偽マフティーとなってしまった。   作:連邦士官

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第29話

「銃をおろせ、エメラルダ、ガウマン。君等の敵では無いよ、俺はな。しかし、君らが俺を敵と見ない限りはそれだけだよ。あと、人を変な文の内容だというのはよさないか。ガウマン・ノビル。」

 マジで怪文書の素材とかやめろよ、コラ素材で怪文書素材でレスバ要素でMAD素材とかシャア・アズナブルかアスラン・ザラかよ。俺はタキシード仮面でもないぞ、やめろ。キレるからな。ネットのおもちゃじゃないんだよ!ふざけるんじゃないよ!

 

「言葉だけでは信じられんな。ニュータイプなのかシャア・アズナブルの亡霊なのか、アムロ・レイの亡霊なのかは知らないが、死人は墓場で眠っているんだな。マフティーとハサウェイを返してもらう。それとも、あの踊りでも踊ってくれるのか?ええ!マフティー・エリンさんよぉ!」

 あれは2回しか踊ったことがないのにあっという間に無数のミラーで増殖させられた人間の気持ちがわかるか?お前を机に叩きつけてドラム代わりにしてやろうか?

 

「失礼だぞ、ガウマン!大尉によさないか!大尉に勝てるわけがなかろう。」

 話すな、ハサウェイ!お前はこじらせる天才だからな。

 

「こんなかぼちゃ踊りの民族舞踊にもなれないふざけた踊りが、こんなに意味を持つ訳が無いだろう。こんな踊りを考えたやつは暇なんだよ。学があっても暇人の踊りに付き合う必要ない。わかっているか?ハサウェイ!!」

 ガウマン、まともなことを言うじゃないか。だが、ハサウェイを刺激するなよ。やっと安定してきたところなんだから。ギュネイより安定してないぞ、ハサウェイ。

 

「暇?今、暇といったか?ガウマン、俺も大尉も暇ではない。マフティーという崇高な理念の為にアデレードに死にに行くんだ。俺は暇ではない!」

 なんでお前が暇に対して怒るんだよ!内心自分は暇人だと思ってるんじゃないのか!?暇に対して反応しすぎだろ。

 

「ハサウェイ、死にに行く訳ではない。向こうがビームバリアを仕掛けていてもビームバリアを無効化する手段はある。それにだよ、覚悟を決めたならばやってみせろ、マフティー。ビームバリアの一つや二つ、なんとでもなるはずだ。」

 むしろ、ペーネロペーが無ければビームバリアに当たる要素が無いよな。ハサウェイ、おかしいもの。

 

「あぁわかったよ、マフティー。俺は今はマフティーだもんな。親父にアデレードで虹を見せてやる。」

 虹を見せようとするな!あんなものやめろ。ジャブロー上空に大海原を見たとかそういうレベルの話だろ。ヅダはゴーストファイターではないとかいうのと似たようなものになってるぞ、ハサウェイ。そういえばデュバルも怪文書レスバトラーだったな。

 

「付いていくだとぉ!ハサウェイ!」

 ガウマンも驚いているだろ。デュバルよりも怪文書レスバトラーになった仲間とか怖かろう。俺も怖いし、お前も怖い。ブライトに殴ってもらおう。いや、ブライトにジェリド並みの頭にトーキックして貰ったら治るかもしれないが、元々がマフティー声明文を考える程度には怪文書ライターなのだから、助かりはしないのかも知れん。同じ怪文書レスバトラー扱いをされているミネバが来てくれたら変わるかもしれないが。

 

「よく喋る!ガウマン。お前が何を言おうと‥‥エメラルダ、見えてないからといってスモークグレネードを投げようとしているが、それは閃光弾だ。背中を向けているからわからないわけではない、やめておけ。ガウマン、なぜここに来た。戦いに来たわけでもあるまい。一時、共闘と行こうじゃないか。」

 油断も隙もない。ガウマンはメッサーでペーネロペーを小破させた現状では有能なパイロット。敵にするよりも味方に置いといたほうがいいだろう。

 

「信じられる要素があるとでも?どうやって、マフティーを乗っ取ろうとした男を信じられるか?トチ狂ってお友達になりに来たとでも?」

 やはり、ガウマンはまともだ。そしてハサウェイはプレッシャーを出すのはやめろ。どんだけマフティーが好きなんだよ、お前。頭マフティーかよ。いや元々、お前マフティーの頭だったな。おかしいよ。おかしくなかったら環境テロリストしてないだろうけどさ。

 

