「おらあああ!!!」
仮面ライダーサウンドの一撃が
群がった兵隊たちを一気に薙ぎ払う
立ち上がる爆炎、しかし油断はできない
クイーンが健在の間は、こいつらはいくらでも蘇ってくるのだから
「・・・?」
爆炎が鎮火していく
横たわった人々が、その姿を現し
そうして、また怪人へと姿を変えることなく倒れている
「!・・・・やったか!」
残った兵隊たちも一挙に切り払い
その全員を人間の姿へと戻していく
そうして、その姿が二度と変わることがないことに
クイーンのその能力が消え去ったことを確信する
もう、無限の軍隊に悩まされる心配はない
──ならば
「俺も向こうにさっさと・・・!?」
敵がいなくなったのであればここに居座る理由はもうない
速いところ、雄飛達に合流を・・・
そう思考した瞬間
足元からの凄まじい熱気を感じた
咄嗟にその場を飛びのく
先程まで自分が立っていたその地面から
凄まじい勢いの火柱が立ち上がった
「!?・・・てめぇ・・!」
『避けたか・・・』
そして現れる気配
熱気と共に、まるで炎そのもののような怪人が姿を現す
「サン!!」
その男を見た瞬間、サウンドは槍を握りしめて切り掛かる
振り下ろされる斬撃を
燃えるその手で受け止めたサンは、不敵に笑う
『悪いが、もう少しここにいてもらう
・・・チケットに関係のないお前がいると邪魔なんでな・・!』
「なっ・・・!?」
そう言って、燃える拳をサウンドの腹に叩き込んだ
「──くっ・・・なろぉ!!」
『
『 1! 2! 3!』
「おらぁ!!」
『!?』
サウンドのドライバーが音声を放った瞬間
サンの真横から突然、もう一人がサウンドが槍を振りかぶって現れる
不意を突くその攻撃に驚愕しながらも
振り下ろされた槍を回避してその拳で迎撃する
さらに目の前にいたサウンドも加わり
2人がかりでサンを攻め立てる
同じ人間だからこその息の合ったコンビネーションの連撃を
捌きながらサンが迎撃する
「後ろだぁ!!」
『ぐぅ!?』
2人を迎撃したその瞬間
さらにもう一人のサウンドが、背後から
ボウガンを発射しながら突撃する
さすがに3人目のその攻撃に対応しきれず
サンのその背に弾丸が一挙に突き刺さる
その衝撃に足元がふらつく
「もういっちょぉ!!」
さらにそこに畳みかけるが如く
4人目のラストが、さらにサンの横から手にした槍を振るい
サンのその体を一気に突き飛ばした
「これで・・・!!」
吹き飛ばしたサンにさらなる追撃を与えようと
4人のラストが並び立つ
しかし──
遠い向こうから
凄まじい地響きの音
そして、凄まじい光が放たれた
「!?・・・何だ?」
『来たかぁ・・!』
待っていたと言わんばかりにサンが勢いよく立ち上がる
そして
『ハハ!!』
光の方へ向けて、猛スピードで飛び立つのであった
「っ!」
それを見たサウンド
ただ事ではない──そう感じた彼もまた
サンを追いかける形で
光の下へひた走った
※
「ぐぁ!」
吹き飛ばされたアクトが地面に落ちる
凄まじい光の奔流が収まっていく
『おお・・・これが・・・これこそが・・・』
『
立っていたのは金色の体、歯車に天使のような羽の意匠と持った謎の怪人
『神の誕生だ・・・!』
ストーリーテラー達が神と呼び、渇望していた存在が
今ここに誕生してしまっていた
『・・・。』
神と呼ばれた存在は、何もしゃべらず、何もせずただ立っている
まるで何の意思もないのかのように
アクトが立ち上がる
・・・むざむざと、敵の目的を達成させてしまった
しかし、そのことを悔いている暇はない
