「ぐっ・・・うっ・・・いいんだな!?」
「問題はない・・・変われ!」
耐えるのも限界であった雄飛は
次の瞬間には、目の前が真っ暗に変わっていた
目を開く、見渡すばかりの暗闇に身構える
微かに足音が聞こえた
『──■■』
目を凝らせば、そこにうっすらと何かが見える
地を蹴る音が響く
──くる
「・・・っ!」
振り下ろされた腕を両腕で受け止める
ずっしりと重い一撃が、わが身を潰さんとする
『──出ていけ・・!』
「っ・・・また!」
腕を何とか逸らし、攻撃の隙間に飛び込む
無様に転げながも、初撃を対処する
「──やめろ!こっちの話を・・!」
次々と振り下ろされる凶爪を紙一重で避けながら
半ば無駄と理解しつつも対話を試みる
『出ていけぇ!!』
しかし、それに獣は応えてくれない
ただただ、自分に出ていけとだけ投げつけてくる
自身を、この体から出て行けと
体を明け渡せと、こちらに襲い掛かってきている
ようやく闇に目が慣れてくる
獣のその姿が、うっすらとだが分かるようになった
目を背けたくなるような、醜い獣の姿が
「──っ」
その異形にほんの少しだけ怯む
『!?・・・』
それが一体何を意味したのかを獣は理解した
『・・・るな
・・・私を、見るな!!』
それに激情を沸き上がらせた獣は、
さらに勢いを持って雄飛に飛び掛かった
「くっ──!」
雄飛が避けるために後退をする
その瞬間、足に何かが引っかかった
「!?」
背中から転倒する雄飛
暗闇に慣れた目が、引っかかったものを見る
それは──地面に飛び出た、木の根であった
『
「っ」
倒れた雄飛に爪が振り下ろされる
回避はもう間に合わない
腕を上げて防御するもそれも容易く通り抜けられるだろう
最早為す術もない雄飛
ゆっくりと迫る爪を眺めるその頭に
”あるところに、根は優しくも捻くれた王子がおりました。
王子はその捻くれた態度が元で怒りを買い、
魔法で体を醜い獣へと変えられてしまいました。
────────。"
何かが、流れ込んだ
それの意味を考えることも
それが一体何なのかという反応を取る暇も無く
雄飛に爪が、突き立てられた
※
『・・・嘘、ジャックなのよ?』
爆炎が立ち込めた中、クイーンが初めてほんの少し狼狽えたような姿を見せる
自分の中でも、自身がある上位の兵士であったそれが敗れた
自身の優位性を大きく揺るがす可能性が出てきたのだ
「次は・・・あなただ!!」
その隙を逃そうともせず、仮面ライダーラストは剣を構え駆けだす
狼狽えていたクイーンは反応が遅れた
『っ』
剣が迫る
ガキリと、金属がぶつかり合ったかのような音が響いた
しかしラストが振り下ろした剣は、
クイーンの脳天をかち割ることはできていなかった
「・・・何・・!?」
ラストが驚愕する、攻撃が防がれたことがではない
何もない、空中で剣が停止してそれ以上振り下ろせなかったことに関してだ
そして、ラストとクイーンの間に、一つの影が現れる
いきなり現れたそれは、ラストの腹を蹴り飛ばした
「ぐぁっ・・・!?」
蹴り飛ばしたのは、一体の怪人
おそらくはクイーンの手下なのだろう
しかし、その姿はこれまでのテラー達とは明らかに違っていた
装飾どころか凹凸もない人型に、顔のないのっぺりとした表面
まるで、マネキンのような様相に
取って付けたかのように、頭に王冠が乗っていた
なんというか、見るからにショボかった
『ああ、
けれど、クイーンはその姿を見るなり声を弾ませる
まるで、その怪人に絶対の自信を持っているかのように
『ええ、大丈夫、だってあなたがいるもの!
