偽マフティーとなってしまった。   作:連邦士官

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最終第三部 マランビジー
第46話


 月に滞在してはや3ヶ月、ソロモンに送った艦隊は壊滅、紅茶とジャックとこちらは膠着状態であり、臨時連邦議会の議決によりルオ商会とアナハイムエレクトロニクスは反トラスト法の対象となり50近くの会社に分散され、アナハイム以外にもコロニー公社にミグレン、モンテレー、ヤシマ財閥、木星開発事業団などが対象にされ宇宙引越公社、太陽電池公社も反トラスト法により分割された。

 

 次々に地球圏で寡占や独占をしてきた企業が分割される。今までは戦時や復興だからと見逃されてきた企業ばかりだが、俺は決して許しはしない。ついでにブッホ・コンツェルンも分割した。巨大企業を潰すわけにいかないなら、簡単だ。分割してしまえば良い。

 

 ビスト財団も解体され、サイアム・ビストの所業が公開されると瞬く間にテロリストが作った反社会的な組織として資産凍結をされた。それはアナハイム・エレクトロニクスの資産ごとである。マネー・ローンダリングの証拠として次々に月面の資産が没収され、アナハイムの資料からまた派生してルナリアン達は芋蔓式に資産凍結をされた。ルナリアンはルナリアンだと思っていても所詮は連邦市民だ。バハロはそこら辺を理解していたが79年から続く、中立ゆえに繁栄してきた彼らはそこを理解できなかったようだ。

 

 ジオン共和国の終了はジオン・地球連邦の冷戦時代の終焉であり、ルナリアンがルナリアンとして今も立っていたいならば、ジオンの勢力をしっかり残し、ジオン共和国を存続させるべきだったのだ。ジオン共和国はジオン共和国として意味はあった事を今一番理解したのはルナリアン達だろう。

 

 かぼちゃ法やマンハンター等の法律の無効化、戦時から続いていた臨時税金の整理、歴代大統領令の時代に沿わないものを無効化、古い法律の更新、戦時下の年金支給額引き下げの解除、地球中心の緊縮財政から地球連邦全域に渡る積極財政への切り替えなどなどを処理した。

 

 アナハイムの取調べ時に運び出された大量の押収資料。その中に、ジャックの持ち込んだノートからEカーボンを製作し、軌道エレベーターを作り上げようとしていたアナハイム建築部の計画書があった。

 

 これには驚いたが、それを隠れ蓑に宇宙世紀の技術でオーバーフラッグもどきをすでに茨の園で生産しているアナハイムの謎の技術の高さは驚いた。

 

 Eカーボンは素材がカーボンの為に材料が安く強度が高い。アナハイムはEカーボンの原料のカーボンを生産するために竹にアスタロスを組み合わせて驚異的なスピードで炭素を作り出し、素材にしていたようだ。環境破壊兵器を環境破壊で破壊していく宇宙世紀を体現したみたいな使い方はやめろ。

 

「やることが多すぎる!」

 アナハイム・エレクトロニクスやルナリアン、ルオ商会に宇宙世紀企業は基本が独占と寡占であり、それは宇宙世紀初頭には少なかったが100年も経てば市場が企業にブレーキをかけるのが普通だが、企業が市場にブレーキをかけるのだ。ある種、閉塞感の正体が企業の独占と供給、コロニーにかかる税金、特権的な公社と天下りだらけの監査がない中立な組織と語りながらシロッコなどを生み出す母体なんてなれば、頭ジオニストじゃなくても地球連邦が悪くなってしまう。

 

 と言うか独占禁止法あるんだから独占禁止法使えよ。反トラスト法もあるのに使わないとかそれで離反者を生むとかどうなっているんだ?

 

 この世界は法律があるが民事不介入が過ぎて、大事になってからしか地球連邦が出なさすぎる。Vガンダムの時代になっても地球連邦軍はいるからな‥‥‥。

 

「アホな兵器に対する対案がサナリィから出てきたが。」

 サナリィから出された案は第二次ビンソン計画、サラミスなどの旧式艦艇にミノフスキー・ドライブを載せ、旧式機体にフルドドなどの強化パーツをつけて近代化改修、FFユニットをエース機体につけることで総合力を高めるとする堅実な案であり、ジャブロー基地の再建、地球連邦軍の再建案である。

 

 それはそうとサナリィもサナリィでブッホ・コンツェルンにアレックスなどを引き渡してスクラップにしたのを見届けずにブッホ・コンツェルンが兵器として運用した監督責任放棄で整理対象だ。なんで、どこの組織も整理対象になるんだよ。カテジナも腐らすものは腐らせ、焼くものは焼くとか言うわ。焼け野原を焼いても意味はないけどな。だからお前はカテジナなんだよ。

 

