仮面ライダーACT [アクト]   作:ヨッツ

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第27章~猫は、踏んでしまった~

()()()()()()()()?・・・私は、そう名乗っていたのか?」

 

数瞬、時が止まったかのような静寂が満ちた

──この男は、なんと言った?

 

「──どういう・・・ことだ・・・?」

「っ、おい!ふざけんな!!!」

 

サウンドがペローの胸倉をつかみ上げる

 

「っぐ・・・!」

「そんなんでごまかされると・・・」

 

「──何のことなんだ・・・!」

「!?」

 

ペローは本当に分からないとでも言うような声色で

締め上げられながら、そう口にする

 

「私は一体・・・何をしてしまったんだ・・・?」

 

そこまで聞いて、サウンドがペローを降ろす

それが、演技などではないと

そう、理解してしまった

 

「どうなってんだ・・・!?」

「・・・どうするんだ、やるのか」

 

グリップが突きつけられ、弾丸が顔を覗かせる

いつでも撃ち抜く準備はできているとでも言うようだ

 

「ひっ」

「・・・待った・・・いや、無理だ」

 

ガシガシと頭を掻きながらサウンドが変身を解く

怯えるペロー?から銃口を下げさる

どうやら、今の彼は自分達の知っているペローではないらしい

 

「連れて帰ろう、なんもかも聞き出さないと」

「・・・分かった」

 

ラストもまた、変身を解き

そうして二人して座り込んでしまったペロー?を拘束するように担ぎ上げる

 

「な、なんだい?私をどうするつもりなんだ?」

「いいからついてこい・・・」

 

状況を何一つ理解できずにいるペロー?の声だけを響かせて

3人は行くのであった

 

 

喫茶「テアトロ」──

 

「自分が誰かは分かるか」

 

「・・・。」

 

口を押え、考え込むようにするペロー?を

貸し切りにした店のテーブルで皆して取り囲む

 

話を聞いてすっ飛んできた太田さんがペロー?に相対し質問を告げていく

まるで一時的な取調室と化した店内に沈黙が満ちる

 

そして、ペロー?は

 

「・・・私は、金子良哉です」

 

割とすんなりと質問に答え始めた

しかし、それは彼がこれまで名乗っていたものではなく

彼の、本当の・・・()()()()()()()()()()()()()()

質問が続いていく──

 

「年齢は?」「──24」

「職業は?」「教員・・・です」

「今日は何をしていた?」「──彼らと会う以前は・・・わかりません」

「ペローという名に心辺りは?」「・・・ありません」

 

その姿に嘘をつく様子は感じられなかった

告げられた質問に、答えられるもの、答えられないもの

どちらも同じ程度に存在し、それはある事実を明白にしていく

そして、次の質問で今の彼の状況は完全に明らかとなる

 

「──今は、何年だと思う?」

「・・・20XX年です」

 

それを聞いて、皆が皆、頭を抱える

その年数は──

 

「・・・いいか、落ち着いて聞け

 ──それは、8()()()()()()()

「!?」

 

そう、それは8年前の年数

つまり彼は

 

「8年・・・?私は一体何を・・・?」

 

8年前行方不明になってから、今までの記憶が抜け落ちているのだ

 

 

「演技・・・じゃないよな?」

「違うだろうね・・・今までの彼の様子から考えても()()()()()

 

雄飛と大木には、その様子が演技には見えなかった

ある種そういったことに精通している身から言っても

そこに不自然な点は見られなかった

 

「じゃあ一体何で・・・」

「記憶喪失・・・?そんな都合のいいことが?」

 

疑問は後を絶たないが、それにこたえられるものはいない

唯一わかることは、彼がペローという怪人であり

そして、ペローは金子良哉という行方不明者であったことのみである

 

「・・・少し、いいか?」

 

そんな中、太田さんが何かを決心したかのように話し出す

 

「金子、君は8年前ならば記憶が残っているということでいいんだな」

「・・・おそらくは」

 

歯切れの悪い様子で金子はそう答える

 

「君には、ある事件の容疑が掛かっている

 ・・・これに覚えは?」

「!?何だって・・・!?」

 

ガタリと金子は席を立ちあがる

そんなこと、思ってもいなかったのだろう

どうやら8年前と言っても覚えていることといないことがあるようだ

 

「私はこの8年間に何をしてしまったんですか!?」

 

金子は、自身の記憶がない8年間に何があったのだと頭を抱えていた

 

──しかし

 

