インフィニット・ストラトス Reconstruction   作:kue

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第五話  つながる

「ようやくですか」

クラス代表別対抗トーナメントが始まる前日のお昼頃、山田先生に呼び出され、

何事かと思いながらも箒、そして何故かセシリアと一緒に、

第三アリーナに向かうとそこには山田先生と千冬姉、そしてやけに大きな黒い箱があった。

別の箱の中身を見なくてもその中に入っている者が俺の専用機であることは分かった。

「ふん。これでようやく、あなたを手加減なしで捻り潰せますわ」

「話はそこまでにしろ。織斑、初期化と最適化処理をオルコットとやれ」

「了解。じゃ、頼めるか?」

彼女は返答の代わりに自らの専用機であるIS・ブルーティアーズを展開し、

地面から少し浮いた状態で俺のことを見てきた。

それを見て、俺も何も言わずに箒に上着やらなんやらを預け、

俺の専用機に身を任せ、装備していく。

「ところでこいつの名前は」

「白式。そう呼ぶらしい」

装着が終わり、俺の目の前に膨大な数のデータ処理の画面が現れ、

凄まじい速度で数字が増加したり、新しい画面が現れては消えていく。

その凄まじい数字の出現や消滅をじっと見ているせいか目が急に疲れてくるし、

若干の吐き気も出てきたような気がする。

そんな状態になりながらもなんとか我慢を続け、初期化が終了し、

今度は俺の専用機となるための最適化処理が始まった。

「どうやら最適化処理が始まったみたいですわね」

「あぁ……セシリア?」

「あぁ、お気になさらず。いつものように避けていただければいいですわ!」

セシリアが引き金を引いた瞬間に俺はその場から飛びのいてなんとか放たれたレーザーを避けるが、

さらに次々と青色のレーザーが俺に向かって放たれてくる。

「何すんだよセシリア!」

「最適化処理とは貴方に合わせるための処理ですわ! 

動かないでどうするというのですか!」

なるほど。確かに俺に合わせての最適化を行うのに俺が立ち止まった状態じゃ、

白式もデータをうまく合わせることができないってわけか。

セシリアの言ったことに納得し、俺は武装一覧を出してみていくが剣一本しかなかった。

打鉄でさえ、数種類の武装があったんだがな……まぁ、いいか!

俺はその手に剣を呼び出して両手で握りしめ、放たれてくるレーザーを剣で叩き落とし、

セシリアに向かって突っ込んでいくがあちらもその場から離れながら射撃を行っていく。

……分かる。打鉄なんかと比べ物にならないくらいに動きやすい!

「っっ!」

セシリアが俺に向かって放ってきたレーザーを剣で反らしつつも突っ込んでいき、

剣を振り下ろすが若干、かすっただけで致命傷は与えられなかった。

「なるほど。打鉄ごときでは貴方に対応しきれなかったと……益々、

腹立たしいですわ! ティアーズ!」

セシリアの叫びに呼応して彼女の背中から四つのビットが解き放たれ、

俺めがけて一斉にレーザーを放ってくるが俺はそれらすべてを剣で叩き落としていく。

すげえ! これが俺の専用機の力なのか!

