東方鷹伝   作:劉輝

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今回は幻想郷のキャラを一人出します。
これは旧作と違うシナリオになっています。


第三話

次の日、正志たちは朝になっても佑介が帰ってこず、家でずっと寝ずに待っていた。

外はオリジンの出現により警備は厳戒態勢で見回っていた。

空翔は政府軍の兵士たちに佑介を見なかったかと聞き込みをするも、誰も見なかったと答えが帰ってくる。

森に戻って佑介と別れたところに戻るとそこには大量の出血の跡と佑介が持っていたと思われるP90が転がっているだけ。しかし、それだけ。町中の佑介に世話になった人たちに捜索を頼むも、姿はなかった。

血液を取って検査をするとそれは間違いなく佑介の血液だった。

 

空翔「・・・」

 

正志「で、どうだ。見つかったか?」

 

空翔「いや・・・あの多量の出血が佑介の物ならそう遠くにいけないと思って森の中を調べているんだけど・・・何も・・・」

 

蓮子「・・・佑介、どうしたんだろう・・・」

 

正志「心配すんなよ・・・何かあって他県にでも移ってるんだろう・・・」

 

メリー「でも、それなら正志か空翔に一言言うんじゃ・・・」

 

時間は過ぎていくなか、4人は静かに沈黙の空気に包み込まれていった。

 

━━━━━━━━幻想郷~妖怪の山~━━━━━━━━

 

妖怪の山。そこは自然が豊かで、人間は決して近づけない妖怪の縄張りのような場所だ。

ここにいる妖怪は主に天狗。烏天狗や白狼天狗といった者たちがいる。里にはたくさんの天狗がおり、組織としてちゃんと基盤ができている。とは言っても軍としての基盤は無く、あくまで警備としての力しかない。

そして、この妖怪の山には妖怪以外にも常識はずれの存在もいる。

それは神様。山の上にはある神社があり、そこには三人の神がいる。そんな人外だらけの山の中山辺りに流れている川に、一人の青年がいた。

青年は刀を握り締め、死んだように目を閉じてうつ伏せに倒れていた。

 

佑介「・・・ハッ!」

 

その青年は腹を刺された倒れた鷹川佑介だった。

目覚めた佑介はすぐに川から離れて木まで近づき、背を向けて座り込む。

 

佑介「ハァ・・・ハァ・・・」

 

懐をゴソゴソと漁るとタバコを取り出す。しかし、そのタバコは先程まで川の水に浸かっていたため濡れてしまっていた。

 

佑介「チッ・・・」

 

もう使えなくなったタバコを握りつぶして捨てる。そして、佑介はあることに気がつく。

 

佑介「・・・傷がねえ」

 

服の傷は残っているのだが、体自体には傷がなかった。だが、記憶にあるあの瞬間。そして刺されたあの感触、痛み。そして服に付いた血を見る限り刺されたのは確実だ。

 

佑介「うっ・・・!」

 

よく見るとくっきりと刺された痕もある。そして鈍い痛みが時折襲ってくる。まるで、外側に見えないように内側から貫かれたように。

 

佑介「・・・ここは・・・どこなんだ・・・?」

 

身体を起こして辺りを見る。

もう朝のため、辺りはよく見える。そこは今まで自分がいた森とは違う。まるで別世界にやってきたような感覚だ。

 

痛みがまだある身体に鞭打って木に登って広く周りを見る。

 

佑介「・・・オイオイ、嘘だろう・・・」

 

そこは完全に佑介の知ってる世界ではなかった。そこは町外れの森でもない。ましてや佑介の知っている所でもない。

そして、決定づけることが佑介の目の前に広がっていた。

 

翼の生えた人間が空を飛んでいたのだ。

 

佑介はすぐに状況を整理するために木から降りてとりあえず人がいそうな場所まで移動することにする。

 

佑介「ちくしょう・・・どこだよここ・・・」

 

