東方鷹伝   作:劉輝

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すみません。遅くなりました。
テストがあり、なかなか投稿できずにいました。

では、五話です。今回は短めです。


第五話

佑介が幻想郷に迷い込み、3日が経った。

 

佑介「フン!」

 

カランと斧で真っ二つにした薪を一つに纏めて椛の家の玄関前に置く。

 

佑介「さてっ」

 

大体の事を済ませると、次は外に出ていき、天狗の里の外れでジャケットを脱ぎ捨て、呼吸を整え始める。

 

佑介「はぁぁぁ・・・」

 

全神経を集中させ、一点に力を集結させていた。

 

佑介「かぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

体に集中させた力が一気に体外へ放出させ、薄い青白い輝きが佑介の体から放出していく。

それは木々を揺らめきだす。

 

佑介「くっ・・・!ぐぐっ・・・」

 

しかし、その薄い青白い輝きは少しずつ少しずつ小さくなっていく。そして、ついにはその体から出ていた輝きは無くなった。

力を使い切ってしまった佑介はその場にドサッと倒れる。

 

佑介「だ、ダメだ・・・霊力の扱いがまだ慣れてねえ・・・!」

 

2日前、佑介はあるここの下級天狗と模擬戦をすることとなった。その時彼らが使った技『弾幕』と『スペルカード』そして『霊力』その下級天狗は霊力使いであり、佑介は苦戦を強いられたのだ。

何とか長年の戦場で培われた経験から何とか勝利を収めることができたものの、ボロボロにされてしまった佑介。

聞けば、霊力とは人間にも内に秘めている力であることから、佑介でも使えるらしかった。

そして、佑介はここにいる間、少しの暇ができるとこうして霊力の修行をしているのだ。しかし、こうやって修行をしている中、まだ霊力を使い慣れていなかった。

 

佑介「チクショウ・・・」

 

なんとか霊力を使って宙に浮く程度のことはできるようになったものの、それでも戦いに使えるほどの力ではなかった。

 

佑介「霊力の使い勝手がわからねえな・・・」

 

掌を握ったり離したりしながら手を見る。

直実に成果は出ているが、まだまだ霊力を使って戦うとまではいかない。それだけ力が弱い。

 

佑介「・・・よしっ、もう一度だ・・・」

 

そう言い、再び立ち上がり、意識を集中させる。

 

佑介「ハァァァァ・・・」

 

意識を体の一点に霊力を溜めるように集中する。

みるみる佑介の体から青白い気が出てくる。

 

佑介「くっ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

日が暮れて月が出てくる頃には椛の家に戻り、食事を作る。今日の夕食は焼き魚と野菜たっぷりの味噌汁とたくあんだ。

 

佑介「ハァ~・・・」

 

椛「またやってたんですか?」

 

佑介「ん?あぁ・・・霊力を引き出すって、難しいんだな」

 

椛「まあ、佑介さんの場合元々使わない潜在能力を引き出すみたいなものですからね。」

 

佑介「そうだよな・・・20年以上も使ってない隠れた力を使おうなんてそんな簡単には行かねえよな・・・」

 

椛「ですが、たった2日ほどで宙に浮くというのは、大したものだと思いますよ」

 

佑介「それよりも、どうやったら向こうの世界に帰れんだ・・・あいつらは無事なのか、心配だ・・・」

 

椛「そういえば、佑介さんは外の世界の住人でしたね。どうやって来られたのか知らないんですか?」

 

佑介「知らない。斬られたと思ったらここにいたんだからな」

 

椛「それでしたら、博麗の巫女の所に行ってみてはどうでしょう?」

 

佑介「博麗の巫女?」

 

椛の言う博麗の巫女とは、この幻想郷で時々起こる異変と呼ばれる事件を解決してきた人間だ。

巫女と言うが、金に目がなく、いつも貧乏であることを嘆いているらしい。

 

佑介「そこに行けばいいのか?」

 

椛「私は仕事があるので、山を離れるわけにはいきませんが、地図を用意します」

 

佑介「すまんな。何から何まで」

 

椛「気にしないでくださいよ。同じ人に育てられた仲・・・言わば、兄妹みたいなものです」

 

酒が入った器に口を付けて酒を飲む。

 

佑介「フッ、兄妹ねえ・・・俺が兄貴か?似合わないな」

 

椛「佑介さんが兄様ですか、確かにこそばゆいですね」

 

二人は笑い合いながら、共に盃を交わす。

そんな平和な時間は長く続かなかった。

 

パンパン!

 

何かが遠くで破裂する音。それは、佑介にとっては聞き覚えのある音だった。

 

佑介「銃声?」

 

持っていた器を置き、刀に手を伸ばし、急いで外に出る。

外に出るとその音は大きく、激しさを増す。

 

パパパパパパン!!

 

サブマシンガンか何かが乱射する音。間違いなく銃声だ。しかも、一人ではない、複数だ。

村の住人はもう大慌てだ。山を下山できる道からボロボロの天狗が一人里に入ってくる。

 

白狼天狗A「敵だァァ!!謎の人間が攻めてきたぞ!!」

 

その言葉を聞き、佑介は拳銃に手を伸ばし、下山道を通る。

 

白狼天狗A「お、おい!アンタ!!」

 

椛「佑介さん!!」

 

夕日により照らされた道を辿り、下へ下へと下っていくと、銃声は徐々に大きくなっていく。

 

ヒュン!

