偽マフティーとなってしまった。   作:連邦士官

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第30話

 ミディアにまた乗ることになる。乗り込む前に返信をアデレードに入れた。マフティーが訪ねに行くと。

 

 会議室にハサウェイ達といたので疑問をぶつけてみる。

 

「この戦力は過剰か?どう思う?ハサウェイ。」

 並べられたのはグラブロ、シャンブロ、量産型ビグザムにアプサラスIIとアプサラスIIIとアッザムにシン・マツナガたちの部隊とガウマン隊。何故か参加しているベイト、モンシア、アデルが乗る高機動型フルアーマーヘイズル・ラー、そして、ハサウェイのペーネロペーと俺の改造Ex-sガンダム。

 

「だけれどもこれぐらいはないとビームバリア兵器を前に我々は勝てないですよ、大尉。」

 市街地に躊躇なくビーム撹乱幕のM弾頭をぶち込んでやる。おそらく電化製品の何十%も死ぬがビームバリアを市街地で使うほうが悪いから、どうなろうが知らない。

 

「アーガマ級とネェル・アーガマ級をも連れていて、エンドラ級も参加させるべきです。巨大な相手と初めて認識して彼らは反省するでしょう。」

 まぁ、それはそうだろ。ジオンやネオ・ジオン相手にも舐めプする全身油断政府でもあるから。うん?アーガマ級から強い気配を感じるが多分、気のせいだろう。そんなものにブライトを乗せて大丈夫なのか?

 

「大尉、決断を。」

 ハサウェイがしつこいので許可を出すと喜んで何処かに行った。躁状態になってるんじゃないよな。

 

 ハサウェイは怖いんだよな。根本的にマフティーを信じているわけではなくて、暇人煽りとか特定ワードでブチギレるから強化人間みたいなんだよな。

 

「あぁ、わかったハサウェイ。だが、ハサウェイはペーネロペーで出てくれ。」

 ブライトを助けるのが先だ。ハサウェイは大丈夫だろう。グラサンノースリーブなら良い方向に向かっていると言うだろうから。だから、グラサンノースリーブの情けない奴なんだよ。

 

「しかし、大尉の機体は‥‥。」

 Hi-νガンダムを見るなよ。天パじゃないから。

 

「ハサウェイ、MSの性能差が絶対的な勝利の要因ではないことを理解しろ。性能差があっても囲まれたら勝てない。」

 袋叩きにされたら勝てないのはハンニバルが証明している。少数による包囲殲滅をハンニバルはしている。

 

「しかし、大尉はこの前は勝ったじゃないですか!あれこそが力があるパイロットでしょうに!一人が世界を変えるために戦えるのなら戦うべきだと思いますよ。」

 いや、もうあんな綱渡りしたくないよ。酷い武器のメドレーをさせられたからな。やめてほしいよ。なんで俺に戦わせたいんだよ、オールドタイプだぞ。

 

「自惚れるんじゃない!MS一機の働きで世界が助けられたり戦争が勝てるなどと言うほど甘いものではない!だから、しっかりと一歩一歩進むしかない。ガンダム神話は神話であって、戦況を変えるほどの力は持ち得てない。」

 いや、GP03を6機とディープストライカーを3機揃えたら勝てるかもしれないが。

 

「だが、男は自惚れれないのなら戦えもしないでしょうに!!ニュータイプになると決めたのなら、ニュータイプと自分を自惚れないとやってもいけないでしょう。それがニュータイプというものだろうに。ならば俺は自惚れますよ、ニュータイプとして親父の前に立つために。それがニュータイプってものでしょう!」

 知らんがな。ニュータイプもオーガニックも聖戦士も何も知らんがな。何もわからないのに聞かれても知らないわ。

 

「自分の中の答えがあるのなら、ハサウェイ、それを信じろ。ニュータイプではない俺にはわからない事さ。ニュータイプが殺し合いの道具ではないとしたら殺し合いをする俺はオールドタイプとして、ニュータイプになろうとしているハサウェイを見ている。それだけだ。ニュータイプになっていけ。」

 そのまま走っていけ、俺の知らないところに‥‥ハサウェイ。俺は疲れたから。

 

「ミディアをガンシップにするのに格納庫にヒルドルブを固定するとは。」

 30サンチ拡散弾を市街地に振らせる羽目にならなければいいけどな。

 