「多分、負けるからな。よく訳のわからないものを作る。」

 近代化改修兵器とか噛ませ犬だろ。再生怪人的なモノだろうよ。近代化改修はするしかないがかと言って、化け物に勝てるような兵器もない。サナリィが今の技術でデンドロビウムをつくりますか?とか化け物には化け物をぶつけるみたいな理論を出してきたが、それならば茨の園ごとコロニーレーザーかソーラ・システムで焼くよ。不確実なMAよりも確実な兵器の方がいい。

 

「しかし‥‥。」

 ジャックと紅茶野郎から公式に届いたルナツー、地球、ソロモンの間にて、決戦を行う旨の声明文が全世界のテレビを電波ジャックして届いた。争いを長期化させるよりも短期決戦をして、なすべきことをなし、なさぬべきをなさないと言うような話である。紅茶野郎はコロニーレーザー、ジャックはソーラ・レイ、こちらはソーラ・システムと大量破壊兵器を握っており、三方ともに核の備蓄も十分であるために使わないような短期決戦こそが人類のためになるという論法だ。だったら、反乱起こすなよ。戦わなきゃいい話だろうが。

 

 人を勝手に二人で争いに巻き込んで、連邦に反省を促すダンスで表舞台に立つべきだとかで借金でハイジャックさせてさ。で、二人の満足するキレイな戦争のためにお互いに短期決戦しませんか?とかマッチポンプも過ぎるだろ。コロニー落としで燃やしてからシャンブロで火消しするぐらいマッチポンプが過ぎる。めんどくさいからバナージ、浄化してきてくれよ。もう俺は疲れたよ。おかしいんだよ。頻度と密度が。

 

「しかし、受けるしかないな。」

 現状、この誘いは受けるしかなく、市民たちもこの戦う場所を決めて決戦をする古めかしい戦いにノブリス・オブリージュ、ブルーブラッド、貴族主義を見出し民主主義の限界を感じていた市民たちは一様に支持をした。

 

 戦いに巻き込まれ疲れた市民にとって、市民の犠牲が介在しないマカロニ・ウエスタンみたいな闘いは惹かれるらしい。一騎打ち染みた、ガンダムではありえないほどの戦いは市民たちの支持を受けた。

 

 この三勢力の一騎打ちはマフティー・ナビーユ・エリンが起こした清廉さと鷹陽さによって支持をされていると識者たちは話し、宇宙世紀に起きた一大貴族主義ブームとか話している。

 

「エレガントさか。」

 トレーズ・クシュリナーダ!彼の発言を混ぜていたらトレーズのエレガントとマフティー・ナビーユ・エリンの清廉さが合体し人々がエレガントさを求めているようだ。おかしいんじゃないの?エレガント云々言われても困るし。

 

 バカみたいな機体に、頭を清廉さとエレガントにされた市民、何だというのだ。俺が何をした?俺は悪くないのに。

 

 艦隊の再編が済み、返事を出す。この決戦を受け取ると。そうして、俺は3ヶ月前に辞任した大統領と首相の選挙を見た。

 

『得票数、48億4671万9917票、マフティー・エリン。』

 はぁ?12億近く票増えてるんだけど!?なんでだよ!おかしいだろうよ!なんで、こんなことに?何か俺がいいことをしたか?いや、何もしてないわ。何もしてないやつがなんで人気なんだよ!おかしい!

 

「何故だ。何故。」

 連邦議会選挙の得票2位にはモナハン・バハロが月面とサイド3だけではなく6億6000万以上の票を稼いでいた。

 

 そして、俺は再任が決まってしまった。もうどうにだってなるべきだ。デカブツさえなんとかすれば俺は引退できる。戦いの中で行方不明になったとかクワトロにできて俺にできない道理はない。いや、できないかもな。腐ってもシャアだし、グラサンかけてもシャアだし。あいつも選挙出たら勝てただろ。だからアムロにガンガン言われるんだぞ。大佐はロリコンとか寝言でララァとか言ってるとかギュネイにまで言われてる。

 

 実際は悪霊だしなララァ。インドが産んだ悪霊、アムロは受信できてもシャアができるとは思えないが。シャアは受信能力低いからな。だが高過ぎると頭カミーユになるし、ニュータイプってクソなのでは?

