鬼殺隊と怪人を倒す者   作:托生

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緊張

 岩柱である悲鳴嶼は、お館様と呼ばれる方の元へと行っていた。

 

 話しは、藤襲山で進一達が見た例の怪物と言っていた鬼の件である。

 お館様の屋敷の門付近に見慣れた子供が2人立っていた。

 

「お館様がお待ちです」

「そうか、ひなき、にちか、ご苦労……」

 

 一声かけると、奥へと進んでいった。

 いつも待機する庭に行くと、既に人が何人かいた。

 

「よお! 岩柱! ド派手に遅刻じゃないか!?」

 

 音柱 宇髄天元

 

「何を言っておる。お主が早いだけだ」

 

 天狗のお面を着けた元水柱 鱗滝左近次

 派手な格好をしている現音柱 宇随天元

 この二人と、

 ボーッと空を見上げている元鳴柱 桑島慈悟郎

 酒を仰いでいる元炎柱 煉獄槇寿郎

 そして、岩柱 悲鳴嶼行冥

 すると、子供の一人が声を上げた。

 

「お館様がいらっしゃられます」

 

 すると、全員がすぐに跪いた。

 

「やあ、皆今日はいい天気だね」

「お館様も--」

 

 いつも通りの挨拶を元炎柱が言おうとした瞬間、お館様と呼ばれている産屋敷輝哉が手を前に出してそれを止めた。

 

「ごめんね、煉獄槇寿郎。本当ならその挨拶をしてほしいのだけど、今回の緊急会議は、一刻を争う可能性があるんだ。だから早速だけど、部屋を移動しようか」

 

 そういうと、奥の部屋へと行ってしまった。

 

「挨拶を省略するほどの緊急事態ってなんじゃ」

「わからねぇ、お館様がああ言うんだ。ついていくしかねえだろ」

(まさか、お館様は進一から聞いたあの謎の鬼の情報を握っているのか?)

「挨拶もそこそこに移動だなんて、ド派手な予兆か?」

 

 全員が柱会議をする部屋へと向かい、いつもの場所へと腰を掛けた。

 

「皆揃ったね。じゃあまずは、僕が皆に伝えたいことを言おう。今回の最終選別において、鬼とは異なる存在が出てきた」

「なに?」

「っ!」

「……南無」

「強さとしては、上弦かそれともそれ以上か。まだ計り知れない。だけど、被害は着々と出てるよ。警察からの情報だけどね、そいつが目撃されてから現在までに、死者が43名出ているそうだ。そして、警察では対応しきれなくなったところで、僕たちに話が回ってきたってことだよ。だけどね、僕の鎹烏の情報によると、それを既に倒している鬼殺隊員がいることも事実なんだよ。ね、行冥?」

 

 ここでお館様は名前を言った岩柱に目を向けた。

 

「はっ、私が助け、屋敷で一緒に暮らしている竜宮進一からその化け物についての話しは伺っており、その化け物は鬼、人関係なく殺戮を楽しむ奴だと聞いております。ですが、それを倒した話しは一切聞いておりませぬ」

「ありがとう、行冥は元々その話をしに来たんだろうね。大丈夫、僕もわかっているつもりだよ。さて、置いてけぼりにさせて申し訳ない、皆にも分かるように説明するとだ、数年前、鬼舞辻無惨がとある場所で、超古代戦闘部族を復活させたことが原因なんだ」

 

 そこからは、だれもが信じられないような話が始まった。

 お館様以外が話したらまず、だれも信用できないであろう。

 そんな、摩訶不思議なおとぎ話のような内容だった。

 

「さて、ここまで話して皆も事の重大が分かってきたと思う。僕もこの事を知ったのは偶然だったんだ。復活の瞬間。鬼舞辻無惨と一緒にいる謎の人物。全部近くにいた鎹烏を通して知った事実だ。そして、藤襲山で、同族と思われる怪物が出現した」

「「っ!」」

「なに!?」

「……」

「皆も知っての通り、あそこには私の烏達を配置している。そして、そこで怪物を倒した子供がいるのを発見した。行冥、君のところの進一君だよ」

「お館様、それは真で?」

「うん、本当だ。彼は女の子2人を守りながら戦っていたらしい。そして、撃破した。これはまだ警察には言ってないけどね。皆になにを言いたいかって言うとね、もしその怪物を発見した際、君達柱でも勝てるか分からない。だから、彼が到着するまでの間、どうにかして時間を稼いでほしい」

「失礼ながらお館様、我々元柱と現役の柱でも力不足と言うことでいいのですかな?」

 

 元鳴柱である桑島慈悟郎が鋭い目でお館様を見る。

 

「いいや、違うよ。鬼殺隊士の育手及び鬼の殲滅に皆は力を注いでほしいんだ。得体の知れない超古代戦闘部族なんかと戦って皆を失いたくない。只それだけだよ」

「なれば、逆に我々の力を信じてくださいませ!! そのような輩に遅れをとるような鬼殺隊ではありませぬ!!」

 

 慈悟郎の進言に産屋敷は目を細め、少し考える。

 

「わかった。発見次第殲滅しよう。ただし、命の危険を感じたら逃げてほしい。僕たちはあくまでも、鬼舞辻無惨を殲滅するための、鬼殺隊であることを忘れないでくれ」

 

 それを最後に、この柱会議は終了した。

 だが、後に気づくことになる。

 この判断が間違っていることに……。

 全員ばらけ、岩柱である悲鳴嶼は1人帰路に着きながら悩んでいた。

 お館様はどこまで知っているのか。

 そして、謎の力を得た竜宮進一を今後どう育てていけばいいのか。

 悩むと同時に、なにも話してくれなかった進一に対し、悲しい感情が溢れてくる。

 気づいたら涙を流しながら、玄関を開けていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 ーとある使われなくなった廃工場ー

