仮面ライダーACT [アクト]   作:ヨッツ

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前回までのあらすじ
次なる事件を解決するべく
怪人を追う仮面ライダーの前に現れたのは
怪人に変身する謎の男
男と怪人の前に雄飛は破れ、
海に投げ飛ばされてしまう


第6章~リベンジャー・アウトロー~

目が覚めると、

そこには見知った店の天井があった

自分は、なぜここで寝ているのだろうか

確か・・・怪人を罠にはめて、戦って・・・

謎の猫怪人が乱入──

 

「!?」

 

そこで、記憶が鮮明になる

そうだ、自分は──

敵に負け、海に放り出されたのだ

そしてその後・・どうなったのだ?

 

体を起こす、

少々痛みがあるが動けないほどではない

体に鞭を入れつつ立ち上がろうとしたところで

 

「雄飛君!起きたのか」

 

浩司さんが部屋に入ってくる

どうやら介抱をしてくれていたようだ

 

「浩司さんが俺を?」

 

「いや、太田の奴が巡回中に

 海岸に打ち上げられた雄飛君を見つけてね」

 

そうか、太田さんが・・

今度会ったときにお礼を言うことを誓おう

そう心に決めたところで

 

「しかし、雄飛君一体何があったんだ?」

「敵はそこまで強敵だったのかい?」

 

浩司さんが心配そうな顔をして聞いてくる

 

俺は、あの夜の戦いのことを話した

誘き出しが成功したこと

怪人と戦ったこと

そして──ペローと名乗った謎の怪人のこと

 

「・・・怪人の元締め。か」

 

「あいつは、

 自分が怪人を作ってるように発言してました」

「しかも、人間の姿と

 怪人の姿を切り替えてるみたいで。

 ・・・これまでの怪人たちとは、

 まるで違う雰囲気をしていました」

 

浩司さんは腕を組み何かを考えるようにしていた

そして、考え終わるとこういった

 

「・・・まず、人間の姿をしているテラー」

「これは、元となった人間の歴史を全て奪い取って

 その姿を自由に使えるということだろう」

 

その人間の歴史を完全に掌握しているのであれば、

その姿形を引っ張り出して

自分に張り付けることもできる

そう、浩司さんは結論付けた

 

「それじゃあ、元の人は・・・」

 

「・・・残念だが、

 もう完全にその人の歴史は世界から消えている」

「たとえ倒しても元には戻らないだろう」

 

「そんな・・・」

 

歯噛みする、全てを助けることができるなんて

甘い考えだとは思っていたが

それでも避けたいことであった

 

「・・・今は、カエル怪人についてだ」

「昨夜、・・・・君が戦った後の話だけれど

 その日は、巡回や避難が間に合って

 直接的な被害は出なかった」

「君の頑張りのおかげだよ」

 

精一杯の励ましなのだろう、浩司さんは

 

「問題は、今日の話だ」

「太田が言うには、今夜は女性警官などを使用した

 おとり捜査が敢行されるらしい」

 

──それは、危険だ!

あのカエル怪人は、強くはなかったが

決して常人で敵う相手ではない

 

「ああ、だがターゲットが明確で、

 犯行犯行現場も似通っている

 以上止める理由がなくてね」

「何とか、太田が取り押さえ組に編入してもらい

 見つかって危なくなったらすぐに

 退却できるようにする手はずだが・・・」

 

時計を見る

時刻は21:00を過ぎていた

なんてこった、自分は1日も寝てたのか

すぐさま荷物を持って立とうとする

 

「ちょ、どこに行くんだい!?」

 

「・・・あいつを止めないと!!」

 

太田さんをはじめとする警察の人を

危険な目に合わせるわけにはいかない

そういうのは自分の仕事である

 

「無茶だ!怪我も痛むんだろう!?」

 

確かに、痛むが動けないわけじゃない

そう言い聞かせて上着を左手で掴んだ

その時

 

「・・・!?・・・ッ」

 

左手首に激痛が走る

どうやら先程の戦いで痛めてしまっているようだ

これでは、サムライで剣を握るのも

ライダーで殴るのもきついかもしれない

 

「そら見ろ!無茶だ!」

 

太田さんが止めてくる

どこまでも俺のことを案じてくれる

その姿には感謝する

──だが

 

「それでも行かなきゃ・・・」

「俺・・・ライダーですから」

 

ニヤリと無理やり笑顔を作る

そうだ、怪我だけで休んでなんていられない

自分の知っている仮面ライダーを思い出せ

怪我程度で立ち止まったか?