「この8年間の間じゃない」

「え・・?」

 

太田さんが、聞きたかったのはそうではないのだ

 

「君が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「太田さん?」

「それって」

 

ここまで聞いて、彼の狙いが分かった

彼は、今の事件ではなく、8年前の事件の真相を聞き出そうとしているのだ

 

「それは・・・どういう・・・」

「木内、三島、里田・・・この名前に心当たりはあるか」

「!?・・・それは」

 

告げられたのは3人の苗字

それを聞いた金子は、面食らったかのように狼狽える

 

「そう、お前が請け負っていたクラスの生徒だ」

「──。」

 

金子の様子が変わっていく

その名前を聞いた瞬間、過呼吸気味になり顔面が蒼白になる

 

「この3人が、巻き込まれた事件を、お前は知っているか」

「そ・・・れは・・・」

 

頭を抱えて搔きむしる

何か、湧き出そうになるものを必死に抑えているようであった

 

「・・・()()()()()()()()()()()()

「やめろ・・・・やめてくれ・・・!」

 

「ちょっと太田さん!ストップ!なんか駄目だ!!」

「ちょっと!!あんたも落ち着きなさい!!」

 

まるで懇願するかのように金子が呻く

尋常ではないその様子に雄飛と杏奈がストップをかける

しかし、その様子を見て、事件を確信した太田の心は

随分とヒートアップしてしまったのだろう

静止を振り切るかのように言い放った

 

「彼の・・・清水恭二のための犯行だったのか!」

「あ・・・ああああ!!!」

 

それを聞いた瞬間、金子の変化は劇的であった

頭を抱えながらよろよろと席を立った彼は

 

「私は!!・・・私は!!!」

「おい、落ち着け!!落ち着けって!!」

 

まるで、半狂乱になったかのように叫ぶと

翔の静止も振り切るように

 

「うわああああ!!!」

 

──店の外に駆けだした

 

「な!?」

「不味い!!追いかけろ!!」

 

浩司さんの呼びかけで、雄飛と翔そしてラストが駆けだす

店の外に出た時、遠くに駆ける金子を見つける

 

「いた!・・・待て!!」

 

3人が追いかけようとした瞬間

 

『いや、それはこちらのセリフだ』

「「「!?」」」

 

3人の目の前に、まるで湧き出るかのように

一つの影が現れる

それは──

 

「っブルー!?」

「邪魔だ!!どけ!!」

 

『そういうな・・少し、付き合ってもらおう』

 

ブルーはそう言うと3人の目の前に立ちふさがる

遠くに見えていた金子の姿が彼らの目先から消えた

 

「くそ!!」

 

3人がドライバーを構える

 

『MASKED RIDER!!』

『POP UP SOUND IS SINGER SONG RIDER!!』

『BUBBLE MERMAID』

 

そして変身した3人、仮面ライダー

アクト、サウンド、ラストは

目の前の怪人へと向かっていく

 

「雄飛!!先いけ!!」

 

サウンドが、槍を携えブルーに切り込む

振り下ろした切っ先がは避けるように空を切る

しかし、その回避によって道が開けた

 

「っ分かった!!」

 

アクトが足に力を込めて、解き放つ

まるで転移したかのように跳ね飛んだアクトは

ブルーを通り過ぎ、そして金子を追いかけるべく走り出した

 

『・・・。』

 

それを目に追いながらも何も言わずに

ブルーは、冷静にサウンドの槍を払いのけて

サウンドに掌底を当てて吹き飛ばす

 

そして、アクトは追わずに

残った2人に対して駆けだした

 

『ハッ!!フッ!!』

 

ブルーが手をかざす、その手にまるで羽を模した

青い剣が姿を現す

両手にそれを携え、迫るライダー達に振るう

 

振るわれた斬撃を

ライダー達は各々避けながら反撃を振るう

サウンドの槍が、ラストの剣が

順にブルーへと襲い掛かる

 

それをブルーがいなしながら、再度攻撃を振るう

避けて、避けられの攻防

 

しかし、数の利というものがさすがにきついのか

ブルーの攻撃の回数が徐々に減っていく

ライダー達の激しい攻撃が、徐々に増えていく

 

サウンドが、槍を振るいブルーの手にする剣をかち上げる

そして、ラストの突きががら空きになったブルーのその体に叩き込まれる

 

『っぐ・・・、まぁこんなものだろう』

 

その攻撃にのけ反りながら

ブルーは一人納得し、そして構えを解いた

 

