ピピピ、ピピピ
スマホのアラームが鳴る。
「カズく〜ん。そろそろ起きて〜」
「……うん……今、行く」
と言いながらも顔はまだ枕に埋まっている。しかしそこから、意を決したようにガバッと起き上がった。そして、眼鏡をかけて下へ降りる。
「おはよう……
今、彼は伯父夫婦の家でお世話になっている。
「おう、おはよう」
と、伯父。
「ご飯出来てるよ」
と、伯母。
三人は食卓についた。
「今日バイト?」
と、伯母。
「うん」
と、彼は頷く。
「こき使われてない? しんどくない?」
「大丈夫だよ。まぁしんどい時はしんどいけど……」
彼としては大助かりだった。バイトを探していた時に、
「うちでバイトしない? するよね!!」
とありがたくも(半ば強引に)CiRCLEで雇って貰えたのだから。
「そういえば、学校はどうだ?」
と、今度は伯父が話を振ってきた。
「まぁ、ぼちぼちやってるよ」
彼はそう答える。そして、会話は続いていく。
彼は、この時間が好きだった。家族での団欒なんて数ヶ月前には考えられなかったことだから。
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「行ってきまーす」
一優は、誕生日プレゼントにと伯父に買ってもらった スポーツタイプの自転車に跨り、強くペダルを踏む。二十分程走れば学校が見えてくる。私立
正門を通って、玄関を通り過ぎ、二階へ。二年一組の扉をガラッと開く。
「おう」
席の近くまで歩いていくと、いつも通り声がする。
「おはよう」
そう返して、声の主を見る。一つ前の席の
「あれ? それ今日提出だっけ?」
「そう。一限」
「やべ! やってねぇ」
またか、と思う。竜生は手を合わせて懇願してきた。
「見して」
「へいへい」
竜生が宿題をやり忘れた時や、授業で寝てノートを書いていない時に見せるのは、この二週間で一優の役目になっていた。
「そんな甘やかさないでいいよーそいつはー」
横から声が入ってくる。
「侑良は黙ってろよ」
「あんたこの間も忘れてたじゃん」
「俺も色々と忙しいのー」
「どこが忙しいのよ! 遊んでるだけでしょ!」
いつも通り喧嘩を始める。一優はリュックに手を突っ込んで文庫本を取り出し、読み始める。
「おはよう」
ここでさらにもう一人。
「あっ、ミッチー!」
「……竜生さぁ、その女っぽいあだ名で呼ぶのやめろよな」
「それより侑良をどうにかしてくれよー」
竜生が充に助けを求める。
「いつも通りスルー……自分でどうにかしろー」
「ぇぇぇぇ」
適当にあしらわれる。
「よくカズはこの状況で本が読めるな……」
呆れ半分感心半分と言った感じで充は一優に言った。
「慣れた」
と、一優は一言。
「……さいですか」
充も席に着く。
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴り響くと同時に、竜生の顔に焦りが浮かぶ。
「どうしてくれんだァァァ!!! あいつうるせぇのにィィィ!!!」
「竜生ざまぁwwww」
「泣かせてやろうかこの野郎」
まだ竜生と侑良は言い争っている。その時、教室の扉がガラッと開いた。
「おいそこ座れー。朝礼するぞー」
やる気無さげな声とともに担任が登場。ここで竜生と侑良は一時休戦となる。
「後で覚えとけよ」
「そっちこそ」
互いに一言づつ残して着席する。
ここまでが毎朝の
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「おーい。授業終わったぞー」
今日もなんやかんや放課後になった。一優は前の席で寝ている竜生を起こす。
「……あれ? 今何限?」
「もう放課後」
寝ぼけ眼で聞いてくる竜生に一優は答えた。
「あんた昼休み終わりからずっと寝てたじゃん」
侑良は竜生にそう言う。
「マジ?」
一優は大きく頷く。
「まぁ、充とゲーセンにでも行くかぁ」
竜生はとても切り替えが早い。一優はまたノートを見せることになりそうだと思っていると、
「お前も行くか?」
「バイトあるから」
「そっか」
「私は部活!」
「お前には聞いてねぇけどな」
一優が竜生の誘いを断っていたら、侑良も乱入してくる。そして、朝と同じようにいがみ合いが始まったようだ。
「そういえばさぁ」
竜生達のいがみ合いはさておき、一優には気になることがあった。
「なんで部活してないのさ?」
竜生は運動がかなりできる方なのに、なぜ帰宅部なのか前々から気になっていたのだ。この質問に竜生の顔が曇った。
「……中学の時、サッカーしてたんだけど……膝やっちまって……もう
竜生は悔しそうに言った。どうやら辛いことを聞いてしまったようだった。
「その……すまん」
「別に気にしてない」
居た堪れない雰囲気になってしまった。一優がどうすべきか考えていると、
「あんた、充が待ってるよ」
沈黙を破ったのは侑良だった。
「……あぁ、んじゃな」
竜生は、充と一緒に教室から出ていった。
「……その、ありがとう」
「別にいいわよ」
一優は侑良にお礼を言う。
「気にしてないって言っておいて、未だにサッカーに未練タラタラよ。あいつ」
「未だにサッカーの練習羨ましそうに見てるし。サッカー辞めてからのあいつ、なんて言うか、抜け殻なのよね」
侑良は怒っており、失望しているようだった。一優はそれを黙って聞いていた。
「前は、もっと、かっこよかったのに」
侑良は最後にそう呟いた。
「ごめん。愚痴聞かせちゃって」
「いや、大丈夫」
「バイト頑張ってね」
「うん。じゃあ、また明日」
一優は教室を出る。下に降りて玄関を通り過ぎ、駐輪場で自転車に跨る。そして、CiRCLEへの道を漕ぎ始めた。
オリキャラしかいねえ(次こそ出てくるはず)
サブタイトルが話数になりました(毎回考えるのを諦めた)
最後まで読んでいただきありがとうございました。