『──さぁ、準備は整った』
物を言わぬ神の隣で、ブルーは行動を始めようとしていた
そう、準備は整った
デウスへと告げる
『さぁ、世界をあるべき姿に変えていこう。
──平和な、世界を』
"そうして、世界は自然に満ちた美しさを取り戻します。"
デウスがその手をかざす
その瞬間、彼の立つ地が変わっていく
コンクリートで舗装された道が
また、穏やかな光で満たされた森へと
壁も、建物も変わっていく──
『さぁ、ここで、最終決戦だ』
※
喫茶「テアトロ」──
「──これで残りは2人」
「青山め・・・自分以外のストーリーテラーは最初から切り捨てるつもりだったのか」
サンを打倒したとは言え、予断は許さない状況は続く、
ブルーの言葉が本当であれば
デウスの、あの理不尽な能力が自由自在に使用できる時が
刻一刻と近づいていることになる
「研究所を破棄したということは、考えられる可能性は2つ
別の場所に拠点があるか、・・・必要なくなったということだ」
「・・恐らく、後者だろうな」
ブルーの行動を聞いて、2人の博士はそう結論付ける
「それって──」
「次で仕掛けてくる可能性が高いということだ」
全員に、緊張が走る
──決戦は、近い
「・・・じっとしていても仕方がない
それよりも対処方法に意識を削ぐべきだ」
そう言うと音石さんは、作戦会議を開始する
「相手がこれまで行ってきたことは統合すると
恐らく、世界の改変のようなものなのだろうな」
「改変?」
「ああ、世界を一つのお話として扱い
その中に事象を書き込んで引き起こしている
奴がデウスエクスマキナと呼称されているのなら
これが正しいと思われる」
大木さんの方を向く
その言葉に、彼は頷く
どうやら、彼も同じ考えのようだ
「無茶苦茶ね」
「・・・ああ、まさに何でもありな力だ」
その結論を聞いて、皆こう思っただろう
どうやって勝てばいいのだ、と
「だが、性質上は奴もテラーであることは間違いない
──勝機はそこにある」
そう言うと、音石さんは翔の方へと顔を向ける
「テラーならば、
「──そうか!」
サウンドの力ならば、テラーにされた人を引き剥がせる
元からデウスにされている大吾さんを取り返す必要もある
「・・・俺に掛かってるわけか」
「ああ、とにかく敵の撃破ではなくサウンドで大吾を引き剥がすことを狙う」
その言葉に、翔が強く拳を握る
アクトでもラストでもできないことだ
その責任は重大であった
「もちろん、サウンド一人で渡り合えるとも思えん
そこはアクトとラストでカバーをする」
「・・・作戦は決まりだね」
そこまで言うと、一旦会議は終了する
「よいしょっと・・・」
「オオキ?」
「ちょっと外の空気をね」
そう言うと、大木さんは出入口の扉を開け
──そして、ピタリと体を硬直させた
「──?大木さん、どうし・・・!?」
雄飛が大木の後ろから外をのぞき込む
大木の目線、それを辿り・・・そして絶句した
いつもと変わらない風景
周りには住宅が立ち並び
遠くには、都市部の物と見られる高層ビルが何件も立ち並んでいるのが見える
その遠くに見える高層ビルの内一棟が、
それも一度だけでない、2つ、3つ、次々と同じように連なって立つ並ぶ
ビルがどんどん消えていく
とてつもない速度で
「あれは・・・もう来たのか!」
「速い・・・以前の現象より侵食がずっと速いぞ!?」
2人の異常な反応に同じように外を覗き見た博士2人がそう言うと同時に
雄飛達ライダーは一斉に店を飛び出す
バイクのエンジンを入れる
そしてアクセルを一気に吹かし、その都市部へ向かって走り出した
「!・・・私も!」
3人が走り去ったのを見て
杏奈もまた店を飛び出す