──今は、神と呼ばれたあれをどうにかして打破しなければ
その時だ
ザザザと自分達の周りからいくつもの音が響く
「!?・・これは」
見やれば、ブルーたちも含む自分達の周りを
何者かが取り囲んでいた
それは、クイーンの置き土産
兵隊と化して、今だそれが解けていない
大量に残された兵隊たちであった
「まだ、こんなに・・!」
そして、その目には何も自分達だけが写っていたわけではない
近しい物を優先して、狙っている
そう、ブルーとデウスエクスマキナをもだ
統率者を失った彼らは、もはや見境もなく
目の前の誰かに襲い掛かろうとしている
『ほぉ・・・良い機会じゃないか』
ブルーはそう言うと、デウスエクスマキナへとその手を肩に置く
『デウス・・・その力を私に見せてくれ・・!』
ブルーの命に従ったのか、
はたまた自分を取り囲む敵意に気が付いたのか
デウスエクスマキナのその顔が、今起き上がった
その手を、空中へと向ける
次の瞬間、先ほどまで快晴であった空に
無数の分厚い雲が現れていく
”そんな時、突如凄まじい落雷が降り注ぎ
あらゆるものを薙ぎ払いました。”
そんな、無機質な言葉が聞こえたかと思った瞬間
──光が降り注いだ
雲は雨雲を経て雷雲へと変わり
そうして凄まじい量の雷が降り注ぎ始める
膨大は雷光は、彼らの周りに取り囲む
兵隊を一気に飲み込み、焼き尽くしていく
そして、その雷撃の標的は兵隊たちだけには収まらない
アクトの頭上の雷雲も、嫌な唸りを上げていく
「っ!・・・ラスト!!」
自分の背後には動けそうにないラスト
彼を抱えて逃げ出そうとした瞬間
雷光が落ちる
落ちた雷撃が、彼らの傍の地面をめくりあげて爆発を起こす
直撃こそ避けたものの、2人はその爆風を受けて会えなく吹き飛んだ
変身が解除された雄飛とラストが地面に倒れ伏せる
「ぐ・・・あっ・・・」
落雷が止み、雲が晴れていく
周りには人に戻り、倒れ伏せる人々
終わった後には、デウスと
そのすぐそばにいたブルーだけがそこに立っていた
『ははは!!素晴らしい!!まさに何でもありだ!!』
その光景を見て、ブルーが歓声を上げる
想像以上のその力を見せたデウスを称える
そんな場所に、熱気を放ちながら影が降り立つ
『上手くいったようだな』
『ああ、・・・時間稼ぎご苦労』
サンが、デウスのその姿を見て作戦の成功を悟る
それならば、ここにもう用はない
──いや
『これで、もうこいつらも用済みかぁ?』
もう一つ、とっておきの物が残っていた
その手に火球を生み出し、雄飛とラストを見やる
「!?・・・ぐっ」
『もうお預けはなしでいいんだよなぁ!?』
殺意を持って、生身の雄飛とラストに巨大な炎が放たれた
──避けられない!
ダメージに身動きのとれない二人は
その炎が自分達を焼き尽くすのを待つことしかできない
絶体絶命のその時──
「ふんぁ!!」
割って入ったサウンドが炎を受け止め、吹き飛ばした
『なっ』
「やらせっかよ!!」
かき消したサウンドの背後から
3つの影が、彼を飛び越えてサンへと飛び掛かる
3人のサウンドが、サンに鬼気迫る気迫で槍を振るう
雄飛とラストをようやく殺せることに浮かれていたのだろう
虚を突かれた彼はその攻撃を咄嗟に防ぐ
1撃を左腕で、2撃目を右手で
しかし、3撃目には届かなかった
槍の穂先が、サンの顔面その左側を切り裂いた
『ぐ、うおおおおお!!?』
手で左目を抑えながらサンが後ずさる
次の瞬間、傷口から赤黒い煙が立ち始めた
炎で出来た体が、傷を火で埋めていく
溢れた血が、火で炙られて煙を吹いていた
『ぐおおおお・・・・ふ・・・はははは!!