そうね、戻りましょう』
そうして、自分の中で勝手に立ち直り
テラーに傍に立つ
「待て・・・!」
『それじゃあね、・・・後ろに気をつけなさい』
蹴り飛ばされたラストとサウンドが逃がすまいと動こうとする
しかし、
「■■──!!」
「な!?」
暴走したままのアクトが襲い掛かった
その爪が、2人を切り裂いて吹き飛ばす
「っく・・・どう止める!?」
「どうって・・・ドライバーを外すしかねぇよ!?」
「・・・なるほど」
それを聞くと、ラストは立ち上がる
アクトがそんなラストに飛び掛かった
爪が、ラストのその体を引き裂かんと迫る
そして、体を貫くその瞬間
バシャリと音を立てて、アクトの腕がラストの体をすり抜けた
「!?」
アクトが驚愕しつつも、さらに2度腕を振るう
しかし、その攻撃もまた、液状化したラストをすり抜ける
そして、その隙を突いてラストの手がアクトのドライバーを掴み取った
「──。」
声を上げる間もなく、ベルトを取り上げられたアクトは
変身が解かれ、膝から崩れ落ちる
「っつ!」
そして、ラストが振り向いてクイーンの方を見る
しかし、既にそこに怪人達の姿はどこにもなかった
混乱に乗じて、逃げられてしまっていたのだ
※
喫茶「テアトロ」
「えーっと・・・ラスト君でいいのかな?」
「──そうだ」
テアトロ内にしては少し異様な空気が漂っていた
その原因は言わずもがな、席に座って固い顔をしたラストである
椅子に座ったまま、身じろぎもせずじっとして
こちらを観察し続ける姿に
こちらもみんな緊張を解くことができない
それもそうだ、いくら一緒に戦ったからと言って
この前まで敵と一緒にいた人間である
はっきり言って、信用がまだできていなかった
「はいはい、暗い暗い!
新たな仲間の歓迎をしようじゃないか!
コーヒー飲むかい?」
「?・・・ああ」
「ちょ、大木さん!?」
その時である、いつの間にかコーヒー片手に現れた
大木さんが騒がしながら席に戻って来る
この人、また勝手に厨房に──
そして、静止する間もなくコーヒーを差し出し
ラスト側もやけにスムーズにそれを受け取った
思えば、なぜか知り合いのような雰囲気を出しているが
一体どんな経緯でこの人達は関係を──?
さて、ラストである
目の前に出されたカップを断るでもなく受け取ると
不思議そうな顔をしながらも持ち上げ
そして──
グイリと一気に口をつけた
「あっ砂糖・・・」
そう、淹れたてのブラックコーヒーを
「!?」
固まったラストは
ゆっくりとカップを降ろし
「・・・おい」
そして、恐る恐るといった様子でカップを遠ざけながら
大木さんに声をかける
「・・・これは、・・・毒か?」
どうやら、口に合わなかったご様子だ
苦みに堪えながら話していた
そんな姿を見て俺は──
「・・・ップ」
おかしくて、少し笑ってしまった
見れば、周りのみんなも見れば笑いをこらえている
・・・毒気が見事に抜かれてしまったようだ
※
「えっと色々と聞きたいことがあるんだけれどいいかな?」
「・・・ああ」
空気が少し緩んだことでようやく話が進んでいく
彼は、貴重な情報源である
ここで、テラー側の目的を少しでも多く聞き出さないと
「・・・テラーの目的は何だい?」
「さあな」
「・・・。」
「・・・。」
会話が終わってしまった
──いやいや
「何か知らないの!?」
「何でもいいんだけど、・・・何にも?」
「・・ああ」
「私は、かあ・・・クイーンといったか
奴の指示に従って戦っていただけだ」
キョトンとした顔をして話すその姿に嘘は感じられなかった
・・・参ったな
「ここに来て情報なしなの・・・」
「真相に近づけると思ったのになー・・・」
「まぁ、戦力が増えることはいいことじゃないか」
「確かに、そっち方がありがたいことだ」
落胆しつつも、前を見る
そうだ、情報的な進展がなくても──
「いや・・・待て」
「クイーンは・・・確か私を”神の器に”、と」
「!?」
ラストが、思い出したかの様にそう言う
神・・・?
「神って・・・前もペローが言ってた!」
「ああ・・・やっぱりそうなのか?」
ペローは、現れるかのようなことを口にし
ラストは、実際にそれのために作られた・・・?