駆けだした目線の先、また遠くに見えるビルが一棟、あっけなく消え去った
※
「これは・・・!」
バイクで一直線に都市部へ走る
彼らとは逆方向に、
悲鳴を上げる人々がどんどん駆けて逃げ去っていくのにすれ違う
そして──その先にやつはいた
『────異物を確認。』
それはまるで境界線のようであった
コンクリートで形作られた都市
それが横一直線の線を引くように途切れている
そして、その先には穏やかな自然に囲まれた
青々と豊かな森林が広がっている
天気すらも、都市側は曇り空で薄暗いのに対し
森林には暖かな木漏れ日がいくつも見られる
晴天が広がっていた
まるで、そこから先は世界が違うかのように
そして、その森林を闊歩するかのように
神は、デウスはゆっくりと歩み
そして、雄飛達を見てその脚を止めた
『──この風景に、
「!?」
頭上の曇天が、ゴロゴロと不吉な音を立て始めた
これは──
「「「!・・・変身!!」」」
それは咄嗟の判断であった
3人は一斉にドライバーを起動する
その瞬間
凄まじい勢いの稲妻が、3人の立つ場所に降り注いだ
雷電がアスファルトを焼き、煙を立たせる
2つの異物を消去、目的を続行す──
『──!』
デウスが再び世界の侵食を繰り広げようとしたその時
──煙の先に影が現れる
『Phantasic Night Of Beast!』
『MILLION SOUND!!』
『STATUE OF HAPPINESS!』
「おおお!!!」
煙を掻き分け、3人の仮面ライダーが駆ける
『──。』
デウスの立つ景色が変わる
豊かな森から、これまた自然に由来した
採石場のような切り立った岩場の大地へと
そして、デウスはそこに立つ
3人の、仮面ライダーを迎え撃つように
※
“突然、岩が崩れ彼らに降り注ぎ、彼らはぺしゃんこになりました。"
駆ける3人の頭上の岩壁が突如崩れさり
多い岩が音を立てて降り注いだ
「!?・・・っく!はぁ!!」
ラストが落石を避け
弓と化したグリップを引き絞る
鳥の形をした矢がデウス目掛けて放たれた
矢が、悠然と立つデウス目掛け向かっていく
そのまま当たるかと思われた
”襲い掛かる敵に、剣と盾を持って立ち向かいます。”
突如、デウスのその手に
精巧な剣と盾が現れ、そして迫りくる矢を弾き飛ばしていた
「はぁ!!」「ぜあああ!!」
ラストの攻撃に合わせるように
アクトとサウンドが杖と槍を振るう
『──。』
杖での殴打が盾に塞がれる
槍の斬撃は、剣によって受け止められた
だがそれだけでは終わらない
「!!」
サウンドが2撃3撃と槍で攻撃を放つ
デウスはそれを軽く受け流していく
サウンドの後ろから、アクトが動いた
『
「おおお!!らぁ!!」
魔法陣に杖をくぐらせる
アクトの体をも覆いつくすほどの巨大になった杖を振りかぶり
そして、サウンドの攻撃をかわしていくデウス目掛けて
全力で振り下ろした
『!?』
突如巨大な影が自分を覆う
そして、大質量の物体が自分目掛け迫りくる
大質量が、デウスの体を押し潰す──
”それは、まるで風船のように空高くへ飛んでいきます。”
「!?」
突如、振り下ろす杖が停止したことを、アクトは感じた
まるで、これ以上下へ下ろすのを否定するような──
いや、杖がどんどん上方へと引っ張られるのを感じた
「っ!」
──持っていかれる
咄嗟に杖から手を放す
抑えを無くした杖は、ふわふわとしかし早急に上空へと浮かんでいった
「くっ!・・・だったら!!」
杖を奪われたアクトは、それでも怯むことは無かった
デウス目掛け猛スピードで突撃する
”邪魔者は、その剣で真っ二つとなりました。”
『──!』