やるじゃねぇか!!』
けれど、その痛みすら楽しいと言わんばかりに
まるでため込んでいた気持ちを吐き出すように
サンは楽しそうにしていた
『サン・・・今日はそこまでにしておけ』
『あん・・・?』
その様子を見て、ヒートアップしてきたサンをブルーは静止する
『・・・悪いが、時間切れだ
どうやら、まだ慣れていないらしい』
そうして、ブルーが示した先には
『・・・・っ。』
先程とは違い、体から漏電を始めるデウスの姿があった
どうやら、先ほどの落雷を生んだ負担があったようだ
『・・・しかたないか・・・。』
そう言い残して、3人の怪人達が姿を消し去った
「・・・!雄飛、ラスト!!無事か!!?」
変身を解いた翔が2人に駆け寄る
「・・・っハー・・・なんとかね」
そんな彼に雄飛は、一応の無事を伝えながら
しかしその内心は穏やかではなかった
「(・・・なんて、力だ)」
神と呼ばれた、あの怪人の
その力の片鱗が生み出した惨状が
嫌というほど、目に入り込んでいた
※
喫茶「テアトロ」──
「そんな・・・大吾が・・・」
帰還して、これまでの経緯を話す
クイーンの撃破
デウスエクスマキナの誕生
そして、大吾さんがその依り代となってしまったことを
浩司さんは、ショックを隠せないという様子で座り込んでしまった
仕方がない、ようやく奪い返したというのに
またも、テラーとの戦いに巻き込まれてしまったのだ
助けられなかった自分にも責任がある
しかし、浩司さんは気丈にも自分達が頭を下げることを許さなかった
「いや、奪われた時点で私たち全員の責任だ
・・・君たちだけのせいじゃない」
拳を強く握りしめながら、浩司さんはどうすべきか考えだした
「・・・。」
そして、もう一人、
話を聞いて俯いたままの人が、一人
「アンナ・・・」
ラストが、その姿に心配そうに杏奈さんに声をかける
──彼女にとっては、父親がまたも怪人にされてしまったのだ
不甲斐ない自分に、怒りを感じつつ
杏奈さんが、自分達に怒りを向けることすら覚悟していた
「・・・よし!!」
「うわ!」
その時、杏奈さんが突然席を勢いよく立ちあがる
そして、入口へとズンズンと歩いていく
「あ、杏奈さん・・?」
「どこに・・・?」
話の途中で一体どこに行こうというのか
「決まってるでしょ!!」
振り返りながら、大きな声で力強く言い放つ
「お父さんを助けによ!!!」
・・・。
「お父さんが、その神様にされちゃったんでしょ!
・・・相手も状態も分かってる!!」
「だったら助け出すだけじゃない!!」
「二回も奪われて!!たまるもんですか!!」
──強い人だと思う
彼女は悲しみを乗り越えて既に立ち上がっていた
「うん、そうだな・・・その通りだ」
自分達も席を立つ
とにかく、まずはデウスを止めて大吾さんを取り戻さなければ
ならばやるべきなのはとにかく探し回ることだ
「・・・皆」
「大木さん?」
そうして店を出る前
大木さんがこちらに一つ忠告を告げる
「敵は神をデウス・エクス・マキナと呼んだんだね?」
「え?・・ええはい」
「・・・だとするのなら急いだほうがいい」
「僕の予想が、正しければ
その神が十全に動くようになったら」
「・・・きっと、取り返しがつかなくなる」
※
薄がりの中、一つの影が佇んでいた
『・・・。』
デウスと呼ばれた神は、体のところどころから
無理したことを示すかの如く、漏電を放っている
『あれ、大丈夫なのか・・・』
『問題ない・・・時期に収まるだろう』
ブルーはそう告げた
まぁ、さほど心配などしてはいなかったのだが
『しかし・・・』
『なんだ?』
『どうして、風間大吾などを?
・・・器なら、何ならそのままクイーンを使ってやればよかっただろう』
その人選に、サンは疑問を抱いていた
わざわざ奪ってきてまで使う人物だったのかと
『・・・
『?』
『強力な意思があれば、
チケットの意志をはねのけることが可能だということは
我々が示している』
『神を動かすために、雑念は不要だった』
『その点で、現状はほとんど空の器であった
この男は都合が良かったのだ』
代わりに、神自体は目覚めが不完全になってしまったが
とそう結論付けて
ブルーは、デウスへと近づく
『・・・。』
負荷が解消されたのか、また何もせずただただ楽に立ち尽くしていた
そんなデウスの耳元に、ブルーは近づく
『~~~~』
そして、何かを伝えたようだ
・・・・。
しかし、何も起こらない
『・・・やはり、思う通りに動くわけではないか』
そうして、デウスを引き連れて
ブルーが外へと向かいだす
『?・・・どこへ?』
『慣らしだ・・・神を目覚めさせるためのな』
※
『さぁ・・・デウス』
