仮面ライダーACT [アクト]   作:ヨッツ

2 / 40
前回までのあらすじ

主人公、彩羽雄飛はある日不思議なチケットを拾う
しかし、そのチケット持ち主らしき少女に
自身が盗んだと誤解され、
口論となった所に謎の怪人が現れた。
逃げ惑う道中でチケットと対となる
ベルトを少女から受け取った雄飛が
変身のポーズを取ったその時、
雄飛の体に異変が起こる──。


第2章 ~仮面ライダー・オーディション~

怪人の目の前に謎の男が立っていた。

緑を基調とした肉体、

バッタのような意匠をした顔を持つ

何者かが立っていた。

 

「私は・・・・、仮面ライダーだ。」

 

相対する敵、狼怪人-ウルフテラーに対して

雄飛、いや、仮面ライダーはそう言い放つ。

 

「へ、変身した・・・・。」

 

ベルトの持ち主であった女の子は

目の前の光景に言葉を失い。

 

『・・・。』

 

ウルフテラーは、目の前の男を静かに見据える。

仮面ライダーと怪人 2つの力が今、激突──

 

「どうだ!変身はこうするんだ!

 ──て、ええ!?」

「なにこれ!?

 なんで俺こんなことになってんの!?」

 

しなかった。

渾身の変身を決めた雄飛は、

この空気を盛大にぶち壊していた。

 

「バカッ!前!!」

 

女の子が叫ぶ

 

『隙あり!』

「前?・・・うわぁ!?」

 

この隙をウルフテラーは見逃さなかった。

アクトに目掛けその爪を振り下ろす

不意を突かれたアクトは盛大に吹き飛ばされた

 

「いってぇ!」

『チッ! かてぇな。』

 

痛みに耐えながら立ち上がる

背後から怒気を含む声が投げられた

 

「何してんの!戦って!」

「戦えって・・・・。えぇッと

 ・・・・こんのぉ!」

 

雄飛が殴り掛かる。

しかしそれは最初の1撃には

遠く及ばない鋭さだった

 

『なんだぁ?さっきのはまぐれかぁ?』

 

ヒラリと躱したウルフテラーは二撃、

三撃目とアクトに爪を叩き込む

 

「がっ、ぐっ、がぁっ!」

 

意識が朦朧とする。目がかすみ始めたその時──

 

「何してんの!ライダーパンチとかあるでしょ!」

 

そんな女の子の

どうしようもないアドバイスが聞こえた。

脳裏に浮かぶのはテレビで何度も見たパンチ。

 

「・・・ライッダァァア・・・パンチッ!」

 

瞬間、拳に力がこもる。

先程のパンチとは比べ物にならない1撃が、ズドォと

ウルフテラーに音を立てて突き刺さった。

 

『ガルァ!?』

 

またも1撃を食らい、ウルフテラーはたじろぐ。

 

『(まぐれじゃあない・・・?)』

 

──ウルフテラーは思案する。

自身にダメージを与え、

そして自身の一撃で死ななかった男の存在を。

そしてどう対処すべきかを・・・・。

 

『・・・面倒だな。手間に釣り合わねぇ』

 

そして──撤退を選択した。

こんな殺しづらい奴1人を殺す間に10人は殺せる。それが彼の出した答えだった。

 

ウルフテラーが去ったことを確認した女の子は

雄飛に駆け寄る。

 

「ちょっと!大丈夫!?」

「う、うん。何とか」

 

女の子がベルトに手をかけ、

チケットを抜き取った。

光を放ち、仮面ライダーは

元の彩羽雄飛へと戻る

 

「・・・何だったんだ。今の」

 

そんな疑問を雄飛が聞こうと

女の子の方を向いた瞬間

ガクリと体が崩れ落ちた、

どうやら体力の限界だったらしい

 

「え!?ちょっと!・・・・ねぇ

 

女の子の心配する声が聞こえる・・・・、

けれど眠くなって──雄飛は意識を手放した。

 

 

目を覚ますと知らない場所の

知らないベッドの上だった。

 

「目が覚めたかい」

 

声の方を向くと見知らぬ、

白衣を着た初老の男性と目が合う

 

「・・・誰?」

三浦浩司(みうらこうじ)、科学者だよ」

 

男性はそう名乗りこちらに向き直る

 

「君が、アクトドライバーで変身した青年。

 ということで間違いないんだね?」

「アクト・・・ドライバー?」

「これのことさ」

 

ひょいと何かを持ち上げる。

それは確かにあの時自分が巻いたベルトだった。

そして、自分に起こったことも思い出していく

 

「・・・そうだあの子は!?

