偽マフティーとなってしまった。   作:連邦士官

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第26話

 ハスラーとの話をしていて驚くことばかりだ。

「ジャムル・フィンはオプションパーツを着けて、木星や火星を攻略し、外宇宙を制圧するための機体だった。我々は木星と火星を危険視していた。奴らは信用ならないことに関しては信用が出来た。」

 知らんがな。キシリア派だけどんだけ迫害されてるんだよ。いや、キシリアがギレンを殺してなければア・バオア・クーへの一回の攻勢は耐えてそうだが。ジャムル・フィンよりもデンドロビウムの方が気になってしょうがないわ。あれはどうするんだよ。ジャムル・フィンはまだまともな方だろ。

 

「それに何者かに奪われたプルシリーズのデータ、そして地球連邦政府がリストラしたニュータイプ研究所の職員たちも消えている。アクシズの元研究員もだよ。嫌な予感がする。このままだと、完全に調整されたプルシリーズが来るやもしれない。」

 プルシリーズアゲインとか怖いからやめてほしいよ。プルとプルツーを姉さんと呼ぶマリーダぐらいで勘弁してくれないか?ニュータイプ+コーディネーター+強化人間みたいなものだぞ、プルシリーズ。そこにアグニカ・カイエルを見れる人ならいいかもしれないが、俺は違うから許してほしい。

 

「ならば、完全なプルシリーズは何をすると言うんだ?」

 実際問題、困ったらジュドーに頼めば何でもできると思うが‥‥。バナージでもなんとか出来そうだな。プルシリーズにお兄ちゃんと呼ばれるバナージ。バナージの心がシャンブロと戦ったときより傷が深そう。シャンブロに乗ったプルシリーズをビームマグナムで撃つバナージで心が死ぬのでは?

 

「その完全なプルシリーズは、ニュータイプの特権で距離に関係なくテレパシーで繋がっていて、膨大な情報処理ができる。その上でお互いにわかり合って調和をしているからこそ、圧倒的な戦闘力があるだろう。ミノフスキー粒子に干渉されない通信手段を確保している訳だ。司令塔となるプルシリーズを頂点とする一種のコロニーを形成しているはずだ。」

 話を聞く上だとニュータイプの理想系というよりもミサカネットワークじゃない、それ?しかし、それが出来てもカテゴリーF扱いされるからな。実際は距離と誤差が生じない上にクリアな通信とか引く手数多な気がするが。

 

「ゾルタンなども居ただろう。ならばジオンはまだ強化人間を隠しているはずだ。すべて出せ。」

 まじでお前ら、ろくな事しないからな。ジオニズムに魂を焼かれたジオニスト共め。アナハイムの方が頭アナハイムなだけでまとも‥‥いや、両方いなくていいわ。サナリィに切り替えないとな。アナハイムくんは尻で椅子を温めるだけの存在になってて。とりあえず、強化人間は不確定要素が多すぎるから早めに申告しろ。

 

「強化人間に関しては二人ほどいる。ゼロ・ムラサメとレイラ・レイモンドだ。他にも何人かは‥‥。」

 安定してない強化人間を出すな!バハロのバカ野郎!どんだけ抱え込んでいるんだ、ふざけやがって!だからお前の墓の前で俺がおもちゃにされて反省を促されるんだ!水着でMSに飛び込んでビームサーベルで焼かれろ!

 

「ここにぴったりな人材がいる。ウォルター・カーティス退役少将らにダグラス少将、ケン・ビーダーシュタット退役中佐など立派な重力戦下のプロという存在だ。」

 お遊びオエンベリに本物の軍人を連れてくるな!まともな軍事行動をできるチンピラにクラスアップしてしまう。まともな軍事行動ができるチンピラはジオンに地球連邦軍にティターンズにエゥーゴ、アクシズ、ネオ・ジオンにザンスカール‥‥大体の宇宙世紀勢力は軍事行動ができるチンピラだった。だったら、質でそこそこ地球連邦と張り合えるクーデター軍になってしまう。

 

「我々はジオンとも地球連邦とも木星とも違う、マフティーだ。スペースノイドにもアースノイドにも肩入れはしない。マフティーはマフティーを持って、すべての人類を平等に扱う。全ては同じだ。地球を酸素と水の供給源として保護はするが、それだけだ。万人に同じ機会と立場を与えれば、立場が人を作るであろう。」

 口を付けずに冷めてしまったコーヒーを窓から外に捨てる。コーヒーが描く放物線に光が当たり、虹のようなものが見えた。適当に話してるだけなのに、シャアの代わりにエゥーゴ残党とティターンズ残党とキシリア派以外のジオンの再集結をする羽目になるとか意味がわからない。ジオン星人共め、星の屑作戦どころか話にもならんわ。