「ガウマン、大尉の言う通りだ。我々には戦力が足りないがオエンベリには戦力がある。一年戦争からラプラスの箱騒動までの機体が揃っている。パイロットも沢山いる。なにより、大尉はアムロ・レイやシャア・アズナブルを越えて、マフティーとなった男でもある。ならば、我々もマフティーとして垣根を越えてマフティーの正道、反地球連邦政府運動へと帰ろう。これは邪道だった俺たちのテロではなく、地球連邦政府に反省を促せる機会なんだ。わかるだろ、ガウマン。」

 お前はなんでそんなに俺を信用しているんだよ。学歴は飾りなのか?そういえば、学歴が高いほどテロリストや革命家になりやすいもんな、暴力革命しがちだものな‥‥学歴はやはり伊達なのでは?

 

「オエンベリを巻き込んでまでも、は意味がわからないぞ、ハサウェイ。俺たちはマフティーとして独立している。それにヤブ医者が居なくてもアナハイムからの支援だってある。第二のエゥーゴになれる素質はある。」

 エゥーゴになったらブライトが処刑されるだろ。ヘルメットが飛んできて「これ、親父です。」とかいうハサウェイになったらどうする?環境テロリストからキレたニュータイプになるとか嫌だぞ。

 

「アナハイムに頼るから駄目になる。アナハイムは信用できない。現にこのガンダムを見ろ、アナハイム製だ。クスィーの方が若干性能がいいのも何機もこのガンダムを地球連邦政府に買わせるためだろう。奴らのセールスの手助けをする必要なんか無い!俺たちはマフティーなのだからマフティーとなるべきなんだ。しがらみや過去や未来さえ越えてマフティーと成れた時に、テロ活動をしなくても地球連邦政府議会にはマフティー議員が溢れ、自然な民主革命が成立し、やがてマフティーという一つの個体として地球圏が有機的な連帯をもって、一つのファミリーになれるとなぜわからない!ガウマン!」

 ファミリーとか言いながら殴るなよ。ファミリーパンチ怪文書レスバトラー暇人とか収容されてるべき人物だろ。アナハイムどころかアンブレラもびっくりだよ。なぜ殴るのかも意味がわからない。ウェスカー並にガバチャートでも組んでいるのか?

 

「っ!ハサウェイ!目を覚ませ!マフティーにそんな意味なんてない!」

 とガウマンが言い切った所でハサウェイが地面からとんでもない音がするくらい足踏みをして‥‥お前それ震脚だろ!?ガウマンに飛び腕ひしぎ十字固めをするように飛びかかり、ガウマンが腕を払おうとしたのをハサウェイは見計らって腕を軸として回って首を足で掴み、フランケンシュタイナーを決めて、抵抗できなくなったガウマンに三角絞めをして更に回転をし、遠心力で足の入りを強めていく。ワニのデスロールか何か!?

 

「ハサウェイ!それ以上やったらガウマンが死ぬ!エメラルダ!一緒にハサウェイを止めるぞ!」

 しょうがないのでエメラルダと二人がかりでハサウェイを引き剥がした。カッとなったら容赦をしないのはやはりニュータイプの特権というか天パ族だからだろ。あの時も迷いがあったからこんなに強くなかったんだろうが殺す気で来られていたら死んでいたわ。

 

 やっぱりハサウェイは、コイツは怒らせたら危ないわ。シャア・アズナブル的な感性と迷いに、アムロ・レイの戦士性が入って、感情が乗るとカミーユ並にカッとなる25歳怪文書系高学歴環境テロリストだわ。知性的なアスラン・ザラかよ。いや、アスランよりはマシだな。アスラン・ザラは言いすぎた。すまんな、ハサウェイ。

 

「何を考えている、ハサウェイ!ガウマンが危うく死ぬところ‥‥えっ!」

 怒っているエメラルダの後頭部に拳銃を押し付けて、CQCでぶん投げ無力化した。エメラルダがクラヴ・マガ、サバット、コマンド・サンボを使えたら危なかったが、動きを見る限り格闘技はあまり得意じゃ無さそうだ。ハサウェイが規格外だよ。何で宇宙世紀にエコーズより格闘技極めてるんだよ。まさか、八極拳使えるんじゃないよな。

 

「エメラルダ。終わりだ、拘束する。」

 ガウマンとエメラルダを結束バンドで手の指を一つずつ、右左で繋いで、手首を縛り、足の親指を結束バンドで繋ぎ、足首を縛った。当然武器を取り上げる。

 