痛み程度で諦めたか?

 

──違うはずだ

 

「・・・・」

 

太田さんはその姿を見て何か言いそうになって

それでも飲み込んでくれた

そして頭をガシガシと掻きながら

奥の部屋に入っていく

そして──

 

「これを持っていきなさい」

 

戻ってきた手には1つのチケットが握られていた

それを受け取り、表面のタイトルを読み上げる

 

「・・・・WILD WESTERN(ワイルド ウエスタン)?」

 

ウエスタン・・・西部劇だろうか

 

「アクトブレイガンは剣と銃を切り替える武器だ」

「剣で戦う劇があるなら

 銃で戦う劇も必要だからね」

 

ニヤリとニヒルな笑いを見せる浩司さん

そんな姿に俺は

 

「ありがとうございます!

 これさえあれば勝てます!!」

 

勝利への道筋を見据え、店を飛び出した

 

 

夜のとばりも落ちてきた頃に

 

道を歩く一人の女性

彼女は、今回の女性暴行事件犯の逮捕のために

囮捜査として抜擢された警官である

 

そんな女性警官は、背後に迫る何者かに気づく

(こいつだ・・・!)

足を止め、振り向いて

いつでも暴漢と組み合えるように心構えをする

 

気配はやがてヒタヒタとよく聞こえるほどに近づき

やがて自分の真後ろで止まった

そして──

 

『お嬢さん』

 

声をかけてきた

 

振り返り拘束しようと手を伸ばす

たとえ屈強な男でも怯むつもりはなかった

他の警官たちが控えてはいるが

そんな助けも借りずに済ませる位の気持ちがあった

 

しかし

 

『僕と遊ばないかぁい?』

 

そこにいたのは、屈強な男でもなければ

貧弱なものでもない

醜く、見るもおぞましい怪物であった

 

「キャアアアアアアアア!!!?」

 

劈くような悲鳴が響く

その声を聴いて、

周りに配置されていた警官が集まってくる

 

「動くな!!」

「な、なんだ・・・?被り物か?」

 

太田を含む3~4人の警官が

フロッグテラーを囲み静止を呼びかける

 

『あぁ~?邪魔くせぇなぁ!!』

 

しかしフロッグテラーはそれに取り合うことはなく

警官の一人に向かって腕を振るう

腕から放たれた液体があわや

警官に浴びようとしたときに

 

「あぶねぇ!!」

 

太田が警官の一人をひっつかんで伏せて見せた

液体は二人の頭上を飛び越えて

背後に停車していたパトカーに付着した

 

轟音と共にひしゃげた車両から火が上がる

 

「な、なんだあ!?」

「バ、バケモノ!!」

 

残った警官が銃の引き金を引く

しかし、発射されたそれは、

フロッグテラーの体に当たるが

体表を貫くことはなく地面に落ちる

 

『いってぇなぁ!!』

 

「「ひ、ヒィイイイ!!」」

 

竦み上がる警官達

それに襲い掛かるフロッグテラー

その大腕が警官達に振るわれようとしたその瞬間

 

ヴォンッ!!と轟音を立てて仮面ライダーの乗った

バイクがフロッグテラーに猛スピードで撥ねた

 

突然の衝撃に吹き飛ばされるフロッグテラー

 

「彩羽君!!」

 

「早く退避を、・・・頼んだ!!」

 

バイクから降りた仮面ライダーは

立ち上がったフロッグテラーを引っ掴んで

その場から離れるように引きずっていく

 

『またテメェかぁ!』

 

「今度は負けん!覚悟しろカエル男!!」

 

振るわれる体液を細かいステップで

避けながら肉薄する仮面ライダー

そして右手で2度3度と、拳を叩き込んでいく

このまま一気に決める!

