やはり俺が『怪異症候群』に巻き込まれるのはまちがっている 作:クロスディア
第6話
「よし、作れたな…」
「は、はい。そ、そうですね…」
あの重苦しい空気から解放されたが…
「……………」
「……………」
ぎこちなさだけは執拗に残ってしまう。
こういう時、どうすれば良いのだろうか?
…考えても無駄か。今はラリックマを倒す事だけを考えよう。
それに、噂をすれば…
『あ~れ~?何か雰囲気が違うね、お兄ちゃん♪もしかして、もう逃げない?』
「……ああ。お前を捕まえなきゃいけないからな。覚悟しろ、ラリックマ。」
『警察ごっこだね、楽しそう♪』
その言葉を呟いた瞬間、俺達は同時に走り出す。
相手には刃物、此方は一人背負っているせいで両手が塞がっている。
だが…
「それがどうした!」
『流石だね、お兄ちゃん…』
奴の刃物を紙一重で避け、殺さない様に地面へと踏みつける。
よしっ!この状態なら…
「今だ!早く塩水を!」
「は、はい!」
女の子が口に含んだ塩水を、男が踏みつけている熊の人形にかけるという謎の構図。
そこはかとなく変な雰囲気になるが、今はそんな事を言っている場合ではない。
『足蹴にしただけじゃなくて、動かせなくするなんて、お兄ちゃんは変態さんだね♪』
「……さっさと燃やしに行くぞ。」
「…ですね。」
その後も…
『無視するな!』とか…
『変な性癖持ちの変態お兄ちゃん♪』とか…
『構え!遊べ!』とか脳に響く様な奇声を上げ続けるラリックマを無視し、暖炉がある部屋へと向かうのであった。
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「何か疲れた…」
「私もです…」
暖炉がある部屋へやっと辿り着き、俺達はその場に腰を下ろす。
『あれ、最初にお兄ちゃんとあった場所だね?はっ、もしかして思い出の場所で私を踏みつけたかったの?』
「…早く燃やすぞ。」
「…あはは、ですね。」
変な戯れ言をほざくラリックマを無視し、奴を暖炉へと放り込む。
よし、後は…
「あれ?そういえば、火はどうするんですか?」
「それならこれがある。」
一旦、背負っている少女を下ろし、懐から黒いライターを出す。
「これで、火をつける。奴が燃え尽きれば、この『ひとりかくれんぼ』も終了だ。」
そう告げながら、火を点火する。
すると…
「…そうですか。やった、これで…」
彼女はそう呟くと共に、地面へ倒れ伏す。
「おい!大丈夫か…」
慌てて近寄ると、良い顔で寝息を立てている。
どうやら、緊張の糸が切れてしまった様だ。
「全く、心配させやがって…」
こうして、呪われた夜は終わった。
だが、彼らは知らない。
本当の悪夢は、これからなのだと…
続く
呪われた運命の夜は終息し、次の狂気を呼び覚ます。