「ナーチナチナチやっぱり雄英に見に来て良かったよ!!」
「たわけが!! ヴィランが何を偉そうに!!」
「ナチ? 偉そうにって那智は偉いから偉ぶるんだけどね」
「話が通じない奴っぽいなぁ!!」
「いや、通じてるからね」
私はヴィランと対峙していた
こうなったのは数分前に遡る
「水難事故、土砂災害、火事……etc」
「あらゆる事故や災害を想定して僕がつくった
(((USJだった!!)))
スペースヒーロー13号先生が作ったUSJで私達は救助訓練を行うことになった
ただオールマイトが来てないのが気になり
「相澤先生、オールマイト先生は?」
「あー、急遽来れなくなったらしい」
「あ、そうなんですか」
その後13号先生から小言をいくつか貰い、いよいよ授業が始まるその時
ズズズと黒い渦が中央広場に現れ
「一塊になっ動くな!! あれは……ヴィランだ!!」
「もう授業始まってるとかじゃなくてですか?」
「違う!!」
相澤先生がヴィランと対峙し、13号先生が私達を守ろうと動いたことで改めて本当にヴィランが現れたんだと理解した
「ヴィラン!? 馬鹿だろヒーローの学校に入り込んで来るなんてアホすぎんぞ!!」
切島君に激しく同意だが、侵入者用センサーも反応せず、校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間割
「馬鹿だがアホじゃねぇ……何らかの目的があって侵入してる」
轟君が言う
その後相澤先生が13号に避難を、上鳴君に連絡を試みるように指示を出し相澤先生が広場の敵に突っ込む
個性を消しながら捕縛布という布を操り大立ち回り
多数を相手に立ち回り方のお手本を見せているかのように思えた
「八雲さん!! 早く逃げんと!!」
「あ、あぁ!! ごめん麗日さん!!」
「させませんよ」
ズズズとまた黒い渦が現れ、人の形になる
「初めまして雄英の皆さん。我々は敵連合……この度は僭越ながらこの度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは……平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思っての事でして……本来ながらここにオールマイトがいらっしゃるハズ……何か変更があったのでしょう」
13号先生が戦闘体勢に移った!!
しかし
「「おら!!」」
切島君と爆豪君が13号先生の前に出て黒い渦に攻撃したが
「危ない危ない、そう生徒とはいえど金の卵」
「ダメだ!! 退きなさい二人とも!!」
「散らして……なぶり……殺す!!」
私達は渦にのまれてしまった
ドサッとどこかに飛ばされたようだ
私は咄嗟に受け身を取る
上手く着地をすると目の前に
「やぁ大丈夫かい? ヒーローの卵君」
ヴィランがいた
バッと距離を取る
「せっかく空間に干渉して助けてあげたのに酷いじゃないか」
「なに!?」
「君は今日死ぬ運命だった」
「那智はそれを今変革した」
「ナチチ、まぁこうして不法侵入したのも事実だし今はヴィランかぁ」
「結局ヴィランなのね!! だったら!!」
「おっといきなり殴りかかってくるとは流石だ。いいよ。相手になろうこの那智様がね!!」
灰色の部屋で戦闘が始まる
「異空間狼の巣へようこそ」
「10倍フルキック!!」
「ナチチ! そんな大降りあたら!?」
スパンと周囲の灰色のレンガが切り裂かれる
「ちっ!? ソニックブームで切り裂くか!? 普通!! ナチチでもこれならどうよ」
ガシャンとヴィランの少女のお腹から機関銃がはえる
「我がナチスの科学力は世界一ィィとでも言えば良いかな!!」
ズガガガガと機関銃を放ってくる
跳弾で酷いことになりそうだが、壁に当たるとグニョンと空間が歪み弾丸は消えていく
私は20倍の身体で、跳ね回りながらギリギリ回避するが運悪く1発貰ってしまう
「くう!? ゴム弾!?」
「ナチチ、驚いた!! 驚いたでしょ」
私の中でブチッとキレる音がした
「舐めやがって!!」
「ナチチ!! 助けた人を殺すわけ無いじゃん」
「こっの!! メガトン……パンチ!!」
ズゴンと周囲にあった机を思いっきり殴り飛ばす
パンチで粉砕してしまったが、木片が今なお笑ってるヴィランの少女に向かう