神を生み出す?それが奴らの目的という仮定を立てる
「神って、いったい何のことなんだい?」
「さぁな」
大木に促されながら、コーヒーに砂糖をつぎ込みながら
ラストはそう答える
──そこは分からずじまいか
「・・・だが、そうだ。
──確か、100枚」
「100枚?」
「100枚のチケットを使ってテラーを作る、とも言っていた」
「「「!?」」」
全員が、動揺する
先程の神というのは、随分と漠然としていたが
ここに来て、明確な数値が出てきたのだ
「チケットって・・・
まて、今何枚だ!?」
「音石!雄飛君達の倒した数の計上
・・・いや、大吾のもだ!」
「おお!」
博士たちが大急ぎで、資料を漁りだす
そして、戻ってきた博士が告げた数は──
「・・・86体」
それが、今までに仮面ライダーが倒したテラーの数だと浩司さんは言った
「それに加えストーリーテラーが4体」
杏奈さんが、付け加える
「・・・私が3体分」
ラストが手に3枚のチケットを持ちながらそう告げる
「そして・・・ここに1枚」
自分も胸に手を当てながらそう言った
「94体・・・あと6体かよ!?」
敵の目的が達成されるまで、少なくともあと6体分
どうやら、時間はそう残っていないようであった
「・・・なら、とりあえずの目的はテラーを作る前にチケットを奪うことか?」
「・・・そうなるね」
今回の話で、当面の目標が定まる
とにかく、敵の目的が100体のテラーを生み出すことであるのなら
それを阻止しなければなるまい
※
「さて、話も纏まったし、一旦お開きにしよう
音石、雄飛君の暴走への対処何だが・・・」
そうして、浩司さんは音石さんを連れて店の奥に引っ込んでいく
僕もちょっと席を外すよ、と大木さんも店を出ていった
「・・・。」
一息がつけて、ここでようやく
気を失う前のことを思い出した
”この森から出ていけ”
獣が言った言葉を
そして、やられる前に聞こえた一説の物語を
──もしかして
雄飛もまた、店の外に出ることにした
※
さて、そうして残ったのが
杏奈,翔,そしてラストの3人である
「・・・なぁ」
「なんだ」
「・・・趣味ってなに?」
「・・・?なんだそれは?」
「いやだから、趣味だよ、続けてることとか」
「・・・?」
翔が打ち解けようと懸命に話すが
どうもラストが内容を分かっていない
「・・・戦いは何度もしている」
「いやそうじゃなくってな
もっとこう・・・楽しいことないのか!?」
「・・・それは必要か?」
「いや必要とかじゃなくって」
「あーもううるさい!!」
あーだこーだと言い合っていると
厨房で食器を洗っていた杏奈がキレた
「することないなら買い出し行ってきなさい!!」
メモを渡して翔を店の外に蹴り飛ばす
「ほらあんたも!!」
「!?・・・なんだ?」
それを見ていたラストもまた
言われるがまま、杏奈に店の外に放り出されるのだった
「容赦ねぇなぁ・・・風間ちゃん
しゃあない、行こうぜ」
尻をさすりながら、翔がそうつぶやく
──いや、もしかしたら打ち解けるチャンスをくれたのかもしれない
この買い出しを通じて仲良くなれ、そう言うことか
そうと決まれば話は早い、張り切っていこうとする翔に対してラストは
「・・・おい」
「ん?」
「買い出しとはなんだ?」
「えっ」
先行きが不安になった
※
雄飛は、開けた採石場に訪れていた
人の通りはない
誰もここを訪れることは無いだろう
──暴走をしても、これならだれかに襲い掛かることは無い
暴走後、獲物を探しだす可能背もある?
・・・何故か、そうは思えなかった
『Night Of Beast』
・・・暗闇の中に佇んでいる
手探りで、辺りを探る
何かが手にぶつかる、どうやら木のようだ
やはり、ここは暗すぎて気が付かなかったが森だったようだ
木にもたれかかりながら、座り込み
程なくして
何かが近づいてくる気配を感じた
──来たか
『出ていけ・・・』
獣が、雄飛の下にやってきた
「──君は、話せるんじゃないのか?」
『・・・。』
襲い掛かる前に、先んじて話しかけてみる
返事はなかったが、確かに反応があった
「君は、何がしたいんだ?」
自分の体を奪い取る?
──違うのではないのか?
森から出ていけと、俺の体などどうでもよさそうではなかったか?