 柱の緊急会議が始まる10日前。

 廃工場の高いところに、男と女が1人づつ立っている。

 そして、その下には、幾人もの奴らが、上を見上げ、なにかを待ち望んでいた。

 

「すごいなぁ、皆集まってるんだぁ」

「おい、ダクバ、こんなところにつれてきてなにをする気だ」

「あは、君は僕たちの存在意義を知っているでしょ? 殺し殺され、蹂躙し、それを生き甲斐にしている。それが僕ら、グロンギさ」

「あぁ、それは知っている」

「僕たちはより強いものを求める。ここにいる全てのグロンギはこれからゲゲルをし、最終ステージまでクリアすることで、王である僕と1対1の殺し合いをすることになるんだ」

「それと、私、なんの関係がある」

「そうだね、僕たちはこれから大量のリントを殺す。だけど、それだと昔と変わらないから、少しボーナスを入れようと思って、それと鬼? だっけ、君のことも皆には言っとかないと、奴らすぐ鬼も殺しちゃうからさ。だから、そのために呼んだんだ」

 

 ダクバは全員に向かってこう言った。

 この世に存在する鬼、それはここにいる鬼舞辻無惨の配下である。

 鬼舞辻無惨はこのゲームの新しい要素だから、その配下の鬼を邪魔し、殺すのは無し。

 そして、鬼を殺す鬼殺隊という、部隊員を1人やると、日数1日を伸ばすか、ポイントが2増える事とする、その判断はゲゲル進行役が決めることができる。

 但し、その中でも柱といわれる者を殺したら、先ほどの3倍とする。

 

「こんなものかな。さあ、鬼の首領、挨拶しようよ」

「私は、鬼舞辻無惨。貴様たちを別に期待等していないが、あの鬼殺隊に地獄を見せてくれるのなら、歓迎しよう」

「いいね、じゃあ、いまこの瞬間、ゲゲルを開始するよ。あとは、こっちの問題だから、君は帰っていいよ」

「そうか、じゃあ、下がるとするよ」

 

  ベン

 

 どこからか、弦楽器が弾かれるような音が聞こえると、鬼舞辻無惨は姿を消した。

 

「あーあ、面白くなりそうだなぁ。ねえ、ゴオマ?」

 

 グシュ

 

 ダクバはそう言うと、ゴオマの腹を貫いた。

 

「ルールは守らなくちゃ。誰がリントを殺していいといった?」

 

 グジュグジュ

 

 貫いた腹をぐりぐりと広げていく。

 

「でも僕は寛容だから、これくらいで許してあげる。気を付けるんだよ?」

「ログギパベ……ガシラゲ……ン。ゴグ。グッ。(申し訳……ありませ……ん。王。グッ)」

「本当だよ。まだ、僕のベルトも壊れてるままなんだよ? それなのに余計なことしてくれて。そうだな。ゴオマ、君が最初だ。バルバいいだろ?」

「はっ。では、期限は、12日、人数は46人、やれ」

 ゴオマといわれる怪人は、その話を聞くと、ブレスレットをつけ、どこかへ飛び去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ー岩柱屋敷ー

 進一は悩んでいた。

 それはそれは悩んでいた。

 いま、悲鳴嶼さんに、すごい顔でクウガのことについて聞かれている。

 もはや尋問だと言ってもいい。

 だが、俺もよくわかっていないこのことを説明しようがないのが事実である。

 

「進一、正直なことを言ってくれ。お館様も言っていた鬼ではない生物は何者なんだ」

「同じことの繰り返しですが、俺もわかりません。邪悪なるものとしか表現できないのです」

 

 切実に思う。

 こう言うとき、カナエかしのぶがいてくれたらと。

 だが、生憎あの2人は任務中でここにはいない。

 

「私は、お前を信じている。だから、知っていること話してくれ」

「多分ですが、悲鳴嶼さんが聞いた話が全てです。そして、俺はそれを倒す力を手に入れました」

「…………。そうか、嘘は言ってないようだな」

 

 悲鳴嶼行冥という男は、目が見えない。

 だがその代わり、心を、相手の本心を見ることができる。

 だから、彼に嘘は本当は通用しない。

 でも、彼は優しかった。

 そのためにわかっていても口に出すことは少ないのだ。

 

「竜宮進一、君は私の継子にはなれないと言ったかもしれない。その代わり、私が若いころ納めていた武を君に授けようと思う。きっと、君には剣術より肉弾戦の方が多くなると思うからな」

 

 なにかを決心したのか、悲鳴嶼さんは、急にそんなことを言い出した。

 否定はさせない、そんな物言いだから、俺は小さく、

 

「はい」

 

 と答えると、満足したような顔のまま居間を出ていった。

 その1時間後、玄関から、声が聞こえた。

 

「ごめんくださーい、刀鍛冶の、錦でーーす」

 俺は走って玄関までいった。

 やっと、やっと俺の刀が来たんだ!! 

 玄関を開けると、トレンチコートに身を包み、フードを深く被って、顔もよく見えない奴が、刀を入れたと思しき袋を背負って、立っていた。

 

「おぉ、やっと来た。ん? 君は?」

「えっと、竜宮です」

「ああ、君が。僕は刀鍛冶で、君の刀を打った錦透だ。さあ、これが君の、君だけの刀だよ」

 

 そう言うと、玄関で、俺に刀を渡してきたのだった。

 




お館様の状態
お館様は、まだそんなに病が進行していないので、目も見えるし元気です。

お久しぶりです。
最近やたらと忙しく、書けていなかったのですが、なんとか書けました。
1ヶ月も空いていたのか、本当は1週間か2週間ぐらいでこの話をあげる予定だったのに、恥ずかしい。
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