獣の様相をしたアクトのドライバーにチケットが装填され光を放つ
『
ドライバーから何かが飛び出す
胸元のアーマーとひらひらとはためく袖と裾、それはまるでローブのようにも見えた
暗い薄紫のそれがアクトに重なり合うように降り立った
『
布のようにもまるで金属のようにも見えるアーマーが
毛に塗れた腕をそして肉体を包み、その姿を変えていく
『
ただただ荒々しさを感じさせた醜い獣が
理知的ささえ感じさせる、そんな魔法使いの恰好をした獣へと
『
暗い紅いだけの複眼が、希望にも似た金に輝く
『
そんな、新たな姿をしたアクトが
腰から伸びるマントをはためかせ、そこに立っていた
「──成功した・・・!」
杏奈が、成功を確信し希望に満ちた声を零す
サウンドとラストがその変化に言葉を失う
そして──
『変わった所で──!!』
テラーがだけがその変化に臆さずその腕を振るう
瞬間、アクトに不可視の剣が飛来する
そんな攻撃を
アクトはヒラリと飛び上がり回避する
『馬鹿め!!』
追撃のように2本目3本目が空中のアクトに飛来する
空中では身動きは取れない
そのまま切り裂かれ無様にアクトは地に落ちた──
──かと思われた
アクトの隣にまるで内側に文様を付けた光の円──
そう、まるで魔法陣のようなものが現れる
そして、円は空中のアクトを通過するように動き出す
そして、円がアクトの体を通った瞬間
『何?!』
目標を失い、剣が全て空を切る
そう、空を切ったのだ
アクトは見えなくなったわけではない
その場所から、いなくなったのだ
『ど、どこに──?』
テラーが辺りを見回す
しかし、周りの何処にもその姿はない
次の瞬間
再度、魔法陣がテラーの背後の空中に現れた
そして──
「──だぁぁあ!!」
アクトが、その円の中から飛び出すように現れた
突然の奇襲にテラーは反応もできずに
その背には、アクトのその腕の
獣のような鋭い爪の一撃が繰り出された
『ぐぉあ!?・・・一体何が・・!?』
「魔法さ、ちょっとしたね」
降り立つアクトは不敵にそう言い放つと
次に虚空に手をかざす
開いた手には、何も握られてはいない
しかし──
次の瞬間、その手に何かが現れる
細長い支柱の先には
まるで、獣の顔を模したかのような備品が取りつけられ
逆立つ毛が、まるで刃のように光沢を放つ
それは、まるで手斧のような──短い杖であった
『CG
自らの銘を名乗るように音を鳴らし起動する杖
そして、アクトがその杖の叩くように軽く押すと
『
そのような音声を鳴らし
杖の上部、獣の顔を模した刃の部分が
まるで
「ハァ!!」
そして、アクトは燃え盛る杖をまるで斧のように振るい
テラーを切り飛ばした
『──!!お、のれええええ!!』
再度、テラーがその腕を振るう
不可視の武器が次々とアクトへと飛来した
「おっと」
いくつもの武器が風切り音だけ鳴らして飛んでくる
しかし、アクトは焦ることなく再度アクトが杖を叩いた
『
杖を手にした方とは逆の手に、力が集い強化されていく
そして、まだその手の届く範囲へと
到達していないにもかかわらず
アクトは、その手を振るった
当然、その手は空を切り、飛来するものを何一つ弾けない
しかし、その後に変化が起こる
まるで空間に巨大な3本の引っ搔き傷のようなものが
そして、飛来するすべての武器が
その傷跡に切り飛ばされたかのように弾かれた
『なっ──?!』
目の前に現れた異様な光景に驚愕を隠せないテラー
それをしり目にアクトは
「厄介だな、──けど透明じゃあ地味だな、
ちょうどいい感じにしてやる!!」
再度、杖を叩く
『
杖を、テラーに向け突きつける
次の瞬間、杖から放たれた光がテラーを照らす
『!?』
眩しさに目を閉じたテラー
そうして、その目を開く
──何も起きていない?