デウスが、突撃するアクトに剣を薙ぐように振るう
「ぐおおおあああ!!」
『!?』
魔法を奪われた苦し紛れの突貫かと思ったのだろうか
しかしそうではなかった
──剣が空を切る
魔法の衣を被っても、同時に起動した野獣の力がそこにはあった
振るわれる剣を、飛び越えるように跳ねる
そして、着地したアクトは剣振るったデウスの無防備な背後を取る
鋭い爪を備えた手が、その背中へと振り上げられた
「っらぁ!!」
『!?』
爪がデウスの背を引き裂き
デウスが初めて苦悶の反応を見せた
『──!』
デウスが振り返り、反撃のためにアクトへ剣を振り上げる
その背を──
『!?』
今度は、数発の矢が打ち付けた
デウスがその衝撃に軽く吹き飛ぶ
デウスが、矢の方向へと向き直る
そこには
「はっ!はっ!!」
次々と矢を放つラスト
そして、縦横無尽に飛び交い、こちらを狙いつける
何本もの鳥型の矢が迫っていた
”突然、嵐が吹き荒れ、全てを吹き飛ばします。”
デウスが腕を振るう
デウス目掛け飛び交う矢の正面に
突如、竜巻が発生した
風が、矢を飲み込み弾き飛ばす
「くっ!」
『──!』
そしてそのまま、ラスト目掛け竜巻が突き進んだ
「!」
『BUBBLE MERMAID』
姿を変えたラストが、液状化した地面へと
その姿を眩ませる
竜巻が、何も呑み込まずに通り去った
「おおお!!」
そして、次の瞬間
デウスの目の前の地面から
ラストが飛び出し、剣を振りかぶる
「らぁ!!」
それに合わせるように
アクトが爪を立てながら、背後から迫る
『──!!』
デウスが、回転するように剣を振るう
一回転の内に、飛び掛かるラストとアクトを切り飛ばす
果敢に攻めた2人の攻撃は無駄に終わった
──訳ではない
『──!?』
一回転し、停止するデウスは驚愕する
デウスが切り払った剣が、デウスの手を離れていた
それは、アクトの仕業であった
回転し、2人を切り払うその時
自身に剣が触れたのとほぼ同時に
アクトは足でその剣を蹴り飛ばしていたのだ
『GIGA!!』
『
『!?』
そして、それにデウスが気づいた瞬間
剣を失い、防御が薄くなった右方から
ボウガンによる、弾丸が襲い掛かった
弾丸が直撃する
『──っ!!』
デウスが大きく後ずさる
そして──
体に一瞬、大きな痺れが襲ったのを感じ取った
”それは、まるで風船のように空高くへ飛んでい ”
その時、上空からある物が落下してくる
「!?──落ちてきた・・・効いてる!!」
それは、先ほど上空へと打ち上げられてしまった
アクトの武器、CGスタッフであった
それは、先ほど掛けられた
敵の能力が、弱まったことを意味していた
『
「はぁ!!」
アクトが火炎を放つ
火炎は、デウスの手にした盾に防がれる
『!!』
そして、デウスは反撃に盾をまるでブーメランのように放り投げた
拘束で回転する盾が、アクト目掛けて迫りくる
『
しかし、アクトはそれに落ち着いて対処する
襲い掛かる盾の目の前に魔法陣を敷く
行先は──
デウスの背後に、魔法陣が現れ
そしてそこから猛スピードの盾が通り出る
『──!』
デウスが、自らの攻撃を喰らい怯む
そこに──
『GIGA!!』
『
槍を構えたサウンドが、飛び掛かった
強大な熱気を持った槍が、デウスの体を突き飛ばす
『──!?』
その攻撃を喰らい、さらに痺れが走るデウス
そこにさらに追撃を放つべくラストが迫る
『
「はあああ!!」
地面から飛び上がり
水を帯びた斬撃が、デウス目掛け繰り出される
”壁が突如現れ、立ちふさがります。”
地面が盛り上がるように壁が突如生える
しかし、それは先ほどまで見せていたような強固なものではなく
ラストのその一撃を防ぐので精一杯のようであった
