鬼殺隊と怪人を倒す者   作:托生

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前回新しい作品については、10話まで、この作品が書けたら、投稿してみようと思います。
とりあえずは、鬼滅を主体とした、新しい物語です。
それでは、今回の作品もゆっくり見ていってください。


偶然

 悲鳴嶼さんの家の玄関において、3人でただいまを言ったら、抱き締められたのはいい思い出だ。

 さて、刀が出来るまでの間は休暇。

 ある意味、鬼殺隊になる前の準備期間である。

 カナエとしのぶは甘味処に行くとかで、今は悲鳴嶼さんと2人っきりである。

 岩柱トレーニングとも名付けようか、岩を押し、丸太を担いでのスクワットを終わらせた俺と悲鳴嶼さんはいま、お茶を飲んでいる。

 すると、悲鳴嶼さんは、俺に質問してきた。

 

「鬼を倒してどう思った?」

「気づいていたんですね?」

「南無、これでも目が見えないからな。心には敏感にならんとな」

「俺は鬼を倒すんじゃないんです。成仏させるんです」

「そうか……」

「だけど、その原因を作った、鬼舞辻無惨だけは許しません。あいつは、倒します」

「っ……。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」

「泣かないでください。それと、あの異形の鬼も」

「異形の鬼とは? 十二鬼月が藤襲山に出たのか?」

「十二鬼月? いいえ、違います。蜘蛛の怪人というのでしょうか? 怪物です」

「ん? そうか。そういえば十二鬼月の事は、カナエとしのぶには話したが、お前にはまだだったな。いいか、十二鬼月とは」

 

 十二鬼月

 

 悲鳴嶼さんの説明だと、下弦と上弦が、合計で12匹いる鬼の幹部的存在らしい。

 特徴は、強力な血鬼術という妖術を使うこと。

 それから、目に数字が刻まれていることらしい。

 下弦でさえ、強力。

 上弦に至っては、ここ百年近く撃破の報告をいまだきいたことがない、らしい。

 だが、聞いた特徴を聞く限り、違う。

 そんなのではない。

 あいつらはもっと邪悪で、根本から悪という感じだ。

 

「あと、言葉も通じなかったです」

「ふむ、そうだとすると、鬼ではなく……また別の……先の話に嘘はないな?」

「はい」

「うむ、お館様に相談する。今はお前も鬼殺隊の一員になったのだ。私の継子ではないものの、息子も同然。いまは、体を休めなさい。刀が来ればすぐに任務につくだろう。あぁ、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」

 

 そういうと、悲鳴嶼さんは、どこかへ行ってしまった。

 それから5日後、カナエとしのぶの両名に、日輪刀が配られた。

 刀鍛冶が言うには、日輪刀は別名色変わりの刀と言われ、使用者が持つと色が変わるらしい。

 カナエは綺麗な桃色に、しのぶは毒々しい紫色へと変化していた。

 ちなみに、しのぶの刀は特注で、レイピアのように細く、先っぽだけ刃になっている。

 完全に、突きに特化している形であり、どういう構造なのか分からないが、相手に刺した瞬間しのぶ作成の毒が鬼に注入されるらしい。

 もはや暗器じゃねっておもったのは内緒だ。

 ちなみにこの段階で、俺の刀はまだ来ていない。

 また、いままで花の呼吸を使っていたしのぶだが、訓練の成果か、蟲の呼吸という新しい呼吸を産み出した。

 なんで、蟲? って思って聞いたところ、

 

「毒っていうと、やっぱり蟲のイメージですし、あとあんたの鎹虫が目にはいったから」

 

 という、なんとも言えない回答だった。

 さて、俺はというと、今のところやることがなく暇だというのが確かなところだ。

 悲鳴嶼さんも柱という責任が高い地位にいるため、管轄の巡回やら自らのトレーニングなどでそんなに暇というわけでもない。

 そこで俺は街にふらっと行くことにした。

 最近では海外から様々な輸入品などが仕入れられ、建築技術もより一層目覚ましいものとなっているため、ただ街を見て回るだけでも楽しい。

 街に出ると、その活気がすごいことがよく分かる。

 だがここで、あることに気がつく。

 

「ここ、どこだよ」

 

 そう、目的も無しに歩いていたため、帰りのルートを完全に忘れてしまったのである。

 

「カナエとしのぶも連れてくればよかった」

 