 ていうかあれは一体何!?

 ていうかここどこ!?あの狼は!?」

 

混乱が質問となり山のように投げかけられる。

 

「まぁ落ち着いて、ちゃんと説明する」

 

浩司がそう言って落ち着かせようとしたその時、

部屋に誰か入ってくる

それは間違いなくあの時の女の子だった。

 

杏奈(・・)、戻ったのか」

「うん、おじさん。・・・・目が覚めたんだ。」

 

女の子、

杏奈(あんな)と呼ばれたその子は

こちらを見てそう言う

 

「えーっと。運んでくれてありがとう?」

「ええ、泥棒さん。とっても重かった。」

 

まだ、泥棒呼ばわりである。

 

「だから違うって、

 持ち主を探して返すつもりだったんだって!?」

 

慌てて手を振りながら訂正する

 

「どうだか」

 

・・・信用はされていないようだ。

 

「さて、なにから話そうか」

「まず、君は仮面ライダーを知っているかい?」

「大好きです」

 

即答する。

それは言うまでもなく最も好きなものだ。

 

「そうか、では仮面ライダーが現実の話であり、

 実在するとは?」

「・・・思えません。でも・・・」

 

あの怪物は確かに存在していた。

 

「あれが幻だったとも思えません」

「そうだ、あれは幻でも着ぐるみでもなく、

 実在する怪人だ。

 名前はテラー。

 人間の肉体を奪い、その過去を改変し、

 その人間が怪物として存在していた

 ということにしてこの時代に現れる

 そんな存在だ」

 

過去。一気にスケールが大きくなった。

 

「じゃあ・・・あれが元は普通の人間と?」

「そうだ、そしてそれを倒すために

 僕が完成させたのがこのアクトドライバー。

 そしてMASKED RIDERチケットだ」

 

なるほど、

ではこれは小道具でもコスプレでもなんでもなく、

正真正銘本物の変身アイテムだったわけだ・・・。

で、それで自分は変身してしまったと。

・・・とんでもない体験をしてしまった。

 

「とは言っても。 これはまともに

 変身ができる代物ではないんだけどね。」

 

・・・?

それはおかしい、自分は確かに変身した。

いや、してしまったのだ。

 

「ならなんで・・・俺は変身を?」

「君が心から仮面ライダーを演じれたからさ」

 

意味が分からない。

 

「このドライバーは、いわば現実に

 仮面ライダーって偶像を投影するための装置だ。

 ・・・しかし、投影するには映すものが必要だ。

 映画を映すスクリーンのようなね。

 仮面ライダーを現実に投影するためには、

 その仮面ライダーを演じる役者が必要なのさ。」

 

つまり、自分は仮面ライダーの演技を

心から演じていたから変身できたと。

なんとも光栄な話である。

 

「逆に、変身できても。

 仮面ライダー役から意識がずれると

 ライダーとしての力が出なくなる。

 ただ演技が上手いだけでなく、

 自身が仮面ライダーだと思い込み、

 戦闘中ずっと

 没入できるような人間が必要なんだ。」

 

そういえばと思い出す。

1発目と最後のパンチは怪人に効いて、

それ以外は当たりすらしなかったことを。

なるほど、攻撃が弱くなってしまったのは、

自分が仮面ライダーとして

攻撃していなかったからか。

原理などよくわからないがとりあえず納得する。

思えば最後のパンチも

明確にライダーをイメージして放っていた。

・・・話を聞く限り、

無茶苦茶扱いにくいぞこのベルト!?

