鬼殺隊と怪人を倒す者   作:托生

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スゥーー、遅くなりました。
本当に申し訳ないです。
新年明けましておめでとうございます。
まあ、遅れた理由は最後に書こうかなと。
それでは、今年もよろしくお願いいたします。


任務

 刀袋から出してみると、漆黒の色をした鞘と四角形の鍔、持ち手は銀色の紐でしっかり滑り止めされている刀が出てきた。

 しかし、見てみると鞘の真ん中部分にも紐が巻かれていた。

 

「気にしないで、ささ、抜いてよ。日輪刀、別名色変わりの刀、手に取った使用者の色に変わるって噂なんだから!」

 

 期待の眼差しで見られているが、多分変わらない気がする。

 噂によれば、その色は呼吸にまつわる色が多いらしいから。

 そう頭で考えながら、鞘から抜いた。

 光を当てると、反射するくらいに磨かれた刃。

 刃紋はほとんどない一直線になっている。

 

「綺麗だ」

「んふふ、でしょ? 刀は人を切る道具かもしれないけど、美術品としても相当の価値があると僕は思っているんだよ」

「そうなんですね。でも、ごめんなさい。色は変わらなかったです」

「あぁ、そうだね。でも、それ以上に、君がこの僕の作品を綺麗と評価してくれた。それで僕は大満足だよ。それに、岩柱様から、君は呼吸を身に付けられてないから、もしかしたら色は出ないかもって言われてたし、大丈夫だよ!」

「悲鳴嶼さんには、本当頭が上がらないな」

「そして、君は僕にも頭が上がらなくなるよ?」

「え??」

「僕は刀鍛冶だけど、少し普通の人とは違ってね。色々といじるのが好きなんだ。いわゆる改造って奴だね。その刀はね、鞘も武器になる」

「それはいったい?」

 

 錦さんは、そういうと、鞘の紐が巻かれていた部分をもった。

 

「元々この鞘も特別製でね、持ってわかったと思うけど、重いんだ。それは、こう言うこと」

 

 強く握りしめると、ガシャンという音と共に鞘の尖端が伸び少し短い槍になった。

 

「んふふ、浪漫でしょ?」

「すごい……」

「まあ、そういっても鞘だからね、無理に使ったら壊れちゃう。初見殺しの突き武器って感じかな」

「いや、それでも、この槍の刃も?」

「もちろん、日輪刀と一緒の材料で作ってるから、鬼を倒せるよ。まあ、メインは刀だから、あんまり気にしすぎないで!!」

 

 その後は刀の手入れの仕方を教わり去っていった。

 ニコニコ顔で自室に戻る最中、しのぶとカナエに会った。

 

「なにかいいこと会ったの?」

「うわ、気持ち悪い」

 

 おい、この姉妹のこの対応はなんだ。

 いじめてやる。

 

「いや、"カナエ"わかる? やっと刀が来たんだよ!!」

「長かったわねー。でもこれで、やっと仲間入りね!!」

「おう!」

「ちょっと! なんで姉さんに話しかけて、私は無視なのよ!!」

「それより、"カナエ"はこれからどっか行くのか?」

「二人で町中にお出掛けするの。一緒に来る?」

「いや、遠慮しとくよ」

「ねえ! 聞いてるんでしょ!! 私を無視するなー!!」

「あらあら、まあまあ」

「姉さんもなんか言ってよ!!」

「ふふっ」

「じゃあ、俺はこれで。"カナエ"またな」

「はぁーい、またねー」

「むぅぅぅ、悪かったわよ!! 謝るから私も挨拶くらいしなさい!!」

「お、いたのかしのぶ。全然気づかなかったよ」

「あんた、絶対後で泣かす!!!」

「やれるもんなら、やってみな。じゃあな」

 

 

 

 

 それから一週間後。

 

 悲鳴嶼さんから呼び出されて、動きやすい格好で、修行場所に行っていた。

 今日から、武術の訓練をするらしい。

 目的地に着くと、丸太担いだ男が滝に打たれていた。

 

「なにやってるんですか、悲鳴嶼さん」

「ん? ……来たか、進一。少し待て、この修行で今日の基礎は終了する」

 

 数分待つと、動きやすい格好の悲鳴嶼さんが来た。

 

「待たせた。さあ、始めようか」

 

 そういうや否や俺の頬を拳がめり込んだ。

 

「ガッッ」

「実践では何も言わずに始まるぞ。ふむ……南無阿弥陀仏」

「勝手に殺さないでください」

「うむっ、なんとあの拳を耐えるか。君の基礎がみたい。全力で来なさい」

(基礎つったって、変身しなかったら傷の治りが少し早い人間なんだけどなぁ)

「てやっ、はっ」

 

 俺の攻撃を全て受け流す。

 

「うむ、拳も蹴りも鋭くなっているな。それに息も上がらないか。……もういいぞ」

「それで急にこんなことして、悲鳴嶼さんはなにがしたかったんですか」

「なに、進一がどこまでできるか知りたかっただけだよ。さあ、武術を教えよう」

 

