくれたのね』

 

「あぁ、こっちも守らなきゃいけないんでね」

 

チケットを取り出し構える

 

「変身!!」

 

『Start』『 a Continue!』

風を受け継いだ新ヒーローは(The New Hero who inherited a Wind)

嵐のようにやって来る(Came Like a Storm )!』

『MASKED RIDER The NEXT(ザ・ネクスト)!!!』

 

風を巻き上げ、アクトが戦場に降り立った

 

「はぁ!!」

『ヌ!?』

 

先手必勝とばかりに飛び掛かり蹴りを放つ

その攻撃は防御されるが

風に押され威力を増した攻撃が

アローテラーの防御を超えて

体制を大きくのけ反らせていた

 

続けるように攻撃を加えていく

相手が弓兵であるというのなら

わざわざ離れてやる必要はない

アクトはインファイトで攻め立てた

 

アローテラーも反撃とばかりに

弓を振るうが、それも大振りである

アクトは素早く体を逸らし、回避

そしてがら空きになった腹部を殴りつけた

 

『グオッ!?』

 

大きく後ずさるアローテラー

──通じている

相手が強化されていようと

ネクストフォームの攻撃は有効だ!

アクトがそのまま攻勢に出ていった

 

『・・・あら、大変ね

 ペロー、手伝ってあげなさい』

『・・・分かったよ』

 

ここで、クイーンが助け船を出す

ペローは渋々前に出た

 

『怪演』

『ハァ!』

 

「!?」

 

アローテラーとアクトの間に

ペローが割って入っていく

これで2体1の状況になる

 

──なら

剣を突き出してきたペローの腕を掴み

そのままアクトは駆けだした

 

『──!逃がすか!』

 

アクトとペローがその場から離れていく

アローテラーも相手を逃がすまいと

その2人を追いかけていった

 

『・・・あら』

 

一人残されたクイーン

そこに──

 

「よう」

 

それまで、姿を隠していたのであろう

翔が姿を現した

 

『うまく分断されたって訳ね』

「そうゆうこと」

 

そう、これがライダー側の作戦である

アクトでアローテラーを倒す

もしくは、ペロー、クイーンのどちらかを連れて

この場から離脱することで

サウンドは1対1戦うという作戦である

 

見事にペローが釣れ

この場には、クイーンと翔だけが残されていた

 

「それだけ動かないってことは、

 やっぱり(それ)がこれの原因ってとこでいいんだよな」

POP UP SOUND(ポップ アップ サウンド)!!』

 

『・・・どうかしらねぇ?』

 

余裕を含ませたようにそう言い放つと

クイーンが前に出る

 

「変身」

POP UP SOUND(ポップ アップ サウンド)!!』

 

翔もまた、サウンドに変身し

武器を構え走り出す

 

サウンドの槍とクイーンの杖がぶつかり合う

もう一つの戦いが始まった

 

 

森の中に金属が打ち付け合う音が響き渡る

サウンドがギターランスを振り回す

そして、クイーンはそれを軽く受け止めていた

 

どう見ても細く、頑丈そうな杖

しかし、その見た目からは信じられないほどに

頑丈で重い攻撃が飛んでくる

 

さすがに強い

これまで戦ってきたテラーとは違う

ペローにも言えることだが

伊達にストーリーテラーなどという

幹部まがいの肩書を名乗っていないということか

 

「だったら!!」

『BURNING ROCK!!』

 

槍に炎が纏う

腕に力をいれより勢いを持たせて

槍をスイングさせる

 

『・・・!あら、熱いわ!』

 

そのかいもあり、ようやくクイーンに押し勝つ

しかし、それに堪えた様子もなく

クイーンは距離を取って

サウンドに目掛け手をかざした

 

瞬間その手から何かが放たれる

祖俺は大量のトランプ上の弾幕であった

 

「ぐおぉおお!?」

 

突然の弾幕、咄嗟に槍を構え防御するも

押さえきれず、サウンドは吹き飛ばされた

 

「・・・まだまだぁ!」

 

しかし、痛んだ体を押して立ち上がる

 

『ROCK』

『RAP』

 

HIT MEDLEY(ヒット メドレー) !!!』

 

