東方鷹伝   作:劉輝

5 / 11
今回は佑介の父、信介に関してのお話です。


第四話

今から5年前の話だ。佑介たちフリーダム・マーセナリーは一人の男と共に志を同じくして戦っていた。

男の名前は鷹川信介。佑介の実の父親であり、佑介の師匠だ。

 

それは、依頼としてやってきたオリジン殲滅作戦だった。オリジンは多く数千もの兵士たちと共にアメリカのある街を制圧したのだ。信介たちはそこにオリジンの幹部の人間が来ていることを突き止め、共にその街に向かった。

 

街の潜入は至って簡単だった。オスプレイで近づき、そして四人は街の中心部で政府軍と共に降りる。

 

信介「行くぞお前ら!派手にかませ!!」

 

三人「「「了解!!」」」

 

敵はこちらに気づくなり装甲車についている機関銃で佑介たちを撃ってくる。

だが、佑介はその機関銃を撃っている兵士を攻撃。見事にその兵士の額に弾丸ぶち込んだ。そしてそのまま敵の装甲車に近づいて機関銃を使う時に使う穴の中にグレネードを入れる。

内側に入れたグレネードの爆発により、装甲車は大爆発を起こし、中にいる兵士ごとスクラップと化す。

 

正志「グットキル!」

 

しかし、四人にさらなる脅威が現れる。それは、戦車だ。戦車は佑介たちを見つけるや否や、すぐに砲身をこちらに向けてきた。

 

信介「伏せろ!!」

 

信介が叫んだと同時に砲弾が四人の後ろの壁に被弾する。後ろから耳が裂けんばかりの炸裂音と同時に壁の岩が落ちてくる。

しかし、四人は岩と物陰の隙間に挟まった状態で助かった。すぐに岩を退けて物陰に隠れておく。

 

信介「クソッ!航空支援はまだか!?」

 

空翔「あと3秒で支援が来ます!佑介ッ戦術スモークで敵の位置を!!」

 

佑介「ああ!さっきのお返しだぁ!!」

 

腰につけているスモークを取り出し、戦車の近くに投げる。

プシューと緑色の煙がモクモクと立ち始めると、戦車は空から降ってきた凶弾の雨により、その砲身は折られ、キャタピラはボロボロ。装甲もズタボロとなり、爆発した。

 

攻撃が止み、静かになる。

 

信介「全身!行くぞ佑介、正志、空翔!」

 

三人「「「応!」」」

 

戦車を始末して、政府軍が前に進みだすと、四人もともに進軍していく。

 

このの任務はオリジンを殲滅、そして幹部指揮官を捕らえるのが目的だ。だが政府軍のことだ、聞き出す前に殺しかねない。信介たちは急いで先に進むことにしたのだが、事件は起きた。それは、この街の山の上にはダムがあるのだ。もし、敵がダムを破壊したらこちらは大打撃を受けるだろう。その前に見つけ出そうと信介たちはあちこちを探し回った。

 

佑介「いたか!?」

 

空翔「いなかったよ」

 

正志「ダメだ・・・こっちは死体だけだ・・・信介さんは?」

 

佑介「親父は奥の会議室にいって━━━━」

 

パァン!パァン!

 

三人「ッ!?」

 

銃声だ。しかもその方向はさっき信介が探しに行くと言っていた会議室だ。

 

空翔「銃声!?」

 

佑介は手に持っている銃のマガジンを変えて走り出す。

 

佑介「行くぞ二人共!」

 

会議室まで一本道。佑介たちは駆け抜けるが如く走る。そして会議室前に着くとそのまま走りながらドアを蹴破った。

そこにいたのは、敵とつかみ合いになっている信介がいた。

 

佑介「ウルァ!!」

 

その状態を見て佑介は信介に掴みかかっている敵を蹴り飛ばす。

倒れた所を見て正志と空翔がそのまま押さえ込む。

 

佑介「親父!大丈夫か!?」

 

信介「ああ・・・助かった」

 

空翔「大人しくしろ!正志、ロープあるかい?」

 

正志「ロープはねえが、頑丈な鎖はあるぜ」

 

と言ってそこにあった鎖で敵兵をぐるぐる巻きにして縛り付ける。

 

捕まえた男は幹部指揮官だった。しかし、こいつはオリジンに入ったばかりで、その能力を認められて司令官になれたが、日が浅いことからあまりオリジンの真相を聞き出せなかった。

