鬼殺隊と怪人を倒す者 作:托生
目標の町に来たのはいいものも、今回一緒に行動する鬼殺隊との集合場所は書かれていなかった。
そのため、一旦休憩がてら、茶屋に寄ることにした。
団子屋で、茶をすすっていると隣に男がどかっと座ってきた。
「おばちゃん、みたらし団子6つとお茶を頼む!!」
男はこちらに顔を向けると話しかけてきた。
「君が今回一緒に任務をする隊員か!! よろしく頼む!!」
すぐに出てきたみたらし団子を頬張る。
「んぐんぐ、うむっ、うまい!!」
また、声もでかくて暑苦しい男が来たな。
「あんたは?」
黒い隊服を見る限り柱ではないだろう。
「俺か!!? 炎柱になる予定の煉獄杏寿郎だ!! よろしく!!!」
「あ、ああ、ん? 予定?」
「そうだ、予定だ!! 父上が今柱でな、まだ、乙だが、すぐに甲になり、父上の後を継ぐのだ!!」
「なるほど……」
「そういえば、君の名前がまだだったな!!」
「っと、竜宮進一、癸だ、よろしく」
「君はなんの使い手だ?」
「それが、今のところ適正がなくてね、どれも中途半端でしっかり使えないんだ、努力でなんとかって感じだよ」
「なに!!? そうか、竜宮少年、悪いことは言わん、今すぐ鬼殺隊を辞めて別の道を見つけた方がいいと思わないのか!?」
「それはないな、約束もあるし、信念もある」
「そうか……おすすめはしないがな」
ド直球に言われると流石に来るものはあるが、杏寿郎さんが言ってることは、間違っていないし、正解でもある。
だが、そんなんで諦められるほど、俺もできた子じゃない。
「だが、討伐任務は一緒にするのに違いないからな! なに、何かあれば俺が守る!! 安心しろ!!」
また、団子を食べる煉獄杏寿郎。
俺は茶をすすり、ボーッとする。
すると、食べ終わったのかまた声をかけてきた。
「竜宮少年、君は今回のこと何処まで知っている?」
「ついさっきついたばっかなので、なにも」
「なら、俺の知っている情報を共有しよう!! ここじゃなんだ、俺についてこい!!」
そうして団子やの代金を杏寿郎さんの分まで払って出た俺は、後をついていった。
「ここだ!!」
連れてこられたのは牛鍋屋だった。
牛肉だけでも高価なものなのに、なにも考えずにドンドンと店の中に入っていった。
そうして、店の娘に案内されて個室の部屋へ通された。
「牛鍋2人前で頼む」
店の娘はメモを取り終わると、部屋を出ていった。
「竜宮少年、ここはうまいぞ!!
「えっと、とりあえず、情報は?」
「おお、そうだったな。簡単に言うとな、今回の鬼は2匹だ、それも共闘していると見れる」
「だけど、鬼って本来群れないはずでは?」
そう鬼は本来群れない、群れたところでメリットがないからだ。
人間を食べて育つ奴らは、共闘したところで、食うのはどちらかになってしまう。
なぜ一緒に食べないんだって?