斬撃を受け止め、ボロボロと壁が崩れていく
”突如凄まじい落雷が降り注ぎあらゆるものを薙ぎ払いました。”
ラストの頭上に、雷雲が立ち込めていく
それを見て、ラストが駆けだした
落雷が降り注ぐ
しかし、最初に放ったそれに比べ雷の量の保てていない攻撃は
掛けるラストを捉えきれない
地面に落ちる剣と盾を拾い上げる
ラストの剣戟を、デウスが盾で受け止める
ラストが続けるように構成に出る
最初のようなあしらうような余裕は見られず
デウスは、ラストの攻撃を防御していく
『
その攻防に合わせるように
アクトは攻撃に打って出た
掴んだ杖を魔法陣にくぐらせる
巨大化した杖が5本程度に分身していく
アクトはそれを思い切り振りかぶり
『
そして、一斉にデウス目掛けて振り下ろした
最後の一撃を放ち、デウスから離れるように地面に潜るラスト
それを目に追うデウスの頭上に
いくつもの巨大な質量が襲い掛かった
杖がデウスとデウスの周りの地面に激突し炸裂する
その衝撃に、デウスが大きく弾き飛ばされる
転がったデウスが立ち上がった瞬間
さらに4つの影が、その体を覆いつくした
『
『 1! 2! 3!』
『!?』
4人のサウンドが、デウス目掛けて飛び掛かり
そして、通り際に一撃ずつ槍を叩き込んでいく
『!!!』
その攻撃が、最後の一押しだった
デウスの体が一瞬、完全に硬直を起こす
そして──
「!──出た!!」
デウスの体から、まるで半透明の人影が漏れ出すかのように現れる
それはふらふらとデウスの体にギリギリつなぎ留められているようだった
その人影を、自分達は知っていた
風間大吾が、デウスの体から引き剥がされようとしていたのだ
「雄飛!!」
「おお!!!」
『
杖を叩き込み、そしてさらにベルトを強く押し込む
『
『
火を纏う足を抱え、アクトが宙を舞う
そして、浮かぶ魔法陣を通過したその時
デウスの周りに、何重もの魔法陣が現れる
それを見たデウスは、咄嗟にその手をかざす
”彼は、扉を閉めて鍵を掛けました。
そしてどんなことがあっても、決して扉を開けませんでした。”
デウスの周りに、まるで障壁のようにバリアが生み出される
それでも、構うことなくアクトは魔法陣から飛び出した
「「「はぁ!!!!!」」」
いくつもに分身したアクトがバリアにキックを放ち弾き飛ばされていく
──それでも、怯むことは無かった
10を超え、20、それさえも超えて次々とバリア目掛けてキックを放つ
『──!!!』
デウスもまた負けることなくバリアを張り続ける
その力を込めて、耐えきっていく
「ぐっ!!」
アクトから苦悶の声が漏れる
さすがに体力が尽きるか──
その時
「
先程まで、その戦場にはなかった声が響いた
『──!?』
デウスは突如現れたその声に反応した
──してしまった
「早く!!」
杏奈は吠えた、力の限りに
自らの父が、これ以上いいように使われるのを許さないと言わぬばかりに
「目を覚ませ!!」
自らの父親に、返ってこいと叫んでいた
『──「あ」!?』
その時だ、ビシリと鈍い音が鳴り響いた
デウスは驚愕した、自身が張るバリアにひびが入ったことに
そして、自身の中から、自分ではないものが声を放ったことに
「おおおおお!!!」
勢いが止まりかけたアクトの攻撃が息を吹き返す
何発ものキックがヒビに目掛けて降り注ぐ
一度ついたヒビはもう戻すことを許されずに
どんどん亀裂を広げていく
「大吾さんを!!」
そして、ついにヒビは大穴となりデウスを攻撃の矢面へと引きずり出した
最早、その攻撃を阻むものなど、何もなかった
「返しやがれえええ!!!」
アクトの必殺キックが、デウスのその体に突き刺さる
