鬼殺隊と怪人を倒す者 作:托生
今回は、少し長いですが、すらすら読めて、次も読みたいってなっていただければ、嬉しく感じます。
いつも誤字報告ありがとうございます。
それと評価のところに星9が1票入っていて舞い上がりました。
ありがとうございます!
鬼はこちらに来るなり襲いかかることもせず、ただただ棒立ちしているだけ。
だが、目で何かを訴えている。
あの目は、見たことある。
死を覚悟し、全てに絶望したようなあの目を。
俺のとなりにいる女の子が昔、そんな目をしていることを思い出した。
しのぶは何かを察したのか、頷くと近づいていき、試作段階である藤の毒を塗った刀で頸めがけて突き刺した。
「がっ、ぐっっ」
鬼は呻き声をあげながら、死ぬことを待っている。
しのぶは刀に力を込めて、藤の毒で腐り始めた頸を斬るが、力が足りなく最後まで切れない。
そこに、カナエが近づきしのぶに手を添えると、一緒に頸を刎ねた。
その頸は俺の足元に落っこちてきた。
「あぁ、人間、礼を言う。これでやっと、まともな人間として生まれ変われる。だから、あいつも早く助けてやってくれ」
そう呟くと、涙が一筋流れ、灰となり消えていった。
きっとこの言葉を聞いたのは俺だけだろう。
だけど、それでよかったのかもしれない。
しのぶや、カナエが聴けば刀に迷いが出て鬼殺隊になれないかもしれな。
逆に半端な俺が聴いてよかった、とそう思ってしまった。
そして思う。
鬼と人、そう大きな大差はないのかもしれないと。
だが、人を襲い、殺し、食べる。
人の道から外れてしまっている。
それに快楽を覚えていることも確か。
だけど、元々はそうじゃない鬼もいる。
元は人間だった鬼だからこそ、倒すことでしか成仏できないのなら、成仏させてあげなくてはならない。
そしてこの元凶である、鬼舞辻無惨だけは、何がなんでも倒さなくてはならない。
そう考えることができた。
だが、目の前の怪物はどうだ。
前回のコウモリ野郎といい、完全に殺しを楽しんでいる。
言葉も違う、意志疎通を図ることもなく攻撃されるから話し合いでの解決なんて到底できない。
だが、あいつらの口、目を見ると何となくわかる。
笑っているのだ。
弱者をなぶり苛め、ただただ、楽しんでいる。
こんな奴らのために、俺らは苦しめられてはならいんだ。
そう思ったら俺の中で、すべてのピースははまったのかと言うくらい、いままで喉に引っ掛かっていた何かがストンと落ちていった。
「しのぶ、次は、あの鬼と怪物の見た目をしている鬼を殺してあげましょう」
「そうね、姉さん。私と姉さんで。竜宮は応援を呼んできて!!」
「……」
「竜宮、聴いてるの!?」
「進一くん?」
「ああ、すまん。あの鬼は、助けてあげなくちゃな」
「は?」
「なに言ってるの?」
「いや、なんでもない。だけど、あの鬼を殺れるのは、俺らがこれからなる鬼殺隊だもんな。助けなきゃ」
「竜宮、しっかりしなさい! どうしたっていうのよ!」
「しのぶ、カナエ、俺も覚悟が決まったよ。確かに鬼はいまのままじゃ倒せないかもしれない。だけど、殺しを楽しんでいるあんな怪物の見た目の鬼をのさばらせちゃいけない。あんな糞みたいのに、鬼や人間を泣かせちゃいけないんだ。俺の中に取り込まれたベルトはあいつらを倒すことのベルトなんだと思う。だから、俺は、戦う。あいつらのような怪物たちを倒すために。だから、見ててくれよ。いや、2人に見ていてほしい。《俺の変身!》」
手を腹部にかざすと吸収されていたベルトと霊石が浮かび上がり、その霊石は赤色へと変化した。
