小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~   作:銅英雄

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第18球 こんな騒動も合宿の醍醐味だよね!

「3人共、こんな所にいたのか」

 

3人で自主トレを続けていると主将がこちらに来ました。口振りからして、私達の事を探していたみたいですが……。

 

「怜……。よくわかったわね。ここなら誰も来ないと思ったんだけど」

 

「その誰も来ないと思っていた場所に私と息吹さんが先にいた訳ですね」

 

「でもここって確かに学校の穴場って雰囲気がするわよね」

 

確かにこの場所は人気が少なく、私も気分転換によく来るんですよね。落ち着きます。

 

「確かこの場所ってアレだろ。幽霊が出るとかって噂の……」

 

「ひっ!?」

 

「あれ?あんなの信じてるの?可愛いとこあるじゃない」

 

「誰が信じるかそんなもの!」

 

「そ、そうよね。そんなのいないわよね……」

 

「いえ、そうでもないですよ?丁度この付近は埼玉県の心霊スポットとして十数年前に特集された事があります」

 

『えっ……?』

 

私が生まれる前か、生まれた後かは忘れてしまいましたが、録画されているのを見た記憶がありましたね。

 

「……そ、それよりも!3人共初日から飛ばし過ぎじゃないか?」

 

「り、柳大戦では足を引っ張っちゃったからね……」

 

「わ、私も……」

 

私に至っては打席にすら立っていませんからね。これを私の打撃力に関してノーデータであると捉えれば良いのか、それとも……。

 

「しかし去年を思えば考えられないな」

 

「ふふっ。自主トレなんてしてたら先輩に怒られてたものね……」

 

去年に起きた不祥事の事でしたね。自主トレをしている後輩に叱責するのは怠惰な自身を悟られてしまうからなのでしょうか?

 

(この件も少し調べてみましょうか……)

 

私達が練習している事で、色々な人達からいちゃもんや、不祥事を起こした方々による暴行事件等があっては新越谷の皆さん……何より和奈さんが巻き込まれてしまいますからね。

 

「諦めないで良かった……。ありがとう、一緒に残ってくれて」

 

「……どういたしまして。でも私が残ったのは凄く自分勝手な理由だから」

 

「えっ?」

 

藤原先輩が主将と一緒に残ったのは、藤原先輩が主将と一緒のグラウンドで野球をしたかったから、そして藤原先輩の目標が主将だから……という理由みたいですね。

 

(……私も、和奈さんと野球がしたかったから、ひたむきに頑張っている和奈さんのサポートを全力でしたかったから、今の私がいるのかも知れませんね)

 

「だから!精々追い抜かれないように頑張りなさい!」

 

「……ああ、頑張るよ」

 

(こ、これって私が聞いて良い話なのかしら……)

 

「それと……瑞希に礼を言いたかったんだ」

 

「そうね……」

 

「私に……ですか?」

 

礼を言われるような事は何もしていないと思うのですが……。

 

「去年の不祥事の件……告発したのって瑞希ちゃんよね?先生からそう聞いたわ」

 

「だから……私達を救ってくれた事を、感謝してる。ありがとう」

 

「ありがとう」

 

「……別に礼を言われるような事はしてないつもりですよ。私は私の都合で告発したに過ぎません。それに告発した事によって停部になった訳ですしね」

 

「あれは部活としての連帯責任に過ぎないさ」

 

もしもあのまましごきが続いていたら、和奈さんに悪影響を及ぼしてしまいますからね。こちらに火の粉が降りかかる前に処分したに過ぎないんですよ。

 

「私達ずっと瑞希ちゃんにお礼が言いたくて、近辺を探し回っていたのよ?」

 

「そうそう。確か瑞希の着ていた制服は仙波中学のだったから、1度学校にまで理沙と足を運んだんだ」

 

何をしてるんですか……。停部期間とは言え、練習を優先しましょうよ。

 

「でもこうして会えて良かったよ」

 

「入部は少し遅れての形ですが……」

 

そもそもあれも和奈さんが余計な事をしなければ、印象が悪くなる事もなかったんですよ。

 

「……私達を助けてくれた後輩の為にも、精一杯指導しないとな。もちろん去年の惨劇を繰り返さないように」

 

「瑞希ちゃんにとっても、その方が良いんじゃない?」

 

「……そうですね。先輩達から色々教わりたいと思っています」

 

「瑞希は外野もやろうと思ってるんだよな?私で良ければアドバイスをさせてくれ」

 

「はい。ご指導お願いします」

 

(ほ、本当に私がいて良かったのかしら……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……幽霊かと思ったら、先輩達だったとは」

 

「瑞希ちゃんと息吹ちゃんもいるね」

 

「なんかさー、良いよな。ああいうの」

 

「何を言ってるのよ……」

 

「へへっ!良いじゃん。たまには」

 

「でも稜ちゃんの言いたい事……なんとなくわかるかも」

 

こういう風景ってなんか合宿内で起こる青春って感じがする。

 

「……ところで投手はやれそう?」

 

「選ばれたからにはやるしかないでしょ?」

 

「それに1試合でも多く勝つ為には、エースを温存しないといけない時も必ずあります」

 

「だな……」

 

「ヨミちゃんはきっと凄い投手になる……。大事にしないといけないわ」

 

「そうですね……」

 

確かに瑞希ちゃんもヨミちゃんは凄い投手になるって言ってた……。そこに理沙先輩と、息吹ちゃんもヨミちゃんに負けない投手になるとも……。

 

「それに4番投手って1回はやってみたいしね。その時に私が怜や和奈ちゃんを越えるのよ」

 

「ふふっ。そうはさせるか!」

 

「和奈さんのパワーは相当なものです。生半可にはいきませんよ」

 

「それも承知の上よ」

 

4番投手……その時には理沙先輩もスラッガーとして花開いてそう……。私も負けないように頑張らなきゃ……!

 

「私も……もっともっと自分に出来る事を磨いていかないと」

 

「うん……。私も瑞希ちゃんに置いていかれないようにしないとね」

 

「私も負けんけん!」

 

「うんうん。皆で頑張ろう~っ!」

 

「よ、芳乃ちゃん。声が大きいよ!」

 

そ、そんなに大きな声を出したら……。

 

「……そろそろそこにいる人達に盗み聞きをしている理由を尋ねますか?」

 

『えっ!?』

 

バレてる……。いつから瑞希ちゃんは気付いてたんだろう?

 

「た、退避ーっ!」

 

「ま、待ってよーっ!」

 

こんな騒動も合宿の醍醐味だよね!

原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。

  • 珠姫、息吹、詠深、理沙
  • 珠姫、息吹、稜、菫
  • 珠姫、息吹、希、白菊
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