 

話終わる頃には敵兵の顔はボロボロ。足には数箇所の銃弾による穴が出来ていた。拷問にかけてもう男はダランと首を横にしている。

拷問が終わる頃に佑介の無線がかかり、佑介の耳に思わぬことが起こる。

 

佑介「親父、奴らダムを壊す気だ!」

 

正志「そんな!ここにはまだ逃げ遅れた民間人やオリジン兵士がいるんだぞ!?味方ごと道連れにする気か!?」

 

信介「奴らならやりそうなことだ。行くぞ!回収用にヘリを回してもらうように手配する。佑介、後始末頼んだ」

 

佑介「了解」

 

それを言い残し、信介たちは佑介を置いて走りその場を去る。

 

佑介「ということだ、溺れて苦しんで死ぬよりかマシだろう」

 

と言い、太もものホルスターから拳銃を抜き、男の額に銃口を向ける。

 

オリジン兵士A「ま、待ってくれ!死にたくない!俺も連れてってくれ!心を入れ替えるから!なあ!!」

 

佑介「そう言ってお前らは罪もない人を殺したんだろ・・・なんの罪もない子供も・・・済まないが、俺はそんな奴を生かそうとは思えなくてな。苦しまないように殺してやる俺の温情に感謝して欲しいぜ・・・」

 

トリガーにかかっている指に力が入る。

 

オリジン兵士A「待━━━━!!」

 

パァン!!

 

一発の銃声と共に辺りは静まり返り、薬莢がコロコロと足元に落ちる。そして、ジャラジャラと鎖も音を立てて落ちる。

佑介が撃ったのは男の頭じゃなかった。それは、男を縛っていた鎖だった。一部脆いところを見つけ、そこを撃ち抜いたのだろう。鎖は綺麗にちぎれていた。

 

佑介「その足で生き残れるか知らんが、あとは勝手にしろ」

 

そう言い、佑介は信介たちに追いつくために走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕日が沈み、夜になってしまい、蝋燭で灯りを灯しながら話す佑介。

 

佑介「・・・今思えば、あの男をあそこで殺していれば良かったよ・・・」

 

椛「・・・そのあと、何があったんですか?」

 

佑介「敵はダムを決壊させた。それにより街は一気に水に飲み込まれちまった。俺たちは救援ヘリを待つために建物の屋上に待機してた・・・だが、敵の残存兵が向かいの建物に待機してて、俺たちは貼り付け状態にされた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佑介「クロウズ!早くしてくれ!もう持たないぞ!」

 

クロウズ1『あと一分だ!もう少し待て!』

 

正志「一分も待てるか!早くしねえとやられちまうぞ!」

 

信介「クロウズ、30秒で来い!でないとお前のその粗末なものすりつぶすぞ!」

 

無線を切って銃を撃ち続ける。だが、敵の攻撃は強くなっていくばかり、ついには、奴らはRPG‐7で建物の柱を壊しだしたのだ。

 

空翔「RPG部隊です!佑介、あの部隊を排除してくれ!」

 

指示を受けた佑介は空翔と共に下にいるRPG部隊に向かって銃弾を浴びせる。

横では正志がこちらに攻撃して来ている兵士を攻撃している。カシュとマガジンを取り出し、ポケットを漁る。

 

正志「誰か!弾薬足りてねえか!?」

 

佑介「ホラ!大事に使えよ!!」

 

横にいた佑介がマガジンを正志に投げつける。早速正志はそれを付けてトリガーを引く。

しかし、そんな佑介たちに、またしても危機が訪れる。

ついに建物の柱は耐えられずに崩れだしたのだ。

 

佑介「うわぁっ!」

 

もちろん佑介たちがいるのは屋上。支えを失った建物は斜めに傾き出す。

信介と空翔が刀で持ちこたえ、そして正志と佑介はその二人に捕まる。

 

信介「しっかり捕まってろよ!崩れるぞ!!」

 

空翔「隣りに飛び移ろう!!」

 

ギギギギ!!と建物はゆっくりと隣りの建物へと傾いていく。

そして、ついにはその隣りの建物にぶつかったのだ。

三人はその衝撃で隣りの建物のガラス窓を割って入ることに成功した。しかし、信介は何とか三人が入っていった割った窓に掴むことはできたものの、中に入ることはできなかった。

 

佑介「親父!」

 

