第四試合……会場は下水道
対戦相手は触手からレーザーを打ち出す個性の様だ
地下での戦闘のため私達はモニターごしでしかわからないが苦戦しているようた
ホールドさんはレーザーを筋繊維で防いでいるが火傷が何ヵ所もできている
「八雲しゃんならこの状態どうたいしょしましゅか?」
「私ですか……この籠手にサポートアイテムのコインがあるのでそれを指弾で飛ばして遠距離から攻撃します。下水道なので跳弾も期待できます」
「なるほど……私からも質問よろしいですか」
「ラッキーライラックさんどうぞ」
「私のラッキー込みでホールドの勝率を客観的で良いので教えてください」
「どれくらいのラッキーが起こるかわかりませんが……今のままだとジリ貧なので30%有れば良い方かと」
「ありがとうございます」
戦局が動いたのはこのすぐ後だった
無理に距離を詰めようとして焦ったのだろうダメージ覚悟で突っ込んだ時に相手も警戒していたのかフルパワーのレーザーが突っ込んでいる最中のホールドさんに直撃した
運良く筋繊維でガードしたがボロボロで筋繊維も一部千切れている
『べべチーン!!』
レーザーを放っていた触手を鞭のように扱い顔面を狙ったようだがやや下にズレ脇腹に直撃する
残った筋繊維で運良くガードできているがもうダメだろう
ピトッとレーザー発射口を顔面に複数突き付けられ試合終了
第四試合は敗北した
まぁ相性が悪かったから仕方ない面が大きい
「さて最終戦頑張りますか」
最後のステージはビル内で対戦相手は蝙蝠のような翼の生えた男だった
「ごきげんよう八雲率君……君の活躍はかねがね」
「どーも」
「私のチームは全勝でね、最後も勝たせてもらうよ」
「私に勝つ秘策でも」
「ふふ、さぁどうだろうか」
『ではスタートしてください』
蝙蝠の様な男は蝙蝠に変身し、ビルの上の階に逃げていった
私はすかさず追いかけるが足元が歪む……いや、歪んでるのは視界か
「超音波か……蝙蝠になる個性か吸血鬼ってところか?」
超音波で揺さぶられた脳の機能は私の肉体に複数個ある別の脳で補完する
「生憎私の体は普通じゃない」
肩と尻にある脳で情報を補完しつつ、リカバリーフォルムに切り替える
知らず知らずのうちに耳がやられてたら困るから
「さて次の手は?」
周囲を探りながら化けた蝙蝠を探す
ビルの内部は薄暗いが物は何にもなくがらんとしている
気配がした
私はそこに思いっきり拳で殴ると
「がは!?」
蝙蝠がいた
「馬鹿な気配を遮断していたはず」
「殺気がだだ漏れだ馬鹿」
次の一撃を繰り出そうと構えるがどうやらダメージは回復しているらしい
バサバサと今度は人間形態に戻る
「血を吸わせてもらい操ろうと考えていましたが皮膚に牙か刺さりませんでした……本当に人間ですか?」
「人間を超越するから超人だよ。回復、蝙蝠に化ける、血を吸い操る……吸血鬼かな?」
「さぁどうでしょうね」
「こっから先は殴り合いを覚悟してもうよ」
「ふふふ、回復を持つ私は不死身ですよ。殴り合いで負けるはずが有りません」
結果? ボッコボコにしたよ再生が追い付かないくらい
今まで素の力しか使ってなかったが今日初めて倍率を弄った50倍
ラッシュに耐えきれなくて壁に今もめり込んでるから戦闘不能だろう
こうして最終戦を勝率し、4勝1敗で一次試験を終えた
『えー、では集計も終わりましたので一次試験の結果を発表いたします』
モニターにズラリと名前が並ぶ
『五十音順で名前が有る方が2日目以降の二次試験に移行できます。今日落ちてしまった方は残念ながら今夜出向するフェリーで本土に帰還してもらいます』
モニターを観ると最後の方に八雲率の文字があった
「よし!」
無事クリアーだ。
ホールドさん、ミチルさん、ラッキーライラックさんも無事に合格したようで二次試験に進める
落ちた人は全体でも20人位で殆ど合格している
次の試験がどんな物か考えながら私はこの会場で雑魚寝の準備に入る
この島の宿は15人程度しかキャパが無く、必然的にこの会場で寝ることになる
私は貸し出された毛布と段ボールで自分のスペースを確保し、食堂に移動する
今日消費したカロリーを補填しなくては
この体を維持するにはそれ相応の量食べなければならない
個性が伸び始めてからより顕著に出ていて、たまにマヨネーズ直飲みもするほどこの体は燃費が悪い
明日に備えて食って寝る
周りが海なので新鮮な海鮮丼をいただく率であった
2日目
段ボールと毛布を片付け次の試験内容発表を待つ私は、昨日組んだメンバーと合流した
「皆さん次の試験内容どんなんだと予想しますか?」
「多分海かこの島全体を使った物になると思うよ」