 そうすれば迷わなくてすんだと、少し反省していると、香辛料が鼻を擽る。

 その匂いのもとへ行くと、モダンな建築をしたお店の前についた。

 

「喫茶店? ボンレージュ? なんだ、ここ?」

 

 聞いたこともないお店に戸惑いつつも、扉を開ける。

 洋風な店内でレコードの音が心地よく聞こえる。

 カウンター席に座ると、店の主人が出てきた。

 

「いらっしゃいお若いの」

「ここは?」

「ん? 知らずに入ってきたのかい? ここは喫茶店て言うてな、街の騒がしい喧騒から離れたいときや、一人になりたいときに来るような場所さね。はい、注文表」

 

 冊子で作られた注文表を見て、目につくのは、洋風カリーという商品と、ブレンド珈琲の2つだった。

 

「じゃあ、これと、これ」

「ほぅ、うちの店の初めてでこれ選ぶんか。あんたいい鼻と勘を持ってるね。この2つ、うちの超おすすめ商品さね」

 

 そういうと、ご飯を皿によそり、鍋の中の茶色い物体をご飯の空いてるところに流し込む。

 ホカホカなのだろう、白い湯気が立ち上っている。

 

「うちは、福神漬けっちゅう、うちの店独自の漬け方をした漬けもんも乗せるんさね」

 

 そうして出てきた洋風カリーを俺の前に出してきた。

 

「見た目は慣れないだろうけど、匂いはいいだろ? 味もいいんだ。さ、食いな」

 

 見た目は茶色いが、なぜだが嫌悪感を抱くことはない。

 見たところ具材も入ってる。

 

「じゃあ、いただきます」

 

 俺は渡されたスプーンを貰うと、まずは茶色い物体を1口。

 ピリッとした辛さと、鼻から抜ける香辛料の刺激がマッチして、ご飯と一緒に次は食べる。

 熱々のご飯とカリーがマッチして、手が止まらなくなってしまう。

 次に、具材に手を着けた。

 一口大のニンジン、玉ねぎ、そして、ごろごろのジャガイモ。

 全てが喧嘩しないで、口の中でカリーとのハーモニーを産み出す。

 しかも、牛肉まで入っている。

 噛めば噛むほど、その美味しさが口の中に広がる。

 夢中になり過ぎてしまい、福神漬けの存在を忘れていた俺は、半分以上食べたところで、福神漬けに手を出す。

 食べると、甘じょっぱい漬けとカリカリとした触感で口に休憩をさせてくれる。

 これはヤバイ。

 本能がそう訴えている。

 気づいたら、スプーンはまたカリーに行っており、止まることを知らないでいた。

 そんな姿を、店主は優しい目で見ていた。

 

「ふぅ、ごちそうさまでした。夢中で食べてしまった」

「あいよ、食後の珈琲、これもうちの店オリジナルブレンドだ。最初はブラックで飲んでほしいが、もし無理なら、牛乳や砂糖をいれてくれ」

 

 次に出てきたのは、黒い液体だった。

 珈琲は聞いたことあるが、実際に飲んだことがなかった俺からすれば、目を疑う。

 だが、これもまた、匂いがいい。

 

「いただきます」

 

 湯気が出ているところを見ると、熱いのだろう。

 

「フー、フー」

 

 息を吹き掛け、冷ましてから1口コクりと飲む。

 一瞬苦味が来るが、その後に、ちょうどいい酸味が来る。

 そして、嫌な口の中の苦味もろとも全てがさっぱりいなくなった。

 

「これは、美味い」

 

 嫌な苦味や酸味ではなく、全てが癖になる。

 さっぱりとしていて、なおかつ印象に大きく残るそんな飲み物だった。

 結局俺は、牛乳も砂糖も入れず、黒いまま全て飲み干してしまった。

 

「店主、すごく美味しかった。どれも未知の体験だが、俺はすごく気に入ってしまった」

「そうかいそうかい、カリーに珈琲、どちらも気に入ったかい。そりゃ、良かったってもんさね。あんた、若いのに見る目があるねぇ」

 

 ケラケラと笑うと、スッと目を細めた。

 

「あんた、鬼殺隊の隊員だろ?」

 

 急に店主は言った。

 

「っっ!!」

 

 まるで、何かの獲物を獲たような、そんな目付きだ。

 いつだ、いつ気づかれた。

 いまは、隊服さえも着ていないのに。

 だが、ここで動揺を見せても相手の思う壺だ。

 だから、ここは平静を装い誤魔化し、逃げる。

 

