鬼殺隊と怪人を倒す者   作:托生

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遅くなりました。
鬼滅の刃読み直しと、ネタを練ってました。
申し訳ありません。



弱さ

 目を開けると、カナエの顔があった。

 

「あ、起きましたか? お寝坊さん」

「俺、どのくらい寝てた?」

「せいぜい、15分くらいです」

「そっか」

 

 頭が柔らかいのは、カナエが膝枕をしてくれるからなんだろう。

 起きようと思って、上体を上げると、お腹辺りに重みがある。

 

「しのぶです。あなたが気を失ってから、ずっと、心配そうな目で見ていたのですよ? もう眠っちゃいましたが」

「悪いことしちゃったな」

「あ、それから、悲鳴嶼さんところ戻ったらお説教です」

 

 俺はしのぶを起こすと、満月の月明かりを頼りに帰路に着いたのだった。

 その後、しのぶとカナエに、自分の命を粗末にするなとか、こっ酷く怒られたのはいい思い出だろう。

 そういえば、俺の折れてたであろう腕や肋は気づいたら治っていた。

 いつ治ったのか定かじゃないが、本当に気づいたらだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんで、いまはしのぶの部屋に来ている。

 カナエは修行するとかでいまは外で刀を振っている。

「しのぶどうした? お前が俺のこと呼ぶなんて」

「うるさいわね、姉さんにあなたが取り込んだ謎のベルトを見てくれって頼まれたのよ。ちょっとお腹見せなさいよ」

「あ、ああ。上脱げばいいのか」

「……あんた、こんなに筋肉ついてた?」

「俺も思った。傷の治りも速いし」

「まあ、見たところベルト付近が少し赤くなってるだけね」

「てか、なんでお前が医者じゃないのに診察してんだ?」

「うるさいわね、これでも昔はお医者様になろうとしていっぱい本読んでたのよ」

「なるほどなぁ」

「はい、これでおしまい。……それと、竜宮」

「ん?」

「この間はごめんなさい。あんたが努力しているなんてこと知ってたのに」

「過ぎた話だ、気にするな」

 

 そういうと、しのぶの頭を撫でた。

 

「つっっ! もう、そういうところです! このすけこまし!!」

 

 しのぶは顔を伏せプルプルと震えている。

 なにこのかわいい小動物。

 

「それと、あの古文書まだ持ってますか?」

「ああ、持ってる」

「あの文字は、古代文字の1種だと考えられます。その文字を解明したいので、預けていただいてもいいですか?」

「預けるもなにも、元々しのぶ達のお父さんのだろ、返すだけだよ。ほら」

 

 古文書をしのぶに返す。

 

「私たちの形見、ずっと守っててくれたんですね」

「いや、そう言うんじゃねえよ。じゃあ、何か解ったら教えてくれ。じゃあな」

「はぁ、素直じゃない人。私が言えた義理じゃないか」

 

 しのぶの部屋を出て自室に戻るとき、悲鳴嶼さんと出会った。

 

「竜宮、少しいいかな」

「はい」

「鬼と戦ったようだけど、どうだった」

「いえ、まだなんとも。だいたい俺が戦ったのが本当に鬼なのかも解りません」

「そうか……じゃあ、質問を変えよう。お前は根が優しい、その君が、実際に戦ってみてどう思った」

「わかりません、ですが、拳を振るうのは、気持ちのいいものじゃないです。言葉も鬼には通じる奴と通じない奴がいましたが、話し合いで解決するなら、それが一番いいです」

「そうか……。だがな、竜宮、カナエから、聞いたが、君が戦わなければ彼女達を守れなかったことも確かだぞ。覚悟を持て」

「はい……」

「ふむ、まあそのうちだな。今日はゆっくり休むといい。明日全員で居間に来なさい。話がある」

 

 そう告げられ居間を出ていく俺、なんと無しに稽古場に来ていた。

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、もっと、もっと強くならなくちゃ」

 

 カナエはそんな独り言を呟き、木刀を振っていた。

 

「……」

 

 その姿を見て、なんとも言えない感情が出てきたため、その場を去った。

 

「……あれ、今誰かいたような?」

 

 

 今度はしのぶの部屋の前を通った。

 さっき来たばっかだが、よく見ると見慣れない器具や本などは廊下におかれている。

 

「これは……藤の花?」

 

 なんでこんなところに、と思い本の表紙を見てみると毒に関する本がいくつもあった。

 

「あいつは何をする気だよ」

 

 そう呟いた俺は、藤の花を元あった場所に戻し、その場をまた去った。

 

「……あれ、この辺に藤の花を1輪落としたと思ったんですけど、気のせいね」

 

 自室に帰ってきた俺は横になり、考える。

 このままでいいのか……と。

 

 

 

 そのまま眠りについてしまったのか、俺が次目覚めたのは朝日が出ていた時間帯だった。

 居間に集まった、俺、カナエ、しのぶ。

 悲鳴嶼さんは対面するかのように座ると、カナエの作った朝ごはんを手に持った。

 