 悲鳴嶼さんは、そういうと俺に色々と指示をした。

 まずは柔軟から始まり、筋肉増強練習を徹底的にやらされ、最後に受け身の取り方を伝授されて今日は終わった。

 今日と言っても、日は既に沈み、月が空の頂上に出ているのだが……。

 

「今日は頑張ったな。南無……進一には、基礎を鍛える重要性を知ってもらいたい。私がいなくても今日教えたことをしっかりとやって欲しい。また、1ヶ月後その成果をみる」

 

 そういうと、悲鳴嶼さんは先に屋敷へと戻っていった。

 

 

 

 

 そして翌日

 ブゥーンと、羽音が鳴り俺の肩にクワガタムシが張り付いた。

 そして、挟んでいた紙を俺の手の平に落とす。

 

【指令:北北西にて、鬼の噂あり。夜中になると数人の老人が消える。大至急向かうべし】

 

「そうか、お前喋れないからこうやって、紙で指示が来るのか。てか、お前に名前着けなくちゃな」

 

 そんなことを考えながら、身支度をする。

 

「進一さんいま大丈夫?」

 

 廊下からカナエの声がした。

 

「ああ、大丈夫だよ。どうしたのカナエ?」

「えっと、その、よかったら少し鍛練に付き合って欲しくて」

「すまん、これから任務なんだ」

「えっ!! 初任務じゃない? そんな、こうしちゃいられないじゃない!! しのぶー! しのぶーー!」

「ちょ、おい、やめろって」

「なあに、私としのぶはもう、任務に行ってるんだもの。ここは先輩として、しっかり見届けないと」

「いや、同期だろ……」

 

 そうすると走ってきたのか肩で息をしたしのぶが現れた。

 

「はぁはぁ、どうしたの姉さん!?」

「きいてきいて! 初任務ですって、進一さん!」

「え? 竜宮あんた、まだだったの?」

「悪かったな」

「まあ、頑張りなさい。油断して死ぬんじゃないわよ?」

「ああ、ありがとうなしのぶ」

「ふん!」

「本当に油断はダメですよ? 鬼以外にも、注意しなくちゃいけないんですから」

 

 忘れてはいない。

 いや、忘れていなかったからこそ、悲鳴嶼さんが教えてくれるといった武術を早く習得したいと思っている。

 謎の怪人、あいつらはいったいなんなのか。

 

「まあ、じゃあ、行ってくるよ」

「「行ってらっしゃい」」

 

 二人に見送られて俺は岩柱の屋敷を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 3日後

 

 目的の村に着いた。

 呼吸を使う走り方ができるわけでもないので、普通に歩いてきたが、いま考えれば馬でも何でも借りればよかったと後悔してる。

 2泊は協力者の家に泊まった。

 もちろん、悲鳴嶼さんに言われた基礎練習と受け身の練習は欠かしていない。

 村の雰囲気はなんとも言えない。

 度々老人が消えるのが噂になっているらしい。

 まあ、どの程度なのか知りたいのもあるから、色々な人に聞いて回ってみる。

 話を聞く限り、消えるのは夜、一人暮らしの老人がいまのところ狙われているらしい。

 わかったのはそのくらいだ。

 日も暮れ始め、宿屋と飯屋を探し始める。

 

「これ以上頑張っても情報はなさそうだな。よし、ごはん食べよう」

 

 通りがかりにみつけた定食屋に入り、カツ定食を頼む。

 

「珍しいね、若いのがこんな定食屋に」

 

 受付をしていたおばあさんが俺に話しかけてきた。

 

「いえ、目に入ったのでつい」

「そかいそかい、ゆっくりしてんや」

 お茶を机に置くと奥に行ってしまった。

 それから幾分がたつと、ホカホカのごはんと、サクッとあげられたカツが出てきた。

 どうやら先ほどのおばあさんの姿はなく、厨房にいたおじいさんが持ってきたようだ。

 

「おまちどさん、カツ定食におまけでごはん大盛りだ。さ、お食べ」

「あ、ありがとうございます。いただきます」

 

 大盛りというにはごはんが山なんだが。

 だが、味は美味しく、ごはんが進む進む。

 気づいたら、平らげていた。

 すると奥から何か喧嘩でもしているんだろうか。

 大声が聞こえた。

 

「だから! 俺はこんなところにはいたくねえんだ!! さっさと出ていってやる!!」

「そなこといわんで、家族やろ!! 少しは手伝っておくれ!!」

「うるさい。こんな寂れてすぐにでも潰れそうな店、さっさと不動産にでも出した方がましだ!!」

「なっっ!!」

 

 どうやら奥は自宅らしく、青年は飛び出して外に出ていった。

 

「ちょっと待ちい和郎!!」

 

 先ほどのおばあさんも後を追いかけて出ていった。

 

