やはり俺が『怪異症候群』に巻き込まれるのはまちがっている 作:クロスディア
第10話
八幡side
「部活ですか?当然、入ってませんが…」
「そうか…実はな、君に入って欲しい部活があるんだ。」
えっ、何それ。面倒だなぁ…」
「もう少しポーカーフェイスを学んだらどうだね?かなり駄々漏れだぞ、君。しかも、口にまで出してるし。」
「おっと、すみません。」
と、俺は少しおどけて見せる。
ん?そういえば、アイツが入ってる部活の顧問が確か…
「…良いですよ。早く案内してください。」
「えっ!?良いのか?」
「先生が誘ったのに、驚いてどうするんですか?」
「いや、素直に了承するとは思わなくてな。まぁ、良い。着いてきてくれたまえ…」
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平塚先生に案内された場所は、特別棟にある空き教室の一室だった。
というか、見覚えがある。
やはり、ここは…
「ここだ。失礼するぞ…」
「先生、入る時にはノックする様に何度も言った筈ですが…」
先生がドアを開けると、その中にポツンと一人の少女が座っていた。
俺はこの少女を知っている。
ほぼ女子高と化している国際教養科のJ組に所属している学年一位。
誰もが目を惹かれ、見惚れる様な黒髪ロングの秀才美女。
彼女の名は…
「君はノックしても反応を返さないじゃないか。」
「反応を返す前に、先生が入ってくるんじゃないですか…。それはそれとして、隣の…あら?ゾンビが居ると思ったら、比企谷君じゃない?またカプコンの世界から追い出されて来たの?」
「誰がTウイルス感染者だ。…よぅ、昼休憩ぶりだな、雪ノ下。」
…彼女の名は、雪ノ下 雪乃。
この学校における、唯一無二と言って良い程の友だ…知り合いである。
「おや、君達は知り合いだったのか?」
「ええ、色々ありまして…」
「ああ。本当に色々あった…」
あれは面倒な出来事だった…
あのジャミラめ、お前は山の怪異だろうに…
何で町に降りて来てんだよ、お前は恐怖の森の顔面核兵器のお仲間か?
「その…色々の部分を聞いても良いか?」
先生が何故か神妙な顔をして俺達に問う。
すると、雪ノ下も何故か顔を赤らめ…
「色々と奪われたんです。色々と…」
「おい、人聞きの悪い言い方をするな。」
「でも事実でしょう?」
「あれは治療行為だ。ノーカンだ。」
「ほら、貴方はそうやって直ぐ逃げる。貴方のそういう所、卑怯だわ。」
「卑怯で結構。俺はそういう男だ。」
「ええ、知ってるわ。たった一年分しか、貴方の事を知らない私でもね。」
と、長々とした掛け合いが続く。
こういったやり取りがどうしようもなく懐かしく、俺の心を癒していく。
この事は絶対に彼女には内緒だが…
「………こ、こ、こ……………」
おや?平塚先生の様子が…
「ひ、平塚……先生………?」
「この裏切り者ぉ!わーん!結婚したい……」
と、何故か号泣して逃げ出すのであった。
まぁ、言える事はただ一つ。
早く誰か貰ってやれよ、マジで…
続く