小さな捕手と小さな強打者 ~最強のスラッガーを目指して! 外伝~   作:銅英雄

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第57球 まるでドリルの如しですね

熊谷実業との試合を終えた私達はベンチで一休み。

 

「つ、ついにベスト8よ……」

 

「私達の出身中学の最高をいきなり越えてしまったな……」

 

「監督がインタビューを受けられてます!」

 

新越谷の怒涛の快進撃を見せている影響か、藤井先生がインタビューを受けています。

 

「光先輩、完投出来ましたね!」

 

「うん。なんとか投げられて良かった……」

 

「川原先輩が新越谷唯一の左腕なのが思ったよりも打たれなかった理由ですね。ここまで隠しておいたのが好を奏したと言いますか……」

 

それでも打撃方面に対しての対応がかなり早かったのは、流石といったところでしょう。

 

「さて!中1日で準々決勝です!明日は軽めのノックと、打撃練習だけにしましょう」

 

「今日は?」

 

「う~ん……。今日は暑いし、休もっか!」

 

『休み?』

 

「ですがこのまま解散するのももったいないので、試合観戦といきましょうか」

 

「そうだね。私達の次の相手になる……柳大川越と、大宮大附設の試合がやってるし、それを観ていこう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

「あっ、朝倉さんだ!」

 

「あ、相変わらず速いわね……」

 

「4イニング投げて、2失点ですね」

 

「朝倉さんでも2点取られてるのか……」

 

「四球の後に、4番がツーランを打ったみたいね」

 

「あのストレートを打ったのかよ……」

 

「大宮大も強いわ……。流石、Cシードといったところね」

 

Cシードの大宮大附設と、Dシードの柳大川越……。中々ハイレベルな試合をしていますね。4回表終了時点で、2対2の同点です。

 

「ど、どっちが勝った方が都合が良いかしら?」

 

「柳大に決まっとーやんね!」

 

「き、決まってるんだ……」

 

中村さん的には柳大川越に、朝倉さんにリベンジがしたいからでしょうか?

 

「まぁうちとしては大宮大の方がやりやすいかな?」

 

「そうですね。今の武田さんなら大量失点する事もないと思いますし、向こうに隠し球でもいない限りは何点かは取れるでしょう」

 

「そうやね!私も大宮大が良いと思う!」

 

「す、凄い掌返し……」

 

「まるでドリルの如しですね」

 

中村さんは一旦、置いておいて……。

 

「柳大川越はやっぱり朝倉さんの攻略が難しいな。速球派……久保田さん相手にもまともな安打は和奈を除けば2、3本だったし」

 

「でもバットには普通に当てられましたよ。速球打ちの練習はしてきましたし、次もチャンスは作れると思います」

 

 

ズバンッ!

 

 

『ボール!フォアボール!!』

 

「四球を出したところで、投手交代か……」

 

「大野さんですね!」

 

「朝倉さんは3回戦でも4回で降りているよ」

 

「スタミナに不安があるのかしら?」

 

「いや、接戦では大野さんの方が信頼されていると思われるよ」

 

「投球回も2回戦では5イニング、3回戦では3イニング、4回戦では4イニングと3試合で11イニング投げています。この試合でも最低2イニングは投げるでしょう」

 

「背番号1番実力って事か……」

 

「ノーアウト一塁で、1打席目にホームランを打った牧田さん。彼女は引っ張り方向の打球が多いプルヒッターですね」

 

「プルヒッターってなに?」

 

「引っ張りを意識して打っている打者ですね。スラッガーのタイプとして多いのが特徴です。うちで言うなら、藤原先輩がそれに近いでしょう」

 

「へー……」

 

「外野は長打警戒、内野はややこしいレフト寄りのゲッツーシフト……」

 

「これは柳大川越がやっている例のシフトですね」

 

「皆!守備の動きをよく見ててね!」

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「内角高めを空振り!」

 

「初球は守備位置に動きなしです」

 

「2球目で三遊間を詰めた!」

 

(という事は……!)

 

 

カンッ!

 

 

「打球は三遊間抜けそう!?」

 

「いや、ショートが追い付いた!」

 

「凄いドンピシャ……」

 

「厳しいストレートに手を出した打ち気満々の打者に対して、甘いコースから内に食い込む高速スライダー。打たせて取りたい時によく使う配球だよ」

 

「大野さんの球種は打たせて取るタイプの変化球が多く、柳大川越の守備連携もそれに向いたものに仕上がっています」

 

あの洗練された動き……あれは相当練習しなければ出来ないプレーですね。

 

「でもシフトで球種がわかるくね?」

 

「シフトが動くのは投球モーションに入ってからだから、厳しいかもね」

 

「わかったとしても、今のコースをとっさの判断でヒットにするのは難しいわ。まして逆を突いて流すなんて無理」

 

(尤も出来そうな子が複数いるけど……)

 

「練習試合でも守備位置の良さは感じたからな……」

 

「今回は私達の打撃傾向も分析されているし、精度も高そうね」

 

「でも和奈ちゃん、瑞希ちゃん、光先輩を出していけば、ある程度抑制する事が出来るかも知れませんね。3人……特に瑞希ちゃんと光先輩はデータが少なめですし」

 

「…………」

 

「……瑞希ちゃん?」

 

『ゲームセット!』

 

「決まったな」

 

「私達の次の相手は……」

 

「柳大……川越……!」

 

柳大川越が勝ちましたか……。これは丁度良いですね。

 

「……予め対柳大川越のスタメンを芳乃さんと相談しながら作成しました」

 

「えっ?早くない……?」

 

「先に備えてオーダーを組み、そのオーダーに合わせて試合までに出来る限りの練習を積む……。これも芳乃さんと相談しました」

 

「瑞希ちゃん、本当にやるんだね……?」

 

「もちろんです」

 

「これが……柳大川越戦のオーダーだよ。明日はこのオーダーで守備練習、朝倉さんや、柳大川越の守備連携の対策をするよ!」

 

芳乃さんが発表したオーダーを見せると……。

 

『ええっ!?』

 

全員が声を大きくして驚いていました。

原作よりも数人が大幅パワーアップ!?そのメンバーは……。

  • 珠姫、息吹、詠深、理沙
  • 珠姫、息吹、稜、菫
  • 珠姫、息吹、希、白菊
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