外に向かったブルーは、デウスに対し語り掛ける
『この世界には、命が少ないとは思わないか?』
正確には、ブルーは神に対して命令権を持っているわけではない
だが、神の選択を誘導することは可能であった
その手に、3枚のチケットを取りだす
既に、神を呼びだし、役目を終えたチケットたちだ
"狼"と"亀"と"カエル"のチケットであった
デウスの目が鈍く光る
その瞬間、ブルーの手のチケットが空中へ浮かび上がった
チケットに淡く光り
そして、粒上の光りがあふれ出していく
3種類のそれは、混ざり合い
そして、人の形を作り上げていった
『素晴らしい、
そう、人を使わずに
デウスは、その力のみでそこに個を産み出していた
やがて人の形の光が
正確な形を持ち出していく
それは、怪人であった
狼のような鋭い爪、牙
亀のような堅い殻を持った腕
蛙のような力強い足
それらを混ぜ合わせたかのような
この世には決して存在しない何かであった
『これは、
産み出されたそれに名前を付ける
そうして、3人になった怪人達は
人々を脅かすために
行動を開始した
※
悲鳴が響き渡る
まるで3つの生物を無理やり混ぜ合わせたかのような化け物が
人に襲い掛かり、物を叩き壊している
そして、それを眺めながらブルーは次なる行動に移った
『この辺りには、自然足りないと思わないか・・?』
次の瞬間、デウスを中心に異変が起こる
その足元からコンクリートで舗装されていた道が
どんどんと自然豊かな草原へと姿を変えていく
──そう、楔が行っていたことを
デウスは行っていた
周りの人間は、その現実離れした光景に
理解が追いつかない
余りの出来事に、脚すら止めてしまう者もいた
そんな者たちは、
モンステラが、飛び掛かった
ズガガ、と
銃声が鳴り響く
飛び掛かったモンステラが銃弾を浴びて吹き飛んだ
『!?・・・速いな』
「見つけた・・・!」
3人の仮面ライダーと杏奈が
騒ぎを聞きつけ、駆け付けたのだ
「いくぞ・・・!」
「「あぁ」」
3人が一斉にチケットを取りだす
「「「変身!!」」」
『
『
『
3人の仮面ライダーが、並び立ち
怪人達に立ちふさがった
『・・・。』
そんな3人の敵意に、気づいたデウスは
ブルーの言葉を待つことなく、手をかざす
”そんな時、巨大な竜巻が
辺り一面を飲み込んでいきました。”
次の瞬間、巨大な竜巻が巻き起こります
竜巻は、凄まじいスピードでライダー達目掛け突き進んだ
「!・・・下がって!!」
その光景に、仮面ライダーアクトが打って出る
『MASKED RIDER
チケットを装填したCGスタッフを構え
そして、何度もそれを叩く
『
『
膨大な風が巻き起こり
迫る竜巻と激突する
凄まじい重圧が、アクトを襲う
一歩でも力を抜けば、押し負ける
そんな直感がひしひしと伝う
「ぐ、ううううう!!!」
それでも、踏ん張れども
少しずつ、押されていく
不味い、負け──?
その時、重圧が止んでいく
これは──?
竜巻が、どんどん止んでいき
さらに、森と化していた風景がどんどん元に戻っていく
見やれば、デウスの様子がおかしい
『・・・まだ、慣れないか』
デウスが、前回の雷撃の際と同じように
その負荷に耐えきれずに、体中から火をふいていた
『仕方ない、遊んでもらえ』
『!!!!!!』
そう、モンステラに告げると
ブルーはデウスを抱え飛び去っていく
「っ待て!!」
追いかけようとした3人
しかし、その目の前には
『!!!!!』
──化け物が陣取っていた
※
モンステラが、3人に飛び掛かる
鋭い爪の素早い一撃が、サウンドを突き飛ばした
アクトが横から杖を叩き込む
しかし、その攻撃は固い左腕に阻まれ通らない
そして、受け流すかのように滑らせて
体制を崩されたところに
爪の引き裂きが襲い掛かった
「ぐぁっ!?」
「なろぉ・・・!」
ラストが液状化する
そして、モンステラを飛び越え
ブルーを追いかけようと突き進む
しかし、モンステラはそれを見るや否や
右手を振るいあげる
モンステラのその右手がジンワリと湿っていく
そして、再度振るうと
数滴の雫が飛び散り
ラスト目掛けて飛んでいった
液体と化したラストは
それに構いなく進もうとする
しかし、その液体がラストの体に触れた瞬間
炸裂音と共に爆発を起こした
「な!?」
意表を突くその攻撃に
ラストが地を転がる
その隙に、ブルーはどんどん距離を引き剥がしていく
「くそっ!」
「・・・あれ、蛙の?」
「?知ってんのか」
「ああ、戦ったやつだよ
・・・それだけじゃない、あれは狼と亀だ」
それをもって、アクトが敵の正体に気が付く
これは、かつて自分が戦ったテラーの力を持っていると
──ならば
「特殊な力はない!!