「ホールドさんなぜですか?」
「普通都市部でやることをわざわざ離島で行ってるんだもの、それに応じたギミックだと思うよね」
「なるほど参考になります」
『えー、皆さん集まったようなので二次試験の内容の発表をいたします。今回の試験内容はヴィランによる離島占拠を想定した試験になります。ヴィラン役の者を全員拘束したらクリアーとなります。脱落内容はヒーロー役の皆さまが戦闘不能状態になってしまった時脱落といたします』
『また市街地、電波塔、発電所、治水地付近での戦闘はこの島の住民の安全のため進入禁止エリアといたします。食料は携帯食料を3日分配りますのでそこは安心してください』
『制限時間は3日以内、全員拘束できなかった場合はこちら独自の採点基準を合格した者のみ本免を与えるつもりですので頑張ってください……では携帯食料を配給の後スタートと致します』
いよいよ二次試験が始まる
「内通者より連絡があった……今八雲率は本免試験に行っているらしい。そこで私達は八雲率殺害を目的とした襲撃を敢行する」
「「「おう!」」」
「今回の目標は八雲率のみですが妨害にあった際殺傷を許可します。エレクトロキューショニストなんかは周りを全滅させそうですがサイレンスは弾丸が無くなれば無力なのを気をつけてください」
「一応殺人術は使えますが……無理はしないようにします」
「プロミネンスも十分に気をつけてください」
「わかってるよ」
「そうですね……黒霧さん、私達が目標を達成できなかった場合の救助か見捨てるは貴方の判断でお願いします」
「わかりました。なるべく助ける方向で動きましょう」
「一応作戦の成否によらず二日後のポイントAに集まることにしましょう。その地点で成功していれば島より脱出します」
「以上何か問題はありますか? 有りませんね。でさ八雲率殺害ミッションをヴィラン連合特殊作戦隊始動いたします」
その日いきなり黒いドームが島全体を覆った
これもヴィラン役の攻撃かと思ったが公安委員会の人が慌て出した
『皆さんザーザーザー』
「えー、皆さん緊急事態です。この島にヴィランが襲撃しています! 現在ヒーローが対処していますが試験内容を変更いたします。ヒーロー公安委員会が個性使用を許可いたしますので、住民の安全のための行動、ヴィラン対処をお願い致します」
「規模は不明! 現在通信施設が破壊された模様」
黒いドームは一体何なんだろうか……ただのヴィランじゃない組織で動いている
「八雲しゃんもまず住民の避難に動いてくだしゃい! ここを避難区域とします」
「わかりました」
私は動き出した
「温い、温いな……今のヒーローとはこんなものか」
「つ、つぇ」
「……」
「おい、大丈夫か」
「あぁ、すまない。そいつはもう絶命済みだこのまま数を減らした方が都合が良いか」
ドコーン
遠くで火柱が上がる
「発電施設も破壊完了か、次は何処を攻めるべきか」
「させねぇ! このグリップマンがさせねぇよヴィラン!!」
「エレクトロキューショニストだ。電気死刑執行人とでも言えば良いか……まぁ貴様らに様は無いがむしゃくしゃするから死んでおけ」
バチンとエレクトロキューショニストが持つ鞭がグリップマンと呼ばれたヒーローに直撃する
「100アンペア」
大電流が鞭を伝いグリップマンに直撃する
ジューと焦げる音と共にグリップマンは動かなくなった
「何回もはできないのだがね……まぁまたすぐに溜まるか」
森の中で執行人が死刑を執行する
「あたしはさ今猛烈に怒ってんだ……せっかく見つけた旦那と離縁して最初の仕事が餓鬼の殺害なんて……屑じゃん、塵じゃん! でもお仕事や縁の都合で断れないじゃん! だから憂さ晴らしさせてくれよ!!」
「何行ってるんだこいつ!」
「取り押さえろ!」
「発電施設と電波塔は破壊した! 次は目標を燃やして殺す」
「その前にヒーロー遊んでくれやこのプロミネンスとね!」
再び火柱が上がる
私の個性は音を消す
この黒いドームが有る限り外部との連絡は不可能……そして私自身が発する音、触れている物の音も消すことができる
「ぐ……そ……」
「残念ながら貴方の声は周りに聞こえません。死んでください」
ザクザクと心臓を滅多刺しにする
「これで3人目……この島何人ヒーローがいるんですか……はぁ……早くターゲットを殺害して帰りたいものです」
音を消して市街地に移動する
「スノーフォール!」
島の一角に雪の壁が現れる
「雪崩よ……インパクト」
雪の壁に衝撃が伝わり雪崩が起こる
「ボス……確実にここで殺します」
インパクト、エレクトロキューショニスト、サイレンス、
プロミネンス……オール・フォー・ワン全盛期の過去の遺物が動き出す