やはり俺が『怪異症候群』に巻き込まれるのはまちがっている 作:クロスディア
第7話 特務課 警部補の氷室等
第7話
美琴side
「うっ…」
真っ暗な世界から、目の前が明るい世界に変化していく。
私、いつの間に寝ちゃって…
「あれ、知らない天井だ…」
いや、ふざけている場合じゃない!
本当にここは何処…
「おっ、気が付いたか?」
私が混乱していると、近くから知らない男の人の声がする。
「…………貴方は一体?それに、ここは何処何でしょうか?」
「俺の名は氷室等、特務課の警部補だ。そして、ここは菊川警察署だ。」
えっ?何で私が警察署に…
「とある知人から通報があってね。駆けつけたら、君と女の子が倒れてたんでここまで連れてきたんだ。」
知人…もしかして、あの人が…
「………君には色々聞きたい事があるんだ。これといって怪我も無さそうだし、差支えがなければ今回の事件について話してもらいたい。」
その言葉に少し考える。
あんな出来事、絶対に…
でも…
「…………いいですよ。でも……どうせ、信じてくれない…。私の言う事なんて…絶対……」
しかし、彼は私の予想外な言葉で返してきた。
「…呪われた人形の事か?安心しろ。だからこそ、俺がこの事件の担当になったんだ。」
「………えっ?」
それは一体、どういう…
「由佳くんから聞いたよ。『ひとりかくれんぼ』を遊び半分でやったらとんでもないことになった、とな。」
美琴「……ゆ、由佳が………『ひとりかくれんぼ』を………」
やっぱり、そうだったんだね。
でも、無事で良かった……
「君が巻き込まれたのは彼女の責任だ。だが、許してやってくれ。彼女は今回の事件を一生後悔する事になる。」
それは………解っています。
それに、私は……
「そんな時、君まで彼女を見離してしまったら…わかるね?」
「………はい!由佳、由佳は私の大切な親友ですから!」
そんな事、言われるまでもない。
あの子を、親友を見捨てる選択肢なんて、私には最初から皆無だ。
それはそれとして…
「あの…氷室さん……」
「なんだね、美琴くん?」
「どうして、私を信じてくれたんですか?こんなの…普通だったら誰も信じない……。警察の人だったら、尚更な筈………」
すると、氷室さんは少し考える素振りを見せ…
「神代家のご主人が心臓を刺殺された上に、執拗に殴打された死体。その上、その生首が盛られた皿。風呂場には長男の切断死体。ご婦人は腹を刺されて転落死だ。これだけ見せられれば、君を疑う理由は何処にも無いよ。」
う、嘘…あの家でそんな事が……
おじさんだけじゃなくて、由佳のお兄さんやおばさんまで、あのラリックマに…
「…………………………」
「俺の仕事は、証人者と事件の確認だけだ。……もう、お家に帰っていいよ。」
こうして、私は彼に出会った。
あの目が特徴的な男の子と同じく、この呪われた一年間を過ごし…
…私達を守ってくれる、氷室等という人に。
続く
氷室等、またの名を(猫マグロさんなら)マスター等。(鎌首さんなら)ヒムロック。