・・・押し切れ!!」
「!・・・おう!!」
サウンドが突っ込む
振り上げた槍が、モンステラの腕で受け止められる
「気をつけろ!甲羅から火を噴くぞ!!」
「!?あぶね!!」
アクトの忠告の瞬間、防いだ甲羅から炎が上がる
その攻撃を避けつつ、サウンドはドライバーを叩いた
『
モンステラの背後から
2人のサウンドが現れ、槍でその背を切り払う
『!!!?』
驚愕したモンステラが、振り返りながら爪を振るう
しかし、そこにはもうだれもいない
「こっちだ!」
さらにその背後からサウンドがボウガンを放つ
策に乗ってしまったモンステラは無様にも
背に何発も弾丸を受けて吹き飛んだ
『!!!』
モンステラが怒りの形相を見せ
その手を湿らせる
そして、一気にしぶきを仮面ライダー達にぶちまける
『STATUE OF HAPPINESS』
「はぁ!!」
しかし、その雫が仮面ライダー達を焼くことは無かった
鳥型の矢が一挙に押し寄せ、
空中を飛ぶしぶきを、全て叩き落した
『!!!?』
それだけではない、さらに複数の矢が
飛び交い、モンステラの防御を掻い潜りながら
その体を射抜き、吹き飛ばした
アクトが走り込む
『
モンステラの鋭い爪と
アクトの爪状のエネルギーを纏った腕がぶつかり合う
互いに攻撃を振り合い、避ける攻防が続く
その時、一手速くモンステラの攻撃が
アクトのその体を貫かんと差し出される
この距離、タイミング、回避は不可能
爪が、アクトの体を貫いた
貫通した腕が、アクトの背面からよく見える
──獲った
モンステラが、致命傷の確信を得る
そうして、引き抜こうとした時
腕が動かないことに気が付いた
『!!!?』
動かせない腕をよく見る
アクトの体を貫いて──!?
腕は、確かにアクトの腹から背に向かって伸びている
しかし、一つおかしな点があったとすれば
その腕が、途中で
『
「はぁ!!」
アクトが腹に入口を、背に出口を配置した魔法陣から
モンステラの腕を引き抜く
そして、驚愕したその体に、拳を叩き込んだ
吹き飛んだモンステラ
仮面ライダー達が、止めを刺さんと行動を起こす
『MILLION!!』
『
『
ラストが飛び上がり、その脚をモンステラ目掛けて突き出す
サウンドがその槍にエネルギーを集約させ
一気に解き放つ
モンステラが、両腕を組んでその攻撃を防ぐ
サウンドが解き放った衝撃波が腕とぶつかり
その甲羅のような堅い腕が阻みきる
ラストのライダーキックが、さらに上から叩き込まれる
モンステラが、必死に踏ん張り
その攻撃を弾き飛ばす
『
『
『
アクトが飛び上がる
空中の魔法陣を通過した瞬間
アクトの体が何人にも増えて現れる
そして、そのすべてが
モンステラ目掛けて、足を突き出した
重力の導くままに、キックがモンステラ目掛けて降り注ぐ
再度腕を組んで、構えるが
サウンドとラストの攻撃を防ぎ切ったその防御は
既に限界を迎えていた
一発目のキックが、右腕の防御を突き破る
二発目のキックが、左腕の防御を突き破る
そこまでであった
もはや、防ぐ術を失ったモンステラに対し
キックの雨が降り注いだ
『!!!!!』
アクトが地面を滑るように着地する
その背後には、爆炎を上げる一つの影だけが残っていた
※
『・・・さて、あとどれ程で、完成するのか』
そんなつぶやきを漏らしながら
ブルーはデウスを担ぎ上げて、拠点へと戻っていく
──その背後を、隠れながら必死に追いかける一つの影があった
「・・・はっ・・・はっ・・・見つけた・・・!」
肩で息をしながら、杏奈はブルーがそこにはいっていくのを見届ける
「ここが・・・!」
そう、彼女は見つけあてたのだ
彼らが根城とする、その場所を
もはや誰も寄り付かない
ボロボロに崩れ始めた、一棟の廃ビルを
続く
次回 仮面ライダーアクト
敵のアジトに突撃する仮面ライダー達
「行こう、こっちから取り戻しに」
そして、サンとの対決が始まる
『俺の目的は一つ、見たいだけさ』
『人の足掻き・・・燃え尽きるほどのなぁ!!』
第32章[燃えるように、果てるように]