唯の目くらましかとそう思った瞬間
自分の目の前に
黒い柄と金の鍔そして白銀を輝かせた美しい剣が
浮遊しているのが目に映った
『!?』
異変に気が付く
不可視であった宙に浮かぶ武器の数々が
美しい色が付けて宙を漂う
そして、自身の姿もだ
まるでマネキンのような簡素にしか見えなかった姿が
今では
黄金に輝く眩い鎧に身を包む
荘厳な王のような姿へと変わっている
『こ、これは──!?』
「いい造形じゃないか」
アクトは、そう言い放つ
それは、アクトにもその色輝く姿が
視認できていることを物語っていた
つまり、不可視という自身の強みが今
取り払われたということであった
『貴様──!』
激高するテラーにアクトが突貫する
テラーはそれに対して武器を飛来させる
不可視の武器での波状攻撃
回避の間に合わない、凄まじい威力を誇った攻撃
しかし、既にその有効性は失われている
目視できる次々と回避しながらアクトが駆ける
そして、容易くテラーの目前へとたどり着いた
アクトが開いたその手を振るう
固い爪が引き裂くと同時に裂傷のエフェクトが現れ
さらにテラーを傷つけていく
2撃3撃、そして4撃目が決まると共に
テラーがその衝撃に耐えきれずに突き飛んだ
『がぁあああ!!』
ついに言葉にもならない程の激高と共に
テラーが咆哮を上げる
宙を浮かぶ剣達が一斉にアクト目がけ飛来する
10本にもおよび剣が次々とアクトを襲い掛かった
連続で飛来するそれを間一髪で避け続ける
1本避けると次の1本が
それを避けるとまた次が
延々と続くそれを、アクトは臆することなく避けていく
『は、無駄だ!!
いずれ避けきれなくなる!!』
テラーはそれを見て勝ち誇る
もう逃がす気はない、逃げ疲れたところを
一斉に襲い、切り刻んでやる
そう強い意志で剣を振り回す
「っ・・・どうかな」
さすがに逃げ疲れてきたアクト
しかし、それでもそこに焦りはなく
何事もないかのように、杖を叩く
──無駄だ!もうそこから逃がす気などない!
反撃の隙など与えないように、より一層
剣の速度を上げようと、テラーが意識を集中させた
その時──
『
そんなテラーの背後に、再び魔法陣が現れる
そして、そんな中から
紅い眼光が、その姿を覗かせた
『ぐあ?!』
そうして現れた魔法陣から毛に塗れた、一本の腕が伸びて
テラーを背後から引き裂いた
突然の奇襲に、剣の勢いが緩む
その隙に、アクトは包囲から抜け出して
そして、怯んだテラーに対して
飛び蹴りを一つ食らわせた
『?!・・・何が!?』
「ちょっとした、お手伝いだ!」
何が起きたのか把握できないテラーに
アクトが、さらに杖を振りかぶって叩き込む
固い鎧を杖が叩き、甲高い音を鳴らしてテラーが吹き飛ぶ
『ぐっ・・・無駄だ・・・その程度では』
テラーが自身の鎧を見る
衝撃こそ届くが、目に見えるようになったその鎧には
まだ傷などない
その程度の攻撃で、自身は倒せない
「だったら」
アクトが、ドライバーからチケットを取りだす
「届かせるまで、やるだけだ!!」
そして、手にした杖に
そのチケットを差し込んだ
『BEAST!!』
『っ、うおおおおお!!!』
それを見たテラーもまた
力を込めて雄叫びを上げる
剣が、また宙を浮かび立ったアクトへと狙いを定める
アクトが、チケットを差した杖を何度も叩く
『
そして、杖に備えられたトリガーを
今、引き込んだ
『
アクトが、力強く飛び上がりその脚を突き出す
差し出した足に火が灯り、そのままテラーに向けて突き進む
テラーがそのアクトへ向けて、手をかざす
その瞬間、全ての武器の切っ先が、アクトに向き
一斉に、飛来していく
アクトの蹴りがテラーを一直線に向かうのに対し
テラーの攻撃は、そのアクトを横から襲うように
上下左右あらゆる方向から一斉に飛来する
こちらに届く前に、叩き落とす
真正面から立ち向かうことなく
テラーの武器はエネルギーの帯びていない体に向け飛ぶ
このままでは、アクトの攻撃は撃墜される
──かと思われた
アクトのが突き進むその先
空中に、またも魔法陣が現れた
『!?』
そして、蹴りの体制のままアクトがその陣を突き抜ける
その瞬間、アクトの姿が消えた
剣が、対象を失って虚空を切り裂く
『──どこn・・・?!』
アクトを見失ったテラーが辺りを見回す
しかし、それは思いのほか速く見つかることとなる
見回せば、先ほどアクトが通過したあの魔方陣が
自身の周囲を取り囲むかのようにいくつもの数展開されていたのだ
そして
「はぁ──!!!」
