やはり俺が『怪異症候群』に巻き込まれるのはまちがっている 作:クロスディア
第1話
姫野美琴side
私には神代由佳という、古くからの親友が居た。
由佳から連絡があったのは…午前3:00過ぎのことだった。
こんな時間に電話してくるなんてあり得ない…
しかも、由佳からの留守電には、何も入っていなかった。
きっと、何か…何か起きたのだ。
そう思わずにはいられなかった。
そして、こうも思った。
何か…不吉なことが起きているのだ、と。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どしゃ降りの中、急いで私は由佳の家へ向かった。
急いでいたせいで学校の制服を着て来てしまったが、今はそんな事を気にしている必要はない。
「はぁはぁ、着いた…」
息を切らしながら、由佳の家のドアへ貰っていた合鍵を差し込む。
彼女とは長い付き合いだからか、彼女の親から何故か貰ったけど役に立ちそうになかった鍵が遂に役に立つ。
そう思っていたのだが…
「あれ?開いてる…」
何故か、鍵は開いていた。
無用心すぎるし、おじさん達がこんなポカをやらかす訳がない。
私はおそるおそるドアを開けてみると…
「きゃっ!ど、泥棒…」
そこには、DHAが豊富そうな特徴的な目と、妙に似合う可愛らしいアホ毛がある男の人が居た。
しかも、何処かで見た事がある様な…
「いや、お前も端から見れば大差ないだろ…」
ぐうの音も出なかった。
確かにその通りだ。そもそも、こんな時間に来る事自体が失礼…って!
一瞬だけ流されそうになった私が反論しようとした瞬間…
『ぎゃぁああ!!!』
それを遮る様に、何処かで聞いた事のある様な女の人の叫び声が轟く…
「えっ、な、何あの声…」
「…そうか。少し遅かったか…」
と、私の前に居る男の人が何か呟く。
もしかして、この人…何か知ってる?
「あ、あの…」
「ん?そうか、お前が居たな。何をしに来たかは知らないが早く帰った方がいい。じゃないと手遅れにな…もう遅いみたいだな。はぁ…」
と、彼は好き勝手な事を言い、呆れた様に溜め息をつく。
溜め息をつきたいのはコッチだよぉ…
「…仕方がないか。おい、お前…」
「は、はい!な、何でしょうか?」
「お前、一体何しに来た?」
と、いきなり彼が問いかけてくる。
それは私の台詞だよぉ…
「わ、私の親友からこんな時間に電話が掛かってきて、それで心配になって…」
「そうか、親友想いなんだな。俺には親友どころか友達すら居ないからよく解らんが…」
ごめんなさい、どう答えていいか解らないです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こうして、私は彼と出会った。
一年間、共にあの呪い…
…『怪異症候群』へと立ち向かう事となる男。
比企谷八幡、と。
続く
ぶっちゃけ、夜に初めて八幡と出会うのはかなり怖いと思う。