と拳を握りこんだところで

──背後から悪寒を感じた

とっさに転がりその場から立ち退く

 

そして次の瞬間

自分が立っていた場所に

上空から降ってきた

何者かが剣を突き立てていた

 

「・・・ペロー!」

 

それは前回も邪魔をしてきた猫の怪人

怪人の親玉、ペローであった

 

『やぁ仮面ライダー、あれで生きてるなんて、

 なかなか悪運が強いね!!』

『でも、次はない・・よっと!!』

 

振るわれる剣閃を避け、右手で捌き、

何とか対応していく

しかし、右手だけでは捌ききれず

仮面ライダーは攻撃を食らい吹き飛ばされてしまう

 

『左手をかばってるねぇ・・・怪我したの?』

『そんな状態でまだ、戦うんだ?』

『一度負けちゃったんだから、

 諦めちゃえばよかったのに』

 

そんな軽口を使って挑発してくる

 

 

「痛いけどさ・・・・守るって決めたからさ」

「仮面ライダーをやるからには、

 そんな簡単に投げ出してちゃいけないだろ?」

 

ニヤリと笑ってそんな風に答えを返してやる

そして──

 

チケットを取り出す

 

『・・・・?』

 

不思議そうな顔をするペローを横目に

雄飛は意識を切り替える

イメージを作り上げ、役になり切る

 

それは、自由を胸に荒野に立つ

悪名高きも誇り高きアウトローの冒険譚

 

『WILD WESTERN』

 

「守るって決めたんだ」

「それを邪魔する奴は、一人残らずぶっ潰す!!」

 

口悪くそう宣言し、

ドライバーにチケットを差し込んだ

 

『Start』

Stand in the Wilderness With Frontier Spirits.(自由を胸に、男は荒野に立つ)

WILD WESTERN(ワイルド ウエスタン)!!!』

 

姿が変わる、頭上には帽子のような意匠

装甲には、茶を基調にした

カジュアルな意匠が施されていく

そして、手にしたアクトブレイガンを変形させ、

ガンモードに

 

その姿は、西部劇のガンマンのような佇まいであった

 

『へぇ、新しい姿?』

『それで何か変わるといいねぇ!!』

 

ペローが切り掛かる

仮面ライダーはその攻撃を

ヒラリと躱し、その銃口を

ペローの後方(・・)へと差し向けた

 

『何!?』

「・・・Fire!」

 

ズガンと音を立てて放たれた弾丸は

ペローの背後に立つ

フロッグテラーを打ち抜いていた

 

突然の銃撃に苦悶の声を漏らすフロッグテラー

 

『お前・・・!』

「ハッ!2対1なんだから

 どっちから狙うのかなんて俺の勝手だ!」

 

そういって仮面ライダーは

再度フロッグテラーに引き金を引く

 

『ぐ、グギャアアア!!?』

 

5発、6発と銃弾を叩き込まれ

転がされるフロッグテラー

 

『おのれぇ!!!』

 

フロッグテラーがお返しとばかりに

いくつもの液体を仮面ライダー目掛けて投げつける

──しかし

 

『な、そんなぁ!?』

 

それらが仮面ライダーに届くことはなかった

腰だめに銃を構え、何度も引き金を引く

次の瞬間には放たれた弾丸達が

迫りくる液体を全て空中で叩き落していた

 

『僕を、無視するなよ!!』

「やなこった!!!」

 

振るわれるペローの剣をさらに躱しながら

隙を見てさらにフロッグテラーに銃を向ける

 

『くっさせるか!』

 

させまいと射線上に剣を構えるペロー

しかし、それは仮面ライダーの策略であった

フロッグテラーを庇ったペローを見て

仮面ライダーは銃口をずらし引き金を引く

 

『何!?グァ!?』

 

照準をずらし放たれた弾丸は

ペローの構えた剣を避け、

ペローの体に向かい飛んでいく

そして、不意を突かれたペローはまんまと銃弾を

その身で受けてしまったのであった

 

『・・・・仮面ライダーァアアアアア!!!』

 

ペローが激高する、言葉を取り繕うこともなく暴言を放ち

その剣を深く構えた

昨夜の衝撃波の構えである

 