「うぉぉおおおおおおお!!!」
走りだし、蜘蛛の怪物に殴りかかる。
右、左とフックを食らわせ、怯んだところを右膝で膝蹴りする。
殴った順番に装甲が付けられていく。
そして、左足で押し蹴ると、頭以外の全身が装甲で包まれた。
最後に、敵の腹に右ストレートを叩き込むのと同時に、顔も装甲で包まれた。
「ゴラゲパ、クウガ!! (お前は、クウガ!!)」
「クウガ? そうか、この姿、クウガか!!」
怪物は俺の攻撃に怯み、ダメージを食らっている。
怪物がまた、糸を俺に向かって吐いてくる。
それを逆に掴み、こっちに引き寄せて、足を払い馬乗りになる。
「おりゃぁ! おりゃああ!!」
そこからは、マウントを取った俺の独壇場だった。
ただただ、殴る、殴る、殴る。
手に残る殴ると言う感触は未だに慣れないが、それでもここにいる人を守るために殴る。
その瞬間、後頭部に打撃を食らった。
そのせいで俺のマウントポジションは脆く崩れた。
そのまま横に投げられる。
どうやら、足を思い切り振り上げて後頭部に蹴りを食らわせたらしい。
「いつつ。てめえ!!」
「ボソグ、ボソグ! ボソグ!! (殺す、殺す! 殺す!!)」
口から糸を吐き出し、俺の首と腕に絡み付く。
「くそ、離せ!!」
無理に千切ろうとしても千切れない。
無理に振りほどこうとしている間に、カナエとしのぶはもう一体の鬼の首を優しく切ったらしく、俺の目の端の方で鬼が消えていってるのを捉えた。
そうか、あいつらは頑張って鬼を成仏させてやったのか。
なら俺も、この悪を打ち砕くしかないじゃないか。
俺は腕を力いっぱい振り下ろし、糸を切る。
そして、首の糸を破る。
「さあ、第2ラウンドと行こうじゃないか」
奴に走り出し、身を屈める。
「ビゲダ! (消えた!)」
そのまま足を払い転ばせた。
「ガッッ」
そして、腹にめがけてかかと落としを見舞わせた。
だが、寸でのところで奴は横に転がりそれを避ける。
奴はいままでで一番太いと思われる糸を俺の首めがけて吐き出した。
それをあえて食らう。
そして、糸の接続部分を持ち、逆にこっちに引きずり込む。
「バ、バンザ、ボンヂバサパ! (な、なんだ、この力は!)」
そして、右足に力を込める。
「はぁあああああ!!」
そのとき、右足に不思議なパワーを感じた。
嫌な感じではなく、どちらかと言うと、暖かいそんな感じの。
ジッジジッジジジジッ
「これで、おわりだあああああああ!!」
奴を自分の蹴りがとどく間合いまで引きずり込み、一撃の蹴りを心臓部分に食らわせた。
その瞬間、蹴った場所は紅く燃えるようになり、不思議な模様が浮かび上がった。
「ゴセパ、ギブボバ! ギブボバ!! ガガァァァァ(俺は、死ぬのか! 死ぬのか!! ああぁぁぁ)」
そして、模様から怪人のベルト辺りまでヒビが付いたかと思うと、小さな爆発を起こし、四肢が爆散し、跡形もなくなったのだった。
「はぁはぁはぁ、くそくらえ。ざまあみろ」
俺はそう呟くと、その場に倒れたのだ。
「姉さん、色々私飲み込めないんだけど」
「そうね、とりあえず、戻りましょ」
目を開けると、不思議な空間にいた。
どこか分からないのに、懐かしさを感じる。
そこへふと、横を見ると何か黒い影が通りすぎていった。
また目を開けるとここ最近よく見る天井だった。
「変な夢を見た」
するとタイミングよくしのぶが俺が起きたことに気づく。
「よく寝てたわね」
「どんくらいねてた?」
「ざっと、4時間と37分」
「鬼は?」
「いまのところ、姉さんと交代で見てるけど来てないわ」
