小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~   作:銅英雄

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第34球 最短の試合となって良かったですね

カンッ!

 

 

「ショート!」

 

「オーライ!」

 

3番の三角さんをショートゴロに抑える。やはり多少のボール球なら、ガンガン振ってきますね。それなら次の回はもう少し外してみましょうか。

 

(その前に2回表がくれば……ですけどね)

 

「さて……。こちらの攻撃ですが、作戦は如何致しますか?」

 

「朱里さんとの練習のお陰でタイミングもバッチリだと思いますし……初回コールドを狙うつもりでいきましょう」

 

「しょ、初回コールド!?」

 

「影森の平均試合時間から察するに、早く終わらせて帰りたい……と思っている可能性があります。それならこの回で7点取って試合を終わらせてあげましょう。そうすれば向こうの望む『短時間ゲーム』になってきます」

 

「み、瑞希って無表情で恐ろしい事を言うわよね……」

 

「そうですか?」

 

「自覚なし!?」

 

私が可笑しな事を言っているみたいに言われても……。向こうは早く試合を終わらせたい、私達は試合に勝ちたい……。利害が一致してるじゃないですか。こちらはある意味向こうのペースに乗っているんですよ?

 

「……まぁ打つ方は皆さんにお任せします。中山さんの球数を稼がせるも良し、打てる時に打つのも良しのつもりで、サインも必要な時以外は出さなくてもいけると思ってますので」

 

「と、という事で、まずは出塁からだよ!」

 

中村さんが左打席へ。

 

(練習の成果を見せる……。初球打ち!)

 

 

カンッ!

 

 

中村さんは初球から打っていき、その打球はセンター前に。影森の堅い守備を上手く越えましたね。

 

「続いて行こ~!」

 

「藤田さんにはバントをさせますか?」

 

「先程も言ったように、コールド勝ちを狙えるなら、狙っていく所存です。打てる時は打っていきましょう」

 

「わかったわ」

 

普段は送らせている藤田さんですが、タイミングがわかればわざわざアウトカウントをプレゼントする必要もないでしょう。ここはエンドランです

 

 

カンッ!

 

 

(また初球打ち!?)

 

(早めに打ってくれるのは良いけど、タイミングが完璧に合わせられてる……!)

 

これもヒットですね。ノーアウト一塁・三塁のチャンスです。

 

「先制点のチャンスだよ!」

 

「内野外野共に前進守備……。頭を越せば2点取れそうですね」

 

「影森の守備をそう何度も越えられる訳じゃないけど、ここで点が取れれば勢いはうちに来そうだね」

 

「タマちゃんガンバ!」

 

「よーし……!」

 

山崎さんの打撃力なら先制点は期待が出来そうですね。

 

 

カンッ!

 

 

(また!?)

 

前進守備の外野を越えて、長打コース。山崎さんは一気に三塁まで辿り着きました。

 

「先制~!」

 

「ないばっち~!」

 

「中村さんや藤田さんもそうですが、上手くタイミングを合わせられています」

 

「それに向こうの守備位置や、動きも瑞希ちゃんの言う通りに事が進んでるよ!」

 

「芳乃ちゃんと瑞希ちゃんの戦術が組み合わされば、まさに鬼に金棒やね!」

 

私はあくまでも案を出しただけに過ぎませんけどね。皆さんの実力が伴っているからだと思っています。

 

「まだまだチャンスだよ~!」

 

 

カンッ!

 

 

主将も初球から捉えて3点目……。

 

更に川原先輩が二塁打を放ち、ノーアウト二塁・三塁、川崎さんが犠牲フライを打って、1点追加のワンアウト三塁。まだまだいけそうですね。

 

 

カンッ!

 

 

「また打ったぞ!」

 

「凄い凄い!これで5点目だね!!」

 

「でも早川さんとの練習がなかったら、あのクイックモーションに苦戦してたかもね……。本当に練習してて良かったよ」

 

「今では全員が中山さんのクイックモーションに対して、完璧にタイミングを合わせられますからね」

 

朱里さん様々ですね。

 

「…………!」

 

「わわっ!影森の中山さんがこっちを睨んでる気がするよ」

 

「思い通りに抑えられないのが嫌なのかもね……」

 

「瑞希が鬼みたいな提案をするからじゃないのか?」

 

「私も予想以上に打線が奮っているのに、多少驚いているくらいですからね。向こうはそれ以上の苛立ちを感じているでしょう」

 

「次は白菊ちゃんの番だね!」

 

大村さん程のパワーの持ち主なら、もしかしたら本当にコールド勝ちを決める一打を放ちそうですね。

 

「早川さんとの練習のお陰で、理論は完璧です!」

 

「理論……?」

 

「大村さんが用いる剣道の理論……これは本当に決まったかも知れませんね」

 

初回コールドが……。

 

 

カキーン!!

 

 

「大きい!」

 

「入ったんじゃ……?」

 

「え……本当に!?」

 

大村さんの打球はスタンドに入り、7点目。つまり……。

 

『ゲームセット!!』

 

「ま、まさか本当に初回コールドなの!?」

 

「そのようですね」

 

私としては藤原先輩に例の球を投げさせる機会と、息吹さんのリリーフ予定がなくなって、若干不満ですが……。

 

(まぁ何にせよ勝ちは勝ち……。ありがたくもらっておきましょう)

 

影森にとっても最短の試合となって良かったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まさかこれ程の打撃力を持つチームだとは……」

 

「念の為に観に来ていて正解だったな。新越谷高校……。一切の油断が出来なくなった」




瑞希「今回の話に対して2つ注釈しておきます」

和奈「注釈?」

瑞希「作者は決して影森高校が嫌いな訳ではないという事と、早く梁幽館との試合を書きたかった……との事です」

和奈「ま、まさか1回でゲームが終わるなんて予想つかないもんね……」

瑞希「あとこの小説においてはイニング関係なしに7点コールドだという事も伝えておきます」

原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。

  • 珠姫、息吹、詠深、理沙
  • 珠姫、息吹、稜、菫
  • 珠姫、息吹、希、白菊
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