鬼殺隊と怪人を倒す者   作:托生

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2/2 主要人物の年齢を変更しました。


始まりの一歩

 それは数年前のことだった。

 俺と胡蝶姉妹は幼馴染みのような関係。

 家族絡みでも付き合いがあった。

 そんなとある日、胡蝶姉妹のお父さんから、あることを言われた。

 なんでも、胡蝶家が代々伝えられるお話しを俺にもしてくれるらしい。

 カナエもしのぶもその話しにはうんざりしていたらしく、早く終わりにしてよねーっと言って外に行ってしまった。

 

「進一くん君は、鬼を信じるかい?」

「え?」

「まあ、どちらでもいいんだ。だが、その鬼よりも強力な怪異がいる。私の家族はね、代々その話を引き継ぐのと同時に、それを封印した場所とそれは災いだから触れてはいけないと伝えるのが使命なんだ。かっこいいだろ?」

 

 ニコッと笑う胡蝶のお父さんを見て、純粋ながらにかっこいいと思ってしまった自分がいた。

 だからそのときは、素直に

 

「うん! かっこいい!!」

 

 と答えた。

 

 真実はかっこいいなんてものじゃなくて、辛く重い意思を持たなくちゃいけないが。

 胡蝶お父さんは、気をよくしたのか、その話の元になっている古文書と、地図がある場所を案内してくれた。

 娘たちには内緒だぞ、なんてお茶目な姿を見せながら。

 その後は、カナエとしのぶに振り回され、夜も更けたからということで、泊めていただくことになった。

 事件はそんな夜に起きた。

 

 俺は別室で寝ていたが、どうも厠にいきたくなり、厠に向かった。

 厠に行く途中、まだ起きてたのか、胡蝶のお母さんとお父さんが話しているであろう姿が、蝋燭の影となり障子に写っていた。

 厠の帰り、悲鳴が聞こえた。

 声的には、女性、多分胡蝶お母さんの叫び声だろう。

 

「きゃぁああーーーーー!!」

 

 二度目の叫び声これは、カナエだろうか。

 俺は走っていた。

 何があるのかはわからない、だけど胸の内がざわついた。

 叫び声の元に行く途中、俺は信じられない光景を見ていた。

 何かに裂けられたであろう、障子に襖。

 壁や床にベットリとついている血飛沫。

 それを見ないように、できるだけ目にいれないようにしながら走った。

 息も絶え絶えになりながら、叫び声のした部屋へと入った。

 

 

 ヌル

 

 

 俺は何かに足をとられ盛大に転ぶ。

 

 

 ビチャッ

 

 

 水溜まりにでも入ったのか、何かの中に入ってしまった。

 

 

 鉄臭い

 

 

 俺は前を向くと、そこには二人で、抱き合って震えているカナエとしのぶがいた。

 その横には、見たこともない奴が誰かの腕を貪っていた。

 

「あぁ、まだ人間がいたのか。ふひ、お前もちゃんと食ってやるからなぁ」

「お、おまえ、なんなんだ」

「俺? 俺かぁ? しょせい、鬼って奴だよ。聞いたことぐらいあんだろ? 

 ングングップハァ」

 

 鬼は腕をしゃぶりつくすと、その辺に投げ捨て、新しい肉を探すように、着物で倒れているところに手を付ける。

 

「っっひぃ!!!」

 

 着物で倒れていたのは、胡蝶の夫婦2人だった。

 じゃあ俺が足を滑らしたのは……。

 自分の手を見てみると、そこには紅い血液がベットリとついてた。

 

「うわああああああああああ!!」

 

 後退りをするも、ベチャベチャと音がなる。

 俺がいる場所、そこは血溜まりの中だった。

 それも胡蝶の夫婦の血で出来上がった。

 

「ひっひっひ、あぁ、楽しい夜だなぁ。まずはお前から食ってやるよ」

 

 そういって俺に1歩また1歩と近づいてくる。

 

(クソクソクソ、考えろ考えなくちゃ。どうしたら、どうしたらこいつを、こいつを!!!)

 

 その時、轟音と共に鬼が吹っ飛んでいった。

 意味がわからず、上を向くと、そこには巨漢が立っていた。

 どこかの僧なのだろうか、首に大きな数珠をし、僧兵のような格好をしている。

 

「あぁ、かわいそうに、家族を殺されてしまうとは、かわいそうに南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」

 

 そういうと、鬼の方に向かって行った。

 

「カナエ、しのぶ!!」

 

 2人のもとへ行く。

 俺はそんな2人をぎゅっと抱き締める。

 

「っ……っ……」

 

 声にもならない涙を流しながら。

 それから数分たつと、何かが近づいてくるおとが聞こえた。

 

「先程の鬼はもう退治した。すまぬ、もう少し早く来ていれば」

 

 先程の巨漢の男だ。

 彼が倒してくれたにだろう。

 まだ震えているカナエだが、まっすぐ彼の目を見てお礼を言った。

 

「あ、ありがとう……ございました。いいえ、貴方は私達の敵を取っいただきました」

「ほう、なんと強い女の子だ。こんな子を……南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」

「しのぶもう大丈夫だから、ほら、泣かないの」

 

 俺はつい心配で、カナエに声をかけた。

 

「カナエも大丈夫か……?」

「えぇ、お姉ちゃんですもん」

 

 俺は奥歯を力一杯噛み締めた。

 カナエが大丈夫なんだ。

 俺が泣くわけにはいかないと。

 