『さらばだ』

 

そして、まるで羽を撒き散らかすかのようにして

その場から消え去るのであった

 

時間にして数分の攻防

本当に時間稼ぎだけして、ブルーは去っていったのであった

 

「カネコは!?」

「見失った・・・雄飛は」

 

翔とラストが変身を解きながら金子を探す

しかし、当たり前のことに既に遠くに消えてしまった金子を

2人は追いかける術を持たなかった

 

「新田君、ラスト君!!」

 

そんなところに近づく影が二つ

 

「風間ちゃん、太田さん!!」

 

「金子は!?」

「邪魔されて見失った!!雄飛が追いかけてる」

 

合流した二人にそう告げると

いきなり太田さんが頭を下げた

 

「すまない・・・私の不覚だ

 奴を必要以上に追い詰めてしまった・・」

 

もっと緩やかに進めるべきだったと

太田さんは反省しながら頭を下げる

 

確かにあの時、随分と語気の強く問い詰めていた

 

「・・・なぜ、あんなに怒り狂っていたんだ?」

 

ラストが、不思議そうにそう呟く

自分も、それは気になっていた

あの時、彼だけが事情を知ってどんどん進んでいって

自分達は、随分と置いてきぼりにされてしまった

 

「・・・そうだな、私も確信に変わった以上教える必要がある」

 

そう言うと、太田さんは金子についての事件を話し始めた

 

「結論から言うと、奴の罪状は──」

 

「未成年者3名の殺害容疑だ」

 

 

「ハッ・・・ハッ・・・」

 

見覚えのある道を、無我夢中に走りゆく

あの取り調べでその名前を聞いた瞬間

蓋をしていた何かが湧き出るように吹き出した

思い出したくない、

いや──思い出であって欲しくないことであった

 

そんなことがあっていいはずがないのだ

考えがまとまらない、いいから頭の中からこれを追い出したい

そんな思いが、どこに向かうのかも分からずに足を動かしている

 

──しかし、体は正直であった

膝が笑い出すほどになるほど走り切り

最早ここがどこかも分かっていない頭が急激に酸素を要求する

 

「ゴホッ・・・オエっ・・・」

 

切れ切れになった息がようやく治り

そうして、顔を上げた瞬間

 

「あっ・・・」

 

目の前には、一つの建物

門をくぐると、大きな校舎がそびえたつ

中から活気ある声が響くそれは

自分、金子にとってのかつての職場であった場所である

 

まるで、光に寄せられる虫のように

ゆっくりと、足がそちらへと向かう

しかし、その途中校門の裏側に目を向けた瞬間

 

それは、金子の目に大きく映った

──花束だ

 

清潔感のある白い花がいくつも包められたそれが

校門の裏側、目立つ場所にいくつも置かれたのが目に映った

 

贈り物?──いや違う

それは・・・献花であった

 

それを知覚した瞬間、喉にむせ返る何かが湧いた

 

「オエッ・・・オエェエエエ!!」

 

膝をついて戻したそれは地面を汚す

 

『おうおう、汚いなぁ』

「ゴホッゲェッホ・・・?」

 

そんな金子に近づき、声をかける男が一人

薄暗い色をしたコートを羽織った男は愉しそうにそこに立っていた

 

「お・・まえ・・・は・・・!」

『お、覚えていたか・・・うれしいじゃないか』

 

『8年ぶりだなぁ・・・金子』

 

サンはそう挨拶して佇んだ

 

「私に・・・何をしたんだ・・・」

『ああ、酷いことをしてしまったなぁ

 ・・・8年間も奪ってしまった』

 

「っ!」

 

『でも、お前の悪いところもあるんだぜ

 ・・・あそこで、耐えれていればな』

 

その男の姿が、声が

そしてその言葉が、金子の記憶をより鮮明に思い出させていった

 

 

「殺人って・・・あんな温和そうなやつが」

 

金子の罪状を知っ3人は、皆一様に驚愕する

その罪が自身の想像以上の物であったためだ

 

「見た目で判断してはいけない・・・

 それに、奴の場合は日暮れのような快楽殺人とは違う」

「どちらかと言うと、正義感の暴走に近い物だ」

 

「正義感の・・?」「暴走・・・?」

 

3人には想像がつかなかった

太田は一つずつ説明を重ねていった

 

「金子は、ある高校のクラス受け持つ教員だった

 ・・・だが、ある日クラスに訃報が入った」

 

