偽マフティーとなってしまった。   作:連邦士官

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第34話

 ジェガンから降りると直ぐにクシャトリヤのコックピットを開けて、中で気絶しているだろうパイロットを引っ張り出そうとするがヒヤリとして、中に閃光弾を入れて再びコックピットを閉める。コックピットの外からでもわかる巨大な音が響いた。

 

 再び開けると完全に気絶しているだろうパイロットを縛り付けてコックピットの外に出し、ヘルメットを取る。赤髪だ。やっぱりプルシリーズじゃないか!レジオンかなにかなのか?

 

 しかし、ギレン派がレジオンに合流してない気もするが‥‥。頭ジオンだからわからないな。雨が降ったあとの夏場の空き地並みに湧いてくるしな。

 

「全く、厄介なものだな。プルシリーズ‥。仮定すると第3から第4世代か?一応、ギレンが父親らしいからな。」

 なんでこんな10代前半の子供を縛り付けて運ばないといけないんだ。マンハンターの死体がある。喉が割かれて舌を引き出されて死んでいる。体を掻きむしって頭を自ら撃った死体もあるが、もしかしてギンピー・ギンピーで擦られたのか?

 

 マフィアかなにかか?連邦市民って‥‥まぁ、マンハンターもやらかしてるからな。

 

 プルシリーズをジェガンのコックピットに入れるとサイコガンダムMk-IIのコックピットを開けようとするが表面が熱い。が、素手で落ちていた鉄パイプを使い、半分まで開いたコックピットの蓋を引き上げる。鉄パイプから熱が伝わり手のひらが焼ける。知ったことか!手が焼けようがそれを理由に出撃を拒否できるからな。

 

「開けよ!」

 鉄パイプが歪むぐらい力を入れて無理やりこじ開ける。中はトースターぐらい熱気を感じるが、多分、中のパイロットは生きている。さすがプルシリーズだな。何ともないなんてな。ヘルメットを外すと息が荒いくらいで、外傷はない。キラの上位互換かな?

 

「しかし、こっちは10代後半に見えるな。とするとかなり昔からあの紅茶は準備をしていた?」

 アクシズを引き渡したのも納得がいく、プルシリーズの研究データを引き抜いたのがバレないように証拠隠滅を兼ねていたのか。

 

「まぁ、いい。これでサイコガンダムMk-IIとクシャトリヤが手に入った。全く豪華な話だ。」

 こちらの戦力は高火力ではあるが、プルシリーズが何人いるか分からないからな。プルシリーズが100人近くいたら勝てないぞ。多分α・アジールやノイエ・ジールIIやらクィン・マンサぐらい持ってきそうだな。プルシリーズを乗せて。

 

 プルシリーズが戦艦に乗って、ラグがないニュータイプの伝達で運用していたら化けるぞ。秘密裏にラー・カイラムぐらいは用意してそうだしな紅茶。しかし、ジャックのA.G.E.と紅茶野郎は協力しているのだろうか?

 

 してない気もする。マフティー性の違いで分派しそうだし。マフティー性ってなんだよ。フル・フロンタルでもなんでもいいから教えてみろよ。ハサウェイはハサウェイだし。大学生ノリ激ヤバ環境テロリストからは立ち直ったけど‥‥ブライト、それとハサウェイを殴ってくれよ。それはそうとブライトの胃がやられそうだな。頭リディと頭ハサウェイの組み合わせで、まともなのはバナージと思いきや、バナージが来たからミネバも来るだろうからな。

 

 あと、プルシリーズの面倒を見てもらおう、ニュータイプ幼稚園の園長だから、大丈夫だろ。ガンダムチームがやってきても全部ブライトがなんとかしてくれるよな。スパロボでもなんとかしていたし、ブライトなら出来る。ゼロ・ムラサメとか強化人間の管理もブライトにさせよう。ブライト頑張れよ。

 

 だいたいブライトに任せとけばなんとかなるとクワトロもアムロも思ってたからな!アストナージとかいないけどブライトならなんとかできる!俺も頑張ってるんだからブライトも頑張れ。虹乗りたかったんだから出来るよ!ブライト。

 

 できたからっていいことも無いけどな。プルシリーズを縛り、コックピットに乗せるとGクルーザーに乗り込み、飛び立った。

 

「レジオンか。いや、オリジナルからの系譜なのか。」

 ちらりと見る。やはり、プルシリーズ。髪の毛が赤いのはギレンからの遺伝か?キシリアの髪も赤かったな。ザビ家の事情などは知らないが。

 

「暇人は考えを滑らせていけない。全部終わらせてから考えても遅くはないな。」

 まぁ、インレとかが出てこなければこっちは知ったことじゃないが。

 

「なぜ縛られている!!かぼちゃ!解放しろ!」

 気が付いたのか。無視しよう。

 

「私達に何をするつもりだ!オレンジかぼちゃ!答えろ!オレンジ!聞いているのかオレンジ!」

 人をジェレミアみたく言うんじゃない!神経が苛立つ!