 

 いや、待てよ‥‥ミネバとブライトとハサウェイがこの組織のリーダーになれば纏まるのでは?他には、シン・マツナガも居る。リーダーになれる人材で議会を作り、新しい世界にはマフティーは必要ないと消えれば完璧では?こうなるとジュドーとカミーユ、バナージも釣れるはず。ニュータイプに任せればいい。バナージとブライトと流石にリディは戦わないだろう。

 

 ミネバとセイラによりジオンとザビ家の和解を演出、ブライトとハサウェイにより地球連邦側を押さえて、シン・マツナガがジオン共和国派を制御する。ルナリアンは知らん。乾いて死んだら?あんなのを味方に引入れたら崩壊するわ。ルナリアンはルナリアンって種族だから、人類には加算しない。

 

 ルナリアン評価を下げているのはグラナダとフォン・ブラウンとアナハイム・エレクトロニクスの三巨塔だ。ろくなもの無いな。

 

「預言者のようなことを言うのに、ニュータイプではないと?」

 お前は何を言ってるんだ。ニュータイプだったらもっと強いわ。天パには勝てないわ。何だアイツ、出会い頭にビームライフルとミサイル乱射で必中させつつ、近寄ってきた敵にはバルカン、ミサイルが来たら弾頭の信管を避けて切り裂くとかいうイカれたニュータイプだぞ。

 

 ファンネルやビットを単純に撃滅するぞ。ファンネルが無い方が強さが上がるからな、アムロ。みんながリアルシューティングをしてる中で一人だけシステムがスパロボですみたいな男こそがニュータイプなんだよ。情けないMSでも、情けないオールバックを殴り倒したと思うぞ。

 

「ニュータイプなら予言が当たるならハマーンの予言は当たったかね?シャアの予言は?当たらない。ニュータイプが万能なら、ニュータイプはニュータイプではなく神だ。神は間違わないのだから恐ろしい話だよ。ニュータイプは人であるならば間違わなければならないさ。」

 本当にニュータイプに対して適当なことを言ってるだけでニュータイプやマフティーだとか言うとか、宇宙世紀の閉塞感から来るおかしな事になっているのでは?おかしいし、怖いよ。深読みし過ぎなんだと思うが、宇宙世紀の背景を考えると深読みもしたくなるだろう。

 

「ならば、ハマーン様は人の身で光を求めて神になろうとしたからあぁなったと?」

 いや、父性を求めただけのシャアの女性版でシャアの厄介なファンです。そう言えたらいいが‥‥ある種、チェンソーマンのマキマに近い何かではあるが、シャアの心が折れたら「ハマーン、来てくれ頼む。」が発動して勝利があるからマキマよりも勝率が高い。しかし、勝率だけならアグニカしてバエレば確定勝利するマクギリスなる、どのルートでもバエルにさえ乗れれば勝利が決まっている約束された勝利の男がいるからな。絶対に折れない剣が折れるとかいう謎の武器を装備していたが。

 

「光を求めすぎて羽が溶けたんだよ。イカロスのように‥宇宙から荒れた大地に魂の光がこぼれ落ちていったんだ。人間は逆立ちしたって神にはなれんさ。神は神として、人は人であるならば、全ては決められた定めに操られている運命律に踊らされている存在に過ぎん。」

 マジで神や運命どころか俺はマフティーにマフティーとして、マフティーダンスを踊らされているネットのフリー素材だから、もう許してほしいよ。ネットのフリー素材であるこっちの気持ちがわかるか!アスランやシャアならまだしも、俺は酒場で踊ったら動画サイトで踊らされるフリー素材になったんだぞ。

 

「太陽を目指して飛んだイカロスと重力井戸の底を目指して飛んで羽を溶かされたハマーン様ですか。」

 いや、実際はジュドーに私の父になれみたいな感じの迫り方をしてるやばめの女だぞ。ミネバにこの話をしてみたいが、ハマーンはそんな人ではありませんとかブチギレられそうだな。黙っておこう。

 

「光を求めるが故に、光に身を焼かれても満足になるのさ。人も虫も同じだ。光を求めすぎて身を焼かれる。無益な話だ。」

 アニメの世界に行ったらチートしてやるとか、学校にテロリストがとかは考えた事があったが、実際なってみたらそれどころでは無い。俺は俺として今、この世界に立っているが、それでも俺は‥‥心が折れそうになる。しかし、戦わねばならない。それが戦士たるマフティーなのだから。でもやっぱり辛いわ。

 