携帯のGPS機能を使おうとしても、電波は例の如く圏外だ。

今所持している物は佑介の愛刀『菊一文字・零』と愛用の拳銃『オーガ』と『ファルコン』そしてコンバットナイフとワイヤーガンのみ。弾薬はさっきの戦いで多く持ってきているので困ることはないと思われる。

 

足を動かし、前に進んでも森、森、森ばかり。というか、迷ったかもしてない。

佑介はあちこちをウロウロしながら歩き続ける。

 

佑介「まいったな・・・迷ったか・・・?」

 

???「見つけたぁ!!」

 

佑介「・・・ん?」

 

どこからか人の声がした。そう思った矢先に、佑介の目の前に一人の少女が現れた。

その少女は結構な美少女にも関わらず、手に片手剣と盾のようなものを所持しており、頭に犬のような耳をつけており、お尻のあたりに白いしっぽを生やしているのだ。

 

佑介「(なんだ・・・?新手のコスプレか・・・?)」

 

佑介は少し戸惑いながら少女に話しかける。

 

佑介「済まない。キミはここの住人かい?」

 

???「ここは人間は立ち入り禁止です!今すぐ下山しなさいっ!!」

 

こちらの話なんぞ聞いていない。単刀直入だ。

 

佑介「そうなのか・・・?それは悪かった。知らなかったからさ・・・でも、少し話を・・・」

 

???「・・・あなた、その姿からして、外の人間ですか?」

 

佑介「あ?『外の世界』?なんだそれ」

 

少女はやったりなという顔をして佑介に近づく。

 

椛「さっきはいきなり言い出してすみません。私は白狼天狗の犬走椛と言います」

 

佑介「あ、ああ・・・俺は鷹川佑介。フリーの傭兵だ」

 

その時、椛という少女の顔が驚いたような顔をする。

 

椛「た、鷹川・・・?もしかして、あの鷹川一族の・・・あの鷹川信介様の・・・!」

 

突然少女の口から出た父の名前。

 

佑介「そうだが、親父を知ってるの━━━━」

 

佑介が言い終わる前に、椛という少女は佑介の胸にいきなり抱きついたのだ。

突然のことに何のことかわからない佑介。

 

佑介「━━━━え゛?」

 

と変な声を出しながら顔を赤くする佑介。

 

佑介「チョチョチョッ!いきなりなんなの君!?」

 

引き離そうとしたが、すぐ佑介はそれを止める。

 

椛「グスッ・・・う・・・うぅ」

 

なぜなら、椛は佑介の胸で泣いていたからだ。佑介にとってはわからない少女の涙。しかし、佑介は椛の頭を静かに撫でるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

椛の案内によって訪れたのは天狗の里と呼ばれる天狗たちの町だった。

椛の説明を聞くと、ここは佑介のいた世界じゃない。ここは幻想郷。外の世界と隔離した世界だった。そして、衝撃的な話を佑介は聞いてしまう。それは、実の父親のことだった。

 

佑介「親父はここに住んでいた妖怪!?」

 

椛「はい・・・正確には、人間と妖怪の間に生まれたハーフなんですけど、昔ここに住んでいて、私を娘のように育ててくれた人です」

 

彼女の両親は既にこの世を去った時、佑介の父信介はこの椛という子を育てることにしたのだという。

 

佑介「・・・そんなことが」

 

椛「あの人が亡くなり、本当に残念です・・・」

 

佑介「すまない・・俺があの時・・・」

 

椛「あ、あなたのせいじゃありませんよ!」

 

佑介「いや!俺のせいなんだ・・・!あの時・・・俺は・・・!」

 

佑介は握りこぶしを固く、もっとそれは血がにじみ出るほど拳を固く握っていた。佑介の親父が死んだのは、佑介が17歳になって間もない頃だった・・・。

 

 




次回は佑介の父親、信介の死に関することです。
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