「アーガマを連れて行くなら、甲板にライノサラスとザメルを固定してくれ。ザクスナイパーやジム・スナイパーも乗せてな。」

 目に見える戦力は多い方がいい。火線が増えれば増えるほど強く見える。中身は知らないが強く見せるのが重要だ。警備員だって弱くても強そうに見えるのが条件だからだ。キンバレーが好き勝手させない警備員が必要だ。クラップ級5隻とラー・カイラム級3隻を持っているのだから気が大きくなって襲ってくる可能性もある。

 

 ほとんどロンド・ベル艦隊ではあるが、キンバレーに従うかが怪しい。なんとなくテレビをつけると速報が流れていた。

 

『速報です。キンバレー・ヘイマン大佐が功績が認められた人事により、准将に昨日23時頃に就任され、僅か1時間の後、翌日の0時を持って少将に任命され、新たな通称ロンド・ベルの提督に就任しました。A.G.E.やマフティー軍に対する鎮圧任務を任された事により、作戦時の特例的な人事でこの作戦中だけは中将となると今日発表されました。わずか38時間で3階級特進した軍人は類を見ず、キンバレー中将の手腕に期待が寄せられます。』

 いや、3階級上がるとか何なの?ヤン・ウェンリーより昇進スピード早いじゃないか。クーガーなのか?昇進はスロウリィで良いよ。人事課苦労してそうだな。中将とか言われてもグリーン・ワイアットは大将だからティアンムぐらいの地位と考えたならば、ロンド・ベルよりも戦力持っているはずだよな。

 

 やはり、派手な戦力が必要だな。

「大尉、キンバレー・ヘイマンの奴は親父を生贄に出世をするので忙しいのならば、忙しさにかまけて戦えもしないだろうから、その命運を断つ。しかし、私情で戦うのはマフティー性に反する。それでも、ブライト・ノアの息子のハサウェイ・ノアとしての正当な怒りでもある。人々は過ちと人は許すが、罪は許さない。ならばその仕組みを含めてキンバレーをマフティーが粛清する!」

 えっ?アデレード攻撃宣言並みに話されても困るんですけど。キンバレーが偉くなっても別に問題はないだろう。無能が偉い方がこっちもやりやすくなる。言ってることが意味不明なんですけど。通訳来てくれ。

 

「落ち着け、ハサウェイ。これはチャンスだ。ブライトを処刑したならば、キンバレーがロンド・ベルを抑えられるわけもない。なら、ブライトに危害を加えないはずだ。だとすればこれは罠だ。罠と分かっているなら話は早い。何をすればいいか分かるか?」

 なんで、俺はハサウェイをコントロールしなきゃいけないんだ。トールギスより殺人的な加速をするんじゃないハサウェイ。お前の危険度は私の愛馬は凶暴ですとか言う兄貴と兄さんが口癖の怪しげな雰囲気のカテゴリーFか?

 

「しかし!人々がマフティーを求めているのならば、こうしている間にも親父は、マフティーを‥‥大尉を求めていますよ。いや、12年間そうだったかもしれない。待たせた、待たせすぎた。わかりますか!大尉!」

 大尉、大尉ってお前はカミーユかよ!情けないノースリーブのグラサンより俺は弱いし、ニュータイプのなりそこないですらない俺に期待を寄せ過ぎなんだよ。俺に何ができると言うんだ?いや待てよ。

 

「ハサウェイ、作戦がある。とびっきりのやつだ。アストナージのサラダよりとびっきりのやつさ。」

 この作戦なら上手くいくはずだ。多分、おそらく。そう勘が告げている。

 

「作戦名はマーケットガーデンだよ。」

 欺瞞活動にもなる。まず、多数いるアッグや水泳部を集めなくては。この作戦に失敗したらブライトと言うまとめる事ができる存在がいなくなる。ネオ・ジオンの残党だってシャアの元艦長を、ティターンズだって一年戦争の英雄には従うだろうし、エゥーゴ幹部だったブライトにエゥーゴ残党は従うだろう。ここにミネバとセイラが居なければまとまらない。ブライトは重要な位置にいるんだ。

 

 それにしても、ブライトがガウマンの代わりにメインヒロインみたいなポジションとか、誰が得をするんだよ!答えてみろ!フル・フロンタル!フル・フロンタルは何も言わない。ついでにシャアもゾルタンも何も言わない。

 

 いや、返事が来たらララァかサイコ・フレームぶつけるわ。悪霊には悪霊か呪いをぶつける。多分、ララァが対消滅していい感じになる筈だが、ララァならフル・フロンタルやゾルタンには、ララァが勝ちそうだな。ニュータイプ能力が魂の強さなら、だが。

 

 そう考えている間に仮眠を取る準備を進める。ハサウェイが寝ている間にマスクを取らないとも限らないので、自室に戻り寝る準備をする。ハサウェイは上がり下がりが激しいから怖いんだよな。ジュドーかアムロぐらい安定してほしいわ。

 

 カミーユは論外で、ニュータイプがより強いほうが頭強化人間に近付いていく、カツもニュータイプ能力が高かったのか?