「よかった。変わるよ」
「あんたねえ、さっきの戦いで手首の骨にヒビが入っていて、首も無理に動かすからムチ打ち状態なのよ? 無理に決まってるでしょ!!」
「それならほら、もう動くから。もう2人のお荷物にはなりたくないからね」
「ほんとだ。さっきまで触ると呻いてたのに、普通になってる。どういう体してるのよ、いったい」
「まあまあ、な? 治ってるんだし、いいだろ?」
「はぁ、ちょっと姉さんに聞いてくる」
そう告げて、カナエのところまで歩いていくしのぶ。
カナエが来るまでの間、俺はあの怪人のこと、そして、自分自身の力のことを考えていた。
そしてある疑問が浮かぶ。
この力を鬼に使った場合はどうなるのかと。
鬼は基本的に、日輪刀若しくは太陽光でないと倒せない。
だが、胡蝶しのぶ彼女が作った毒。
これにも効果はあることから考えると、俺のあの暖かい力を使えば……。
そう考えていた。
都合とはたまにいい方向に動くようで、カナエと相談した結果してもいいことになった。
しかも、その数分後、一体の鬼が俺を見つけてこちらに来たのだった。
「匂う、匂うぞ、いい匂いだ。女が2人と男が人。今日はごちそうだ」
「そうかい、それはよかったなぁ。だが、成仏してくれ」
俺は鬼の頸めがけて、刀を振り抜く。
「あぁ、ダメだよ、品がない。なんだい君のその刀は、まるで押し潰してるように振るんじゃないよ!!」
鬼は頭を下げると、その勢いにのせて、後ろ蹴りをする。
俺の顎に当たる寸前に、ステップで後ろに下がった。
「体術はそこそこだね。筋肉もいい感じっぽいなぁ」
「そうか? おいしくないぞ? じゃあ、早速で悪いが、お前で試させてくれ。《変身!》」
バックル部分に手をかざし、ベルトを出現させる。
右手の握りこぶしにし腰の右側に、左手は右前に出す。
左手を左にスライドさせ、ベルトを少し通りすぎくらいで、変身と掛け声を掛けると共に、左手を握りこぶしの場所に戻し、少し押し込む。
最後に、両手を開き、自然な体制になれば、クウガに変身できる。
これを2秒で終わらせ、赤いクウガとなり、まず鬼に蹴りをいれる。
鬼は油断していたのだろう。
2メートルちょっとすっ飛んでいった。
「なんだよこいつ、鬼か??」
「いいや、違う。鬼じゃないぞ。鬼を成仏させ、あの怪人どもがなんなのかを突き止めて、そして倒す者だ」
そういいながら、近づき、右フックを食らわす。
「グギャ」
鬼は右フックを両手でガードした際に、クウガのパンチ力が強く、少し皮膚と肉が抉れた。
両手には激痛が走り、血はどくどくと流れていく。
「鬼をなめるんじゃないぞ。こんな傷、さっさと回復するわ!!」
鬼はそう言うと、身を小さくして、素早い蹴りの攻撃を何発も浴びせてくる。
それを寸前で往なす、往なす。
「あぁぁ、あたんねえ!! くそくそくそくそ!!!」
ボコッ
攻撃をしていたはずの鬼の攻撃が急に止まった。
否、よくクウガを見てみると、クウガの裏拳が両足を砕いたのだ。
「グィィヤァアアアア!!! いでええええ、いでええよおおおおお!!」
よく鬼を見ると、いまだに両手も治っていない。
細かくいうと修復をしているのだが、それがすごく遅い。
「そろそろ、おしまいにしよう」
「何をする気だ!!」
「はぁぁぁ」
ジッジジッジジジジ
右拳に力をためるよう意識すると、あの暖かいエネルギーがたまっているように見える。
「来世では鬼になるなよ!!」
そう言うと、心臓部分に拳をめり込ませた。
効果は分からない。
ガシッッ
両腕を捕まれた。
しまった!!
