小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~   作:銅英雄

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第11球 まずはこの場で謝罪させてください

「柳大、投手交代するのか……」

 

「大野さんの攻略出来かけていたのに残念だな……」

 

柳大川越は投手を交代するみたい。稜ちゃんの言うように大野さんの投げる球にタイミングが合い始めていただけに、少し残念かも……。

 

「あれ?あの人って……」

 

「朝にニゴイを釣ってた人だ。じゃあもしかしてあの人が……?」

 

私が疑問に思っていると、芳乃ちゃんが説明を始めた。

 

「あ、あの人は去年の夏……1年生ながら、4試合で僅か3失点の速球派右腕の朝倉千景さん!!」

 

(やっぱり……。瑞希ちゃんの取ってたデータリストの中でも埼玉県内の要注意投手だ)

 

でも柳大川越ってエース級の投手2人が右投げと左投げでバランスが良いよね。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

三者連続三振。しかも投げているのはストレートだけ……!

 

「…………」

 

「なんだ芳乃、感動したのか?私達が打ち取られる様を見て」

 

「……ううん、瞬きするの忘れてた」

 

芳乃ちゃんが瞬きするのを忘れるレベルの投手……か。

 

「だが実際とんでもないぞあれは。全国レベルかも知れん」

 

「不味くね?次の回は下位打線だろ?終わったんじゃ……」

 

「駄目駄目!私も打ちたいっちゃけど!次の回絶対に回してよ!?」

 

「そうなると次の回はどこかで和奈ちゃんに代打として出て貰う必要があるね。準備は出来てる?」

 

「う、うん。私はいつでもいけるよ」

 

「和奈ちゃんを出すタイミングは次の私達の攻撃に考えるとして、まずは裏の回を切り抜ける必要があるね」

 

そうなるとヨミちゃんが萎縮していると不味いんだけど……。

 

「あんなピッチングを見たらなんだかワクワクしてきた!早く打席で見たいな~」

 

「それなら3人で抑えないと……っ!」

 

「タマちゃん……?」

 

守備に付こうとした珠姫ちゃんが突然立ち竦む。

 

「タマちゃん!?」

 

「珠姫ちゃん!?」

 

「いた……っ!」

 

ま、まさか……!?

 

「足、痛いの……?」

 

「あ、あはは……。ちょっと痛むくらいだよ。あと2イニングくらいならなんとか……」

 

「駄目……駄目だよ。その2イニングで悪化したら取り返しのつかない事になっちゃうよ!」

 

「で、でも怪我なんていつの間に……?」

 

「……柳大に1点取られる際のクロスプレーだと思う。そこで足を痛めたんだよ」

 

「私、なら、全然大丈夫……!」

 

「いいえ。清本さんの言う通り、ここは下がってもらいます。顧問として、教師として、教え子に危険を晒させる訳にはいきません」

 

「でも……!」

 

珠姫ちゃんは続行不可能……。幸い私がいるから、人数不足による没収試合にはならないけど……。

 

「でもヨミのストレートはともかく、あの球を捕れる人っているのかしら……?」

 

誰かがポツリと呟いた瞬間、空気が重くなった。このままだと不味いよ……。

 

「……先生、少し時間をくれませんか?」

 

「……それは向こう次第ですが、取れたとしても余り稼げないでしょう」

 

「ちょっと行ってきます!」

 

「お、おい和奈!?」

 

私はグラウンドの外に出て、瑞希ちゃんを探しに行った。小学校のクラブチームで捕手を務めていた瑞希ちゃんなら、きっとヨミちゃんのあの球も捕れる筈……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……って事があって、瑞希ちゃんの力を貸してほしいの!」

 

あらすじ解説ありがとうございます。しかし……。

 

「試合はもう6回裏ですし、武田さんにはストレートだけでも良いのではないですか?」

 

「でも皆頑張ってるんだよ……。私はまだ出てないけど、必ず同点以上にしてみせるから……。そうなるとヨミちゃんのあの球は必要なんだよ。それを珠姫ちゃん以外に捕れるのはきっと、瑞希ちゃんだけだから……!」

 

……やはり諦めるという選択肢はありませんね。ここまで接戦をしている相手に対して正捕手負傷による敗北は向こうとしても納得いかないでしょう。

 

「……とりあえず行きましょうか。話はそれからです」

 

「うん!早く行こう!」

 

あの、引っ張るのを止めてください。貴女の馬鹿力で私まで負傷したらどう責任を取るんですか?

 

「皆お待たせ!」

 

「和奈ちゃん……。その人が?」

 

「うん……。前に言ってた瑞希ちゃん」

 

私の印象は現状良くないと思いますが、和奈さんは普段私の事をなんと言っているのか、話し合う必要がありそうですね。

 

「まずは謝罪させてください。入部届けを出した(和奈さんのドジによって出された)にも関わらず、今日まで顔を出せずすみませんでした」

 

「み、瑞希ちゃんは悪くないよ!私がうっかり瑞希ちゃんの入部届けを落としちゃったから……」

 

和奈さんはむしろ猛省してくださいね?

 

「……その謝罪、そして貴女の入部を顧問として認めましょう」

 

「ありがとうございます」

 

「では自己紹介をお願いしますね」

 

藤井先生の許可も降りたので、改めて自己紹介を……。

 

「……二宮瑞希です。小学校の頃に和奈さんと同じチームで野球をしていました。ポジションは捕手です」

 

「成程。二宮さんのポジションは捕手ですか……。それなら2、3球程武田さんの球を受けてもらいましょう。ここからはプレーで信頼を勝ち取ってください」

 

「はい」

 

私はユニフォームに着替え、ポジションに付く前に武田さんの球を3球受ける事になりました。

 

「じ、じゃあ行くよ……?」

 

「大丈夫ですよ。どうぞ」

 

武田さんは最初にストレートをど真ん中へ。

 

 

ズバンッ!

 

 

(武田さんの球を直に見るのは初めてですが、中学時代よりも伸びてますね)

 

「あとの2球は決め球をお願いします」

 

中学時代の武田さんの決め球……ナックルスライダーは当時に組んでいた捕手は捕球しきれず、投げるのを封印したと聞きます。一応映像に納めて、イメージトレーニングをしてきましたが、果たして……?

 

 

ズバンッ!

 

 

「と、捕った……」

 

(捕球は出来そうですね。あとは時折投げる試合中に成長する武田さんの球に対応出来るか否か……)

 

この試合ではもうなさそうですが、格上を相手に対しての武田さんは試合中に急成長する可能性がありますからね。それはかつて私が組んでいた投手と同じように……。

 

 

ズバンッ!

 

 

「これなら武田さんも問題なく全力で投げられそうですね。山崎さんは二宮さんと交代です」

 

「ご、ごめんねヨミちゃん。最後まで踏ん張れなくて……」

 

「タマちゃんがいないのはちょっと寂しいけど、二宮さんは私の球を捕ってくれるし、大丈夫……。でもちゃんとベンチから見ててね?私の投げる球を!」

 

「うん……!もちろんだよ!」

 

武田さんと山崎さんは幼馴染と聞いていますが、仲が良さそうですね。今回は私が武田さんの球を捕りますが、今後武田さんの相方を務めるのは山崎さんになりそうですね。

 

「……という事で、よろしくね!」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

武田さんも受け入れているみたいですし、残り1イニング……同点か逆転に成功すれば、残り2イニング……。私なりに武田さんのリードを頑張りましょう。

原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。

  • 珠姫、息吹、詠深、理沙
  • 珠姫、息吹、稜、菫
  • 珠姫、息吹、希、白菊
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