「なんのことだ? 鬼殺隊? なんだそりゃ?」

「くっくっ、プッ、あっはっはっは。あーおかしい」

 

 店主はそういうと、店の奥に行ったと思うとすぐに戻ってきた。

 一瞬、刃物でも出てくると身構えたが、店主が出したのは予想を遥かに越えるものだった。

 

「いや、若いのごめんよ? ちょっと試したくなってさ。いやはや、ほら、これ見てごらん」

 

 店主はカウンターの机の上に藤の家紋を出した。

 

「店主、それはちょっと冗談が過ぎる」

「からかうのが好きでね」

 

 藤の家紋

 

 これを掲げているところは、その昔、鬼狩りに助けられ、その恩を忘れず、鬼殺隊に対して、無償で奉仕してくれる所、言わば協力者となっている。

 

「俺は、その昔、雛見沢って村にいてね。その時、鬼狩りに助けられてから、こうして協力者となっているんだよ。でも、なんで、俺があんたを知っているかって? そりゃ、あんたの鎹烏っていうか、クワガタが、書状で教えてくれたからさ」

「納得できるけど、納得したくないんだが?」

「からかっただけさね。悪気はないんだよ。さて、お詫びに、無料ってことでいいよ?」

「いや、それは断る」

「なっ!? 俺はあんたら鬼狩り様にお金を取れねえんだよ!! 恩が返せないだろ!?」

「いや、そうじゃない。あんな美味い物を食べれたのに、お金を払わないって方が俺の心情的に無理ってだけだ!!」

 

「ふざけるなっっ!!!」

 

 店主がそう叫ぶと、外の烏が一斉に飛び去った。

 

「な、なんだよ。俺は間違ったことは……」

「いいや違うね。いいか、人の優しさってのはしっかり受け取っておくもんだ。そして、あんたがそんなに美味かったって言うんなら、またここに来て、食ってくれれば俺はそれで満足さね」

 

 店主が笑顔でそう語る。

 だが、忘れちゃ行けないのが一つある。

 そう、何を隠そうこの俺は、道に迷って偶然ここを見つけただけ。

 どういうことか、このお店にまたこれる可能性は低いのである。

 その事を話すと店主は頭を悩ませる。

 

「うーーん、そうかぁ、ここは難しい場所にあるしなぁ。あっ、そうだ。若いのここで働けばいいんだよ。時間があるときでいい、ここで働きな」

「ん? なんでそういうことになるんだ? 普通に地図を書いてくれればいいんだが?」

「あー、うちの店の方針でな。客には地図を書いてこの場所を知って貰おうとは思ってないんだ。若いのみたいに、ふらっと見つけて、ふらっと寄って貰う。そういう店目指してるから。だが、従業員なら別だろ?」

「そ、そうか、だが、いいのか? 俺は本職が鬼殺隊だから、これるのは限られてるぞ?」

「大丈夫、来たいときに来て貰えれば、安心してくれ。あ、でも、そうだな。珈琲の入れ方ぐらいは教えないとな。いま、俺が昔使ってた珈琲を美味しく淹れるセットを渡すから、それで練習してくれ。豆は、すまん、自分で買って貰うことになるが、いいか?」

「まてまて、店主、それでいいのか? しかも、あの美味しい飲み物を淹れる物をくれるなんて、そんな……」

「なあに、若いのってのもなんだな。名前は?」

「竜宮進一だ」

「じゃあ、進ちゃんだね、進ちゃんが覚えてくれれば、お店的に楽だし、しかも進ちゃん自身が、珈琲飲めるなんて、一石二鳥さね。嫌かい?」

「いや、ありがたく働かせて貰い、珈琲って言う飲み物を上手に淹れれるようになろう。礼を言う」

「ケッケッケ、いいさいいさ、先行投資さね」

 

 俺は珈琲を淹れる一式を貰い、地図を書いて貰い、岩柱の屋敷へと帰ったのだった。

 後日、珈琲にすごく凝り、進一の部屋が珈琲の匂いになって、悲鳴嶼さんに心配されるのは別の話。




はい、どうもこんにちは。
今回はスペシャルゲストが登場しましたね。
え?見てないって?
雛見沢ってなにって?
とりあえず、調べてください。
いや、もはや、アニメを見よう。
無印、解、を見れば続編も見たくなるはず。
それでは、また次回お会いしましょう。
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