やはり俺が『怪異症候群』に巻き込まれるのはまちがっている   作:クロスディア

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ヤンデレとクーデレだったら、クーデレを選ぶ。


第26話 撲殺天使 美琴ちゃん

第26話

 

(ごめんなさい!本当にごめんなさい!)

(い、いや大丈夫だ…)

 

…嘘である。

 

実はかなり効いた。

 

女子の平手打ちって、こんなにも威力凄いのか…

 

(…あの、八幡さん……)

(ん?何だ、姫野?)

(ここ、本当に菊川警察署ですよね?)

 

…何だ、お前も気が付いてたのか。

 

(…違うな。おそらく、まだ夢の中だ。あの怪異が作り出した悪夢のな…)

(やっぱり…)

 

まず、違和感が凄いのだ。

 

この悪夢は、ほぼ完璧にあの警察署を真似ていると言っていいだろう。

 

だからこそ、何処か嘘臭さが滲み出ている。

 

(…少し周りを警戒しながら探索するぞ。)

(は、はい!)

 

俺達は偽物の警察署を探索し始める。

 

やはり、そっくりだ。

 

だが、人の気配が全くしない。

 

それ所か、それらしき臭いも音もしない。

 

(…一応、出口に行ってみるか。)

 

この警察署の出口へと向かってみる。

 

まぁ、おそらくだが…

 

(そ、そんな…)

(やっぱり居たか…)

 

出口にはピエロが待ち構えていた。

 

あれを倒さなきゃ出れないって事だろう。

 

だが…

 

(戻るぞ、姫野。ここは唯のブラフだ。)

(え?)

(しれっと、見えない壁張ってやがる。おそらく、あれは偽の出口だ。)

 

全く、変な手間をかける奴等だ。

 

(じゃあ、出口は別にあるって事ですか?)

(おそらくな。例えば、そこにある扉とかな。)

 

この警察署で見覚えのない扉が、出口の近くに存在していた。

 

そこには、何かをハメる様な窪みがある。

 

全く、ゼルダの伝説じゃあるまいし…

 

(まぁ、どちらにしろ開けれそうにない。本当にどうした物か…)

 

探索するにしても、二階や三階、地下一階まであるのだ。

 

何処から手を着けた物か…

 

(あの…私達が居た部屋にでも行ってみます?)

(当てもヒントも無いし、行ってみるか。)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺達は談話室へと辿り着く。

 

まぁ、談話室と言っても特務課の人か関係者しか使ってない場所だが…

 

さてはて、鬼が出るか蛇が出るか…

 

(やぁ、待っていたよ美琴くん。イレギュラーのクソ野郎。)

(…ひ、氷室さん?)

(物凄く嫌われてるな、俺…)

 

まぁ、等さんが俺の事をそう呼ぶ事はない。

 

間違いなく、コイツは偽物だろう。

 

そして…

 

(紹介したい人達が居るんだ。)

 

偽等さんがそう言った瞬間、あのピエロ達が壁を突き破って現れる。

 

(彼等は……殺人鬼だ。)

【【挽肉~挽肉~♪隣のクズ肉はゴミ箱行き~ゴミ箱行き~♪】】

 

何でさっきから俺にヘイト高いの、コイツら?

 

まぁ、良い。今は……

 

(逃げるぞ、姫野!)

(は、はい、八幡さん!)

 

ここじゃ戦いにくい、一旦戦い易い場所へ…

 

【無駄~♪無駄~♪】

【挟み撃ち~♪挟み撃ち~♪】

 

しかし、逃げた方向の前からピエロが現れる。

 

前門のピエロ、後門のピエロか…

 

面倒だが、やるしか…

 

(も、もう…)

(ひ、姫野?)

(もう、嫌!)

(ひ、姫野!?)

 

姫野が震え出したと思った瞬間、近くに在った電話機を持ち上げる。

 

そして、ピーと鳴る電話機を全力で降り投げて…

 

(えっと、その…ピーという発信音の後に遺言をどうぞ。)

【えっ~?えっと~人肉万歳~♪】

 

ノリが良いのか、姫野に電話機を投げられたピエロはそう言い残して沈む。

 

…まぁ、御愁傷様。

 

なら、後は…

 

【びっくりしたぁ~♪でも、僕は油断したりしないよ~♪】

(いや、しようがしまいが無駄だ。俺が勝つ事には変わりないからな。)

 

後ろから来ていたピエロのナイフを避け、腹部に渾身の蹴りを喰らわせる。

 

【く、クズ肉めぇ~。な、何でそんなに強…】

 

と、恨み節を呟きながら、沈んでいく。

 

(ふぅ、よくやった姫野。ラリックマの時も思ったが、肝が強いな!)

(…へ?えっ、その、ありがとうございます?)

 

何その反応…

 

もしかして、自覚無しなのかコイツ?

 

(ぼ、撲殺天使…)

(へっ、天使?)

(いや、何でもない…)

 

思わず、そんな言葉が出てくる八幡であった。

 

続く

 

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