やはり俺が『怪異症候群』に巻き込まれるのはまちがっている 作:クロスディア
第47話
隠し扉の先へと入っていく。
中は薄暗く、あまり良い場所とは言えない。
「…暗いな大丈夫か、八幡?」
「これ位なら大丈夫ですよ、等さん。姫野、危ないから手伝うぞ。」
「あっ、ありがとうございます!」
後から続いて降りてくる姫野の手を取り、ゆっくりと降ろしてやる。
等さんは兎も角、こんな所で怪我されちゃ敵わんしな。
「…こっちか。」
力を感じる方へ進んでいく。
近付けば近付く程、その力は増していく。
だが…
「あの能面とは違う…」
近付いたお陰で解ったが、明らかにあの能面とは違う力、気配だ。
むしろ…
「八幡さん、氷室さん…」
「…美琴くん?」
「…どうした、姫野?」
「私、感じるんです。この奥に…何か大切な物が有るって…」
…むしろ、この感覚は姫野から感じる物に近い。
おそらく、この先にある物こそが、『姫野』の根元に関わる…
「…行きましょう。この先に、私が向き合わなきゃいけない物がある。」
「了解、元よりそのつもりだ。」
「ああ、俺達の任務は君のフォローだからな。」
姫野と一緒に奥へと進んでいく。
その奥には、立派な社が建ててあった。
これか…
この中に力の正体が…
「あれ?この社、開かない…」
「鍵がかかってるのか?それとも…」
いや、鍵じゃない。
結界、かなり強い結界が張られている。
なら…
「等さん、姫野、少し退いてくれ…」
「「え?」」
少し離れた所で、『鳳凰丸』を構える。
開かないのなら、抉じ開ければ良いだけだ。
「行くぞ、『鳳凰丸』!」
『了解だよ、主人!斬りがいのある結界だぁ、ワクワクするね♪』
一振り、一閃。
放たれた斬撃が、社の結界とぶつかる。
そして、思ったよりも簡単に結界は斬り裂かれる。
疑問に思うが、すぐ切り替える。
「開きましたよ、等さん。」
「抉じ開けたの間違いだろ…」
「…開きましたよ、等さん。」
「あはは…」
まぁ、開いたから結果オーライですよ。
『結果は過程を正当化する』って、あのニチアサでも言ってるんですから…
「さて、中身は…」
中を除くと、本らしき物があった。
それを手に取ると、違和感を感じる。
これ、『猿夢』の時と同じタイプの…
「ほら、姫野。多分、お前が持つべき物だ。」
「あ、ありがとうございます。」
手渡した瞬間、姫野が出す気配が変わった気がする。
より力強く、より優しい物に…
「八幡さん…」
「どうやら、正解らしい。だが…」
空気が読めない奴が近づいてきている。
色々とその本を調べる前に、奴には退場して貰わないとな。
『み、み、見つけたゾ!』
「コイツが例の能面か、八幡?」
「ええ。姫野、お前は下がってろ…」
「は、はい!宜しくお願いします!」
俺は『鳳凰丸』を、等さんは霊光銃を構える。
『じゃ、じゃ、邪魔をするナ!』
「邪魔なのはお前だ、能面!」
斬撃や銃撃を何度も放ち、奴はその度に破壊と再生を繰り返していく。
だが、俺達は容赦なく攻撃を続ける。
コイツはラリックマとは違う。単純に再生能力が高いだけの怪異だ。
なら、根性比べをしてやれば良い。
こちらが果てるか、お前が果てるか。
さて、どっちが勝つかな?
『ふ、ふ、ふざけるナァ…』
「ちっ、もう限界か。まだ百発もぶち込んでないというのに。」
「だが、奴は倒せた。早く翔太の所へ戻ろう。」
全く、また復活したら今度からヤプールって呼んでやるよ、能面め。
「わぁ、凄い。八幡さんだけじゃなくて、氷室さんもって!」
『す、す、隙を見せタ……………エ?』
全く、ヤプールめ。そうそうフラグを回収してくるんじゃねぇよ。
「「もしかして、刺されるのが好みか?」」
能面には俺の『鳳凰丸』と、等さんのナイフが突き刺さり、崩壊をし始めている。
『ああ、ああ、わ、わ、我らが悲願…』
「さっさと死んどけ、もう面倒だ。」
崩れ落ちていく能面を完全に蹴り砕く。
もう二度と復活しないという保証はないが、当分は大丈夫だろう。
続く
ここのシーン、かなり好き。