「ナチチ、効かないよん」
カキンコキンと金属のような音がして阻まれた
どうやらヴィランの少女は最低でも空間を操り、機関銃等を生み出し、肉体を鋼のように硬くできる
「ナナチチチ!! さぁまだ運命改変は途中途中!! 運命を逸脱するために那智ともう少し踊りましょ」
「どこまでもふざけた事を!!」
「20倍!! メガトンキック!!」
「前面装甲200mm!!」
ガギンと私のメガトンキックとヴィランの少女の拳が当たる
「ナナチチチ!! 中々の威力だったよ」
「ちぃ!? 足が砕けるかと思ったぞ」
「咄嗟にセーブしたんじゃないナチチ」
いや、セーブしてなかったし、並みの鉄骨を粉砕する威力で放ったのに彼女はピンピンしてる
「傾斜装甲って知ってるかなナチチ」
「傾斜!?」
蹴る瞬間に傾斜を付けて装甲に厚みを付与したのか!? いや、どちらかと言えば受け流したか
「もっともっと那智に見せてよ君の力をさ!!」
「この!! どこまでもふざけやがって!!」
「20倍!! ラビットキック!!」
「ナチチ!!」
足を捕まれた!? 馬鹿な時速150kmは出てるんだぞ
「そおれ!!」
ブンブンと回され飛ばされた
ガシャン
「くぅ……まだまだ拡散弾」
私は思いっきりコンクリートの地面を蹴りあげる
細かく散ったコンクリートがヴィランの少女に向かっていく
「無駄無駄!?」
「裏取ったり……二重の極み!!」
ごりっと渾身の一撃が決まる
次の瞬間パンと音がした
「……え?」
音の正体は少女の上半身が弾けとんだ音だった
ガチャ
「やーい、ヒーローなのに人殺ししてやんのナチチ」
「え? あれ!? 今確かにえ!?」
目の前にさっきはぜたヴィランの少女がいた
「この空間の那智はほぼ無敵!! 残基が減ったのは予想外だったけどね!!」
「残基!?」
力の差がみるみる開いていくように感じた
実際には限りなく彼女と戦闘力に差があるのだろう……悔しさもあったが絶望感が出てきた
そもそも彼女がゴム弾ではなく実弾を使っていたら私は今ミンチだ
手のひらの上で転がされてるように錯覚する
「いやー、でも今の一撃は中々良かったよ!! ナチスポイント10点あげるよ」
「……目的は」
「ん?」
「目的はなんだ!! 私をここに飛ばして!!」
「最初に言ったじゃないか君の運命を変革しに来たと」
「嘘だっ!! 嘘っぱちだ!!」
「君は脳無と呼ばれる化け物と対峙し、右手を砕かれ、左腕をむしられ、両足は潰され、頭をネジ切られて亡くなる運命だった」
「それを察知した那智が助けたって訳、使えるって思ったから」
「つかえる? 何を」
「あなかがよ、八雲率ちゃん。この天才那智様の計画に使えると思ったのだよ!! ナチチ」
「……不法侵入者が偉そうに」
「だから、那智は偉いのよ全く……」
ジリリリリと那智と名乗った少女のヴィランが持つ懐中時計が鳴り出す
「おっと時間だ!! さて那智は帰るとするよ。あ、安心して率ちゃんも安全な場所に帰すから」
「まて!! 本当の目的はなんだ!! 雄英高校襲撃なんて馬鹿げた真似して私を助けたいはないだろ!!」
「国家改造……それが那智達の願い……本当に時間だまた会おうヒーローの卵君!!」
私の目の前に青い扉が現れるとガチャリと開き、吸い込まれるように部屋から追い出された
「今度は茶菓子でも出してあげよう」
「ここは?」
気がついたら雄英高校近くの裏路地に飛ばされていた
「……雄英ですらないじゃん!!」
私はとぼとぼと雄英高校に戻るのだった……
「16、17、18……1人足りない」
現場を預かった刑事の塚内直正は焦っていた
雄英高校襲撃なんて大事件に重傷者も1名出ているにも関わらず、行方不明者までも出るとなると捜査の規模を拡大しなければならない
「生徒達は知らないと」
「えぇ、行方不明になっている八雲率さんは一緒に飛ばされた人は居ないようですニャー、犯行グループのチンピラ達も今の所見覚えは無いそうです」
猫顔の刑事の聞き取りもむなしく空振りだったようだ
「いったいどこへ?」
「塚内刑事!! 正門にて行方不明と思われた生徒を保護しました。何でも町の方まで飛ばされていたようです」
「でかした! 最悪は脱した!」
さて、保護した少女には悪いが聞き取りをしなくては