「生徒一人が、命を落としたんだ」

「「「っ!?」」」

 

まさか、それが金子の仕業かと

このとき3人はそう思っただろう

 

「自殺だ」

「・・・え?」

 

しかし、現実はもっとひどい物であった

 

「いじめによる、投身自殺が発生したのさ」

 

空気が止まったように鎮まる

その言葉を理解して、恐る恐る翔は口を挟んだ

 

「いじめって・・・まさか被害者は」

 

いじめによる自殺の発生後に、起こった生徒の殺害

その情報によって、嫌な想像がついてしまう

 

「──ああ、被害者はその子を虐めていたメンバーだ」

 

そして嫌な想像ほど、当たってしまうものであった

 

「復讐・・・いや、許せなかったのだろうな」

「奴は、おそらくその3名を殺害後、

 逃亡してストーリーテラーへとなったのだろう」

 

「被害状況的にも、テラーによるものだと丸わかりだった」

 

「おかしな死体だったらしい」

「巨大な爪で、引き裂かれたような遺体」

「──まるで、ライオンでも飼ってたのかってな」

 

 

”なんで!!なんで気づいてやれなかった!!”

”ちくしょう・・・ちくしょう!!”

 

一人の男が、怒り狂っていた

既に取り返しのつかないことへのやるせなさ

自分の不甲斐なさにどうしようもなく怒っていた

 

『辛そうだな』

『いい怒りじゃないか、試してみるか』

 

”だ、誰だ!?うぁ・・・!?”

 

突然現れた3人組に驚愕した男は

為す術もなく、その身にチケットを突き立てられる

そして

 

『ガラァアアアア!!!』

 

その身を、強大な()()へと姿を変容させ

ガラスを突き破り、外に飛び出していった

 

 

『しかし・・・吐くのは感心しない』

「やめろ・・・」

 

話さないでくれ、その顔を見せないでくれ

そんな懇願がにじみ出る声が漏れる

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「やめてくれええええ!!」

 

叫び声が響く、それ以上言わないでくれ

この花が、自分によるものの結果なのだと突きつけないでくれ

 

 

”バ、バケモノ!!!来るな!!来るなあああ!!”

”ヒィイイ!!許して!!許してえええ!!”

”し、清水・・清水なのか!??違うんだ、死なせる気なんてなか”

 

どちゃりと、既に事切れた肉が地面を真っ赤に染め上げる

3人の人間だったものはその名残を残さずにそこに落ちていた

 

体を真っ赤に染め上げて、そんな赤を獅子の怪人は真っすぐ見つめている

 

『派手にやったな』

『酷い惨状ね?あんまり見たくないわ』

 

3人のストーリーテラーがそんな感想を零した

その瞬間、テラーが頭を抱えて苦しみだす

 

『グァアアア!!?』

 

肥大化した手足がしぼみ、どんどんその姿が人へと近づいていく

そして、獅子は一人の人間の形になった

 

『まぁ!戻ったわ!』

『ほぉ、自力で戻ったか。逸材だな』

『歓迎しようじゃないか・・・』

 

『──。」

 

ストーリーテラー達のそんな言葉は何一つ耳に入らず

金子は目の前のその赤を呆然と見つめていた

 

『実に良い殺しっぷりだった』

 

「ああ・・・あああ・・・・」

 

思い出すたびに、その残酷な現実が金子を苦しめていく

そうだ・・・自分はこの手で・・・

 

『その姿、苦しみ方を見ると思い出すな

 ・・・それさえなければ”ペロー”など必要なかったのだがな』

 

「ああ・・・『!?』」

 

サンが、告げる言葉の意味など金子には分からなかった

しかし、・・・金子の中の”それ”は別だった

 

 

目の前に広がる、赤は、謎の塊は一体なんだ?

どうして、自分の目の前に、こんなものが?

どうして、自分の手が、その赤塗れなのだ

 

──どうして、塊の端々に”うちの制服らしき布がついている”?

 

『私・・・私は・・・・何を・・・したんだ・・・?