 

「ニュータイプ、悪魔の力か。」

 ニュータイプだと言ってきた紅茶野郎とかハサウェイとか頭ニュータイプは頭ニュータイプだからな。ゾンビが蔓延したショッピングモールでおかしくなって常人を超えた身体能力を発揮している人間や素手で相手の腹を貫けるライダーや新聞記者と似たようなものだろうか?ダクトテープを頭に巻く代わりにサイコフレームを頭に巻いてる様な。バナージしか信用できないわ。ノーフレームで動いてくるからなアイツら。

 

「なんで、シュヴァリエしないといけないんだ。」

 ガンダムの世界に来てまで、騎士道精神として自称大統領を名乗る精神紅茶‥‥サイコ紅茶野郎、反乱軍のリーダーのバーチャルデラーズ受肉おじさんのジャックと俺が戦うのを市民は一大決戦として見るのが決まってるらしい。頭おかしいよな、やっぱり。怪文書過ぎるわ。バーチャルデラーズ受肉おじさんってなんだよ。シャアならリアルシャア受肉おじさんとリアルシャア受肉失敗ゾルタンが居るからわかるが。

 

 シャアになりたいならノースリーブサングラス赤服自分語りしてれば良いだろ。まぁ、シャアは置いておいて、なんでそうなる?戦力比で言えば圧倒的にこちらが有利だ。だが、バカデカMAなどを見れば戦線突破から撃破されても不思議ではない。

 

 アフランシとプルシリーズ、そしてレギオン。コーディネーター生産設備とプルシリーズの促成培養ができるようになればクローン戦争が巻き起こってもおかしくはない。報告された資料によるとパイロットへの訓練代を含めてこの量産型生体CPUは単価が車一台分、前世の日本で言うと320万円程度、パイロットにしないのならば都市労働者の月収分19万円ぐらいで出来るらしい。

 

 本格的にミサカシリーズじゃないのか?アフランシは高いらしい。プルシリーズを素体にして、コーディネートをしてレギオンを作ると推定すれば、レギオンは一人50万円くらいか。アフランシは一人9800万円ぐらいだと考えられる。

 

 そこにパイロット訓練代がかかるらしい。だが、圧倒的に生身の人間よりも安上がりで人工知能より賢いらしい。やはり、見れば見るほどミサカシリーズかガンパレード・マーチのクローンの様だ。ニュータイプで遺伝子から調整されたパイロットであり、人工筋肉や人工心肺に投薬もいらずに彼女らは戦える為に、強化人間より圧倒的に継戦能力は高い。

 

 となれば当然向こうの兵士のほうが品質が良い。ファンネルだってある。牽制にしか使えない威力に落ちてようが手傷を何回も喰らえば負ける。何を考えているか知らないがニュータイプを量産する意味がわからな‥‥‥。

 

「待てよ!ジャックめ!」

 各所に電話をしてデータを集めさせる。そして、アナハイムが渡したサイコフレームの総量を計算して、ハルユニットもどきにサイコフレームが使われていたかを問いただすためにアナハイムの技術部に電話をかけた。

 

「先日のあの機体にはサイコフレームは使われているのか!?答えてくれ!」

 アナハイムは答えない。何だコイツは!?かなり大事な話なんだぞ!

 

「これは大事な話だ!わかってるのか!人類の存亡がかかっている!」

 やっと、相手は話すようになった様でカタカタとキーボードを叩く音が聞こえた。嫌な予感が高まる。この感覚は背中に汗が伝う。

 

『はっきり言うとアレにはサイコフレームは一切使っていません。新素材カーボンとガンダリウム合金の複合ハニカム素材という新機軸の装甲は採用していますが。担当者は彼らについて行きました。私は事務員に過ぎませんよ。』

 では俺の予想は的中しているだろう。あれ程のサイコフレーム量、MSでは消費しきれない。ニュータイプ、巨大なサイコフレーム達。答えは簡単だ。エンジェル・ハイロゥを奴らは作っているんだろう。ジャックは何をするつもりだ?エンジェル・ハイロゥなんか何の意味があるんだ。人類を滅亡させるつもりなのか?いや、ジャックはそんな無駄なことをしない。奴は合理的なやり口を好む。

 

 あぁ、そうか、わかったぞ!奴はエンジェル・ハイロゥで地表を強制的に粛清する気か!地表をすべて赤ん坊の状態にしてプルシリーズやレギオンに母親をさせる。そして、子供を作らせて地表をニュータイプの土地にするのか!阻止しなければいけない。

 

 俺は戦いの準備を始めた。

 





 どうでもいいけど、プリコネで騎士くんになってしまったシャアが自称家族を名乗る不審者や仲良いのかわからないなかよし部にキャル虐に癒やされて家族を味わう作品を考えてしまった。キャルのバイト代で赤井秀一カラーザグを勝ってシャアカラーに塗り直す平和なシャア。
 異世界に来た原因はスウィートウォーターで普通にアムロに射殺されたからとか、アムロの射撃で馬が暴れて落馬して首の骨が折れて死亡とかか?





 鳥は行くべき場所を見つけて飛ぶ。

 鳥と別れた男は未だに悩み、夢に見る。
 
 紅茶を手にした男は白銀の機体を見て笑う。

 死に損ねた男はあの光で人類を導かんとする。

 本来は処刑されるはずの男は偽物を見ながら幻影を打ち払うのに精一杯。

 医者になった男と船団護衛をしていた男は集まることを決めた。

 ある男の妹は見極めるために集まる。
 
 たしかに皆、いまを生きている。

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