「ふむ、いい家族愛だ、名乗り遅れた、鬼殺隊の悲鳴嶼行冥と申す」

 

 そこで区切ると、一旦周りを見渡し、ある提案を投げ掛けてくる。

 

「この村は先程の鬼が食いつくしてしまった。もう生き残りは君たち3人だけだ」

「ま、待ってくれ、悲鳴嶼さん、今なんて……」

「む、この村は全滅したと」

「う、嘘だろ。俺はこの子たちの幼馴染みで家は隣だ!! と、隣の家は見たのか?」

「ああ、そうか、かわいそうに南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、私は全ての家を回った。情報があったからね。この子の家が最後だったんだよ」

「つっっ……」

「すまなかった、もう少し早ければ」

「いえ、大丈夫です。家族の分まで、生きるだけのこと……です……」

「強い子だな、君は、もしよかったら私が稽古をつけて君を鬼殺隊に入隊させよう。鬼を倒す力を身に付けさせて上げよう」

「あの!!」

「ん?」

「私にも鬼を倒す方法を、教えてください!!」

「カナエ?」

「進一くん、私ね、しのぶを守りたいの。それだったらどんな努力も惜しまない」

 

 真剣な目をした2人を見て、残り1人しのぶを見る。

 

「姉さんがやるんですもの、私だってやるわ。鬼を全員殺してやる」

「ふむ、心は固いようだな。では、行こうか。私について来なさい」

「あ、ちょっと待ってください。1つだけ取りに行ってもいいですか?」

「ああ、行ってきなさい」

 

 そういうと俺は、胡蝶のお父さんが大事にしていたという、古文書を懐に入れ、悲鳴嶼さんのもとに戻った。

 支度を整えた俺ら3人は、この後悲鳴嶼さんのところで、こっぴどくしごかれることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数年後

 カナエは16歳、しのぶは13歳となった。

 ちなみに俺も17歳となった。

 それからもう1つ、これは鬼を倒すために必要なことらしいが、独特な呼吸と、日輪刀といわれる刀を使用しないと鬼は倒せないらしい。

 そんなことを教わりながら、色々な修行をした。

 体力作りから、先程の独特な呼吸の仕方、悲鳴嶼さんは岩の呼吸を使うらしいが、どうもそれは俺たちにはしっくり来なかった。

 だが、悲鳴嶼さんの計らいで、炎と水の呼吸を見学させてもらったとき、カナエは水の呼吸を元とした、花の呼吸なるものを女性の鬼滅隊員から教わりそれを習得していった。

 それからは、入隊できるようになるまで、ただただ、練習を続けていた。

 また、しのぶについては、カナエと同じ花の呼吸を一生懸命練習していた。

 

「竜宮、調子はどうだ?」

 

 悲鳴嶼さんは、そういって、俺のとなりにきた。

 

「ボチボチですね、あははは」

「ふむ、戦いのセンスは悪くない。呼吸法も頑張っている。やはり、岩の呼吸は合わないのではないか?」

「……かも、しれません」

「まあ、無理はするな。その努力はきっと報われる」

「なら、いいんですけどね……」

「む、私は目が見えないが、今わかるぞ、かわいそうに、顔が悲しんでいる。竜宮、君はもっと笑顔で人を喜ばすのじゃなかったのか?」

「勝手に決めないでくださいよ……まったくもう、ちょっとカナエ見てきますね」

 

 俺は気恥ずかしくなり、その場をあとにした。

 カナエを見に行くと、丁度しのぶと2人で稽古をしている最中だった。

 

「よっ、精が出るな!」

「またきたんですが、無呼吸の人」

「もう、しのぶったら、ダメでしょ? 頑張ってるんだから、進一くんだって」

「まあまあ、本当のことだし、気にするなってカナエ」

「もう、しのぶに甘いんだから」

 

 苦笑いをしながら、その場を納めることにした。

 だが、納めようとした直後に、しのぶの一言で全てが壊れてしまう。

 

「はぁ、竜宮、あんた、ほんっっっとうに悔しくないの? あんなに理不尽に殺された私達の親や、今でも被害に会ってる人達を助けようと思わないの!! こんなところで油売ってないで、少しは努力しなさいよ!!」

 

 パキッと何かが崩れるような音がした。

 

「ちょっと、しのぶ!! 彼だって!」

「姉さんは、黙って!! こんな、いつもヘラヘラしてる、こんな、こんな奴、ただ努力もしないで甘えてる屑よ!」

 

 パンッ

 

 乾いた音が響いた。

 しのぶは頬を押さえ、ビックリしたような顔をして目をカナエに向けて見開いた。

 それは、胡蝶カナエが、胡蝶しのぶに対して初めて手を上げた瞬間だった。

 

「しのぶ、あなたに彼の何がわかるの! 私としのぶが呼吸を習得して、彼がなにもしてなかったと思うの? 私達以上に彼が練習していた姿をあなたは見てなかったの!? 彼の努力を1番認めて上げなくちゃいけない私達が、そんなこと言ってどうするの!!」

「姉さん、でもこいつは、いっこうに呼吸を覚えてないじゃない!! ただの足手まといになるわよ!!」

「それでも、私達は鬼殺隊に入るのよ! 彼1人守れるように練習して……っ!!」

 

 何かを言ってしまった、そんな感じでカナエは俺の方を向いた。




まだ、彼は、力を手にしません。
そんな簡単に入手しちゃつまらないですからね。
誤字報告ありがとうございます。
なお、花の呼吸については原作をみると、カナエの前に使ってる柱等もいるため、教わったことになってます。
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