トレセン学園の教師でウマ娘?   作:とあるP

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episode3 凪先生の真夜中のトレーニング

その日の夜。学園のターフが照明で照らされている中キングヘイローとセイウンスカイが居た。2人ともジャージ姿で蹄鉄を履いており、凪の到着を待っていた。

 

「それにしても、遅いですわね…」

 

「まぁまぁ気長に待とうよ。怒ると小皺が増えるよ。キング」

 

「小皺は余計ですわ!」

 

そう言って、2人で言い争っているとジャージ姿で現れた凪が出てきた。その足には、ウマ娘がレース等で履く用の蹄鉄が付けられていた。その他にも…

 

「お待たせしました」

 

「せ、先生!その格好は…」

 

「ほぉ~セイちゃん、これは初めて見たよ」

 

そう、凪のお尻には彼女達同様尻尾(・・)が生えているのであった。耳は普通の人の耳であったが、それ以外はウマ娘同様の体付きになっていた。

 

「どうして、そんな格好になっているのですか?」

 

「僕の祖母がウマ娘でしてね。その祖母から血を濃く受け継いだ形で、ウマ娘になれたんですよ」

 

「失礼ですが、お婆様のお名前を伺ってもいいですか?」

 

「えっと…確か『ハイセイコー』だった気がします」

 

「ええ!あの伝説のウマ娘ですってー!」

 

『ハイセイコー』彼女の名前を知らないウマ娘はいないくらいの、伝説のウマ娘である。地方出身の彼女は伝説級の強さを持っていた。最終戦績22戦13勝。今でも語り継がれる伝説級の彼女の孫が今目の前にいる。

 

そう思った、キングヘイローとセイウンスカイは身震いがして来た。

 

「けど、祖母は祖母。僕は僕です。さて、時間がありませんので、早めにアップをしましょう」

 

凪達が使えるのは2時間。それを超えると、寮長であるフジキセキから大目玉を喰らってしまうので、早めにする必要があった。そして、アップを済ませた3人は2000mのスタート地点にいた。

 

「今日は中・長距離のレースを想定した走りにしましょう。僕は『追い込み』で、2人の後ろから走ります。2人は得意な脚質で大丈夫ですよ」

 

「へぇ~随分と自信があるんですね」

 

「フン!このキングに勝てるわけありませんわ」

 

そう言って、3人はスタートゲートに収まった。そして、ゲートが開いてスタートした。

 

セイウンスカイが『逃げ』、キングヘイローが『差し』、凪は『追い込み』で走っておりセイウンスカイが快調に飛ばしている。

 

第一コーナーを回って第二コーナーを回り直線に入った。依然セイウンスカイが一人旅している状態だった。

 

(へっへ~今回もキングには悪いけど勝たせて貰うよ~)

 

(セイウンスカイさん…順調に飛ばしていますわね。けど、わたくしも負けませんわ!)

 

(なるほどね…セイウンスカイは『逃げ』、キングヘイローは『差し』だな。それなら仕掛けるのは第三コーナーだな)

 

縦列に並んだ3人は第三コーナーに入った所で、凪が仕掛けた。

 

(良しここだ!)

 

『え!?』

 

凪はここで、一気に前に出た。これにより、動揺した2人は一瞬掛かりスピードが落ちた。そこを凪は見逃さなかった。

 

そこからどんどん差が広がり、1バ身、2バ身と広がって行った。最終コーナーに入る時点で順位は、凪、セイウンスカイ、キングヘイローとなっていた。凪はキングヘイローの末脚を警戒しながら走っていた。

 

(さて、あと200m。ここで、キングヘイローの末脚が来るかな?)

 

(は、速すぎますわ!)

 

(うぁ~先生速すぎー!勝てないよ!)

 

そして、凪が警戒していたキングヘイローの末脚が発動される事無く、凪が1着でゴール板を通過した。

 

「フーっ…今回も上手く行ったな」

 

「ハァ、ハァ…先生速すぎだよ~」

 

「ほ、本当…ですわ…どうして、そんなに…強いのですの?」

 

「僕は、今まであらゆる脚質を研究してきたから何処で勝負をかければいいのかが、分かるからね」

 

「へぇ~因みに、先生は何処で特訓したんですか?」

 

「えっと…主に海外が多かったかな?あとは地方の野良競技場で、レースとかしてかな?」

 

「か、海外経験とかあるのですか!?」

 

「ああ、フランスやイギリス、時にはアメリカまで行ったことがあるな。まぁ~あっち(海外)のウマ娘達も目を見張る物があったな」

 

そんな話しをしている間に、3人とも息が整っていつでも走れる準備になった。そして、2000mのスタート位置に戻ろうとした時、1人のウマ娘から声がかかった。彼女は金髪をなびかせながら、3人の元に走って来た。

 

「ねぇ、その特訓、アタシも混ぜてよ」

 

「君は?」

 

「アタシはゴールドシチー。昼間の先生の動きが気になって付いてきたの」

 

「ゴールドシチーさんだっけ?寮長に許可を取ってきたのかな?」

 

「取ってきてないわ…けど、先生の走りを見て居ても立っても居られなかったのよ!」

 

「…わかったよ。なら、終わったあと寮長のとこにいこうか」

 

「はい」

 

そして、ゴールドシチーを交えた4人でスタートダッシュや中長距離のトレーニングを行った。そして、ゴールドシチーの栗東寮長である、ヒシアマゾンにこっぴどく怒られた。

 

 

次の日。理事長室に呼ばれた凪は少しだけ緊張気味だった。何せ、夜中にもかかわらず3人の生徒達と秘密のトレーニングを行っていたのだ。一応許可を貰っていたから大丈夫だと思っていたが、理事長室に近づくにつれて、胃が痛くなってくる。

 

そして、理事長室に着いた凪は重たいドアを開いた。

 

「失礼します。松原凪来ました」

 

「歓迎!!忙しいところよく来てくれた!先ずは座りたまえ」

 

「そう言って、いるのでどうぞ」

 

「失礼します」

 

たづなさんと理事長から促されて凪は座った。そして、一枚の写真を出された。そこには、ゴールドシチーよりもプラチナブロンドで白・青・赤の軍服姿に身をつつみ。肩から何処かの王様の様なファーをなびかせている。

 

「彼女の名前は『ブロワイエ』。欧州出身の彼女は以前来日した際に、ジャパンカップでスペシャルウィークさんとレースをしました」

 

「それで、そのブロワイエと僕がここに呼ばれた理由がわからないんですけど…」

 

「実は、来週末からブロワイエさんが来日する際に案内役を務めて欲しいんですよ」

 

「…どうしてですか?」

 

「依頼!これは、向こう側からも依頼された内容なのだ!」

 

「ブロワイエさんが?」

 

「うむ!是非とも受けて欲しい!」

 

「私からもお願いします」

 

「…わかりました。それに、古い友人(・・・・)に会うのも楽しみですからね」

 

『古い友人?』

 

そこの言葉の返答を聞く前に、凪は理事長室から出て行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

真夜中のフランス。

 

ブロワイエは自室でトレセン学園来日OKの返事を受けて、一層トレーニングに熱が入った。

 

「久しぶりに会えるな。ナギ…いえ、師匠」

 

 

 

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