 

「・・・テラーへの対抗策は、

 現状このアクトドライバーだけだ。

 だからこそ、変身できる誰かが必要だった。」

 

浩司さんがこちらを見る、目はとても真剣だった。

 

「どうだろうか、彩羽雄飛君、

 君を“仮面ライダー役”として

 雇わせてはくれないだろうか。」

 

・・・そのスカウトに俺は

 

「やr「駄目よ!」」

 

答える前に、杏奈さんが口をはさんだ。

 

「おじさん、なにを考えてるの!?

 関係のない一般人なんかに

 任せていいわけないでしょ!」

 

そういって怒っていた。そしてこちらを向いて一言

 

「もう、あなたを巻き込む気はないわ。

 説明を聞いたらさっさと帰って。

 そしてこの問題に二度と関わらないで。」

 

そういって、俺が持っていた

ドライバーを引っ手繰って出て行ってしまった。

取り付く島もないようだ。

 

「・・・・悪気はないんだよ。

 ただ、部外者である君を

 この戦いに巻き込みたくないだけさ。」

 

──それはわかる。

自分に向けられていた視線は嫌悪や邪険ではなく

どこか心配したような視線だった。

それもそのはずだ、自分は巻き込まれただけだ。

そして、殺されていてもおかしくはなかった。

 

「ただ、僕も早計だった。

 君にも自分の生活がある。

 ・・・この話は忘れてくれ。」

 

そういって話を切り上げようとした時──

ビーッ!ビーッ!とサイレンがけたたましく鳴る。

 

「テラーだ!」

 

浩司さんはそう言うと

備え付けられていたコンピュータに向き合う。

 

「場所は・・・・商店街!?まずいな。市民避難が」

 

どうやら狼は市街地を襲うらしい、

関わるなと言われた俺はどうすべきなのだろうか。

 

「・・・アクトドライバーが近づいて行ってる?

 まさか・・・杏奈!?

 なんで向かっているんだ!?戦う気か!?」

 

それを聞いて俺は──

つい部屋を飛び出した。

 

『グァッハッハッハ!』

 

商店街は突然現れた怪物に騒然としていた。

逃げ惑う人々、

破壊される街並み。

地獄であった。

そして逃げ遅れた人が一人、

親と離れ泣き叫ぶ女の子が・・・・

ウルフテラーの目に映ってしまった。

獲物に目掛け突撃し、

その爪が女の子を切り裂く・・・前に

飛び込んだ杏奈によって助けられた。

 

「逃げて!」

 

女の子を逃がしウルフテラーと相対する。

 

『この前の女じゃねえか。

 ──あの緑色の男はいねぇのか?

 そりゃあいい、心置きなく殺せるぜ』

 

そういい笑うテラーをしり目に杏奈はベルトを巻く

そしてチケットのボタンを押した。

 

「変身!」

 

しかし、チケットは何も反応はしなかった。

 

「なんで!」

『ガルルァ!!』

 

叫ぶ杏奈目掛け、テラーはとびかかる。

その爪は杏奈を切り裂く・・・ことはなかった。

 

「危ない!」

 

今度は飛び込んだ雄飛によって助けられていた。

 

「あんた・・・・なんで!」

「いいから走って!」

 

手を引き物陰に隠れる。

一息ついた雄飛の、その胸倉を杏奈が掴んでいた。

 

「関わるなって言ったでしょ!」

 

吠えるように怒鳴られる

これは自分たちの問題だと

いわんばかりに拒絶されていた

 

「あんなの見てほっとけるわけないだろ!」

 

危機的な状況でそんな語気の強い言葉を浴びせられ、

反射的に雄飛も語気を強めて言い放つ

 

「アニメやマンガじゃないのよ!

 下手したら死ぬ!殺されるわよ!」

「わかってるよ!・・・それでも助けたい!」

 

言い合いは過熱する。

 

「なんでそこまでしたいの?