「どこを触ってるんだい!そんなところに武器なんか無いよ!この女好きめ!」

 めちゃくちゃ罵倒してくるが、やはりあった。太ももの内側にナイフを隠していた。ベルトのバックルにもナイフを隠している。上着を脱がしてみると銃も出てくる。胸元を探るとここにもカミソリの刃があった。ラクス・クラインの胸じゃ出来ない仕事だな。武器をこんなに隠して座頭市かロベルタかよ。

 

「やはり隠していたな。動揺をしていたからわかった。捕虜になるか協力するかどうかの最後の選択肢だ。」

 明らかに動揺しているので威圧的に話しかける。

 

「マフティーと名乗るからには地球環境を考えているんだろう?」

 エメラルダの話は一理あるが俺には関係はない。

 

「俺は地球に興味はない。人類の存続性に俺は興味があるだけだ。しかし地球が潰れれば人類も沈む。自分が生まれた大地が滅んでまで前を向いて歩けるほど人類は強くはない。地球環境を改善させて水と酸素を人々に供給して宇宙に広がれば人類の軋轢も乗り越えられるはずだ!MSが人の叡智が作ったものなら人を救うのだって簡単なはずだ!」

 俺が叫ぶとエメラルダは驚きを抑えられないようである。地球圏外に人類が行く計画が始動したら、人類はマフティーを忘れるだろう。俺はそれに賭ける。分の悪い賭けだがやるしかない!

 

「聞いたか、エメラルダ!マフティーは未来を見ているんだ。地球なんて小さな問題ではない。地球から人々を外宇宙に進めて、人類史を地球中心から宇宙にして、本当の意味でのスペースノイドにしようとしている。これが俺が12年前に見たあの虹が続いた先にあった虹の果てだ!」

 ハサウェイ、興奮するなよ。神経が苛立つ!お前のせいだぞ!

 

「それでは自然な社会を目指そうっていうのか!?オーガニックな社会とやらで、人類をすべてニュータイプにするっていうのか!?その先になにがある!?」

 知らないよ、エメラルダ。ハサウェイが勝手に興奮して喋ってるだけだよ。マジでハサウェイが興奮して口走ってるだけだからわからん。

 

「その先はさっき言っていた!道のりは地獄で行き着く果てすら地獄でもさらにその先には人類が必要なものがある筈だと!地獄の果てに天国があると言うならば地獄ごと天国へと導いてやる!それが俺のニュータイプとしての覚悟だ!ニュータイプの‥‥いや、人類が目指すべき明日と言うやつだ!」

 何やらハサウェイが感動的なことを言っているが、怪文書を書いていたと思うと微妙な気分になってくる。しかし、これでハサウェイをマフティー活動のリーダーにできるはずだ。ブライト、許せよ。

 

「マフティー・エリンが‥‥、大尉が俺たちを導いてくれる。大尉はすべてを理解していた。あのマフティーダンスはおそらく大尉のダンスだ。マフティー性が虹に輝く男はマフティー・エリン以外にはいない!あの踊りに俺はシャア・アズナブルとアムロ・レイを見た。虹色の緑の光を発するのだ!俺にはわかる!」

 お前なんだよ。だから怖いんだよ、ハサウェイ!虹色に輝いて見えるのは気の所為だぞ。マフティーダンスに何を見てるんだよ。マフティーダンスを深夜に何回も見ながら、マフティー怪文書を書いているデカ文字、赤文字改行なしスペースなしでびっしりブログに文字を書いてる暇人かよ。

 

「ハサウェイ!よさないか!俺はシャア・アズナブルでもアムロ・レイでもない!ニュータイプでも無い。ただのオールドタイプに過ぎない。ん?」

 背中に冷や汗が流れて上を見る。あれは‥‥。

 

「ギャルセゾンだ!ここの対空はどうなっている!エメラルダ!答えを聞かせろ。指揮官機に乗っているお前が決めるんだ。オエンベリと一緒に戦うか、ここで朽ち果てる己の運命を恨むかだ。」

 ギャルセゾンはメガ粒子砲が撃てるんだぞ、ふざけるなよ。

 

「元からそのつもりだった。ハサウェイが居なきゃ組織が動かないから。」

 いや、だったらなんで殺気を放ちながら武器も持っていたんだよ。

 

「ならなぜ武器を持っていた!俺とマフティー・エリンは長年の仲だぞ。」

 知らんし、お前に「アムロおじさん」とか言われたこともなければアムロ・レイですらないぞ。

 

「しょうがないだろう。あんなことをする男が危なくない保証は無いだろう!」

 そんな理由で襲ってきたのか、お前たち!疲れるわ。ミディア隊の発進準備を整えてから仮眠を取ることにした。

 

 

 

 

 

 


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