小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~   作:銅英雄

34 / 60
第33球 そのつもりでいてください

1番 ファースト 中村希

 

2番 セカンド 藤田菫

 

3番 サード 山崎珠姫

 

4番 センター 岡田怜

 

5番 ライト 川原光

 

6番 ショート 川崎稜

 

7番 ピッチャー 藤原理沙

 

8番 レフト 大村白菊

 

9番 キャッチャー 二宮瑞希

 

 

「影森戦のオーダーはこれで行くからね!先発は理沙先輩で、リリーフに息吹ちゃん。場合によっては光先輩にも投げてもらいます!」

 

「先に言っておきますが、影森戦では和奈さんと武田さんは完全休養ですので、そのつもりでいてください」

 

「ええっ!?そんなぁ~!」

 

「あはは……」

 

私は瑞希ちゃんから事前に聞いてたから受け止められるけど、ヨミちゃんは大会初マウンドって事で投げたかったのかな?

 

「なんでなんで!?初戦だよ?大会の初マウンドだよ?先発で投げたいよ~!」

 

「やっぱりこうなると思ったんだよ……。ヨミちゃん、わがまま言わないの」

 

「だって投げたいんだもん……」

 

「影森の野球に対して尻上がりの武田さんは余り相性が良くないと判断しましたので、この試合では投げさせません。その代わり次の試合では完投を目指してもらいますよ。梁幽館や宗陣のような強豪を相手にエースの力は必要ですから」

 

「それにエースは初戦温存したいしな」

 

「強豪を相手にエースの力が必要……?エースは温存……?そうだよねぇ!じゃあ仕方ないかぁ!!」

 

((ナイス瑞希ちゃん、キャプテン……))

 

あっ、丸め込まれた。ヨミちゃんってチョロいかも……。

 

「和奈さんも、次の試合では頭から出しますので、頑張ってください」

 

「うん……」

 

今までの試合は最終回の代打で主に起用されてたけど、次の試合は最初から出られるんだ……。そう考えるとワクワクしてきたよ!

 

(初戦、絶対に勝ちたいなぁ……!)

 

そんな想いを胸に秘めて、私は皆の応援をする。頑張ってね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大事な初戦……。まさか私が先発だなんてね」

 

「緊張に呑まれないよう、焦らず投げていきましょう」

 

「もちろんよ。むしろこの機会は最初で最後かも知れないし、楽しむつもりで投げていくわ!」

 

「頼もしい限りです。後半には例の球を試しますので、スタミナに余裕を持って投げてくださいね」

 

「あれ……ね。瑞希ちゃんからもらった教本を見て、瑞希ちゃんに何度も受けてもらってようやく形になってきたから、早く投げてみたいわ」

 

「セーフティリードをうちがもらってからにしましょうか。それまでは速球中心でいきます」

 

『プレイボール!』

 

影森の先頭打者は山池さん。初球打ちが多い影森の打者の中で1、2を争う打率の持ち主ですね。

 

(ではいつも通りに、私のリードをしていきましょう)

 

山崎さんのリードが常に王道なら、私のリードは8割が邪道。これまでの試合でもそれを実践してきました。武田さんも、息吹さんも、藤原先輩も、川原先輩も、そんな私のリードに対して不満を持つ事なく投げてくれました。

 

(邪道の中でも最善を尽くすリード……。私は常にそれを心掛けています)

 

……という訳で、まずはこのコースにお願いします。

 

(藤原先輩に指示したのは高めのボール球。これまでのデータから推測するに、私の予想が正しければ……)

 

 

カンッ!

 

 

やはり初球から打ってきましたか。こうなるともう少しコースを外してみても良さそうですね。

 

「あっ!?」

 

「あ~!お嬢~!!」

 

大村さんが落としましたか。練習ではこの程度のフライは難なく処理出来ていた筈……。大村さんも緊張している訳ですね。

 

「…………」

 

2番の小橋さんがいつの間にか打席に入っていました。このテキパキとした動きは見習いたいものがありますね。

 

(リードは小さい……。盗塁はなさそうですね。既にバントの構えをしていますし、ここは素直にアウトをもらっておきましょう)

 

藤原先輩が振りかぶった瞬間……。

 

「走った!」

 

「バスターエンドラン!?」

 

「………!」

 

 

ズバンッ!

 

 

「!?」

 

『ボール!』

 

(……なんて、そちらの戦術に付き合う程私はお人好しではありませんよ)

 

『アウト!』

 

(凄い。向こうのバスターエンドランを的確に読んで、二塁でアウトを取った……。私だったらストライクを投げさせられてたかも)

 

(山池さんのリードが小さいのが幸いしましたね。私の肩でもなんとか刺す事が出来ました)

 

さて、今のアウトで影森の選手達がどう動くか見物ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、今の瑞希ちゃんのプレーは上手かったね……。下手したら得点圏にランナーが進んでたよ」

 

「でもなんであんなに上手く、綺麗に出来たんだろ?データがあるとは言え、あそこまで完璧なプレーは普通出来ないよ」

 

「……瑞希ちゃんは常に2手、3手先を読んでプレーしてるって言ってたから、今のもそのお陰かも」

 

「成程。二宮さんの広過ぎる視野で相手のどんな予想外のプレーをも、予想通りに済ませてしまう訳ですか……」

 

「はい。少なくとも小学校の頃は常にそうしていたみたいです」

 

「……彼女が味方で良かったですね」

 

「はい……」

 

(瑞希ちゃんの視野の広さ、相手との駆け引きに難なく勝てる思考、そして先々を見据える目……。この3つを全部持ってる人はプロの選手でも見た事ない。多分瑞希ちゃんだけ……唯一無二の捕手としての技術。もしも瑞希ちゃんが敵に回ってたとしたら……想像したくないよ……)

 

瑞希ちゃんを敵に回すと、滅茶苦茶ヤバいって事がわかると思うんだよね。もしかしたら影森は1点も取れずに試合が終わるかも……。

原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。

  • 珠姫、息吹、詠深、理沙
  • 珠姫、息吹、稜、菫
  • 珠姫、息吹、希、白菊
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。