そのうちの一つ、自身の目の前の魔法陣からアクトが飛び出す
凄まじいスピードで放たれたそれはテラーの胸に突き刺さる
しかし、その一撃では固い鎧を砕くことはできない
アクトの足が、鎧を砕くことなく弾かれる
──耐えた
そのことに勝利を確信したテラーは
けれども凄まじい衝撃にふらつき
体の向きが、別の魔法陣の方へと向いた
──そして、信じられないことが起こる
「はぁ──!!!」
そして、別の、自身がまた正面に立った魔法陣から
アクトがまた、蹴りの姿勢で飛び出してきたのだ
そして、またその蹴りが自身の胸に突き刺さる
またふらつき、そして──
「はぁ!!」「だぁ!!」「りゃああ!!」
連続で、次々と魔法陣から増えたアクトの蹴りが放たれる
何発ものキックが何度も自身に叩き込まれる
ピシリと、鎧が限界を迎える音が響いた
『なっばかなああああ!!』
そして、最後の一撃が、今放たれた
「はぁああああ!!!!」
最後の魔法陣から、アクトが蹴りを放ち現れる
それは寸分狂わずテラーの胸に突き刺さり
そして──
固い鎧が、今悲鳴を上げるように砕け
防御を失ったテラーのその本体をアクトのキックが貫いた
地面を削り、砂煙を上げながらアクトが着地する
そして、その背後には
鮮やかな爆炎が、勝利を告げるかのように大きな音を上げて立ち上がった
アクトが立ち上がり、そしてドライバーに手を掛ける
ドライバーに取り付けられたパーツとチケットを手に取り
ゆっくりと取り外す
そうして、変身を解いた雄飛は
その手に握られた一枚のチケットを見る
禍々しい様相をした一枚のチケット
けれどそこにはもう、以前のようなおどろおどろしさはなく
穏やかに、雄飛の手に収まっていた
「──。」
雄飛はそれにはにかんで
背後から聞こえる、仲間たちの声を聴いて
足早にその場を後にするのであった
※
『嘘でしょう・・・?何かの間違いよ』
暗い廃墟の中、クイーンは自身の兵が消え去ったことを感じ取り
驚愕を隠せないでいた
自分の一番自信のある駒だった
きっと自分の期待に応えきれる駒であると信じていた
──しかし、結果は違っていたようだ
『嘘よ、私が間違えたの・・・?』
『ハハッ珍しいじゃないか』
『!?』
クイーンが振り向く
その先には、自身もよく見る男
ペローがそこにはいた
『ご自慢の奴も無様にやられちゃったみたいじゃないか
・・・あれだけ自信満々だったのにさぁ!』
他者の、それもクイーンの失態に
ペローは興奮を隠せないといった様子で囃し立てた
『なんだ、結局そっちも駄目じゃないか
天下のクイーン様も形無しかい?』
自分のことも棚に上げてただひたすらに貶す
それが気持ちよくって相手など見えていなかった
だからこそ──見誤ったのだろう
『そんなんじゃ、僕のことを笑えな──』
『
ペローの首を、クイーンの小さい掌が包み
そして、強く締め上げた
どこにそんな力があるのか
その細腕はペローの首を絞めたまま宙に持ち上げる
『──ぐぇ』
『
私のなんの役にも立たない屑が』
いつもの言葉遣いがどこに消えた
荒い口調が漏れ出している
『──ちょうどいいわね?私、今手が欲しいのよ』
『文字通り、私の願いを叶えてくれるのがね?』
『──っっ。』
取り繕うように口調を戻し
穏やかにそう告げる、しかしその手の力はより一層強く
ペローの首を絞めつける
『無能でも・・・命位かければなんだってできるわよね?』
『──何を』
『私のために、死んでくれる?』
にっこりと、花の咲くような笑顔で
クイーンは穏やかにそうお願いを言い放つ
口では、そう言うが
ペローにはそれはただただ脅迫にしか聞こえなかった
『誰が・・・』
『死んでくれるわよね?』
首がより一層締まる
このままでは、どちらにしても死──
『そこまでにしておけ』
そんな時、助け船はやって来る
その声を聴いて、クイーンはようやく手を放す
崩れ落ちて、むせかえりながらペローがその姿を見る
そこにいたのは
『あら、サン
──もう怪我はいいのかしら?』
『ああ、随分かかったがな』
サウンドとの決戦後、まるで音沙汰のなかった
太陽のストーリーテラー、サンである
『それで?どうして止めるのかしら?
──あなた、別にどうでもいいでしょう?』
『なに、手に困っていると聞こえたのでな』
そう言うと、サンは懐に手をいれ
『なら、これを分けてもいいと思ったまでだ』
『『!?』』
そうして、2枚のチケットを取りだした
『どういう風の吹きまわしかしら』
『それは、お前の割り当てだろう?