欲が深いからだろうって言うのが今の段階ので一般論(鬼殺隊のみ)になっている。
「続けるが、被害者は今のところまだ4組、8人だな。死体は骨のみであり、全員失踪した翌日に村の入り口で、骨と血に濡れた着物のみとなっている。そして2匹と決めつけたのは、足跡だ。雨の上がった翌日に村の入り口においてあったのを、俺が見て周囲を確認したら、村に入るのと逆方向に行く足が2つあったことから、鬼は恐らく2匹で動いてると予想をたてたのだ」
「すごい観察眼ですね、流石乙です」
「階級が上がれば自ずと身につくぞ!」
「頑張りますね」
ここでちょうど牛鍋が来た。
「話はここまでにしよう、今は食べる方に集中したいしな」
その時、給仕の子が躓いて杏寿郎に水がかかった。
「す、すみませんすぐに拭きますので」
「何、気にするな!!」
そんなこともありながら、美味しい牛鍋を食したのだった。
まあ、炎の呼吸の使い手に水かかるなんて心のなかで思って笑ったのは内緒だけどな。
夜も更け宿にいく。
すると杏寿郎が部屋に来た。
「竜宮少年! 見回りに行こう!!」
襖を思いっきり開けながらそういった。
だがそこに竜宮進一の姿はどこにもなかった。
「ふむ、可笑しいぞ、さっきまでここに泊まるための手続きをしてこの部屋に向かったのを見たのだがな」
だが、いないものはいないと自分の中で納得し一人で外に出た。
するとどこからか風切り音がする。
その音につられて足を進めると宿の裏側まで来た。
警戒を少し強め覗くと、竜宮が一人で何かの鍛錬をしているようだった。
「よんひゃく、きゅうじゅう、さん! よんひゃくきゅうよん!! よんひゃく、きゅうじゅうご!!」
杏寿郎は目を丸くした。
彼が今やっているのは正拳突きだ。
だが、ただの正拳突きではない、岩柱地獄鍛錬の1つと言われている
悲鳴嶼流武術 粉骨拳
その昔、悲鳴嶼が思いつきで実際に岩を殴ったら岩が粉々になったことからその名前がついた。
悲鳴嶼さんいわく、「殴った瞬間にもう一度打撃を与えればダメージは2倍だ、まず手を半分握り打撃を与え、次の瞬間拳を埋め込むように殴り更に打撃を与えるのだ」とのことらしい。
どこかの明治時代に喧嘩師が使った技のような気もするが、それは置いておこう。
だが、この技はデメリットも大きい、普通の人がやると拳の骨が粉々になり筋肉の繊維がボロボロになる可能性が高いこと、それから全集中の呼吸常中を覚えなくてはならないことこれが最低条件である。
しかし忘れてはいけない、彼は呼吸なんて使えていないのだ。
詳しく言うと、少し程度なら使えるが、ほぼ使えないに等しいと言うのが正しいのだろう。
じゃあ、なぜできているのか、それはベルトを吸収したときの特性と大きく繋がりがある。
異常なまでの体力、筋力、回復力を手にした進一はそれを武器にこの鍛錬をしているのである。
まあ、ここまで説明したが、杏寿郎はそんなことは考えずあの練習をしてい竜宮すごい、根性ある。
程度にしか思っていないのだけど。
「よんひゃく……きゅうじゅうきゅう!! ごっ……ひゃっく!!!」
終わったのか、何回か肩で息をすると、ゆっくりと深呼吸を始める。
杏寿郎は近づこうとすると彼の足元に重りの付いた木刀がボロボロの状態で置いてあることに気づいた。
(粉骨拳をする前に木刀での素振りをしていたのか……すごいな)
「うむ、すごい鍛錬だ!! お見事!!」
労る気持ちで大声で声をかけた。
「うわっっ、びっくりした、もう驚かさないでくださいよ!!」
「むっ、すまんな、見回りをしようと誘おうと思ったら、君がいなかったからここまで来たら修練しているところを見かけてな」
「いやいや、見られて困るもんじゃないですから」
「かたじけない」
「それじゃあ、見回りいきましょうか」
「もういいのか?」
「はい、大丈夫……いや、その前に一旦汗流してきます!!」
「それがいいだろう、私は先に宿の出入り口で待っている!!」
「はい!」
汗を風呂で流し終えると、二人で夜の見回りを始めた。
鬼自体の情報も少なく、出現時間も不明だが、動くことでしか被害を抑えることはできない。
二人は足を進めていた。
「血鬼術 蟻地獄」
凛とした声がかすかに聞こえた。
ズズズズズ
地面が弧を描くように動き始める。
杏寿郎を中心に段々渦状になり、地面が崩れていく。
「ぬっ、何だこれは!!」
もがけばもがくほどどんどん下に落ちていく。
「これは……杏寿郎さん激しく動かないで!
ゆっくり落ち着いて這い上がりましょう、焦ると下に落ちます!!」
「わかった!!!」
先に進一が這い上がり、杏寿郎に手を差し伸べる。
それを強く掴んで上まで引きずり上げた。
「「はあはあ」」
二人して息を整え、正面を向く。
すると2体の鬼がこちらを向いていた。