小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~   作:銅英雄

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第14球 それを指摘するのは私の役目ではありません

「お邪魔しま~す!」

 

「お、お邪魔します……」

 

「お邪魔します」

 

私達3人は川口家へと足を運ぶ。新越谷高校から徒歩数分で行けるのは良いですね。

 

「飲み物取ってくるね。私の部屋は散らかっているから、反省会は息吹ちゃんの部屋でやるよ」

 

「部屋に案内するわ。こっちよ」

 

息吹さんの案内の下、部屋に入ろうと思ったのですが……。

 

「あれ?芳乃ちゃんとヨミちゃんは?」

 

「あれ?さっきまで一緒だったのに……」

 

「お待たせ~」

 

所在を確かめる前に2人が戻って来ましたね。

 

「じゃあヨミちゃんは先にお風呂に入っててね!」

 

「うん」

 

「お風呂……?ヨミちゃんどうしたの?」

 

「芳乃ちゃんがマッサージをしてくれるんだ~!」

 

「こう見えて得意なんだよ。ねっ、息吹ちゃん?」

 

「そ、そうね……」

 

(芳乃のマッサージは痛いのよね……)

 

「じゃあお風呂いただくね~」

 

「行ってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝てそうだったのに、まさか朝倉さんが出てくるとはね……」

 

「怖かった」

 

「でも早めに見られて良かったよ」

 

「それに和奈ちゃんがホームランを打ってくれたしね!」

 

「そ、速球系の球は得意だったから……」

 

武田さんが入浴している間にも、軽く反省会。私は攻撃に参加していないので、和奈さんからもらった映像を見直しながらメモを取っています。

 

「和奈さん。映像を見せてくれてありがとうございます」

 

「うん。これも現像しとく?」

 

「是非お願いします。きっと後々の役に立ちますので……」

 

和奈さんに現像をお願いしましたし、あとの用件も済ませてしまいましょう。

 

「それと……芳乃さんにはこれを渡しておきます」

 

私はノート冊子を数冊取り出しました。

 

「み、瑞希ちゃん。これは……」

 

「私が中学の頃から調べた埼玉県内の有力校のデータです。芳乃さんのお役に立てるのなら、もらってください」

 

「す、凄い。細かいところもビッシリと書かれてる……。ほ、本当にもらっても良いの!?」

 

「コピーも取ってありますし、それは構いませんが……。お役に立てそうですか?」

 

「もちろんだよ!毎日読み直すね!!」

 

「流石にそこまでしなくても良いとは思いますが……」

 

いえ、私が芳乃さんの立場ならきっと同じ事をしていたと思いますし、これ以上この話をするのは止めておきましょう。

 

「それと今後の野球部についてですが……」

 

「その辺りも色々と考えてるけど、瑞希ちゃんの力もきっと必要になると思うし、協力してくれる?」

 

「良いですよ。他校の偵察もよくやっていましたので、そっち方面も含めて協力します」

 

それが新越谷での私の役割ですからね。

 

「…………」

 

「珠姫ちゃん、どうしたの?」

 

「……いや、何でもないよ」

 

(瑞希ちゃんに聞きたい事は瑞希ちゃんと2人の時に聞いて見ようかな……)

 

「ふぃ~、良いお湯でした」

 

「顔赤いね……」

 

顔がのぼせるまで入ってたのですか?

 

「身体が柔らかくて良いねぇ。故障もしにくいし、球速も上がると思うよ」

 

「本当?やった!」

 

「武田さんの球速はまだまだ伸び盛りですからね。それに……」

 

「それに?」

 

「……いえ、それを指摘するのは私の役目ではありません」

 

それは山崎さんの仕事です。武田さんの力を上手く引き出せるのは山崎さん……という事が武田さんの球を数球受けてわかりました。

 

「ええ~?気になるよ~!」

 

「心の中に秘めておきます」

 

「そんな~!」

 

「あはは……。ねぇ珠姫ちゃん、今日のヨミちゃんはどうだった?」

 

「……4回の1点は余計だったね。あの球を要求したのに、ただのカーブが来るし」

 

「アイタッ!」

 

確かに映像でもあの場面は余計でしたね。あれさえなければ新越谷が勝っていても可笑しくなかったでしょう。

 

「それに序盤は好投しているように見えたけど、追い込んでからのあの球はいまいちだった」

 

「アイタタッ!!」

 

「……でも終盤は良かったかな。怪我さえなければずっと受けていたかったよ」

 

「タマちゃん……」

 

「それで……ヨミちゃんに聞きたい事があるの」

 

「どうしたの?」

 

「6回と7回は瑞希ちゃんがヨミちゃんの球を受けてた……。正直に答えて。私と瑞希ちゃん……どっちが投げやすかった?」

 

これは……今後の事も考えて聞いておきたいですね。私は2イニングしか捕手を務めていませんし、バッテリー相性の良し悪しを鑑みれば山崎さんの方でしょうね。

 

「……瑞希ちゃん、かな。あの2イニングは今までで1番気持ち良く投げられた気がする」

 

「そっか……」

 

「で、でもタマちゃんの方があの球を捕ってくれて嬉しいって気持ちはあるよ!」

 

「はいはい。ありがとね」

 

そう……。武田さんは私の方が投げやすいと言ってくれましたが、武田さんの決め球は山崎さんの方が上手く活かせていると映像から伝わってきています。

 

(私の捕手としての今後の課題が見えてきた気がします。それに……)

 

「…………」

 

(新越谷の勝利には和奈さんの他にあの4人が必ず必要になってきます)

 

芳乃さんや、先生、主将にも色々相談しておきたいですしね。

原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。

  • 珠姫、息吹、詠深、理沙
  • 珠姫、息吹、稜、菫
  • 珠姫、息吹、希、白菊
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