 う、わあああああああああ!!!!!」

 

『あら』

『・・・耐えきれなかったか』

 

金子が、理解したくないものを理解し

発狂したかのような叫びをあげる

 

声がかれるほど叫び続けた彼は、そのまま膝をついて動かなくなった

 

『壊れちゃった?』

『惜しいな・・・貴重な同類かとおもったのだが』

 

サンとクイーンが、そんな会話をして

仕方ないと金子を始末しようとする

しかし──

 

『待ってくれ』

 

そこにブルーが待ったを掛けた

そして、手に何かを取りだす

 

『・・・?何をする気だ?』

『あら?・・・もしかして』

 

『テラーを乗り越え・・・人も消えた

 空の器なら・・・埋めてしまうのいいだろう』

 

そんなことをいいながら、ブルーはチケットを起動した

 

長靴とネコ(Cat and Boots)

 

放り投げたチケットは寸分狂わず

金子へと到達し、その身に沈み込む

 

次の瞬間──

金子の目に光が宿った

 

『う、ううん・・・ここは?』

 

『お目覚めか』

『・・・?誰だい?・・・僕も誰だ?』

 

金子?は先程とは打って変わった明るい声でそう話す

 

『記憶が消えたか・・・まあいいだろう』

『こんにちは、君は・・・選ばれたものだ』

 

ブルーが手を差し出す

その手を引かれ、金子?が立ち上がる

 

『選ばれた?・・・そりゃあいい!うれしいね!!』

 

陽気そうに、金子?が喜んでいる

その顔に先ほどまでの絶望などなかった

 

『名が必要だな・・・何がいいか』

『それじゃあ、ペローなんてどう?ピッタリじゃない?』

 

クイーンがそう進言し

2人が頷く

 

『ペロー・・・うん、いい名前じゃないか!!』

 

そして、ペローもまたそれを喜んでいた

4人は、そうして闇の中に消えていく

 

 

──通行人に惨状が見つかったのは、たった数分後のことであった

 

 

「あ・・・ああああ・・・」

 

またも自失気味に呆然とした金子

あの時のようだと、サンがおかしそうに笑っていた

その時──

 

「!?う・・・あああ!!」

 

金子が、ビクリと震えた

次の瞬間──

 

ガバリと、先ほどまでとは打って変わって立ち上がる

 

『どういう・・・ことだよ・・・!!』

 

そして、口を開けたその話し方は先ほどとはまた違っていた

 

『なんだ、ペローに戻ったか』

『どういうことだって聞いてんだ!!』

 

金子からまたもや主導権を奪ったペローはサンに詰め寄る

金子が思い出した記憶は、中の自分も見えていた

・・・それはいい

しかし、許容できないものが写っていた

 

『気づいていなかったのか?・・・鈍い精神だ』

『なんだと・・・!』

 

サンが挑発するようにペローを煽る

最早、我を忘れるのも秒読みなペロー

そんなペローに追い打ちをかけるように

 

『おかしいと思わないのか?自分が何も知らされていないことに』

『っ!』

 

『扱いも悪い、力もそこまでじゃない

 ・・・そんな自分に』

『うるさい!!』

 

声を荒げてペローが叫ぶ

そんな様子を、サンはあざ笑うかのようにさらに煽る

 

『単純だ、・・・お前は記憶を無くした人間なんかじゃない』

『フーッ・・・フーッ!!』

 

『お前が駒のように無駄に使いつぶしたテラーと同じ

 ・・・作られただけの精神体だ』

『──ッ!!?』

 

そして、最後に彼自身に突きつけるようにそう告げたのだった

それを聞いたペローが正気を保てるわけがなく

 

『・・・黙れよおお!!』

 

猫の怪人態となったペローが細剣をサンに突く

同じく、怪人となったサンは、それを容易く捌いて

腹を殴って叩き伏せた

 

『がっ・・!?』

『便利ではあったが・・・お前もそろそろ用済みだ』

 

そう、言い付けたその時

 

「ここか!・・・サン!?」

 

戦闘音を聞きつけたアクトが、

ようやく金子を見つけたのであった

──まぁ、既に金子ではなくペローであるのだが

 

『おっと、アクトか・・・』

 

足元に蹲るペローを足蹴にしてアクトの方に蹴り飛ばし

サンが消えるように立ち去っていく

 

転がるペローにアクトが駆け寄っていく

 

「金子!大丈夫ですか・・・!?」

『お前・・・お前ええええ!!』

「ぐぁ!?」

 

駆け寄ったアクトをペローが視認した瞬間に襲い掛かる

不意打ちの細剣がアクトを突き飛ばす

 

「何を・・・?」

『お前も、僕をそんな目で見るんじゃないよ!!』

 

半狂乱になりながらペローがアクトに襲い掛かる

細剣の突きが連続でアクトに迫る

 

「金子・・・じゃない!?ペロー!?」

『うるさいんだよぉ!!死ねぇ!!』

 