 

「お前らの髪の毛だってオレンジだろうに。」

 人をオレンジ、オレンジ言いやがって。機体はもう少しでアーガマに着きそうだ。

 

「私達、新人類を縛り付けるなど傲慢で野蛮だな!旧人類風情が!解放しろ!それに私達の髪の色は赤だ!シャア・アズナブルよりも赤だ!」

 知らんがな。こいつら、割とコミカルだな。ZZかな?急降下皆殺しシリアスは嫌だぞ。プルシリーズだから多分死ぬんだろうな。それが神の意志だろうな。

 

「この世界に生きる人間、違うか、人間は家畜や機械だな。それに神などはいないかもしれんな。」

 物語を彩る為の生きたマネキンドールらしい俺たちに明日はあるのか?現実だとしても戯曲を舞うオルゴールのねじ巻き人形みたいなものだ。市民は凶暴だしな。私の愛馬よりも凶暴なのでは?教えてくれたフロスト兄弟。ごめん、カテゴリーFだったから、たとえ魂があったとして通信できなかったね。カテゴリーFだからさ。

 

「神は居ないとかはどうでもいいから解放しろ!」

 どんだけ自分たちの立場をわかってないんだよ。ティターンズ並かな?

 

「お前たちに言ったわけではない!プルシリーズ!」

 女の声でヒステリックに怒鳴られると苛立ちが強くなってくるからやめろ。高い声のヒステリックは本当に嫌いだから。それが許されるのは、クインシィ・イッサーこと伊佐未依衣子とかハマーンぐらいだぞ。全員ねじれてる気がする。

 

 弟に男を見出してママプレイをしたかった女には「ごめん、覚えていない。」と言うしかないよな。カテジナみたいな声をしていても依衣子は割といいやつな気もするし、話せば名言しか出ないジョナサンもいる。ネルフの大人以下の大人しか出てこない上に巻き込まれアメリカ軍とか意味不明では有るが。

 

「下から嫌な気配を感じるから降ろせと言っている!」

 ハマーンのAIを感じているのか、感度が良すぎるだろ。ハマーン嫌いなのか?ハマーン程度で嫌いになるのならカガリとかどうなるんだよ。中立国なのにゲリラに参加してる姫様だぞ。ゴメン。割といるわ。

 

「下のが嫌いか!私もそうだが好き嫌いでどうにかなると言うのなら私もそうしている!それでは地球が持たん時が来ているのだ!なぜわかろうともしない!聞いているのかプルシリーズ!ニュータイプが世界の意志ならそれがそうする時にはそうなってるはずなのに、ならないのならお前たちは間違っているという事だ。」

 

「間違ってなんかいない!お前を倒してからそうさせてもらう!」

 お手本的な節回し、でもどうやってそれをすると言うんだ?

 

「どうやってお前はそれをするんだ?冷静になって考えてもみろ。地球は地球、コロニーはコロニー。人間は人間。しかし、全て自然の一部だ。人工物が自然じゃないのならなぜ風化したら土に帰る?人間も土に帰るのだから根源的に人は土から生まれて土に帰るんだ。コロニーや地球、火星や木星に月、土に帰る場所が無くなれば、土に染み付いた魂が解放されるとでも?プルシリーズ、お前たちはそれをやろうとしている。無機から有機を作り出すなんてのは神様のすることで、人間はすべきではない。マフティーとプルシリーズは、数学のプラスとマイナスぐらい違うが、これが磁石になればくっつき分かり会えるはずだ。ジュドーとプルツーの様にな。」

 実際は分かり合えてたかはしらんけど、うるさい奴を黙らせるにはそれっぽい長話をぶつけまくるに限る。

 

「私が女だからそういうのだろうに!!プルシリーズにも男ぐらいいる!継続性はあり、我々は不滅だ!男と女が残ればプルシリーズは続く!それに旧人類の男に絆されてメスになった先行型など知らん。我々はメスやオスになっている暇があれば職務を全うする。」

 ガンパレード・マーチのクローンかよ!刺せば絢爛舞踏も殺せるみたいな論理やめろ!暴れん坊将軍に対する返しみたいなのされても困るわ。

 