それを見た仮面ライダーは

 

「・・・一発勝負だ」

 

ベルトからチケットを引き抜き

ブレイガンに装填する

 

『WESTERN!』

 

ブレイガンから機械音声が鳴り響き

その銃口にエネルギーが集まっていく

 

『ハァッ!!!』

 

ペローが剣を突き出す

放たれた衝撃波は仮面ライダー目掛けてまっすぐに飛んでいく

その攻撃にライダーは

 

「フッ!」

 

斜め上方に跳躍しすれすれのところで衝撃波を回避する

そして、そのまま空中で不安定な体制のまま

必殺技の引き金を引いた

 

『WESTERN!』

BEST SHOT(ベスト ショット)!!!』

 

放たれた弾丸は

ペローの顔面すぐ横を通り過ぎ

その背後に構えていた

フロッグテラーに突き刺さった

 

『グエ!?グエエエエエエ!!?』

 

断末魔を上げながら爆発を上げるフロッグテラー

 

しかし、仮面ライダーは気を緩めない

ようやくこれで1対1での戦いである

銃を構えなおし、ペローと対峙する

 

『・・・』

 

背後で起こった爆発をじっと見つめるペロー

そして

 

『・・・アッハハハハハハ!!!』

 

突然大きな声で笑い出した

・・・狂ったか?

 

そして、笑い終わるとこちらに向き直り

 

『いいねぇ!!

 やっぱ仮面ライダーはこうでなくっちゃ!!!』

 

満足したかのような様子でそんなことを言い出した

 

『もうちょっと遊びたいけど、

 守るものもいなくなっちゃったし』

『今日のところは帰るよ!』

 

そんなことを言い出した剣を降ろすペロー

 

「!?逃がすか」

 

逃がすまいと銃撃を放つ

しかし

 

『じゃあね』

 

フッとその姿が消える

そして銃撃はその場所で

何に当たることもなく通り過ぎて行った

 

『また会おう、仮面ライダー!!』

『精々あがいてくれ!!僕たち(・・・・)

 "ストーリーテラー"は君の頑張りを応援するよ!!!』

 

その言葉を最後に

辺りからペローの気配が感じられなくなった

 

「ストーリーテラー・・?」

「何なんだ、一体?」

 

そんな雄飛の疑問は、

唯々深い暗闇に飲まれて消えていくのだった

 

 

廃れて瓦礫まみれになった建物があった

その一室にある一人の人影が帰ってくる

先程まで仮面ライダーと相争っていた

ペローその人である

彼は鼻歌を歌い出しそうなほど

機嫌よさそうにその一室に帰ってきた

 

『あら、ペローおかえりなさい』

『どうだったのかしら?新しい仮面ライダーは?』

 

そんなペローに話しかける声が一つ

それはこの場に似合わない

やけに小綺麗な格好をした女性だった

赤を基調とした鮮やかなドレスに身を包んでいる

 

『やぁクイーン(・・・・)、うん、とても面白い奴だったよ』

『君もきっと気に入ったおもちゃになると思うよ』

 

『まぁ、それは楽しみね』

 

仲良さそうに談笑をする2人

そんな2人のいる部屋にさらに人影が入ってきた

 

『あらサン、それにブルー(・・・)も、

 一体どこに行っていたのかしら?』

 

一人は薄暗い色をしたコートを羽織ったさんと呼ばれた男

 

『えぇ、あれの調整がようやく終わりそうでしたので』

 

そして、ブルーと呼ばれた初老の青年である

こちらは薄い青を基調にした衣装に身を包んでいた

 

『計画はすべて順調です』

『このまま、我らストーリーテラーは

 成すべきことをしていきましょう』

『そう、全ては神を作るために(・・・・・・・)

 

続く

 

 

 




次回 仮面ライダーアクト

謎の誘拐事件
「ここいらの人間が
 老若男女問わず行方不明になっている」
謎の怪人
『私の歌を聞きなさい!!』
演奏で舞台に上がる、謎の新ヒーロー!?
「俺は、仮面ライダー・・・サウンドだ!!」
「さぁ!盛り上がっていこうぜ!!!」

第7章[シンガー・ソング・ライダー]
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