 

佑介「うおっ!?」

 

銃弾が頬をかすめる。敵がすぐ近くにいることがわかると、近くの木の陰に隠れる。

 

敵A「木の陰に隠れたぞ!!撃てっ撃てぇ!!」

 

敵はターゲットを佑介に定めたらしく、佑介が隠れた木に向かって一斉射撃を始める。

 

ガリガリと削られる木。そう長くは持ちこたえらなそうだ。

 

佑介「フン!!」

 

腰に差していた刀を抜き、隠れていた木を斬り、蹴りを入れる。すると、木は敵の方向にゆっくりと傾き出す。

 

敵「「「おお!?」」」

 

その傾きだした木の上を走り出す佑介。ちょうど傾きがいい具合に敵の真上まで来た時、佑介はジャンプをして敵に向かって突撃していく。

 

佑介「ハァ!!」

 

一人を切り伏せ、もう片方に握っている拳銃で右にいた敵に鉛弾をぶつけ、左手に持っている刀で敵の腹を刺し、そのまま進む。味方の敵は佑介を撃とうとするが、弾丸はその刺さっている敵の背中に当たる。

その撃っている敵の前まで来ると、刺殺した敵の腰にある手榴弾のピンを取り、その刺殺した敵の死体を敵兵士に向かって蹴り飛ばす。

 

ドバン!!グチャッ!!

 

爆発音の後に聞こえた嫌な音。佑介の足元に何かの肉片が飛び散る。

 

敵B「テメー!!」

 

後ろからマチェットを構えて向かってくる兵士が一人。しかし、佑介はその男の気配を早く察知し、マチェットの斬撃を後ろを向いたまま刀で受け止め、そのままきびつを返し、敵のマチェットを振り払うと、敵を切り伏せる。

 

佑介「はぁぁ・・・!」

 

刀を構えて辺りを見渡す。

敵は佑介に恐怖しているのか、ジリジリと後ずさりしていく。

 

佑介「・・・テメーら・・・この世界の人間じゃねえな・・・オリジンか・・・どうやってこの世界に来た」

 

敵C「やれーッ!!」

 

佑介の問いかけに返事をせず、問答無用に襲いかかるオリジン兵たち。

しかし、佑介は軽やかな身のこなしで敵の斬撃を次々と避けていき、確実に一人一人を黙らせていく。

 

佑介「次はどいつだ!殺されたい奴は前に出ろ!!」

 

鬼神が如くその戦いぶりに、敵はもう恐怖で震えている。ついには、逃げ出す兵士たち。

 

敵兵隊長「ひ、怯むな!行けっ!行くんだ!!」

 

しかし、隊長らしき男の声を聞かずそのまま逃げていく下っ端たち。

ついに、その隊長一人となってしまう。

 

しかし、男にも恐らく任務がある。任務を遂行せずに帰ったら殺される。そう思ったのか。マチェットを抜いて佑介に向かってきた。

 

敵兵隊長「覚悟ォォォ!!」

 

しかし、へっぴり腰の剣術に佑介を倒せるはずもなく、佑介がひと振りすると、マチェットが手元から吹っ飛び、もうひと振り。

 

敵兵隊長「ブフッ!?」

 

口から血を吐き、腹から血を出しながらドサッと倒れると、佑介は刀を鞘に収める。

 

佑介「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

椛たちの討伐隊が到着すること、佑介は死体を運び、荷物を調べていた。

財布、携帯やタブレット端末をいじり、情報がないか調べてみる。しかし、兵士たちの身元を示すものは一切なかった。あったのは、オリジンの刻印。太陽と月のマークだけだった。

 

佑介「・・・またしてもオリジン・・・」

 

椛「この人たち、いったいなんですか?」

 

佑介「説明すると結構長くなるんだよ・・・ただ、俺がここに来た意味は、こいつらが関わっていると思われる」

 

あの時の場所。ある一つの古い屋敷。あれが関係しているのではないか?と思っていた。

 

椛「それはどういう・・・?」

 

佑介「・・・俺にもわからん」

 

???「それについては、私が教えるわ」

 

突如声をかける一人の女性。紫色のドレスに身を包み、日傘をさし、綺麗な金色の長い髪をなびかせた美女がいた。

 

おかしいところは一つもない。だが、しいて言えば一つだけおかしい点があった。

それは、彼女は空間の隙間から身体半分だしており、下半身が見えていないのだ。隙間は目玉のようなものが無数に見える薄気味悪い空間。そこから上半身だけ出し、下半身は出していないのだ。

 

佑介「・・・あなたは?」

 

???「・・・そうね。初めて会うようなもの・・・なのかしらね」

 

女性はその空間から出ている隙間から下半身を出し、地面に足を付けた。

 

紫「私の名前は、八雲紫。あなたを産んだ母親よ」

 

 




旧作の鷹伝とは違い、八雲紫さんが本当の母親であります。
旧作では、名づけ親で、いつも見守ってくれていた理解者というポジでしたが、なんかこっちのほうがいいなと思いこうしてみました。

では、次回をお楽しみに。
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