「ならば、シャア・アズナブルという男はどうなりますか?」

 知らんよ、情けない赤いおっさんだろ。アムロが同じ状況下だったらシャアより跳ね返して内部から変えていきそうな気もする。シャア・アズナブルは何でも9割方出来るから何も出来なくなった最高の器用貧乏だろう。クソ、ふざけやがって。どうせならマシなキャラクターになれたなら‥‥生きたいけど生かしてくれない、周りに踊らされるかぼちゃの中のマリオネットになってしまった。

 

「シャアは‥勝てないからこそ、勝つ男なんだ。俺を見てくれ、勝ってるように見えるか?俺は勝てないのに勝ってない男さ。シャアの再来でもない。戦いに勝っても勝負に負ける。アクシズを押し返してもシャアはそこに人類の暖かさや人類の可能性を見て、虹に乗った。勝ち逃げしたのさ。残されたものはシャアを評価せざるをえない。武力闘争は間違いとしてもだ。」

 シャアに対しては父親と母親をこじらせた、ハマーンと同じこじらせた男、と言いたいがハスラーが怒るだろうし止めておこう。最悪、ハサウェイがそれで天パ化してこちらを殺そうとしてくるかもしれないから。生身で数人のテロリストを苛ついたから殺せる男だからな。ハサウェイ。

 

 ハサウェイは迷っていても現実世界をFPS化できるシャア以上の天パ族だから、吹っ切れたらアムロ同様スパロボ化するかもしれない。ストレスをかけ過ぎないようにしないとカミーユみたいな生身の人間にMS攻撃を躊躇なくするようなカリカリカミーユみたくなられても困る。逆に合理性のスペシャルであるウッソみたくなられても困る。ハサウェイはハサウェイのままでいい、これ以上手綱を引けなくなられたら困るわ。

 

「まるで、シャア・アズナブルと親しいようなことを言う。やはり‥‥いや、やめておきましょう。」

 なんで、シャアと親しく聞こえるんだ?むしろ、シャアは超一流には勝てない一生二番手の男って評価のニュータイプのなりぞこないだし、シャアを真似たフル・フロンタルはなりぞこないのなりぞこないで頭クルーゼなんだぞ。それに、やはりとはなんだ、やはりとは。

 

「俺はシャア・アズナブルではない。今はマフティー・エリン大尉だ。それ以上でもそれ以下でもない。ましてや、アムロ・レイでもない。カミーユ・ビダンでも、ジュドー・アーシタでもない。誰でもない。ただのマフティー・エリン大尉だ。」

 いや、本気でシャア扱いとか天パ扱いは辞めてくれよ、人間辞めてるじゃん。まだシロッコ扱い‥‥強い島田兵扱いは嫌だな。じゃあ、誰ならいいのかわからないが。

 

「しかし、人々はシャア・アズナブルかアムロ・レイの蘇りだと言っていますよ。私は一つの確信を持っています。」

 勝手にそれを言ってるのは紅茶野郎だろうが。

 

「人が信じるなら正しいわけがあるならば、今の世の中は誰も信じれない人々が増えている。じゃあ、全てが間違ってるとでも?」

 強めに聞いておかないと厄介なことになるかもしれないから聞いておく。

 

「だから、人々を踊りで信じてみたいと思わされたのでしょう。わかりますよ。貴方はハマーン様が求めていたものを持っていらっしゃる。」

 欲しかったの父親だろ、ハマーン!俺は知らんわ!なんで全部わかってますよみたいな態度を取れるんだよ!ニュータイプじゃないから許してくれよ!何故、みんな俺を特別だと思う?特別じゃない普通のオールドタイプだぞ。

 

「だとしても俺は俺だ、変わらない。ニュータイプが羽持って飛べないようにオールドタイプも何も飛べないさ。ファーストペンギンは知っているか?群れのペンギンが天敵がいるかもしれない海に飛び込みたくなくて、しかし押し出されて入ってしまう最初の一羽のことだ。その弱虫なペンギンだよ俺は。」

 本当に生きるのは難しいものだ。というか、ニュータイプ神話なんて言う万能論があるから何でもニュータイプ、ニュータイプと話す。で、ニュータイプ、ニュータイプ言ってくる。疲れる限りだ。

 

「しかし、最初に入ったペンギンは一番魚を得られる。違いますか?」

 ハスラーの指摘に疲れた。俺はテレビを点けて誤魔化そう。

 

 テレビを点けると首相が映りだした。そして、首相は話し始めた。

 

「マフティー・ナビーユ・エリン!我々にはブライト・ノアを解放する用意がある!今すぐアデレードで会談を要請する。明日の正午まで返事を待つ。」

 

 まだまだこの忙しさは終わらないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ハートフルなBLACK LAGOONにワルドを転生させる逆ゼロの使い魔を書いてみたい。

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