ディスクを2枚装填し、槍を構え、突き出す

熱気と冷気が入り混じり

槍の先端から、大量の蒸気が放たれた

 

目の前が蒸気で阻まれ

サウンドが視認できなくなる

しかし、

 

『後ろね』

「くっ!」

 

蒸気での目を晦ましての不意打ちも

クイーンには防がれる

2者は蒸気の中で再度切り結ぶ

 

『はぁ!!』

「ぐぁああ!」

 

クイーンが槍ごとサウンドの腕をかち上げる

そしてがら空きになった腹を杖が突き飛ばした

 

「まだ・・まだぁ!!」

 

転がりながらもまだ立つサウンド

 

──おかしい、()()()()()

 

有効打もなしにひたすら立ち上がり

向かってきているサウンドにクイーンは

疑問を抱かずにはいられなかった

 

まるで、時間を稼がれているよう──!?

 

耳を澄ませる

 

"やはり、この装置は──"

"なら──引き抜──ば元通──な!"

 

──やられた!

 

辺りの蒸気を杖で振り払う

蒸気が晴れ見通しの良くなった視界で

楔を見る

 

楔の前には、戦闘前にはなかった3つの人影

 

「やばいバレた、太田さん急いで!」

「くそ、固いなこれ!!」

 

杏奈、浩司、太田の3人である

そう、これもまた作戦だった

1人になった敵をサウンドで引き離し

その間に、この装置について調べたのだ

 

その甲斐もあり、見事に装置は解析されたのだ

 

『おのれ・・・!』

 

クイーンは手をかざし、弾幕を放とうとするも

思いとどまる、・・・このまま打てば楔に当たる

 

「はぁ!!」

『──なっ!?』

 

そしてその迷った隙にサウンドが攻撃を放つ

槍の突きを真正面から受けたかクイーン

さすがに不意を突かれては

踏ん張りもできず吹き飛ばされた

 

「どいたどいた!!」

 

その隙にサウンドが楔の前に躍り出る

そして槍を楔に引っ掛け

 

「おりゃあ!」

 

思い切り引き抜いた

 

楔が抜け落ちる

──その瞬間、変化が訪れた

周囲にあった森が、地面が歪みを持つ

そして、揺らぎが収まった後には

アスファルトとビルだらけの

元の街並みに戻っていた

 

「やった!」「「よぉし!」」

 

サウンドが構えなおす

ようやく町が元に戻った

これで心置きなく戦える!

 

 

 

ペローとアローテラーを引き付けたアクトは

元の場所から離れた場所に移動して

戦闘を再開した

 

しかし──

『そらそらそらぁ!』

 

「っく!」

 

予想以上に苦戦を強いられていた

 

ペローの刺突が繰り出されるのを

捌き、反撃に出ようとすると

 

『ハッ!』

 

強力な矢が飛んでくる

そう、このテラー

前衛と組むことで真価を発揮していた

反撃に出ようとすれば

そこを狙い正確に狙撃してくる

おかげで、アクトは酷く攻めあぐねていた

 

「この森は何が目的だ!」

『さぁ知らないね!!』

 

目的を聞き出そうとするも

当然答えなど返ってこない

 

このままでは埒が明かない

この援護射撃をどうにかしなければ・・・

 

その時、周囲に変化が起こる

森だった風景が突如揺らぎ

次の瞬間には元の町に戻ったのだ

 

──やったのか!

事件を解決した仲間たちに心の中で賞賛を送る

 

『!?』

『何!?』

 

敵の2人も突然の変化に動揺する

射撃が止まった

 

「──今だ!」

『ぐぉ!?』

 

ペローの突き出された腕を払いのけ

一発殴りつけ、距離を離す

 

そして、アクトはアローテラー目掛け走り出した

 

『!?・・・させん!』

 

アローテラーが接近に気づき矢をつがえる

しかし──遅かった

 

最早それほど遠くない2者間で矢が放たれる

近距離で放たれた矢に対し、アクトは

その矢の下に滑り込むようにスライディングした

 

『!?』

 

滑りながらアローテラーの目前に迫る

そして

 

「はぁあああ!!」

 

下から打ち上げるようにアッパーカットを

アローテラーに対して繰り出した

 