デウスを突き破り、地面へとアクトが着地すると同時に
その変化は訪れた
デウスの体から、何かが飛び出す
それは、人の姿
半透明などではなく、実体を持った人間の体で合った
アクトがその腕を掴む
「だぁあ!!」
そして、全力でそれを引き抜いた
千切れるようにデウスの体から大吾が引きはがされた
『──!!』
デウスが、苦しむかのように悶えるのをよそに
アクトは大吾を抱えて飛びずさる
「雄飛!!」「やったな!」
「お父さん!!」
アクトへとサウンドとラスト、そして杏奈が駆け寄る
そして、アクトは大吾を杏奈へと預け
デウスへと向き直った
「お父さん!!」
杏奈が横たわる大吾に声をかける
さっきのあの時、あの声は──
「・・・あ・・・」
「!?」
それは、奇跡にも近しいことだった
「あ・・・んな・・?」
「お父さん!!」
ゆっくりと、弱弱しくだが、それでも大吾は目を開いていた
「・・・大きく、なったなぁ・・」
「~~!!」
涙を流しながら、その体を抱きしめる
久しぶりに、本当に久しぶりに交わした言葉であった
「──あとは」
その姿を、横目に見ながら
仮面ライダー達は、残った問題を見やる
目線の先では苦しんでいたデウスが、再起しかかっていた
「弱体化したとはいえ、油断は無しだ」
「一気に片を付ける・・・!」
このまま押し切ると、そう決めて
3人のライダー達が、デウスへと相対する
『
「「「!?」」」
──この声は
現れたのは、青い鳥の怪人
すなわち、ブルーであった
『本当に、ご苦労だったな、
「っ!」
ブルーがデウスの隣に立つ
──逃げる気か
「逃がすわけにはいかない・・!」
「デウスはここで仕留める・・!」
逃がす暇など与えないと
ライダー達が各々武器を構える
そして、3人が駆けだそうとしたその時
『ああ、その心配はない』
ブルーは、剣を構えた
このまま、自分達との戦いを選ぶつもりかと思われたが──
『はぁ!!』
次の瞬間、仮面ライダー達は驚愕した
『──!!?』
ブルーが手にしたその剣を
有ろうことか、
『!?──!』
理解が追いつかない
ライダー達も、そしてデウスもまた
ブルーの行動の意味が分からない
『さらばだ、神よ』
しかし、その困惑をよそに
手にしたその剣で、デウスの体を切り裂いた
デウスの体が激しくスパークを放つ
人間を失い、脆くなったその体は既に限界を迎えていた
そして、最後の一撃が、放たれた
爆散するデウス
立ち上がる火にブルーは手を突っ込む
『これでいい』
そして、引き抜いたその手には
輝くような金色のチケットが一枚
『神の目覚めにはテラーとして生み出す必要があった』
『しかし、テラーとして生み出してしまえば
その意思は、チケット内の精神によるものになってしまう』
そして、ブルーは人の姿へと戻る
『それでは、この力を完璧にコントロールすることはできない』
そして、空いたもう一方の手で何かを取りだす
『なればこそ』
それは、同じように金色の箱型の機械であった
『ここで、
ブルーは機械を腰に押し当てる
側面から、帯が飛び出しその腰に巻き付いていく
ブルーが手を離したそこには
荘厳な、ドライバーの姿があった
『デウスドライバー・・・!』
『
「!?・・・まさか!」
ドライバーとチケット
それは、自分達とってとても身近な組み合わせであった
そこから生み出されるものは、たった一つだ
『変身』
ドライバーにチケットが、はめ込まれた
『
『
『
『仮面ライダー!・・・デウス!!』
『
そこに、先ほどまでの鳥の怪人はいなかった
そこにいたのは
それは、神々しい金色の体、天使のような羽の意匠と
