やはり俺が『怪異症候群』に巻き込まれるのはまちがっている   作:クロスディア

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『くねくね』はもしかしたら、くびれ鬼と同じ様な類いの怪異なのかもしれない。悪意ある分、此方の方が質が悪いかもしれないが。


第19話 『くねくね』の怒り

第19話

 

「倒せるんですか?ラリックマの時みたいに面倒な手順とかは…」

「必要ない。今回のは倒せば終わりな奴だ。」

 

まぁ、普通の人間ならその土台に立たせてもらえないタイプでもあるが…

 

「問題は、奴が俺達を避けてる事なんだよね。」

「そこなんだよなぁ…」

 

近くに気配自体は感じるが、全く近付いて来ないんだよなぁ。

 

当然と言えば当然なのだが、やはり俺達は怪異にすら嫌われている様だ。

 

「ん?七望兄さん…」

「…ああ。『くねくね』の奴が離れていってる。」

 

俺達を狙うのを止めたのか?

 

いや、違う。

 

奴が出すとある感情の気配が、どんどん強くなってる。

 

「七望兄さん、行こう。」

「ああ、追いかけた方が良さそうだ…」

「何か起きてるんですか?」

「…まだ解らん。だが…」

 

だが、これだけは言える。

 

「奴は怒っている。しかも、あの怒りは…」

 

俺達と同じ、俺達の中でずっと燻り続けている…

 

「…『理不尽』への怒りだ。」

 

…同じ増悪と悲しみに満ちた怒りだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ、ここだな。」

「あ、あの、すみません。私が遅いせいで…」

「気にするなよ、姫野くん。八幡の奴も役得だろうし…」

 

黙れ、クソ野郎。

 

俺達の速度だと、姫野をおいてけぼりにしてしまう。

 

だからって、おんぶはないだろ…

 

後、チャラそうに見えて、身内以外の女に免疫が無いから俺にやらせただけの癖に…

 

注)七望は誰にでも『喋る』事は出来ますが、身内以外への女性への対応はクソ雑魚(スライムレベル)です。

 

「しかし、墓場か…」

奴の墓でもあるのか?

 

何か、皿屋敷の幽霊が出そうな井戸も…

 

「あの井戸、何か居たな…」

「…ああ。でも、既にお引っ越しした後みたいだね。」

 

しかも、死の臭いまでしやがる。

 

そして、この井戸に残る怪異の気配は…

 

「「『くねくね』は元々、此処に居た?」」

「えっ、それじゃあ…」

 

それでも、奴は出てきた。

 

つまり、それ相応の理由と、害意を持って。

 

「何だい、アンタら。こんな所にも居るなんて…」

 

と、いきなり話しかけらる。

 

この声、あのコンビニの!

 

「ちっ、怪異の気配に気を取られ過ぎたか!」

「姫野くん、俺達の後ろに…」

「は、はい!」

 

と、姫野を後ろに下がらせて、目の前にいる女に警戒する。

 

コイツから発せられる狂気の気配、何処となく奴に似ている。

 

つまり、コイツは…

 

「何だい、その目は?まるで、化け物を見る様な目じゃないかい…」

「その通りでしょ、ババア。」

「同感だ。アンタ、あの『くねくね』について知ってるだろ?」

 

その問いをした瞬間、奴は急にキれ…

 

「違う!奴は『くねくね』なんかという作り話の存在じゃない!そんな事も解らないなんて、アンタ達も出来が悪い子なんだねぇ!」

 

と、捲し立てる。

 

ああ、俺は確信した。確信してしまった。

 

奴の怒りが、誰に向いているのか。理不尽を奴に与えたのが誰なのかを。

 

「あの井戸の中にはアイツが居た!でも、居なくなってたんだよ!ずっと、ずっと十数年も残り続けてきたのに!」

 

残り続けてきた物。それこそが井戸から感じる死の気配の根元。

 

そして、『くねくね』の…

 

「私が殺した!自分の手で殺した子供のね!」

 

狂っていた。『くねくね』に狂わされる手間も要らず、この女は狂気に満ちていた。

 

「…そうか!アイツを出したのはお前達か?」

「えっ?」

「そう来るか…」

「全く、質の悪いクレーマーだ。」

 

思考が支離滅裂になってるな、コイツ。

 

それに、遅かれ早かれ奴は出てただろうさ…

 

「さて、観念しなガキども!」

c;f6j5q@(それはおまえだ)!』

「えっ?ぎゃぁああ!』

 

…今お前に起きているそれと同じ事を、お前にする為に。

 

続く




この怒りは忘れない。例え、死んでも忘れない。
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