「すまんね、若いのうるさくて」

「いえいえ、大変なんですね」

「あれは孫でな、両親は先に死んでしまったし、心寂しいものがあるんじゃろ。それでも、わしは知っておるんよ。和郎が、実は料理をこっそり練習してるのを」

「そうなんですか? 影で支えようとしてるんですかね」

「かっかっかっ。まだまだ、わしは現役だっちゅうのにのぉ」

「無理しないでください。どうも最近よくない噂を聞きますから」

「そうじゃいなぁ。夜な夜な拐われるんやもんな。くわばらくわらば」

「それじゃあ、ごちそうさまでした。お金置いときますね」

「あいよ、きいつけて帰りんしゃい」

 

 店を出ると既に日は沈み、辺りは暗くなっていた。

 

「警戒と称して、少し歩くか。なにか分かるかもしれないし」

 

 町内を歩いていると、こっちに向かって走ってくる足音が聞こえてきた。

 そちらに顔を向けると、先ほど出ていった和郎という若い男がこちらにくるのが分かった。

 

「はぁはぁ、な、なあ、あんた!! うちの定食屋に来てた客だよな!?」

 

 慌てたような声で俺にそう聞いてきた。

 

「あ、ああ、そうだが、どうかしたか?」

「う、うちのばあちゃん見てないか? ほら、接客してた!!」

「ああ、君を追いかけて出ていった?」

「そう! 見てないか?」

「いや、見てないぞ?」

「そ、そうか。あ、急にすみません。俺じゃなくて、私は和郎といって、あの定食屋の跡取りになります。まあ、見ていたと思いますが、ばあちゃんと喧嘩して家飛び出していったんです。だけど、ついさっきばあちゃんと話して和解したんで家帰ろうとしたら、ばあちゃん消えちまったんです」

「消えた?」

「はい。声かけても反応がないんで、振り替えったら……消えてたんです」

「それは、本当に?」

「はい。この町、最近老人が急に消えるって噂はあったんですけど……まさか……」

「和郎くん、その場所まで案内してくれるかい?」

「え? どういうことですか?」

「俺はその老人が消える原因を探るために派遣されてきたんだ」

「そうなんですか? 分かりました。ついてきてください」

 

 消えた場所はなんともない路地で、街灯がポツンとたっていた場所だった。

 

「おばあさんは、どっち側にいたの?」

「こっちの暗い方です」

「それで君が?」

「街灯の光が当たるこの辺です」

「なるほど、それでどういう状況だったの?」

「本当にすぐだったんです。和解できて、家に戻ろうと思って、こっち側を向いて歩き出そうとして、帰ろっかって私が言ったんです。そしたら返事が返ってこなくて、振り替えったら」

「おばあさんの姿がなかったと?」

「はい」

 

 なるほど、日が暮れて、気づけばもう回りは暗い。

 そして、音も出さずに襲ったと考えると、鬼の可能性が高いか。

 

「うん、和郎教えてくれてありがとう。夜も更けた。一旦君は帰って」

 

 その時、俺らの後方から男の声がした。

 

「おーーい! 和郎! ばあさんやー!」

 

 その声の方向に顔を2人して向けると、定食屋のおじいさんの姿があった。

 暗いからであろうか、手には提灯をぶら下げている。

 

「じいちゃん!! ば、ばあちゃんが!!」

 

 やはりまだ気が滅入っていたのか、それとも自分の責任と考えているのか、それは分からないが和郎は半べそをかきながら、おじいさんにことの経緯を話した。

 

 

「鬼じゃ、鬼の仕業じゃ」

 

 おじいさんはボソッとそう呟いた。

 

「な、何言ってるんだよ。じいちゃん」

「和郎、鬼じゃ。本物の鬼がいるんじゃよ。この近くにきっと……」

「お、落ち着いてよ! 鬼なんかいるわけ無いだろ!! お兄さんもなんか言ってやってくださいよ!!」

「……残念だが和郎、鬼は実在する。君が信じる信じないは自由だが、この町で起きてる謎の事件、それは鬼の仕業と見てほぼ間違いないんだ。だから俺が来た。その鬼を狩るために」

 

 俺はそう言うと、上着を脱ぐ。

 その下は、つい最近支給されたばかりである黒色の隊服を着ていたからだ。

 すると、おじいさんは目を見開いた。

 

「驚いた。本当に鬼狩り様じゃ。数十年前、その服を見たことがある。1度だけ、その方に助けられた。どうか、ばあさんを……」

「えぇ、分かってます。大丈夫、俺はそのためにここに来たんだから」




はい、久々にこの作品に触れた気がします。
正直なところ、年末やら新年やらがあったのもそうですが、筆が進まなかったと言うのが正直なところです。
思い付きでかいた作品なので、どうしても話が膨らませられなかったりというのが今回遅れた原因でもあります。
ですが、こんな駄文を読んでいただき、そして、それに誤字を教えてくださったり、感想を寄せていただいたり、それを見たら、この作品を好きでいてくださる方々いるんだなと改めて思い知らされました。
ですので、見きり発車の思い付き作品でありますが、完結まで全力でやっていきたいと思います。(たまに違う作品を執筆していることも…)
なので、お付き合いいただけたら幸いです。
それでは、また、次回お会いしましょう。
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