鬼殺隊と怪人を倒す者 作:托生
楽しめていただけたら幸いです。
鬼を見たことはあるかい。
おばあちゃんの口からある時そんな言葉が出た。
何でも人を喰うらしい。
そいつに出会ったら逃げる、隠れる、戦わない、だってその鬼は私達じゃ倒せないからね。
湯呑みに口を近づけお茶をすすった。
俺はおばあちゃんに聞いた。
どうやったら倒せるのと。
おばあちゃんは目を細くして遠くを見るように、何かを懐かしむように答えた。
背中に滅と書いてある羽織を着ているお侍様を見つけるんだよ。
彼らはね、鬼を狩ることができる唯一人たちだよ。
カッコいいね、おばあちゃん。
俺は純粋にそう答えた。
あとはね、特別な力を手に入れることさね。
おばあちゃんはそういうと縁側を立ち去った。
「はっ! …………はぁはぁ、懐かしい夢を見たな」
俺は頭をポリポリと引っ掻き起き上がった。
いつ寝たのだろう、分からない、だが、最後の記憶では日はまだてっぺんにあった。
日が傾いてるところから、今は午後3時か4時頃だろうか。
俺はいつもの日課であるとある大きな屋敷に向かった。
そこには女の子ながらに一生懸命剣を振るう姿があった。
「相変わらずすげえ気迫、声かけづらいな」
その屋敷の使用人には顔を覚えられており、中に通してもらい俺の目当てである、とある女の子がいつもいる場所に足を運んだ。
「はぁはぁ、スゥーーー
花の呼吸 壱の型 な「へっくし!」っっ!?」
「あ、やっべ……」
花粉が俺の鼻腔をくすぐったのか、ついくしゃみをしてしまい練習を妨げてしまった。
「あら、来てたのですか? 進一さん」
「あー、まあな。すまん、邪魔しちまって」
「ふふ、大丈夫ですよ。あ、しのぶにも顔だしてくださいね? あれでもあの娘あなたが顔出さないと不機嫌になるんですからー」
「俺に暴言と冷たい目をしているあいつがか?」
「ふふ、女心は秋の空ですよぉ」
「なに言ってんだか。カナエは」
いま俺がいる場所は、鬼殺隊花柱の蝶屋敷である。
「それにしても、くんくん、ちょっと汗くさいですよ?」
「え? マジで!? 洗った方がいいかな?」
「まあ、それはそれでいいんですけどね……」
「ん? なんかいったか?」
「あ、いえいえ、なんでもありません!!」
「いや、でもさっきボソッと」
「んもう! ないったらないです!! ささ、私はもう一回花の呼吸の練習するので、しのぶのところにでも行ってください!!」
「はいはい、わーたわーた。全くなんなんだ」
俺は練習していた場所を後にし、しのぶがいる研究室に向かった。
あいつ、いつも怖いから嫌なんだよなぁ。
トントンっと、軽くノックをする。
「はいはーい、いま開けますよ」
「よっ!」
「なんだ、姉さんの敵ですか」
「お前なぁ、どういう認識のしかただよ。どうだ、毒の状況は」
「まだなんとも言えないですけど、鬼を弱らせるレベルの毒なら。まだ殺すほどではないですね」
「そうか、頑張れ、毒柱」
「そんな柱はありません。だいたい、竜宮さんこそ、頑張るべきでは?
「よせやい、照れるだろ?」
「はぁ、誉めてません。だいたい、なんで柱代行何ですか、早く呼吸覚えて柱になってください。そうじゃないと姉さんと釣り合わなくなっちゃう」
「まあ、当分は無理だなぁ。まあ、心配するな、そのうちなってやるさ」
くしゃくしゃとしのぶの頭を撫でて俺は逃げるようにその部屋を後にした。
残されたしのぶはというと
「っっっ!! もう!! あの人は……。本当に調子狂います……で、でも、あの人の手と匂いは、嫌いじゃないです」
ブツブツ独り言を言うと、研究に戻った。
「あ、やっと戻ってきましたね。お茶がありますよ、飲んでいきますか?」
「お、ありがとうカナエ。頂こうかな」
「そういえば、聞きましたよ。なにやら、喫茶店? なるところでお給仕をしているんですって?」
「げっ、どこから聞いたそれ!?」
「悲鳴嶼さんからです」
「そういえば、来てたなあいつ」
「なんでも、コーヒー? でしたっけ? それと、カリーがとても美味しいのだとか!?
なんで教えてくれなかったんですかぁー」
「来てほしくなかったから……」
「まあ、酷い、今度しのぶと一緒に行きますね?」
「ズズッ、勝手にしろ」
「勝手にします」
それからは数十秒だろうか、数分だろうか、無言でお茶を飲みボーッとしていた。
ふと、カナエの方を見ると、どこか嬉しそうに遠くを眺めていた。
「お前いまなに考えてるの?」
俺はつい、そんなことを口にしてしまい、言った後に、言わなければよかったと後悔した。
だって、どうせ帰ってくるのは決まっている。
「進一さんは、「鬼と仲良くする事はできると思いますか? だろ?」え? なんで」
「何回目だと思ってる。何度も答えるがな、可能性は低いが、知能がある以上何か特別なことが起きて、仲良くなれる可能性はゼロじゃないって何度も言ってるだろ。あいつらだって、元を辿れば人だ」
「ありえない、とは言わないんですね」
「いいか、カナエ、あり得ないなんてあり得ないんだ。どこかで壊れることがある。それに奴らみたいに、殺しをゲームだと思ってやってる訳じゃない」
「進一さん……」
ギリッと、奥歯を噛み締める。
「進一さん、覚えてますか? 私たちが、出会ったときと、鬼殺隊、いいえ、全てを失ったときの事を」
「忘れないよ。忘れたくてもね」
駄文構成なので、色々と教えていただければ幸いです。