正志「敵も来やがったぞ!早く引っ張ってやれ!」

 

正志と空翔は敵に向かって攻撃を開始すると、佑介は信介を助けるために手を伸ばす。

 

佑介「親父!早く!!」

 

信介が手を伸ばし、佑介の手を取ったその時、パァン!!と一発の銃声が響き渡った。そして、信介の手から力がなくなるように窓を掴んでいた手が離れた。

 

佑介「うわっ!」

 

信介の全体重が佑介を引きずり込むように窓の外に出ていこうとする。しかし、なんとか止まる。

 

佑介「親父、どうしたんだ!おや・・・じ・・・?」

 

信介を見ると、なんと信介の腹に銃弾の跡があったのだ。佑介はさっき倒れかけた建物に視線をやると、そこにはさっき拷問にかけた兵士が銃をこちらに向けていた。

 

オリジン兵士A「に、逃がさねえ・・・!逃がしゃ━━━━「クソが!!」ぐああ!!」

 

怒りに任せて佑介は拳銃を抜いて兵士に乱射する。

乱射で飛んでいく弾丸は兵士の腹、兵士の胸、兵士の顔を貫いた。ドサッと倒れて二度と動かなくなった兵士。

佑介はなんとか信介を助けようと引き上げようとする。しかし、重い荷物が引っかかったのか、信介の身体は上がらなかった。

 

佑介「今助ける!待ってろ・・・なんだよこれ、上がらねえ・・・!!」

 

引っ張って上げようとするが、それでも上がらない。

 

信介「・・・佑介、もういい・・・その手を放せ」

 

佑介「っざけんな!!親父を置いて行けるか!!諦めねえぞ俺は・・・!!」

 

信介「いいんだ・・・それに、俺は助からねえよ・・・当たり所が悪かったらしい・・・」

 

信介の腹から流れる血は靴の先からポタポタと落ちていく。それも、尋常じゃない量の血だ。

この敵の中じゃあ信介はあまりにも足でまといになってしまう。運良くヘリまで連れていけたとしても出血多量で助かるかわからない。

 

佑介「嫌だ!絶対助ける・・・!見殺しにしてたまるか!!」

 

信介「・・・全く・・・お前はいつもいつも・・・いいか、戦場では甘ったれた感情を捨てろといつも言ってるだろう・・・大人の考えを、持て」

 

佑介「何度でも言え!仲間を見捨てて助かるのが大人なら俺は一生ガキでいい!」

 

信介「そうじゃない・・・いいか、大人はいつか重要な選択をしなくちゃいけなくなる・・・それで一人が死ぬか、全員が死ぬか、よく考えそして決断をくださなけれがならないんだ・・・俺の意思を受け継いでくれるのはお前だけなんだ・・・佑介」

 

佑介「親父ィ!!」

 

そして、信介は佑介の握っていた手を振り払った。

 

佑介「ッ・・・!親父!」

 

信介の身体はそのまま落ちていき、激流に飲まれ姿を消した。

 

正志「佑介!悲しんでいる暇はない、早く屋上に行くぞ!!」

 

佑介「・・・クソッ・・・クソォォォォォォ!!!!」

 

その後、ヘリは20秒後到着。部屋の中にいた敵はヘリにより殲滅され、佑介たち三人はその街を脱出することに成功するのだった。

 

しかし、佑介の心には悲しみ、虚しさだけしか残らなかった。そして、その日佑介は一日中涙を流し続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

椛「・・・」

 

佑介「・・・俺があのクソ野郎を殺してれば・・・親父は死ななかった・・・俺のせいで・・・俺の甘さのせいで親父を死なせた!俺が、殺したも同然だ・・・!!」

 

涙を流しながら血がにじみ出ている拳をさらに強く握り締める。そんな拳に、椛が手を置く。

前を向くと、椛は目に涙を溜めながら微笑んでいた。

 

椛「いますよ・・・。信介さんはここに」

 

そう言い、佑介の胸にその自分の手と重ねた血で染まった手を置いた。

その時、佑介は思った。"なんだろうか、この暖かい気持ちは"と。そして、何より椛の言葉が胸に染みる。まるで、乾ききった花壇に水を注いだかのように。

 

佑介「ありがとう・・・ありがとうな。椛・・・!」

 

 




グダグダだあ!!
今回出した戦場はコールオブディーティ ゴーストの戦場を参考にしました。
では、次回はどうしようかな・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。