まるで時計細工のように数多くの歯車が美しくかみ合ったような意匠を持つ
そんな、
「仮面・・・ライダー・・・デウス?」
「ばかな・・!」
3人のライダーが驚愕する中
『これが、私の目的
物語の神の力を得た、最強の仮面ライダーの降臨だ』
ブルーはそう告げる
『これで世界は変わる
・・・物語のように、終わりを迎える』
「!?・・・お前の好きにはさせない!!」
3人の仮面ライダーがブルーに向かい立つ
『君たちも同じだ、仮面ライダー』
『さようなら、
・・・君たちの役割も、もうすぐなくなる』
「ふざけるな!!」
その言葉に、サウンドが駆けだす
アクト、ラストもまたそれに続くようにブルー目掛けて駆けだした
『そうか、でも終わりなんだ』
駆けだしたライダー達
しかし、ブルーはそれに臆することも
焦ることもなく、淡々と行動をなす
その手が、ドライバーに触れた
『
“そうして、世界は自然に満ちた美しさを取り戻します。
花が舞い、蝶が飛び交う平和な未来が、やってきました。
おしまい。”
ブルーの、仮面ライダーデウスのその体から
──光があふれた
その光が触れた瞬間
まるで弾かれるように3人のライダー達は吹き飛ばされて
地面へと激突した
その衝撃で、3人共に変身が解ける
眩い光が辺りを包み、とてもではないが目を開くことができなかった
──光が収まるまで、どれくらいあったろうか
数分?数秒?・・・いや、一瞬だったのかもしれない
ようやく眩しさがなくなり目を開いたとき
──世界はまるで変っていた
先程まで戦っていた岩場から、さらに変化して
自分達が立っているのは
まさに、お話の中のように綺麗な世界であった
明るく、自然にあふれた穏やかな世界
草原の中に、自分達はいた
「!?」
背後を見る
自分達がやってきた方角
境界線を越えてからは、まだまだ都市が続いてた方角
都市部どころか、地平線にまで人口物は見当たらない
木々はあった、しかしそれもまた、物語の中のような自然だ
自分達が、生きてきた世界の痕跡が
目に映るどこにもなかった
侵食どころではない
一瞬で、世界が塗り替えられたのだ
『これで・・・
「ま、だだ・・!」
雄飛が立ち上がる
翔も、ラストもまた立ち上がる
たとえ、世界を変えられても
その相手が目の前にいる
だったら、戦って倒すまでだ・・・!
3人がドライバーを構える
『無茶をするな・・・
「何だとを・・!?」
その時だ、翔が膝から崩れ落ちる
「な・・・に・・・?」
「──翔?」
バランスを崩したのだろうか
しかし、再び立つ気配がない
雄飛が翔を向き直った時
──異変が始まった
「な!?」
それだけではない
翔の体がどんどん光りだしていく
「・・・嘘だろ。」
そして、まるでほどけるように
翔は光の粒となり
消えてしまった
手にしていたドライバーが地面に転がる音が響いた
「──え?」
呆気にとられた声が漏れる
脳の理解が追いつかない
一体何が起こった──?
「お父さん!?」
「!?」
背後からの声に
驚くように振り向く
声の先には杏奈さんと──
杏奈さんの腕の中で、光となって消えた大吾さんが目に映った
『これで、
ブルーが告げる
一体どうゆうことだろうか
「何しやがった・・!」
『──。』
「一体何をしやがった!!!!」
何も言わないブルーに対し
雄飛は、怒りを抱えて駆けだした
続く
次回 仮面ライダーアクト
消えた人々
「・・・私たちだけが、取り残されたんだ」
失意の中で、雄飛は誰かに出会う
「私たちこそが、諦めてはいけないんだ」
ブルーから、全てを取り戻せるか
『ヒーローの枠はもうない、君が戦う理由はない』
「関係ない・・!」
「・・・私が・・・
第34章[