「まずは食おう。話はそれからだ」

 

 なんとなく、気まずい雰囲気の中ご飯を食べ終わった俺たちは、悲鳴嶼さんの一言目を待った。

 

「むっ、それじゃあ、話をしよう。君たちは鬼がどうやってできるのか、触りしか教えてなかったな」

「確か、鬼舞辻っていう鬼の始祖が産み出しているんですよね?」

「左様、しのぶの言うとおり、だが、その鬼が元は人だというのは言ってなかったからな」

「「え!?」」

 しのぶ以外の俺とカナエは驚いた。

 鬼が元々人間だったなんて。

 

「まってください悲鳴嶼さん、今なんて?」

「鬼は元は人であった、それを鬼舞辻が血を与えることにより鬼となるのだ」

 

 まさか、そんな表情を俺とカナエはしたであろう。

 鬼は悪、だから、滅ぼす。

 悪鬼滅殺、確かにわかる。

 人を殺し、そして食す。

 全てに反している。

 人を守るため、亡くなってしまった死者への冒涜を許さないため、そんな考えで少なくとも俺は鬼殺隊を目指していた。

 だが、蓋を開けてみたらどうだ。

 元は人間。

 それじゃあ、俺やカナエ、しのぶが相手にしていたのは、何らかの理由でなってしまった鬼と言うことになる。

 

「じゃあ、なりたくてなった訳じゃない鬼もいるってことですか。かわいそう……」

 

 カナエの口からそんな言葉が零れる。

 

「姉さん!? それは違うでしょ!! あいつらは私たち家族を!」

「わかってる、わかってるのよしのぶ。でも、そう思ってしまうのよ」

「姉さんは、優しすぎるわ。確かに、でも、理性があるならなんとかなるはずよ。あいつらは殺しを楽しんでるじゃない」

「だからこそ、鬼は倒せなくてはならないのだ。そこで、もう一度聞く、鬼殺隊になるつもりはあるか?」

 

 数秒間、辺りは静かになった。

 考えるもの、どうすればいいのか分からなくなってしまったもの。

 だが、しのぶは最初の口火を切った。

 

「私はなるわ。家族を殺した鬼を全員殺して、平和な世の中にする。だから、私はなる!!」

 

 目をまっすぐと悲鳴嶼さんに向けてそういい放った。

 

「うむ、他2人は?」

「そうね、しのぶが決めたのだもの。私も決めなくちゃね。でも、鬼と仲良くできる方法も私は探してみたい、いつしか倒さなくてもいいように、だから、それを目指すために、私はなるわ」

 

 カナエも、決めたようだ。

 だが、俺は決められなかった。

 鬼を倒す力はいまだにない。

 それと同時に、謎のベルトの事もある。

 

「俺は……考えさせてください。俺にはまだ……」

「ふむ、竜宮。だが、そう時間もない。2ヶ月これが期間だ。2ヶ月後、答えを聞こう」

 

 そこで、解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、俺は少しでも何かの自信がつくようにと、基礎体力を一からしっかりと鍛え始めた。

 不思議なことに、いままでなら疲れていた距離をなんなく走ることできるようになっていた。

 これも全て、ベルトのおかげだとでも言うのだろうか。

 その後も、架空の敵を想定したトレーニングをする。

 不思議なことに、身体の効率的な動かし方、殴る蹴るを要領よく覚え動かせる。

 あの頭の中で見た動きのようだ。

 それからちょうど1ヶ月が過ぎようとしている頃、しのぶに呼ばれて、しのぶの部屋に来ていた。

 

「来たわね、軟弱ものが」

「お前は俺をけなさないとダメなノルマでもあるのか?」

「ないわよ? 楽しいからつい」

「で、話ってなんだよ」

 

 しのぶは手に持っていた古文書をこちらに見せてきた。

 

「いろいろな古代文字とか調べて、やっと、少しだけ判明したの。ここの部分」

「最初の行か?」

「そう、この古代文字はこっちの古い本でも同じものが使われているのと、翻訳すると、汝って意味ね。だから、こういう風に色々翻訳して、少しだけ分かったところは、

《邪悪なるもの、希望の、霊石、身に付け、炎の如く、邪悪、打ち倒す》

って言う感じね」

「難しいな、理解するのが」

「そうね、抽象的なのが多いわね。ただ、分かるのは、あんたの、あの白い姿あれは、多分まだ覚醒しきってないってことね」

「なるほど、ありがとな、色々調べてくれて」

「う、うっさいわね、お礼を言われる筋合い無いわ、元々私の家の物だし」

「でも、感覚で分かるんだ。多分俺には覚悟が足らないんだと思う。でもダメだ。拳を振るうあの感覚は……」

「そう。まあ、残り1ヶ月でどのみち決めなさい」

 

 こうして、無駄に日数を重ねていくだけだった。

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