突き出された細腕を掴み、アクトが放り投げる

空中に投げ出されたペローは受け身も取らずに地面に打ち付けられた

 

『・・・うわぁああ!!』

 

怒りに満ちたペローが咆哮を上げる

次の瞬間、その体躯が肥大化し、獅子へと姿を変えたのだった

細剣を捨て、爪を伸ばしたペローが飛び掛かった

 

アクトが飛びのく

先程までに居た場所に、ペローの腕が叩きつけられた瞬間

地面がひび割れて沈み込み、小さなクレーターを作り出す

 

「怒りで忘れている・・?」

 

そんな様子を見て、このままではパワー負けだと判断したアクトは

アクトが、腰にてを回して、チケットとパーツを取りだした

 

Phantasia(ファンタジア)』『Night Of Beast』

 

そして、2つをベルトに装填し、ベルトを展開した

 

『Be Moved and Trembling Night Is Coming』

『Mysterious Beast Will Bring It』

『Can You Hear That Shout』

Phantasic Night Of Beast(ファンタジックナイトオブビースト)

『Not Missed off!!.』

 

魔法使いの様相へと姿を変えたアクトが杖を取る

そんな変化にもお構いなしに、ペローは飛び掛かった

 

転送(ワープ)』『Select(セレクト)

 

飛び掛かったペローの腕が、アクトの頭を潰さんと迫ったその時

アクトの体が、足元に広がった魔法陣へと沈みこんだ

 

対象を失った腕は、またも何もいない地面を砕く

 

『なに!?』

 

きょろきょろと辺りを見回すがアクトを見失ったペロー

そんな背後一つの魔法陣が現れる

 

「ハァ!」

『ヌワァ!?』

 

そして、そこから現れたアクトが

杖を振るい、ペローの体を打ち付けた

 

『ぐっ・・おまぁえええええ!!』

 

今度こそ逃がさないと、太い腕が振り絞られる

そんなペローに対抗しアクトもまた、腕を構えた

 

爪跡(スクラッチ)』『Select(セレクト)

 

『ウォオ!!』「だっ!!」

 

アクトが腕を振るう、それになぞるように巨大な爪跡のエフェクトが現れ

ペローが振るった腕とぶつかり合う

 

そして、打ち勝った爪跡がペローを引き裂いた

 

巨大な爪で裂かれたペローの肉体が

火花を散らして吹き飛ぶ

ペローはかろうじて立つもその膝が笑っている

 

「いくぞ!!」

 

アクトがチケットを杖に装填し2度叩く

 

『BEAST!!』

爪跡(スクラッチ)』『追加(プラス)

 

そして、トリガーを引き込んだ

 

BEST SELECTION(ベストセレクション)!!』

 

アクトのその手にエネルギーが満ちていく

そして、目の前には一枚の魔法陣が現れた

 

「ハァ!!」

 

そして、力の満ちた手を振るう

爪跡が、3本の斬撃となって飛んでいく

 

そして、斬撃が魔法陣を通過したその瞬間

3本が数十本の斬撃に増加し

残さずペロー目掛けて飛来した

 

『!?うぉあああああ!!』

 

大量の斬撃がペローを切り裂く

全ての斬撃が通り過ぎたその時

ボロボロになったペローが、膝から崩れ落ちるのであった

 

「よし・・・どうだ!」

 

アクトが、手ごたえありと勝ち誇る

 

しかし──

 

『許さん・・・誰も僕を見下すなあああああ!!!!』

 

怒り狂ったペローが再び方向を上げる

そして、またもやその肉体が変容していく

 

獅子の体に、枯れた藁が巻き付いていく

そして、引き裂かれた体を埋めだしていく

 

案山子のような藁束と獰猛な獅子が混ざった

キメラのような様相に姿を変えていく

 

『コロス・・・ゼッタイダァ!!』

 

「っ来い!!」

 

アクトが、杖を構えなおす

戦いは、まだ終わりそうにない

 

 

続く




次回 仮面ライダーアクト

暴走を続けるペロー
『シネェエエエ!!!』

頼みのカギはサウンドに
「翔、助けるにはお前の力が必要だ」
「頼む、私を・・・消してくれ」
「ふざけんなぁ!!」


「見てろよ金子・・・あんたのためのスペシャルライブだ」
「──イカしたメンバーを紹介するぜ!!」

第28章[百万の、イカす音色(サウンド)]
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