小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~   作:銅英雄

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第17球 本格的に投手を目指してみませんか?

日も暮れて、食事の時間になった。料理は芳乃ちゃんと瑞希ちゃんが作ってくれたものだ。

 

「いただきまーす!」

 

「いっぱいあるから、ゆっくり食べてね」

 

「はーい!」

 

「良い食べっぷりだね和奈ちゃん」

 

「確かに……。その小さい体のどこにそんなスペースがあるのよ?」

 

ち、小さいって言われた。気にしてるのに……。

 

「相撲とかと同じように、食べる事で体を作っていくんだよ。パワーも付くしね。特に私や瑞希ちゃんの場合はよく食べて、よく動き、よく休む必要があるって言ってた」

 

その瑞希ちゃんはかなりの少食だけど、私の場合はスラッガーを目指すなら、食べる事で体を作っていった方が良いって瑞希ちゃんが言ってたし、私もそれに従ってた……。

 

(その瑞希ちゃんがいないけど、どこに行ったんだろう……?)

 

「ヨミ!後で夜の学校を探検しようぜ!」

 

「良いね~!合宿っぽい!」

 

「私もお供させていただきます!」

 

学校探検と合宿っぽいって言葉に白菊ちゃんが反応して一緒に行きたいって言ってきた。こういうのに憧れてるのかな……?

 

「じゃあ皆で行こうか!でも寮が隣にあるから、静かにね」

 

『はーい!』

 

「あれ?先輩達は?」

 

「先刻出て行かれましたよ」

 

「瑞希と息吹もいないな……。いつの間に出て行ったんだ?」

 

先輩達も、瑞希ちゃんと息吹ちゃんも、自主トレに行ったのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パスッ。

 

 

「どうしたらもっと速く投げられるかしら……?」

 

「そんな急に速くはなりませんが、とりあえず真上から振り下ろす感じでもう1度投げてみてください」

 

「わ、わかったわ」

 

食事の後に息吹さんから自主トレに付き合ってほしいと言われて、この場所で練習しています。私自身も息吹さんの球を受けてみたかったので、丁度良いですね。

 

 

パスッ

 

 

「う~ん。駄目ね……」

 

「ですが先程よりも少し速くなっていますよ?」

 

「ほ、本当に!?」

 

「はい。間違いありません」

 

実際に息吹さんはかなりセンスがあります。もしかしたら武田さんを越える投手になる可能性を秘めているのかも知れませんね。

 

「あら……?息吹ちゃんと瑞希ちゃん?」

 

「理沙先輩……」

 

「藤原先輩も自主トレですか?」

 

「ええ。柳大川越との練習試合では足を引っ張っちゃったしね」

 

「和奈さんからもらった映像を見る限り……守備方面で藤原先輩は貢献していると思いますよ」

 

「ふふっ。ありがとう瑞希ちゃん」

 

実際にお世辞ではなく、藤原先輩は1年多く私達よりも練習をこなしている分、藤田さんや川崎さんよりも安定した動きを見せていると……私は思います。

 

「瑞希ちゃんから見て……私達はどうかしら?投手としてやっていけそう?」

 

「そうですね……。2人共投手適性はありますし、良い具合に育つと思いますよ。特に息吹さんのセンスはかなりのものです」

 

「そ、そうかしら?ヨミや理沙先輩に比べて球速も遅いし……」

 

「投手を始めたばかりですので、それは仕方がありません。武田さんは何年も投手として投げ込んでいますし、藤原先輩も元々のポジションは強い肩を要求するサードを守っています。この2人は持つべき球の力を予め持っているんですよ」

 

それに……。

 

「芳乃さんから聞きましたが、息吹さんは様々な投手のフォームをコピーしているそうですね?」

 

「い、一応……」

 

「そこからそれらしき動きは出来ていますし、動きの良さも伺えます。逆に言えば多種多様なフォームを利用しているせいで投手としての成長を妨げています」

 

「そうなの!?」

 

「本来フォーム変更は今のままでは成長の余地がない場合に、更なる成長や、新しい可能性に賭けて行うものです。ですのでまずは1つのフォームで投げるところから始めましょう」

 

「それはわかったけど、どういうフォームで投げれば良いのかしら……?」

 

「これはあくまでも私の意見ですが、先程やったオーバースローが息吹さんには合っている気がします」

 

朝倉さんが投げていたフォームよりも更に真上から振り下ろして投げるフォームですね。

 

「オーバースロー……」

 

「これを先に言っておきますが、フォームの固定をするという事は今後コピーフォームで投げる事を2度とさせません。場合によっては芳乃さん達とも反発する可能性もあるでしょう」

 

「そ、そんなに大袈裟な事なの!?」

 

「芳乃さんの注文に応える為に、様々なフォームをやってきたのでしょう?ならば可能性くらいはあります。ですがしっかりしたフォームで安定させれば、今よりもずっと速い球を投げられるようにもなります」

 

「い、今よりも……ずっと……」

 

「私は……息吹さんには投手としての才能があると思っています」

 

「瑞希……」

 

「息吹さん。本格的に投手を目指してみませんか?」

 

私の言葉に息吹さんも、藤原先輩も驚きを隠せない……といった表情をしていますね。ですがこれは私の正直な意見です。私は息吹さんの投手としての成長を見続けたい……そう思っています。

原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。

  • 珠姫、息吹、詠深、理沙
  • 珠姫、息吹、稜、菫
  • 珠姫、息吹、希、白菊
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