翌週、達也は四葉家に呼び出されていた。
「真夜お姉様!お久しぶりです!」
そう言って達也は真夜にかけよると、真夜に抱きつく。
「達也さん、お久しぶりね。…今日はあなたにある手術を受けてもらうわ」
「はい!お母様から聞いてます!」
「そう。でもね、貴方が嫌だと思うのなら、この手術はしません。どうしますか?」
「いいえ、僕は受けます!」
「貴方が貴方でなくなるかもしれないのですよ⁉︎」
「はい!」
「どうして!何故そこまでするの⁈」
達也の迷いない返事に真夜は憤り叫ぶ。
「僕は、真夜お姉様の役に立ちたいから…ちゃんと魔法師になってお姉様のお側に立ちたいから!」
「…達也さん…こんな私に…こんな私のために」
「はい!だって、僕は貴女のことが大好きだから!」
達也の言葉に真夜は涙を流し、達也は手術室に連れて行かれ手術が施されたのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ー10年後ー
「どうしてお兄様が補欠なのですか⁈入試の成績はトップだったじゃありませんか!」
桜散るよく晴れた朝。第一魔法科高校の講堂前ではある女子生徒と叫びが轟く。幸い朝早いため聞いている人は女子生徒が話している男子生徒だけだ。
「そんなこと言ったって仕方ないだろ?俺は実技がダメダメだって深雪も知ってるじゃないか」
「そんな覇気のないことでどうしますか!勉学も体術もお兄様に勝てる者などいないと言うのに!魔法だって本当なら」
「深雪!」
「っ‼︎申し訳ありません」
「なに、かまわん。それとお前が答辞を辞退しようが俺が選ばれることは無い。深雪も分かっているだろう?」
「それは…」
「それに俺は楽しみにしてるんだ。自慢のお前の晴れ姿を、このダメ兄貴にみせてくれよ」
「お兄様はダメ兄貴なんかじゃありません!……ですが、分かりました。では、行って参ります」
そう言って講堂に消えて行く、妹に、ああ、と返事をしてやれやれと達也は溜息をついた。
(さてと、俺はこれからどうするか…)
そう思いながらあたりをぶらぶらしていると、ベンチをみつけ座り込む。
「さてと、読書でもしますか」
入学式まであと30分
「新入生のかたですね?会場のじかんですよ?」
そう声をかけられ意識を現実に戻す。
「そうですか、教えていただきありがとうございます」
「スクリーン型ですか」
声をかけて来た。上級生は達也の端末をみながらそうつぶやく。
「読書にあっているので」
「動画ではなく、読書ですか。私も映像より書籍が好きな方だから、なんだか嬉しいわね」
上級生の女の子はかなり人懐っこく、言葉遣いが段々砕けてきていた。
「あっ、申し遅れました。私は本校の生徒会長を務めています、七草真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくね」
最後にウィンクが添えられた不思議な口調だった。美少女なルックス、小柄ながらも均整のとれたプロポーションと相まって、蠱惑的な雰囲気を醸し出していた。
(ナンバーズ……しかも七草か)
「俺…自分は、司波達也です」
「貴方があの司波達也君?」
真由美は目を見開く。
「貴方の筆記は素晴らしかった。と先生がたがおっしゃっていらっしゃったわ。すごいのね」
「いえ、あくまで筆記ですから」
「いえいえ、十分凄いわよ。少なくとも私にはそんな点数とれないもの。」
「そうですか、貴女のようなお美しい方にそこまで褒めていただけるとは、ありがとうございます」ニコッ
ドキッ!
「そ、そんな、美しいなんて」
真由美は達也の微笑んだ顔に魅了され、どもってしまう。
「では、そろそろ時間ですので」
それを達也は内心でニヤニヤしながら講堂へ行ってしまうのだった。