『Complete』

その単語が出てきた瞬間、全身を何かが駆け巡ったような衝撃を感じ、

その直後に新たな画面が現れ、剣に光が走った。

『ワンオフアビリティー・零落白夜』

「なっ! エネルギーが消滅!?」

その単語を確認した直後、向かってきたレーザーを剣で叩き落とすと、

今迄のように地面へ向かうのではなく消失した。

「そ、そんな! この力は織斑先生の!」

「うえあぁぁぁぁぁぁ……あ?」

「へ?」

セシリアが驚きのあまり硬直しているすきに瞬時加速を発動させ、

最高速度で彼女めがけて突っ込んでいき、剣を振り下ろそうとした瞬間、

剣に走っていた光が消失すると同時に目の前にあった画面が消え去り、

0という数字だけが表示された。

…………空っぽになっちゃった。

『とにかく降りて来い。馬鹿介』

千冬姉のご立腹の様子が分かる声を聞きながら、ゆっくりと降りて行き地面に足がついた瞬間、

装甲が光となって霧散すると俺の手首に集まって行き、白いガントレットとなって手首に装着された。

待機形態―――――専用機をもっている奴ならだれでも行っているもので、

専用機をアクセサリーなどに変えて待機状態にすることでセシリアなんかはイヤリングになっている。

「調子に乗ってワンオフアビリティーと瞬時加速を同時発動しおって」

「や、やはりあれは……ですが第一形態で発動だなんて」

そう。セシリアが驚くのが普通なんだ。

ISにおいて特殊能力――――ワンオフ・アビリティーというものが稀に発現することがあるが、

それは多くが第二形態移行をしてから発現するのが大半であり、第一形態の時点であるものはない。

「お前は常識を潰すのが大好きらしいな」

「ハハハハ……すみません」

「謝れとは言っていない……まぁ、良い。この調子でトーナメント初戦敗退なんてことはないようにな。

そろそろ授業が始まるから私は行くが五分までの遅刻なら許してやる」

そう言って山田先生と千冬姉はアリーナから出て行った。

「ぬぬぬぬ! 貴方はどこまで私を」

「あ、あのセシリアさん?」

俺の隣でセシリアが髪をユラユラと揺らしながら鬼のような眼で俺を睨みつけてくる。

「貴方がさっき、発現させた能力はすべてのエネルギーを消失させるもの。

エネルギー兵器がメインの私のISでは相性は最悪ですわ」

「ふふん! これが一夏なのだ」

「いや、お前が胸を張るな」

「ま、まだ私には切り札がありましてよ」

そう言いながら、セシリアもアリーナから出て行った。

「じゃあ、俺たちも帰るか」

「う、うむ」

箒とともに俺たちもアリーナから出て俺専用の更衣室に入ろうとするが、

何故か箒も一緒に更衣室に入ってきてしまった。

……そんなに顔を真っ赤にするくらいなら入らないくてもいいのに。

「あ、あの箒さん?」

「い、一夏。せ、背中を拭いてやろう」

「……おう。頼むわ」

ISスーツを上半身だけはだけさせて箒に背中を向けるとタオルが当てられ、

やさしくゆっくりと上下にタオルが動き始めた。

なんというか……昔もこうやって雨の日に濡れたら拭いたりっ!?

背中に何やら柔らかいものが二つあてられたかと思えば首元に両手が回ってきた。

こんなことをする人なんてこの場所で考えられるのは……。

「ほ、箒?」

「はぁ……一夏」

耳元で聞こえてくるのは興奮したような激しい息遣い、

そして背中にあてられた胸からは鼓動らしきものも感じることができる。

い、いや俺としては嬉しいの一択なんだが……。

「もう我慢が……できないのだ」

「ちょっ、箒」

箒に首筋を軽くなめられ、一瞬の快感が全身に響き渡った。

そして無理やり前を向かされたと思えば箒の顔が迫ってきて避ける間もなく、

箒の唇が俺の唇に覆いかぶさった。

退かそうにも退く気配が一向に見えないので俺は諦めて箒を軽く抱きしめ、

俺もキスに参加することにした。

「んん……んん」

口が離れたかと思えば今度は俺のほうから箒にキスをしてやるとギュッと俺を抱きしめる力を強めた。

やっぱり……何年経っても俺の気持ちは変わらなかったってわけか。

小学校の時に引っ越してからIS学園で再会するまで五年以上もの歳月が流れたわけだが、

俺がずっと抱いていた……箒が好きな気持ちはずっと変わらなかったんだ。

「……一夏」

「……箒……ここまでな。明日、終わってからまた」

「……愛してる。ずっとずっと……引っ越してからもずっと変わらないんだ」

「あぁ……俺もだ。おまえが引っ越してからもずっと」

そう言い、俺たちはもう一度をキスをした。




まさかの急展開ですが一応、複線……とは言えないようなものを、
やっておいたので展会上はありな展開……やはり、
ISはもう書かない。うん。
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