・・・何のメリットがある』
クイーンとペローはそれを見て
初めに感じたのは、違和感である
自身の道具である物を、むざむざこちらに分けようなどと
虫が良すぎる話であった
『何、条件はある』
『使い先・・・誰に使うかは私に決めてもらいたいだけだ』
そんな2人の疑念を晴らすかの如く
サンは条件を突きつける
なるほど、用意はするからそのテラーを好きにしろということか
・・・そういうわけであれば、こちらとしてもそこまで悪い話ではないだろう
『・・・それならまぁ』
『いいわ、乗ってあげる』
そうして、2人はその誘いに乗ることを選んだ
何しろ、どちらももうテラーを持っていない
手駒は、あるに越したことは無いのだ
『そうか、では』
その返事に満足そうなサンは
そうして手にしたチケットを
2人に──
『よろしく頼む』
手渡すのではなく差し込んだ
『!?──なっ』
『にぃ──!?』
自らの体に取り込まれていくチケットに
驚愕を隠せない2人のストーリーテラー
そして、サンの真意を聞き出そうとしたその時
『っぐっ・・・うううううう!?』
『あっ・・・あああああ!!?』
2人の中で、まるで何かが暴れ出すかのような
激しい鳴動が起こりだす
熱と痛みを伴った
その衝撃に悶えだす
『単純な話だ・・・お前たちがどうなるのか
それが見たい』
その様子を、サンは愉快そうに眺める
そう、もはや唯のテラーを増やしたところで意味などない
彼らがさらにチケットを手にしたとき
どのような反応を起こすのか
それが、彼の狙いであった
『ぐっうううう!!』
2人の姿が変化する
女王と猫のテラー態へと切り替わりる
苦しそうにペローがコンクリートの床を引っ掻く
床に鋭いひっかき傷を何本もついていく
そして──
『G,GAAAAAA!!!!』
さらにその姿が切り替わる
猫から獅子の姿へ
そして、その獅子の手足に
まるで藁束のような枯れた植物が巻き付いた様相が増えていく
まるで、案山子のような藁束と獰猛な獅子が混ざった
キメラのような様相に姿を変える
そして、立ち上がったペローは
暴れるようにその腕を振るう
肥大化した腕の、その爪から真空刃が飛び出し
廃墟の壁に容易く穴をあける
そして、まるで我を忘れたかのように
その穴から、外へと飛び出していった
『っ・・・我を忘れたか』
想定外の出来事だと
そうサンは人ごとのように呟いた
しかし──
『っふ、まぁ仕方あるまい
これで3枚目だ』
『
そう、少し楽しそうに呟くと
サンはペローを追いかけるように部屋を後にした
『っう・・・ああああああ!!』
悶え続ける、クイーンだけを残して
※
テラーを撃退して数日
翔とラストは、店の買い出しに出ていた
何度かの買い出しを経て、ラストも慣れてきたのか
「それで全部か」
「おお、あとは帰るだけってな」
多くの袋を下げて、あとは店に戻るだけ
今回はスムーズに終えられそうだと
そんな安堵をしていたのだが
ドゴォンと、爆発音が大きく響き
そして、一泊遅れて、悲鳴が辺りに響き始める
「「──!?」」
互いに顔を見合わせて、音のする方へ駆けだした
そこには
『GARUAAAAAAAA!!!!』
まるで獣のような声を上げる獅子のような怪人
──いや、あの姿は見覚えがある
「っペロー・・・か?」
「何だあれは、・・・混ざっている?」
二人して、その姿の変容に驚愕していると
ペローのその我を忘れたかのような目が
2人を見つけた
『AAAAA!!!!』
凄まじい速度でこちらに突っ込んでくるその巨躯を
互いに転がるように避ける
「っお構いなしか」
「「変身!!」」
『caldissimo!』
『grandissimo!!』
『Fortissimo!!!』
『
『
『Give Everything ...Lose Everything』
『STATUE OF HAPPINESS』
「っはぁ!」
仮面ライダーラストが弓と化したグリップを引き
そして矢を放つ
鳥型の矢は崩れ落ちた瓦礫の数々を縫うように駆け
そして、ペローに突き刺さる
──が、それは深々と刺さるどころか
容易く弾き消された
「何!?」
『AAA!!!』
崩れた瓦礫を掴み、放り投げる
凄まじい速度の瓦礫がラストへと飛来し
その体を吹き飛ばした
「ぐぁ!?」
「なろぉ!」
仮面ライダーサウンドが今度はペローへと肉薄し