 あなたは何でそこまで戦おうとするの!?」

「あなたは何にも・・・関係ない人なのよ!?」

 

そうだ、自分は部外者であり、

前回も巻き込まれた結果に過ぎない。

今、ここであの怪人に立ち向かう義理なんて何一つない。

それでも、見過ごせないものがあった。

 

きっと、彼女は困っているのだ。

 

「・・・助けがいるなら助けたい!

 そうじゃなきゃ俺が満足できない。

 俺が幸せになれない!」

「幸せ・・・?」

「そうだ!誰かが困っているのを見過ごしたら、

 その後絶対後悔すると思うから助けるんだ!」

 

それが自分の理由だと、

いたって自分勝手な理由を雄飛は言い放つ

 

「だからやらせてくれ!

 ・・・今度は最後までやりきって見せる!」

 

そう言って、まっすぐ見据える。目は真剣だった。

その目を見て杏奈は──。

悟ってしまった。

言葉で言っても止まらないと。

目の前のお人好しは、も

はやベルトが無くても向かって行ってしまうだろう。

それは駄目だ。勝てるわけがない。

戦う力が、彼には必要だった。

 

「・・・後悔しないでよ」

 

『ガルァァ!』

ウルフテラーは破壊の限りを尽くす。

本能のまま暴れまわっていた。

──何者かがこちらに走ってくるまでは。

 

『ああ・・?』

 

見覚えがあった男が、ウルフテラーの前に立っていた。

 

『チッ面倒なのが来たな』

 

ガシャリと重い音を立ててアクトドライバーを腰に巻く、

そしてチケットを取り出し、それを起動した。

 

『MASKED RIDER』

 

チケットを携えたまま構え、そして叫ぶ。

 

「変身!!」

 

ベルトにチケットがはめ込まれる。

──どこからか、風が吹いた。

 

『Start』

風は、戦士を呼んだ(Wind called the warrior)

『MASKED RIDER!!』

 

雄飛の目の前に

緑色をした戦士のシルエットが現れ、

同じポーズを取る。

二つの影が重なり、一つとなった。

 

体が変わる。そこにいるのはもう彩羽雄飛ではない。

 

「こい!狼怪人!」

 

目の前の怪人を見据え、威勢よく啖呵を切る。

 

「・・・(・・)が相手だ。」

 

男はこの瞬間、身も心も仮面ライダーとなっていた。

 

『・・・・。やなこった!』

 

振り返り跳躍する。

楽しい破壊は十分やれた。

殺しはできなかったがまぁ次でいい。

こいつに関わるのは面倒だ。

そう結論付け、ウルフテラーは逃走を図る。

逃げ切れる自信があった。

男がどれだけ力強くても

自分(オオカミ怪人)の素早さには勝てないと思っていた。

唯一の誤算は、

跳躍は仮面ライダー(バッタ男)の十八番だったことだ。

 

グッと足に力を込め、解き放つ。

次の瞬間には仮面ライダーは、飛び行くウルフテラーの背後に迫っていた。

 

『何!?』

「ハァ!」

 

一撃。驚いて振り向いたその顔面に拳を叩き込む。

次の瞬間には、ウルフテラーは地面に叩き落されていた。

 

『グブァ』

 

墜落し苦悶の声を上げる。

ウルフテラーは過去の自分の選択を後悔していた。

──最初に見逃したのは間違いだった。

・・・面倒くさがらず殺しておくべきだった!

起き上がったウルフテラーは、

面倒などとの考えは捨てた。

明確に、目の前の存在に殺意を向ける。

──ここで殺す。殺さなければならない。

 

両者は睨みあう。

怪人と仮面ライダーの間に一瞬の静寂、

・・・先に動いたのは怪人だった。

 

『死ねヤァ!』

 

ウルフテラーは爪を振り上げ飛び掛かる。

その攻撃を、仮面ライダーは

 

「フッ!」

 

右手で器用に捌く、

そしてがら空きになった背中に──

 

「ラァ!」

 

蹴りを叩き込んだ。

 

ひるんだ相手にさらに追撃を加えていく。

一撃。二撃。三撃。

軽い攻撃は一度もなかった。

今戦っている男の中に、

彩羽雄飛は存在していない。

その全てが、仮面ライダーの一撃であった。

 

『グゥゥゥ・・・』

 

幾度となく殴られ、

ウルフテラーは頭に血が上っていた。

今までこんなことはなかった、

どんな奴も自分に怯え逃げ惑っていたはずだ。

 

──こいつはなんだ?なぜ自分に向かってくる。

なぜ、こいつは俺に痛みを与えている?