地面を踏み込む音が聞こえる
横に転がるように避ける
自分が立っていた場所を、爪が引き裂いた
「──っ君のことを、教えてくれないか!」
『出ていけ──!!』
既に会話になっていない
それでも雄飛は避けながら語り掛ける
自分でも、危険な行為をしていることは理解していた
それでも、知らなければならないと思ったのだ
避けきれなくなる
視界が悪い中で動いて、足を取られまた転倒する
テラーが、自分を馬乗りの状態で追い詰める
「なんで!人を遠ざけるんだ?」
それでも口を止めずに聞き続ける
──テラーが、一つの精神であることを知ったから
──人を襲うのを辞めた者もいたことを知っているから
振りかぶり、降ろされた腕を掴み取る
凄まじい力で、腕が自分の体に押し込まれようとするのを必死に止める
凄まじい力が自分に向けられている
敵意を持って、自分に向けられている
それでも──
「知りたいんだ・・・
──分かり合える気が、確かにしたのだ
『・・・もう、誰とも会いたくないんだ』
「!?」
獣が、初めて理知的に話す
それに驚いて、手が滑ってしまう
ゆっくりと、爪が自分の胸に迫っていく
“あるところに、根は優しくも捻くれた王子がおりました。
王子はその捻くれた態度が元で怒りを買い、
魔法で体を醜い獣へと変えられてしまいました。
醜い獣は、人々から恐れられ、避けられ、追い立てられてしまいました。
そうして獣は、悲しみながら走ります。
そうして離れた城を超え、深い森へと入りました。
そこに、光は届きはしません。獣はその身を隠して生きています。
そこに、■■は付いていけません。獣は一人で生きています。
そこに、■■はたどり着けません。獣はずっと、■を知らずに生きています。”
瞬間、そんな一説が、聞こえたと感じた瞬間
胸を貫いた爪が、その意識を刈り取った
※
「買い出しどころか、金の使い方も知らんとは・・・」
「・・・おい、ショウ。これはなんだ」
買い物袋をひっさげながら、翔は頭を押さえる
買い物一つで随分と時間がかかってしまった
それもこれも、ひとえにラストの常識のなさであった
万引き仕掛ける、金を知らない、目に映る物なんでも聞いてくる
どうやってここまで生きてきたのだと言いたくなるが
それは境遇から察する
あの状態で、まともな人生など遅れていたはずがないのだ
とはいえ、ある意味では有意義ではあった
随分と打ち解けられたような気もする
話せば、なかなか素直ないい子ではないか
「おい」
「ん?あーそれはな」
そんな会話を話していたその時
『ごきげんよう?』
「「!?」」
背後から、聞きなれた声が聞こえてくる
振り返るとそこにいたのは
『はぁい』
機嫌よさそうに構えるクイーンである
「貴様・・・!」
「出やがったか・・!」
翔とラストがドライバーを構える
「「変身!!」」
『GIGA SOUND!!』
『BUBBLE MERMAID!!』
仮面ライダーサウンドが槍を
仮面ライダーラストが剣をそれぞれラストに振り下ろす
その時、クイーンの脇から人影が割って入った
またも、剣と槍が空中で静止するかのように受け止められる
「「!?」」
押し込んでもびくともしない
そして、
『フン!!』
「ぐあ!」「うお!?」
割って入ったあの王冠を被ったテラーが掛け声を上げた瞬間
空中で止められていた剣と槍ごと
2人の仮面ライダーを弾き飛ばした
『反省したの、・・・やっぱり手抜きは駄目ねって
・・・だから、しっかりと倒しておかないと・・・ね?』
弾かれて吹き飛んだライダー達を見ながら
クイーンは、愉快そうにそう告げた
『それじゃあよろしくね?
・・・しっかり倒して帰ってきて』
『・・・。』
王冠を被ったテラーにそう告げ、姿を消すのだった
「待て!」
追おうとするラストを、テラーが遮る
「どけ!」
剣を振り下ろす
マネキンのような、外装も何もない体をに剣が迫る
テラーは防御する素振りもせずに立っていた
このまま容易く切り裂く、かと思われたが
またもや、テラーの体に届く寸前
体のほんの数cm前で、刃が停止し、届かない
「何!?」
『ハァ!』
テラーがラストの腹部を殴りつけ吹き飛ばす
「くっ」
「大丈夫か!?」
立ち上がったラストとサウンドが並び立ちテラーと相対する
テラーは、構えもするでなく
ただただ立っていた
攻撃しようと、2人が武器を構える
その瞬間
『ひれ伏せ、王の御前である』
テラーがそんなことを言った瞬間
2人の体に、まるで切り付けられたかのような衝撃が走った