ギターランスを振りかざす
そして、槍の穂先がその肉体を切り裂いた
「!?──柔い!?」
想像以上の手ごたえ
しかし、次の瞬間腹の切り傷の部位に変化が起こる
まるで藁がうごめくように傷元を埋めていく
そして次の瞬間には、元通りになった
「なっ!?」
ペローの瞳が、サウンドを見据えた
呆気にとられた隙に槍が掴み取られる
そして、槍ごとサウンドは容易く空中に放り投げられた
そのまま地面へとサウンドが激突する
「っ痛・・・!」
一瞬何が起こったのか分からなかったサウンドも
背に走る痛みが理解させる
──なんて怪力だ
『GAAAAAA!!!』
再度巨大な咆哮を放つペロー
その姿にかつてのヘラヘラとした様子はまるでない
一体何がどうなったらあんな
ペローが、再度サウンドの下に突貫する
サウンドが、突貫するペローに合わせ槍を振るう
カウンターが、こちらに突っ込んでくるペローに向かっていく
しかし、その素早い一撃をペローは容易く腕を振るって弾く
凄まじい勢いで弾かれた槍はサウンドの手からも外れて宙を舞った
そして、がら空きになったサウンドのその体に
ペローが腕を2度叩き込む
ペローの爪がサウンドのアーマーを裂き火花を散らす
そして、さらに固めた拳を叩き込み
サウンドを大きく吹き飛ばした
「おっあああ!」
転がっていくサウンド
凄まじい勢いが地面を滑りようやく収まる
『GAAAA!!!』
しかし、休む間もなくペローがサウンドへと駆ける
不味い、ダメージが足に来て上手く立てない
「っく」
回避ができずに悶えるサウンドに
ペローが止めを刺さんと爪を振り上げる
やられる──!!
サウンドが腕で頭を庇い、諦めかけてしまう
──しかし
『AA!?』
爪を振り上げた瞬間、ペローのその動きが止まる
そして、驚くような声を上げた瞬間
頭を抱えて、悶え始めた
『AAA・・・僕は・・・!俺は・・・!!?』
ここに来てようやく人語らしい言葉が出たと思えば
頭を抱えて苦しむ
「な、なんだ・・・!?」
「何が起こった・・?」
サウンドとラストがその状況に困惑する中
ペローの苦しみは続く
『僕は・・!?・・・いや、私だ──!??』
対には、獅子の怪人態から人間の姿へと戻り
それでも悶え続ける
『うわあああああ!!!!』
そして、ひと際大きな叫び声を放ったと思えば
ようやく悶えるのが収まった
「・・・ハァ・・・ハァ」
息も絶え絶えといった様子でペローが座り込む
もう、暴れる様子はなさそうであった
「ここは・・・?」
「
いや、どこか様子がおかしいようだ
まるで自分の現状を理解していないかのように
きょろきょろとあたりを見渡して
そして、驚愕していた
「なんで・・・こんなところに?」
「動くな」
そんなペローに対して、ラストがグリップを突きつける
可笑しなことをすれば撃つと言わんがばかリだ
そんなラストの様子にペローは
「!?・・・君は・・?」
まるで、初めて見たかのような反応を示す
・・・?
「何を言っている、下らんだまし討ちは──」
「待て、ラスト
・・・なんか様子がおかしい」
ラストはそれを騙しだと思ったようだが
サウンドはどうも別の何かを感じた
「・・・ペロー、あんたに何が・・・?」
サウンドが、そう尋ねかける
しかし、それを尋ねても当のペローは頭を傾げる
「・・・ペロー?」
どう見ても、なにも分かっていないようで
これではまるで──
「
まるで、今までのことを知らない誰かのようではないか
※
『ほぉ・・・懐かしい物を見た』
その様子を遠くから眺めてたサンは
その状況を楽しそうに眺めていた
『そうか、混ざりすぎて・・・
お前が出てくる、そんなことがありえたのか』
自分だけは理解し、納得し
そして、その上で現状を愉しんでいた
『・・・今の状況なら、お前はどんな思いをするかな?』
『──なぁ、
続く
次回 仮面ライダーアクト
金子の記憶とは──
「あ・・・あああああ!私は!!・・・私は!!!」
「おい、落ち着け!!落ち着け!!」
ペローの過去とは──
「おかしな死体だったらしい」
「──まるで、ライオンでも飼ってたのかってな」
"『ほぉ、自力で戻ったか。逸材だな』
「私は・・・・何を・・・したんだ・・・?」
『ペロー・・・うん、いい名前じゃないか!!』"
第27章[猫は、踏んでしまった]