 

『調子に、乗るなぁ!』

 

怒りに任せ、爪を振り回す。

だが、そんな大振りの攻撃では、

仮面ライダーは捉えられない。

ヒラリと後ろにジャンプして、軽々と避ける。

 

『ァァァアアアア!』

 

ならばとウルフテラーは腕に力を溜めて、降り抜く。

爪から3本の斬撃が放たれる。

バイクを真っ二つにしたあの斬撃だ。

仮面ライダーはそれに対し、

──斬撃に向かって前進する。

 

無理やり突破する気かと、

ウルフテラーはほくそ笑む。

 

『(バカめ、バラバラに引き裂かれやがれ!)』

 

しかしそうはならなかった、3本の斬撃、

そのわずかな隙間を縫うように回避したのだ。

そしてそのまま接敵し、

ウルフテラーの無防備になった腹部に

強烈な拳を叩き込んだ。

 

『ギャァ!?』

 

油断していたウルフテラーは

踏ん張りも効かずに吹き飛ばされる。

よろつきながらなんとか立ち上がるが

 

『なんだよテメェ・・・。お、俺が!人間ごときに!』

 

ウルフテラーがふらつく、もはや立っているのがやっとだった

 

それを見て仮面ライダーは、ドライバーを強く押し込む

 

『 RIDER 』

BEST ACTION(ベスト アクション)!!』

 

必殺技を告げる音声が、放たれた。

 

足に力を入れ、飛び上がる。

風が舞い上がり、

仮面ライダーのその足に集まっていく。

吹き荒れる風を纏った足を、

相手に目掛け突き出した。

 

「ライダァアアアアア・・・・キィイイイイイック!!!」

 

必殺の1撃が叩き込まれる。

決着は着いた。

仮面ライダーと怪人の戦いは──、

爆発の音と共に仮面ライダーの勝利で幕を閉じたのだ。

 

 

「まさか勝ってしまうとはね。

 ・・・・大丈夫かい?」

 

浩司さんが苦笑しながら尋ねる。

 

「いででっ」

 

考えれば最初にボコられた時の

その傷が全く治っていなかった。

雄飛は体中にできた青あざに軟膏を塗られ、

沁みる痛みに耐えていた。

 

「はい完了」

 

バシィと杏奈が薬を塗り終わった背中を叩く

 

「いっだぃ!?・・・もうちょっと優しくさぁ」

「塗ってあげる優しさで十分よ」

「酷い!?」

 

ハハハと苦笑しながら

浩司さんがこちらに向き直る。

その顔はまたも真剣なものに切り替わっていた。

 

「・・・・彩羽雄飛君。

 君の力は証明された。

 君は仮面ライダーとして戦うことができる。

 一度なかったことにした話を

 掘り返して悪いがもう一度、言わせてほしい」

 

「──君を“仮面ライダー役”として

 雇わせてはくれないだろうか。」

 

それは運命の分岐点

いいえ、といえば自分はこれまで通り

平和に暮らしていくことになるのだろう。

 

はい、といえばそれは自分の命すら危険な

戦いに身を置くことになってしまうのだろう。

──それでも、答えはとっくに決まっていた。

 

杏奈さんを見る、

好きにすればいい。呆れた風にそう言われた。

 

そのスカウトに対して俺は答える

 

「やります!やらせてください!」

 

こうして俺は仮面ライダーアクトとして

戦いの舞台に上がることを選んだのだった。

 

続く

 




次回 仮面ライダーアクト

次なる怪人の襲来
『競争勝負だぁ!追いついてみな!』

「ライダーなんだから、
 必要なものがあるだろう?」

「走り抜く!仮面ライダーならやれる!」

第3章[ 鋼の愛馬 ]

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。