「うわぁ!?」
「グォ!?」
突然の衝撃に転倒する2人を満足そうに眺めながら
テラーは今度は腕を振るう
次の瞬間、立ち上がった2人をすぐさま
また薙ぎ払うかのような斬撃が左右から襲い掛かった
まるで、テラーの腕に追従するかのように
次々と、離れた場所の2人に攻撃が殺到する
まるで反応できない、というよりも
どこからどうやって攻撃しているのか
全く持って視認ができない
「なんだこいつ!どっから攻撃してんだ!?」
「っく!」
ラストが地面に潜っていく
そして、テラーの背後から不意を突くように飛び掛かり
その剣を背に振り下ろす
しかし、それでも刃が立たない
またもや、数cmの地点で刃が停止する
「おりゃ!」
サウンドがボウガンを構え、テラーに対して撃ち放つ
弾丸が、その体に当たるも
やはり体に突き刺さる前に止まり、そのまま地に落ちる
「なんだ、こいつ!・・まるで見えないバリアみたいに・・・!」
『・・・ふん、バカには見えん!!』
そう言いながら、テラーが腕を振るう
咄嗟にその場から飛びのく
次の瞬間、内装や柵などごと見えない刃は引き裂いて通った
「!?・・・やべぇ、ラスト!ここで戦ったら不味い」
建物をこれ以上破壊させるわけにもいかない
こんな場所で戦い続けるわけにはいかなかった
「・・・分かった」
ラストとサウンドが揃って駆けだす
『逃がさん』
それを追いかけるように、テラーもまた駆けだした
※
ビーストフォームへと姿を変えたアクトは
誰もいない、採石場で佇んでいた
紅い複眼はどこを見るわけでもなく
ただただ真っすぐを見て、微動だにしていない
──決して、自ら誰かを襲いに探そう等としていなかった
ドォン、ガラガラと大きな物音が響いてくる
「!?」
それに気づいたアクトは、どんどん近づいてくるその音に
少し迷った素振りをしつつも、
やはり、そちらに駆ける行くのであった
※
斬撃に晒されながら
2人は駆けていく、人里から遠く離れてきた
このあたりならば十分であろう
とはいえ、結局攻撃が通らないままここまで来てしまっている
どうにかして打開せねば
「どうにかして、あの見えない壁を突破せねば」
「・・・こうなりゃ1,2,3で同時攻撃大作戦だ」
ラストと顔を見合わせ頷きあう
とにかく、攻撃を通さないと意味がない
しかし──
必殺技を構えようとした瞬間
またも薙ぎ払うかのような斬撃が2人を襲う
「ぐぉ!・・・だめか」
「どうにかして、攻撃を止めさせないと・・・!」
『逃がさん!!』
テラーが腕を振るう、追従するかのような
まるで宙に浮かぶ剣がこっちに飛び掛かってきているかのような
目に見えない斬撃の乱舞が、2人を襲う
避けるのに手いっぱいで、まともに攻撃が振るえなくなる
『フン、逃げてるだけでは──!?』
テラーが攻撃を振るい続けていた
その時
背後から、アクトが獣が如くテラーへと襲い掛かった
「■■──!!」
「何!?」
「雄飛!?」
アクトの爪がテラーを引き裂く
・・・いや、テラーが身にまとう透明な何かを引っ掻く
『くっ・・・無駄だ!』
「!?」
単純に固いそれに阻まれ、驚愕するアクトに
テラーの攻撃が迫る
見えない斬撃が、アクトを切り裂き吹き飛ばした
「!?・・・今だ!!」
「くそ!」
アクトに気を取られ、攻撃を振るった瞬間
ラストとサウンド側の攻撃の手が緩んだ
『BEST END!!』
『BEST HIT MEDLEY!!!』
「ハァ!!」
「ダラァ!!」
強力な2つの攻撃が
テラーに向け、放たれた
『!?──何!?』
テラーが背後に迫る攻撃に気づくが一手遅い
強力なエネルギーがテラーへと着弾し
強大な爆発を引き起こした
「よっしゃ!」
「やったか・・!」
攻撃が当たったことを確信し
2人が油断して構えを解いたその瞬間
再度斬撃が2人を襲いかかった
「ぐぁ!?」
不意打ち気味な攻撃に防御もできずもろに受けてしまう
そして、倒れた2人が目にしたものは
「嘘だろ・・・!?」
爆炎の中、ものともせず
こちらをみて佇む、テラーの姿であった
続く
次回 仮面ライダーアクト
見えない攻撃に苦しむライダー達
『貴様らに勝利などない!!』
「攻撃が通らねぇ!!」
雄飛は、賭けに出る
「無茶だ!・・・あんな凶暴な意思に!」
「押さえつけちゃダメなんだ」
「・・・分かり合えると、思うんです」
「・・・一緒に行こう、大丈夫きっと魔法が助けてくれる」
第25章[そうして、輝ける夜が来る]