 

 廊下ですれ違うジオン残党達に敬礼をされたり、「ジーク・マフティー。」と言われたり、影で「シャアの再来。」と罵倒されたりしているが、我慢をする。シャア扱いするの止めてくれよ。シャア扱いするならせめて、アムロとかの方がいいわ。アムロ扱いでジークとか言われたら鋼鉄ジーグぽいな。

 

「ジーク・マフティー!ニュータイプ論についてどう思われますか?」

 何だコイツ、絡んできやがって。神経が苛立ってるときに絡んでくるとか、どんなに迷惑か分かっているのか?無視をして歩く。

 

「ニュータイプについて、お答えください!マフティー・エリン大佐!」

 よく喋る!大佐じゃないわ! 「大佐、邪魔です」とか「寂しい青春なんだな」とか「そんな大人!修正してやる」とかニュータイプのなりそこないに「世界が自分を中心にして動くと思うな」や「情けない奴」とか「ララァがお母さん?」とか言われたことないわ!八割方、様々な理由で逆襲しだすオールバックと同じ扱いするなよ!ミリアルドの後に逆襲しだすシャアとかも居るんだぞ。

 

「ニュータイプは幻想だよ。人は人でしかない。言葉も意識も交わさずにニュータイプとして、相手の考えを読み取るなどとは不愉快さが勝つ。わかり合うのには時間が必要だからこそ、人々はパーソナルエリアや旧時代の国家を作った。ニュータイプだとしても相手に敬意を払わずに、敬意だけ払ってもらおうとしたパプテマス・シロッコは、天才を自負したが自滅した。何故なら、奴は敬意を持っていなかったからだ。」

 取り敢えず一般論で殴りつけて、逃げようとするが縋ってくる。しつこい!ジェリドか何かか!?

 

「マフティーはニュータイプではないと言っていましたが、マフティーならば、それを超える敬意を払えるとも?マフティーは貴方個人でしょう?」

 知らねぇよ!だからさ、宇宙世紀の人々が勝手にマフティーに意味付けをしたのなら、その責任を取ってマフティーの意味を言えよ!勝手にマフティーの違法建築しておいて「これは何?」とか聞くんじゃないよ!アントニ・ガウディのサグラダファミリアみたいなものだろ。違法建築を合法建築と言い張っても、無いものを「ある」と言われても困るわ!色即是空や万物は流転するってだけだろ。一度も同じではなく、移り変わるマフティーにどう答えろと。

 

「マフティーは個人ではない。マフティーはマフティーである。マフティーを求めるのは求道者だ。求道者とは古代アジアにおいて、老子という人物がタオを提唱し、無に生まれ、無に帰るとして道を求めた。これを王道や奇道という。マフティーは全てを内包して、またマフティーに帰るのなら、マフティーはこのタオそのものなのだ。物質と無を繰り返す終わりのないメビウスの輪こそマフティーに他ならない。決定と反省と修正を繰り返し続けることで前に向かい続ける。これこそがマフティーという人間讃歌だよ。」

 意味わからないがドバーと情報の洪水を浴びせて、追いかけて来れなくしてから、自室に逃げ込んだ。

 

 自室に入ると寝る準備を整えて考えをまとめていると、一つ思った事がある。このまま、ハサウェイが暴走したらどうなってしまうのだろうか?ハサウェイが暴発したらビームバリアを食らうかもしれない。実際にはシャンブロたちを連れて行くから、キンバレーのやる気は無くなるかもしれない。

 

 しかし、暴発はキンバレーでは抑えきれない上に、キンバレー自体が暴発するのだからそれは話にならない。なんで、ケネスが片付いたと思ったらキンバレーが危険人物にポップアップするんだよ。終わったら増えるとか何なんだよ、追加シナリオかよ。ダウンロードしてないのに勝手にDLCがインストールされてるのか?自動パッチ、バグ生産かな?消費者庁コラボするわ。

 

「疲れた。が‥‥。」

ブライトを救い出さねばならない。目を閉じると一気に眠気が来て寝た。

 


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