「しかし、それでは持たんな。この世界は滅びと再生を繰り返している。不老不死の肉体を持つ不滅の統治者による統治下にあったとしても、長く続く独りよがりの治政は腐敗や格差だとか偏見や抑圧を生む。停滞は文明衰退が深刻になるものだ。だから、革命が生まれる。インテリが始める独りよがりのな。民衆が始めれば革命にはならない。誰か代表が必要だからな。だからこそ、王が求められる。」

 オルガさぁ、火星の王になりたいのなら王の代わりに担ぎ上げられた俺を見てみろよ。火星の王だってクソだぞ。そりゃあ、ラクスだって逃げ出すよ。実際、ラクスは准将さえ居ればいいんだし、准将はフレイが必要なんだけれども、じゃあ、アスランはどこに帰るんだろうな。まぁ、放浪しながら月面でバイクを走らせてればいいんじゃないの?どうせアスランだからなんとかなるだろ。

 

「見てきたようなことを言う!では、プルシリーズによる革命とマフティーによる革命、何が違う!」

 同じじゃないのかな?

 

「根源的に違うが一緒だ。だからプラスとマイナスだ。持続可能社会は持続するという確固たる信念とか情念はいらない。強い意志はやがてすべてを蝕み、侵食して無様を晒す。魂が重力井戸に引き込まれて、地球に縛り付けられ、気付いたら重力となって他者を縛り付ける。ザビ家やハマーン・カーンなどがそうであったように。シロッコは違う。あれは与太者だ。ニュータイプの成りそこないだからな。」

 ティターンズ乗っ取りの意味不明さがあるからな。

 

「シャア・アズナブルのようなことを言って皆を騙している、シャア・アズナブルの出来損ないのお前が言えた義理か!」

 はぁ?あんな面白キャラレース独走一位みたいな2位アスラン、3位オルガみたいな地獄レースになんか出てないんですけど!あんな「これが若さか」とか「ララァがお母さん?」とかいろんなレスポンスと反応と周りから笑いを取りに来る、面白バカでかグラサンのハマーンのプレッシャーでメガ・バズーカ・ランチャー外してしまう情けない奴とは違うわ!百式にも乗ってないわ!

 

「シャア・アズナブルの出来損ないはフル・フロンタルやゾルタン・アッカネンだ。俺はシャアじゃない、よせ。あれほど急ぎ過ぎもしなければ、人類に絶望しちゃいない。ニュータイプとやらやプルシリーズだとしても、人類や生き物の枠を超えれない。カーボンヒューマン故にじゃない。人間とはそんなに器用にできちゃいないからだ。器用じゃないのが器用なふりをしている、それが人間というものだ。」

 そんなに器用ならマンハンターとか出来てないだろ。ニュータイプだろうがなんだろうが人間は人間だ。

 

「それは違う。私達は完璧な生き物だ!」

 いや、女以外にも男もいるプルシリーズだから完璧とかよくわからんな。

 

 アーガマにやっと着いた。なんでそんなにレスバしてくるんだよ。暇人かよ。いや、暇人が思い悩んでテロやクーデターをするのが宇宙世紀のスタンダードだけどさ。宇宙世紀ってなんだよ。じゃあレスバしてやるよ。

 

「男と女なら何があっても不思議なことではない。新人類と信じているお前たちも旧人類に恋ぐらいするだろうさ。例えばジュドー・アーシタ。その情熱を秘めた肉体でな。だから、そうやって居ようが己が持つ因子からは逃れられない。それが人の業だよ。だから、逃げられない。人間には依存する因子がある。それに操られる定めにある。それを超えるには引力に縛られた考え方をする俗物ではいけない。だが、プルシリーズの話では新人類だと思い込んでる旧人類にすぎない!それが欺瞞だと言っている。」

 そこまで言うとアーガマの内部に到着し、コックピットを開けた。武装した人間が山ほど出てくる。いや、ティターンズとか地球連邦軍やエゥーゴとかジオンやアクシズに袖付きの軍服を着るなよ。

 

「ブライト!」

 ブライトが目の前にいる。心苦しいがプルシリーズをブライトにぶん投げる。ハサウェイやリディやバナージのケアもしてくれよ。あと、ケネスやレーンの世話も頼む。一気に言ったらキレるよなブライト。

 

「大尉、なぜ何も言わない?」

 いや、言ったら怒るでしょ。実際、俺なら怒る。

 

「あぁ、ブライト大佐。今なら単なるブライトか。」

 ブライトが少し笑い出す。そんなブライトを見てハサウェイが笑っていた。

 

 





 マニュアル運転ジェガン

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