小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~ 作:銅英雄
ベスト16ともなると、強い相手しか残っていませんね。今日の試合はベスト8を決める戦い。相手は打のチーム……熊谷実業ですが……。
カキーン!!
「せ、先制ツーラン……」
「久保田さんも中田さんと同様にエースで4番なんだよね?」
「そうですね。久保田さんの勢いある投打でチームメイトがその勢いに乗っかり、大量点を獲得……これが熊谷実業の野球です」
今日の試合は打ち合いが予測されるので、私達新越谷のオーダーは……。
1番 レフト 中村希
2番 セカンド 藤田菫
3番 センター 岡田怜
4番 ファースト 清本和奈
5番 サード 藤原理沙
6番 ショート 川崎稜
7番 キャッチャー 山崎珠姫
8番 ライト 大村白菊
9番 ピッチャー 川原光
……とこのように、こちらも打力の高さを最大限にしたスタメンとなっています。打順の方は一考の余地ありですね。
「み、見ての通り強打のチームだよ!」
「梁幽館とは違って小技がなく、スイングに全振りしているようなチームです。好球必打をモットーとしている分、ある意味では私達にとってキツい相手となっているでしょう」
「それに守りの方はそこまでだし、私達でもきっと突破口は見えるよ!」
「インファイトになりそうね……」
「光、行けそうか?」
「うん……。なんとか踏ん張ってみる!」
川原先輩のやる気も再確認する事が出来た訳ですし……。
「まずは同点にしましょうか」
「うんうん!という訳で、和奈ちゃんにチャンスの場面で回るように、出塁重視でお願いね!」
『おおっ!!』
私は私で次の対戦相手に備えて、色々と策を考えておきましょう。この試合で小細工は必要なさそうですし。
イニングは進んで5回。6対4で私達がリードしています。しかし……
「しかし初回に点取ってからは全然打てなくなったな……」
「和奈ちゃんも2打席目は四球だったしね……」
初回に点を取ってからは久保田さんが立ち直り、チャンスこそは作れているけど、後続が得点には至らない……を繰り返しています。向こうもフェンス直撃の当たりを繰り返しては、川原先輩が要所で抑える……という展開が続いています。向こうに釣られて、こちらも守りがあってないようなものですね。
「で、でもこの回は和奈に回ってくるし、私達で和奈の前でチャンスを作るぞ!」
『おおっ!!』
今の主将の発言からわかるように和奈さんは敬遠で歩かされた訳ではなく、久保田さんの制球が定まらないのを見越して、四球狙いで後続のチャンスを作っています。
『アウト!』
先頭の中村さんがセカンドライナーに倒れてワンアウト。2番の藤田さんは粘ってからの四球、主将は送りバントで藤田さんを二塁に進めます。これでツーアウト二塁。
「頼んだぞ和奈!」
「は、はい!」
主将の激励を受けて、右打席に立ちます。
(清本か……。1打席目のホームランは効いたぞ。間違いなく新越谷で1番パワーのある打者……よって中田の代わりとして、貴様に私の全力を注ぐ!!)
ズバンッ!
『ストライク!』
「は、速い……」
「更にギアを上げてきましたね」
(しかしこの局面で投げてきた……という事は恐らく多投は出来ない筈……。フルパワーで和奈さんを抑えて、勢いに乗るつもりですかね)
しかし和奈さんならきっと打ってくれるでしょう。
カキーン!!
『ファール!』
(久保田さんが初球に投げた球……あれは1打席目に打った時よりも速かった。まだ速くなるんだってワクワクした……。久保田さんの最高のストレートを……打ちたい!)
カキーン!!
『ファール!』
(今のファール……こいつ、誘ってるな?)
(もっと速いストレートを……見たい……!)
(……良いだろう。これは多投出来ない。ここで投げてやろう。前に飛ばすか、空振りしろ!)
久保田さんが追い込んでからの4球目、初球に投げた球よりも勢いがある球。和奈さんはそれに対して……。
(来た……!)
カキーン!!
今までで1番の大振りで、楽しそうに、ボールを打ち、その打球は電光掲示板に直撃しました。これで8対4ですね。
(……良い打球だった)
後続の打者に対して久保田さんが抑えて、追加点には至りませんでした。
「まだ試合は終わってない……。必ず逆転するぞ!」
『おおっ!!』
流石にまだ熊谷実業の勢いは死んでいませんね。川原先輩も最後まで大変そうです。
『ゲームセット!!』
9対4で熊谷実業との打ち合いを制しました。もしも和奈さんがいなかったら、新越谷がどれだけ点を取れていたか……考えるのも恐ろしいですね。
原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。
-
珠姫、息吹、詠深、理沙
-
珠姫、息吹、稜、菫
-
珠姫、息吹、希、白菊