そう思い顔をあげる。
「なあ、俺は来世では幸せに暮らせるかな?」
鬼はそう聞いてきた。
だから俺は笑顔で答えた。
「君ならなれる。今世はただの悪い夢だったんだよ」
「あぁ、そうか、ありがとう、ありがとう」
めり込ませたところから、全身に光がほとばしり、目映い粒子となり、鬼は消えた。
竜宮進一も気づいていないが、クウガの普通の攻撃にも暖かい力は元々微弱に流れているからこそ治りが遅い。
この時点で、鬼に有効なのは明白だったのは後の話だ。
その後、残りの日数は3人で出てきた鬼を成仏させることになった。
そして最終日。
俺ら3人は、最初の場所に戻る。
そこにいたのは7人。
20人近くいたのに、生き残ったのはたったの7人だった。
俺はそれが悔しくて、拳を強く握り、泣いた。
それを咎める奴はこの場にはいなかった。
白髪と黒髪の子が現れて、口を開いた。
「最終選別、お疲れさまでした。これから皆さんには、鬼殺隊士としての制服をお配りしますが、その前に寸法をさせていただきます。その後、皆さんの日輪刀の元となるこの玉鋼の中から、1つ選んでいただきましょう。あ、もちろんこの玉鋼は、日本で一番太陽が当たる山からとれる貴重な資源である、猩々緋砂鉄(しょうじょうひさてつ)と猩々緋鉱石(しょうじょうひこうせき)を使用して作るものでございますので、ご安心を」
「あの、質問いいですか?」
「どうぞ」
「私たちはもう日輪刀を持っているのですが?」
「自分の武器は、自分で決める。これが通例となっております」
納得した全員は、寸法を計り、玉鋼を選んでいた。
俺は、まだ、悩んでるけどな。
無理でしょ。
急に選べって?
なにそれ、何がいいのかも分かんないのに?
あ、でも、あれか、俺どうせ武器使わないって考えたら、ちっこいのでいいな。
考えがまとまった俺は、その中で、一番小さいのを選んだ。
「じゃあ、これで」
「かしこまりました」
「では最後に、皆様に、烏、鎹烏を支給いたします。これは主に、連絡用として使いますので、よろしくお願いします」
「そして、鬼殺隊となった皆様には鬼殺隊の癸として頑張っていただきます。
鬼殺隊では、癸から甲までの10段階があります。そして、それらを遥かに凌ぐのが柱と呼ばれる方々です」
「どうか皆さん、死なずに」
「「ご武運を」」
その台詞を皮切りに烏がくる。
6人の回りには烏が飛んできて、なにげに喋る烏に興奮だったり驚きだったりしている。
しのぶさんや、解剖しようとしないの。
カナエさんに関しては、仲良くするの早いな。
さて俺のは、そう上を見ると、昆虫が飛んでいた。
(ノ_<)ゴシゴシ
昆虫が飛んでいた。
うん、角は二つある。
なんで、ヒラタクワガタ?
ねえ、なんで?
烏っていってたじゃん!
これ違うよ!!!
チェンジで!!
チェンジでっっ!!!
全力で叫ぼうとしたときには、もう女の子はいなかった。
しのぶににんまり笑顔で肩を叩かれ、カナエは俺の方を見てはクスクスと笑っていた。
(こいつら、覚えてろよ)
そう思い、俺らは悲鳴嶼さんのところに戻っていくのだった。
とある屋敷
「そうか、今回は7人か。私の剣士達」
「それと、もう1つ」
「ああ、分かっているよ。別の危険分子だね」
「はい。まだ、特定はできていませんが」
「うん、無理はしないで。でも、まだ行動していないだけかもしれない」
「はい、柱には」
「そうだね、私と君達、そして、いまはまだ、柱との極秘情報としよう」
お久しぶりです。
そんなに期間が空かなくてよかったですけど、ストックがゼロになりました。
あと全然関係ないんですけど、このクウガ意外にもう1つ考えてる作品(まだ執筆さえもしていない)あるんですけど、2作品同時はやめた方がいいですかね?
あと、この後のこの話なんですけど、ダイジェストに、カナエの過去話をして、鬼滅本編に入るか、今まで通り、竜宮進一を成長させ、ゆっくりと、本編に向かっていく。
どっちがいいですかね?
意見があれば教えてください。
皆さんが読んでくれるのが励みになりますので、よかったら読んでみてください。
それではまた次回。