『グォオオ!?』

 

アローテラーの巨躯が弾き飛ぶように持ち上がり

空中に打ち上げられる

 

「いくぞぉ!!」

『 NEXT 』

BEST ACTION(ベスト アクション)!!』

 

アクトが暴風を纏い跳躍する

それに対し、アローテラーは

抵抗し、跳んだアクトに矢を放つ

 

上に向けられた足先と矢がぶつかる

その瞬間矢が風に削り取られ弾け飛んだ

 

『何ィ!?』

「おぉおお!!」

 

アクトの背に風が吹き込む

さらに勢いを増して上昇していくその足先に

大量の風が纏われていく

 

「ストームライダー!キック!!!」

 

必殺キックが、繰り出される

空中で為す術のないテラーは

身動き一つとれずにその攻撃に貫かれた

 

 

サウンドが再度槍を構えクイーンを睨む

クイーンもまた、

一杯食わされたことを屈辱に感じたのだろう

先程とは打って変わった雰囲気を醸し出す

 

そして二人がぶつかろうとしたその時

遠くで大きな爆発が起こる

 

『──。』

 

そしてクイーンはそれが何か察し手を止めた

 

『そう・・・負けたのね』

 

詰まらなさそうにそう呟くと

 

『なら今日はもういいわね』

 

そう結論付けて、怪人態から人間の姿へ戻った

 

「な!?」

『今日は、ここまでにしておくわ

 ・・・また会いましょう』

「待て!」

 

サウンドの静止も聞かず

クイーンはその場から消え去った

 

「・・・まった逃がした!!」

 

悔しそうに頭を掻きながら翔は変身を解く

 

「まぁ、今回はこちらの勝ちでいいんじゃないか」

「とりあえず町が戻ってよかったじゃない」

 

そんな二人を励ます裏で

太田は目を細めていた

 

「(あの顔、どこかで・・・?)」

 

 

アローテラーを打倒し、アクトが着地する

そして、次はお前だと言わんばかりに

ペローに向けて構えを作った

 

『くっ・・・。・・・?』

 

形勢が逆転され焦るペローだったが

突如その姿が揺らぎだした

 

「なに!?」

『あぁ・・・撤退ね』

 

ペローがつまらなそうにそう言うと

さらにペローの姿が薄くなりだした

 

「待て!」『じゃあね』

 

サウンド同様、こちらも

止める間もなく消え去ってしまったのだった

 

 

『・・・っと』

 

転移した場所にペローが着地する

その隣には先に戻ったクイーンが佇んでいた

 

その姿に、ペローはニヤつきながら話しかけた

 

『なんだよ、大口叩いた割に失敗じゃないか』

 

散々嫌味を言った仕返しのつもりだったのだろう

しかし、それに対しクイーンは

 

『あら?まだまだこれからよ』

 

全く余裕そうに切り返す

たったの一回程度では気にしないと

言わんばかり態度に、ペローは苛立つ

 

『それに、私の本命は別にあるもの』

『・・・何?』

 

そう言うと、クイーンは部屋を後にした

 

『本命・・・?』

 

 

クイーンが一室に入る

この部屋こそ、テラー達の拠点の中で

クイーンが受け持つ区域であった

 

機械だらけの一室の中央には

異質な大きな水槽があった

水槽だけなら、どこにでもあるだろう

しかし、その中身が普通ではなかった

 

"・・・・・・。"

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

もう青年とまで呼べる程度に成長した

人間の男が水槽の中に収められていた

 

うっとりとした様子でその水槽に抱き着き

優しく撫でていく

 

『もうすぐよ・・・。

 あぁ・・・早く目覚めて頂戴?

 私の愛しい息子・・・。』

 

そうして、クイーンが抱き着く水槽

その目の前の機械にはある物が繋がれていた

 

そこに鎮座された

()()()()()()()()()()()()()()()()()

主の目覚めを待つかのように

鈍く光りを放っていた

 

 

続く




次回 仮面ライダーアクト

次の事件が現実を襲う
「今度は、海に!?」

「ゆ、雄飛が呑まれちまった・・・」

突如現れた謎の男の正体とは
「私は・・・お前達の"おしまい"だ。」

第15章[終わりが突然に]
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